ジェイムズ・P・ホーガンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
タイトルどおり未来から過去への干渉を描いた時間物。
過去への干渉を目的としない純粋な(空想)科学的実験の
繰り返しと、その中で生まれる恋愛ドラマ・・・と思いきや
一つの絶望的な状況の打破のため
これまでの素敵な世界を再構築して、無かったことにしてしまう
道を選んだにもかかわらず、並行で進んでいるもう一つの問題
悲劇的な世界、二つの致命的な問題を、どう解決するのか、
という二段(三段?)構えでドキドキワクワクの世界。
しかし素人・文系には科学的・理系に見える
小難しそうな理論でかためられた時間跳躍も
物語を進めるための小道具に思えてしまうのが残念。
一回目にメロドラマ風からチョッとドライに展開し -
Posted by ブクログ
この本が出たのは1983年。ボイジャーが丁度タイタンの撮影を行った時期でもあります。当初から大気があることやメタンの雨が降り注ぐ事で話題を集めていたタイタンの雰囲気が本著にはふんだんに盛り込まれています。
物語は異星の惑星開発機械がトラブルに見舞われるところから始まり、それが目的地を誤ってタイタンに着陸し、様々な要因を経て知性機械体に進化することで進んでいきます。異星人とのコンタクトや機械と人との関わりを描くSF小説は数あれど、異星人の生み出した機械とのコンタクトを描いた作品というのはSFの中でもかなり異色の部類に入るでしょう。
機能性の塊であるはずの機会が非効率的な封建社会を構築している -
Posted by ブクログ
「タイムトラベルもの」と言えるか。
人や物が時を超えるわけではなく、メッセージが伝えられるだけなのだが、それが過去へ届けば、歴史を変える力は十分にある。
タイムトラベルものには、扱いに困る矛盾が色々とあるにもかかわらず、元祖「タイムマシン」から多くの作品が描かれているが、そこにはやはり、「もう一度やり直せたら・・・」という人間の願望が表れているのではないか。
ホーガンらしくちょっととっつきにくい理屈をこねる場面もあるが、「やり直すことでの影響あれこれ」という基本はしっかり描かれており、前半のスローペースからは考えられない急展開も控えている。
ラストがいいです。 -
Posted by ブクログ
ずっと本棚の奥で埃を被って眠っていたSF小説を引っ張り出して読む。
ジェイムズ・P・ホーガン 著 「造物主(ライフメーカー)の掟」
もう購入してから10年以上も本棚の肥やしとなっていた作品だ。
毎回半分程度まで読み進むと決まって話の筋が判らなくなってしまって、挫折してしまうのであったが、今回は挫折する間も無く一気に読破してやった。
話のあらすじは、だいたいこんな感じ。
「遠い昔、地球外知的生命体によって建造された無人宇宙船が土星の衛星タイタンに着陸した。
宇宙船には内蔵されたプログラムによって自己増殖し、鉱物資源を採掘・精練して故郷の星へ送り届ける任務を与えられたロボットが搭載されてい -
Posted by ブクログ
ネタバレ題材としては初期SFに近い空気を感じつつも、題材への切り口はアメリカSF的な空気も持ち合わせている不思議な一冊。すんなり読めるけど、練りこまれた傑作。
事象の考察への切り込み方はホーガンらしい。印象的だったのが以下の一文。
「分かりませんね」とコペルスキーは答えた。「そいつはあなたの専門でしょう。ですが、なんでも頭から否定して、スタートする前にブレーキをかけようとするより、まず可能性を認めてその根拠を検討したらどうです? そして、どこに考えが落ち着くかを見てほしいですね」
この一文のすぐ後にもある通り、帰納的に考えるのではなく演繹的に考えるべきだという事を、ホーガンは星を継ぐものでも書い -
Posted by ブクログ
良いですね。これぞハードSF。
発表されたのが1978年。舞台は近未来の2005年と言う設定です。
現実の2005年は、作品に描かれているような、東西対立が激化し世界大戦前夜という状態では無いけれど、また科学技術の進化も随分と違うけれど、それはそれで良いんです。預言書ではないのですから。
何と言ってもこの作品の魅力は「科学の発展はきっと人類を幸せに変える」という古き善きSFの徹底したオプティミズムの精神で描かれていることです。アシモフ、ハインライン、クラークの世界です。
そのため「未来はきっと良くなる」そういったポジティブな気持ちになれる、何とも爽やかな読後感です。 -
Posted by ブクログ
「時間泥棒」と聞いて真っ先に挙げられるのは、やっぱりエンデの『モモ』。ファンタジーという形式を取りながら、現代を的確に風刺した『モモ』を真っ先に思い浮かべてしまうので、本書はちょっと物足りなさも感じてしまう。また、ホーガンらしい緻密な理論構築も、従来に比べて少々甘いような気もする。
それでも、主人公のコペクスキー初め、モイナハン神父やエーリンガー博士など、魅力的な登場人物の描写は、やはりホーガン、と思わざるを得ない。犯人である「虫」を、トラックに積んだ大量のエサで釣って回る、というコミカルな発想も、ハリウッド的で、エンターテインメントとしてはそこそこおもしろいと思う。 -