ジェイムズ・P・ホーガンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かった〜!ここにきてミステリー味が強くなった回でもありました。そこがまた面白かった。SFミステリーアクション映画みたいだった。いたるところに伏線があって、最後の最後まで「なるほどー!」と感嘆しました。
前作の『ガニメデの優しい巨人』ではガニメアンに思うところもあったのだけど、今作でガルースたちの地球人への愛というか信頼になんか心打たれたな……。再会のシーンに嬉しくなったし、シャピアロン号で乗り込んでいくシーンで心配になって「死ぬなー!」と心の中でずっと叫んでた。誰も死ぬな頼むから。
あと最初、『軍縮したのに地球内の各国の対立がなくなったわけではない』という作中内の状況を知って「なぁんだ……(´・ω・`)」と思ってたんだが(完全に理想だけど国境とか国家間の対立とか関係なく一蓮托生で宇宙開拓を目指す話が好きなので)、中盤以降のロシアとアメリカの友情に泣けた。ロンドンでのあの会話が、現実にもあると信じたいよね。
↓⚠︎こっからネタバレあり⚠︎↓
それにしてもスヴェレンセンにもっと痛い目見てほしいんだが〜!取り巻きたちも含めて!顔殴ってやれマジで。リンはスヴェレンセンの顔殴っていいほんまに。月面でのペイシーの怒りは当然だし、それ以上にソブロスキンの行動にも泣けた。アンタだってリスク背負ってるのに……友のために……泣かせてくれるぜ……。
科学者じゃないヘレンの弁論シーンもカッコよかったな〜こういうそれぞれの専門分野が活躍しているところも好き。
あとほんまにコールドウェルが個人的にド好みすぎる。いざという時に軍人の顔になるの好きだわ。最初のテューリアンの回りくどいやり方に「前置きは結構」とバシッと言い切ったり、作戦指揮取ったり、「楽に構えてください、私らがすぐ後ろについてるんだから」って言ってきたりとかさ〜〜〜好きになるわこんなん。調査研究が任務だったとはいえ『国連宇宙軍』だしやっぱ軍人で指揮官なんだよなあ。好きな容姿で想像して勝手にメロついてる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレザ理系の科学者たちの議論が面白かった。
自分の信じてきた理論を絶対に揺るがしたくない学者と、もっと柔軟にあらゆる角度からじっくり検討すべきで、早急に結論を出すべきではないとする科学者。単純に謎を解くだけではなく、科学者たちがどうやって真実に近づいていくのか、その過程そのものが物語になっている。
特に面白かったのが、本当にわずかなヒントから科学的に分析して、そこに存在した世界の条件まで逆算していくところ。骨格や筋肉の構造から体重と筋力の比率を調べたり、持ち物の素材の結晶構造から重力の強さを推測したりする。ごく小さな証拠から何千万年前の世界を復元していく科学そのものに感動したし、そんなところまで分かるのかと何度も驚いた。文章にもすごく知性を感じた。人間の科学って本当にすごい。
一方で、かなり学術的な本でもあった。
小説というより、「巨大な科学論文を物語形式で読んでいる」感じに近い。
作中では、
観測事実 → 仮説A → 反証 → 仮説B → 新証拠 → 仮説修正
を何度も繰り返す。科学者がもっともらしい説を唱えても、それが確定事項なのか、その時点での暫定説なのかがだんだん頭の中で混ざってきて、かなり集中力を使った。
たった310ページ程度なのに、ものすごく長い本を読んだような感覚がある。実際、読み終えるまでに、他の同じ分量の本と比べても2倍くらいの時間がかかったかもしれない。
途中までは調査結果や科学的な説明を辛抱強く読む時間が長く、正直かなり推進力は弱かった。そこから、それまでバラバラだった情報が少しずつつながってくると一気に面白くなる。
世界の壮大さだけなら10点をつけたい。最初の謎から、ここまで大きな話になるとは思わなかった。
ただ、その壮大な世界にたどり着くまでに論文のような説明や議論がかなり多く、物語としてぐいぐい読ませるタイプではなかった。そこを含めて総合的には8点。
10段階評価: 8点 -
Posted by ブクログ
面白すぎた〜〜〜!一日で読み終わってしまった!先が気になって1時間のうたた寝と夕飯と風呂以外ずっと読んでた。止まらんかった。現在時刻夜中の3時!
科学的な試行錯誤の面白さは大前提なので感想は割愛するけど、いや〜おもろい。科学だけじゃなくて言語学とかも力を発揮する場面とかテンション上がった!あまねく事象や知識は無駄なものなどなく、全てが繋がっているんだよなあ。
個人的に、視野の狭かったダンチェッカーが地球→ミネルヴァじゃなくてミネルヴァ→地球の方程式の真実に至ったのがなんかよかった。あんだけ絶対的な結論しか信じずに他との生産的な議論を寄せ付けなかったのに…これが成長と変化…!となった。これもコールドウェルが狙って期待してた人間関係の化学反応のひとつだったんだろうな〜と。
あとコールドウェルとハントの関係性にちょこっとブロマンスみを感じてそれもなんかよかった。でもコールドウェルは指揮官だしハントと肩を並べて異星の景色を見ることはできないんだろうな…。
そういや作品内の年月日が2028年〜2030年くらいで、もうすぐじゃん!となんか嬉しかった。作中と同じように国家間の諍いがなくなって軍縮して代わりに宇宙開発に全振りした未来が来てくれたらなあ。現実で月面旅行ができるのはまだまだ先になりそうだね。 -
Posted by ブクログ
日本人が、しかも良い役割で登場している…!ホーガンが日本で人気ということを受けたサービスだろうか、嬉しい!
光の速度を越える高次元を発見した『創世記機械』の後に、ペテンで光の速度を超えた造物主を読むとなんか不思議な気分でした。
最後の20ページくらいで、「俺たち何にもしてないのに、自滅したぞ!!」みたいなホーガンお得意の超納得のテンポ良い伏線回収が爽快でした。まあ大体ザンベンドルフが気づかぬ内に布石を置いているのだがそれにしても毎度見事です。あとボリジャン自身のために用意した未来の便利な体をまさかジニアスが使うことになるとは。そしてちゃんと保持していたのか。掟からの要素をしっかり回収していて見事と満足です。これは掟も読み返さねば…。
さて、個人的な本作の見所ですがボリジャンには煽り散らかすのに(地球人に対しては)シニカルでありつつ素直で悪知恵が働くジニアス(とても賢いです)の活躍シーン。なんか健気です。友達認定とされてるし、一々絵にして示すところがまた可愛い。
そして恒例ザンベンドルフの心霊術師としての本領を発揮するシーン。人々を見事に手玉に取り挙句の果てにAIを騙して結局全て丸く収める勧善懲悪?物語は本当に見ていてスッキリします。
ホーガンの書くシニカルなヒーローという主人公像はとても格好良く、どんな逆境でも折れないので読んでいて安心できてとても好きです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ第3巻にしてさらなる事実の発見、それによるリフレームがもたらされる痛快。
今まで一枚岩か疑うことすらなかった地球人の中での(米ソという既存フレームでない)分断、空間の飛行でなく時間の飛行の概念が導入される。
一方で、第二巻から続く「進化してきた環境が精神構造を規定する」論理は通底。各登場人物の行動を、取り囲む環境や歴史の紐解きにより解釈し、精神構造の位相まで露呈させる。
「星を継ぐ者」の解像度が高まるにつれ、地球人だけが太陽系を母星と捉えているわけではないことが明らかにされる。
同じ場所を故郷と捉える者たち、またそれを支援する別の存在といった構図は実在の歴史を思わせる。
自分たちは生きている間に北極星を地図検索で目的地として打ち込むことはあるのだろうか。 -
Posted by ブクログ
あの『星を継ぐもの』で知られる著者の作品。
『星を継ぐもの』では衝撃的な人類の謎が描かれたと思いますが、この作品でも、そう言う人類の歴史に繋がる超古代宇宙文明の話が出てきます。そしてそこにちょっと、スターウォーズ的な宇宙での人の営みのエッセンスが加わり、人類の未来として(あるいは、忘れ去られてしまっている遠い過去かもしれないけど)身近に感じます。
いやぁ、でもさ、キーランの様な怪しい商売をする人は、いつの時代、いつの惑星でもいるんですねw
中身は、登場人物と時系列的に連続して発生したという事以外には直接的には関係のない二つの話で構成されています。中々面白かったです。