ジェイムズ・P・ホーガンのレビュー一覧

  • 仮想空間計画

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    どうしても海外物だと日常シーンが退屈に感じてしまうが、それでもシミュレーションの世界の説明など、SF的な解説になると急激に面白くなるあたりはさすが。
    「仮想空間計画」らしくなってくるのが後半に入ってからというのがちょっと長く感じる原因ではあった。

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    2013年06月06日
  • 時間泥棒

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    ニューヨークの時間が何者かに盗まれている!?という導入部は、おバカSF的でいかにも面白い。そのまま時間泥棒さがしのバカミス(お馬鹿ミステリー)展開かと思いきや、意外にもスマートな解決法。それでも赤方偏移うんぬんは馬鹿馬鹿しすぎる(笑)。爆笑しながら楽しく読みました。
    時間が盗まれる(消えていく)というテーマをファンタジー的に扱うとミヒャエル・エンデの「モモ」になるし、コメディにすると筒井康隆の「急流」になりますね。ホーガンの回答は新しい切り口だと思います。別次元の宇宙生物の設定はアシモフの「神々自身」を思い出させるところもあり。
    「時間泥棒」には時間の流れ方の差による劇的展開は特にないので、ウ

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    2012年09月12日
  • 未来からのホットライン

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    ノーベル物理学賞を受賞しつつも故郷スコットランドで世捨て人のような生活を送るチャールズ・ロス博士は、「60秒過去に6文字のメッセージを送る」時間間通信を可能にするプログラムを開発する。アメリカから駆けつけた数理物理学者の孫・マードックと仲間たちと共に研究を続けるうちに、この研究が持つ大きな意味に気づいていく。一方で、ある事件が世界規模で人類の未来を脅かしつつあり、時間間通信の研究は否応無しに歴史の渦中に飲み込まれていく・・・

    ゼラズニイだのブラッドベリだのを続けて読んでいたので、久しぶりにハードSF読んでものすごく爽快感を味わいましたヽ( ´ー`)ノ
    「タイム・マシンで過去を改変できるか」と

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    2012年08月11日
  • 造物主の選択

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     先進種族のわがままな要求を心理学!でどうにかしちゃおうとするSFコメディ。ボリジャンの個性がもっとあれば、さらに面白くなったと思う。

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    2012年06月17日
  • 揺籃の星 上

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    ここで、こんなところで上巻終わりかーッ

    スタトレTNG第3シーズン最終話見たあとのようにハラハラするよう!!

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    2012年05月15日
  • 未来からのホットライン

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    まずタイトルでどんな話か分かるのが秀逸。まさにその通り、一日だけ過去へメッセージを送ることができる機械を中心に展開される物語です。
    タイムパラドックスの解決方法が面白いのでそういう思考実験が好きな人におすすめ。
    猫が展開上のキーポイントになるのも良いですね。
    あとはいつものホーガンというか、きわめてユートピア的な世界観。最先端の科学技術に対してあくまでポジティブな見方をしているのが特徴です。核によるクリーンなエネルギーが供給され、飢餓問題解決、だけど冷戦は解決していない…など、現代からすると苦笑いなのですが、80年代ならしょうがないね!
    ホーガンの小説には健全な人や健全な要素しか出てこないから

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    2012年04月14日
  • 時間泥棒

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    ニューヨークの各地で時間が遅れていく。
    とある学者は「エイリアンが時間を盗んでいるのだ」と主張するが…?

    短めのお話で、若干突拍子もないオチではあるので、人によっては「え?」と思うかも。
    人物描写が多めで、登場人物が魅力的に思えます。
    個人的には面白いと思いました。

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    2012年02月26日
  • 未来からのホットライン

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    タイトルどおり未来から過去への干渉を描いた時間物。
    過去への干渉を目的としない純粋な(空想)科学的実験の
    繰り返しと、その中で生まれる恋愛ドラマ・・・と思いきや
    一つの絶望的な状況の打破のため
    これまでの素敵な世界を再構築して、無かったことにしてしまう
    道を選んだにもかかわらず、並行で進んでいるもう一つの問題
    悲劇的な世界、二つの致命的な問題を、どう解決するのか、
    という二段(三段?)構えでドキドキワクワクの世界。
    しかし素人・文系には科学的・理系に見える
    小難しそうな理論でかためられた時間跳躍も
    物語を進めるための小道具に思えてしまうのが残念。
    一回目にメロドラマ風からチョッとドライに展開し

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    2012年02月08日
  • 創世記機械

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    さすがホーガン

     先にホーガンの没落を嘆いたが、今回は面目躍如。

     話の筋には大きく影響しない部分だろうが、仮説となる統一場理論の記述が最高にいい。

     科学者が政治家に利用されているふりをしながら戦争の終結策を自身が開発した科学機械で実行するという筋そのものよりもこっちが感動もの。

     主人公たる科学者は統一場理論を基にして新しい理論を展開する。要約すると、人工

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    2011年09月16日
  • 造物主の掟

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    この本が出たのは1983年。ボイジャーが丁度タイタンの撮影を行った時期でもあります。当初から大気があることやメタンの雨が降り注ぐ事で話題を集めていたタイタンの雰囲気が本著にはふんだんに盛り込まれています。

    物語は異星の惑星開発機械がトラブルに見舞われるところから始まり、それが目的地を誤ってタイタンに着陸し、様々な要因を経て知性機械体に進化することで進んでいきます。異星人とのコンタクトや機械と人との関わりを描くSF小説は数あれど、異星人の生み出した機械とのコンタクトを描いた作品というのはSFの中でもかなり異色の部類に入るでしょう。

    機能性の塊であるはずの機会が非効率的な封建社会を構築している

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    2015年04月10日
  • 未来からのホットライン

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     「タイムトラベルもの」と言えるか。
     人や物が時を超えるわけではなく、メッセージが伝えられるだけなのだが、それが過去へ届けば、歴史を変える力は十分にある。
     タイムトラベルものには、扱いに困る矛盾が色々とあるにもかかわらず、元祖「タイムマシン」から多くの作品が描かれているが、そこにはやはり、「もう一度やり直せたら・・・」という人間の願望が表れているのではないか。
     ホーガンらしくちょっととっつきにくい理屈をこねる場面もあるが、「やり直すことでの影響あれこれ」という基本はしっかり描かれており、前半のスローペースからは考えられない急展開も控えている。
     ラストがいいです。

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    2017年08月16日
  • 造物主の掟

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    ずっと本棚の奥で埃を被って眠っていたSF小説を引っ張り出して読む。

    ジェイムズ・P・ホーガン 著 「造物主(ライフメーカー)の掟」
    もう購入してから10年以上も本棚の肥やしとなっていた作品だ。
    毎回半分程度まで読み進むと決まって話の筋が判らなくなってしまって、挫折してしまうのであったが、今回は挫折する間も無く一気に読破してやった。

    話のあらすじは、だいたいこんな感じ。

    「遠い昔、地球外知的生命体によって建造された無人宇宙船が土星の衛星タイタンに着陸した。
    宇宙船には内蔵されたプログラムによって自己増殖し、鉱物資源を採掘・精練して故郷の星へ送り届ける任務を与えられたロボットが搭載されてい

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    2010年03月15日
  • 創世記機械

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    その昔初めて読んだハードSFがこれ。
    途中の物理運動の解釈が難解で、何度も読み返した記憶がある。
    でも、それがあの結末に繋がるのにぶったまげた。

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    2009年11月14日
  • 時間泥棒

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    ネタバレ

    題材としては初期SFに近い空気を感じつつも、題材への切り口はアメリカSF的な空気も持ち合わせている不思議な一冊。すんなり読めるけど、練りこまれた傑作。

    事象の考察への切り込み方はホーガンらしい。印象的だったのが以下の一文。

    「分かりませんね」とコペルスキーは答えた。「そいつはあなたの専門でしょう。ですが、なんでも頭から否定して、スタートする前にブレーキをかけようとするより、まず可能性を認めてその根拠を検討したらどうです? そして、どこに考えが落ち着くかを見てほしいですね」

    この一文のすぐ後にもある通り、帰納的に考えるのではなく演繹的に考えるべきだという事を、ホーガンは星を継ぐものでも書い

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    2015年04月10日
  • 造物主の掟

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    超異世界のお話。
    とはいえ、これが、舞台は土星のタイタン。
    どっか遠い星の自動機械たちが
    いろんな不調を乗り越えた結果
    地球の生態系にあたる進化を繰り広げちゃった。。。という話。
    その説明も空前絶後。
    もう唸るしかないっ!

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    2009年10月04日
  • 創世記機械

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    良いですね。これぞハードSF。
    発表されたのが1978年。舞台は近未来の2005年と言う設定です。
    現実の2005年は、作品に描かれているような、東西対立が激化し世界大戦前夜という状態では無いけれど、また科学技術の進化も随分と違うけれど、それはそれで良いんです。預言書ではないのですから。
    何と言ってもこの作品の魅力は「科学の発展はきっと人類を幸せに変える」という古き善きSFの徹底したオプティミズムの精神で描かれていることです。アシモフ、ハインライン、クラークの世界です。
    そのため「未来はきっと良くなる」そういったポジティブな気持ちになれる、何とも爽やかな読後感です。

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    2016年08月05日
  • 時間泥棒

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     「時間泥棒」と聞いて真っ先に挙げられるのは、やっぱりエンデの『モモ』。ファンタジーという形式を取りながら、現代を的確に風刺した『モモ』を真っ先に思い浮かべてしまうので、本書はちょっと物足りなさも感じてしまう。また、ホーガンらしい緻密な理論構築も、従来に比べて少々甘いような気もする。
     それでも、主人公のコペクスキー初め、モイナハン神父やエーリンガー博士など、魅力的な登場人物の描写は、やはりホーガン、と思わざるを得ない。犯人である「虫」を、トラックに積んだ大量のエサで釣って回る、というコミカルな発想も、ハリウッド的で、エンターテインメントとしてはそこそこおもしろいと思う。

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    2009年10月04日
  • 未来の二つの顔

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    ホーガンの近地球・近未来作品。地球軌道上でAIを実験的にイジメた人間達は? なんで、そんなことしたんねん?

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    2009年10月04日
  • 創世記機械

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    堅苦しい題名ですが中身はちょと現実味があってイイ感じです。
    いつか世界もこうなればイイなぁと思いました。一気に読めますよ。

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    2009年10月07日
  • 仮想空間計画

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    本物のAIを作ろうとしたのにいつの間にかヴァーチャルリアリティ=ヴァーチャルワールドの開発に話がすりかわり、メイン科学者が敵対していた同僚の姦計によって、それまでの記憶を消されてヴァーチャルワールドに閉じ込められた! 装置のスイッチを握ってるのは相手のほう。果たしてメイン科学者・コリガンは無事にその狂ったヴァーチャルワールドから脱出できるのか? 最高にジリジリする……

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    2009年10月04日