ジェイムズ・P・ホーガンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読む人によって評価が分かれるかもしれない。登場人物の置かれる立場(舞台)が、章ごとに飛んでしまうので、そこが読みにくいというか迷子になりそうなところだった。読み進めれば、これも演出の一つなのだと分かると、面白くなっていく。むしろ、舞台がコロコロ変わることによって、SF的リアルさが増す。読者が迷うというのは描写が見事だということに他ならないと感じた。物語の視点が仮想空間にあるのか、現実世界にあるのか気を付けながら読むと、迷わずに楽しめるだろう。でも作者には騙されるのだろうな。まあ騙された方が楽しいので、穿った見方をせずに素直に読めばいいと思う。
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Posted by ブクログ
ある日、ニューヨークの時間がおかしくなり始めた。
全世界でもニューヨークだけ。しかも街の場所によって遅れ方が違う。
しかし太陽は普通に昇り、普通に沈む。世界には何の変化もないため、まさしく「時間がなくなっていく」のである。
ニューヨーク市の刑事であるジョー・コペクスキーは上司から、「エイリアンが我々の時間を盗んでいるのだ。つまりこれは窃盗事件である。犯人逮捕に全力をあげろ」と命令される。
コペクスキーとその部下のディーナが聞き込みに行く宗教家や科学者のとんちんかんぶりをユーモラスに皮肉って描いてある。
そんな中、ニューヨークにあって時間が狂っていないある教会の神父と、コペクスキーは事件解決に -
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ノーベル賞受賞の物理学者チャールズ・ロスは、スコットランドの寒村にたたずむ古城でタイムマシンを開発する。それは、60秒過去の自分に6文字までメッセージを送るプログラムであった。チャールズは自身の孫・マードックらとともにタイムマシンの実験を続けるなかで、「未来から届いたメッセージを60秒経っても送信しない」という選択をする。しかし、60秒前に届いたメッセージは依然手元にあるまま。いったい、これはどういうことか…
本書は、「星を継ぐもの」で有名なハードSFの巨星が描く時間SFです。序盤は、タイムマシンの存在そのものが提起する難題(タイムパラドックスとか)を説明するため、ページの大部分が仮説の検証 -
Posted by ブクログ
物語は過去に情報を送る事ができるタイムマシンを軸に展開されていく。
タイムマシンでの実験を繰り返しながら宇宙の在り方についての推論を進めていく過程は少々難解だったが 作中でのマシンの実験は実に興味深い。
60秒後の未来から送られてきた情報を得て、敢えて彼等は60秒後に何もしないという選択をする。
当然そうすると 送信したのはだれか?という矛盾タイムパラドックスが発生するが、彼等は敢えて問題を棚上げにして様々な実験を繰り返します。
その結果、歴史改変は可能であると知りそれに宇宙はパラレルワールドではないことを突き止めます。
歴史改変が行われた瞬間に、それまでの未来は -
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ニューヨークの時間が何者かに盗まれている!?という導入部は、おバカSF的でいかにも面白い。そのまま時間泥棒さがしのバカミス(お馬鹿ミステリー)展開かと思いきや、意外にもスマートな解決法。それでも赤方偏移うんぬんは馬鹿馬鹿しすぎる(笑)。爆笑しながら楽しく読みました。
時間が盗まれる(消えていく)というテーマをファンタジー的に扱うとミヒャエル・エンデの「モモ」になるし、コメディにすると筒井康隆の「急流」になりますね。ホーガンの回答は新しい切り口だと思います。別次元の宇宙生物の設定はアシモフの「神々自身」を思い出させるところもあり。
「時間泥棒」には時間の流れ方の差による劇的展開は特にないので、ウ -
Posted by ブクログ
ノーベル物理学賞を受賞しつつも故郷スコットランドで世捨て人のような生活を送るチャールズ・ロス博士は、「60秒過去に6文字のメッセージを送る」時間間通信を可能にするプログラムを開発する。アメリカから駆けつけた数理物理学者の孫・マードックと仲間たちと共に研究を続けるうちに、この研究が持つ大きな意味に気づいていく。一方で、ある事件が世界規模で人類の未来を脅かしつつあり、時間間通信の研究は否応無しに歴史の渦中に飲み込まれていく・・・
ゼラズニイだのブラッドベリだのを続けて読んでいたので、久しぶりにハードSF読んでものすごく爽快感を味わいましたヽ( ´ー`)ノ
「タイム・マシンで過去を改変できるか」と -
Posted by ブクログ
まずタイトルでどんな話か分かるのが秀逸。まさにその通り、一日だけ過去へメッセージを送ることができる機械を中心に展開される物語です。
タイムパラドックスの解決方法が面白いのでそういう思考実験が好きな人におすすめ。
猫が展開上のキーポイントになるのも良いですね。
あとはいつものホーガンというか、きわめてユートピア的な世界観。最先端の科学技術に対してあくまでポジティブな見方をしているのが特徴です。核によるクリーンなエネルギーが供給され、飢餓問題解決、だけど冷戦は解決していない…など、現代からすると苦笑いなのですが、80年代ならしょうがないね!
ホーガンの小説には健全な人や健全な要素しか出てこないから