【感想・ネタバレ】未来の二つの顔のレビュー

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Posted by ブクログ

時は2028年。コンピュータと人間の未来を探るべく、宇宙ステーションにて壮大なシミュレーションが開始する。

1979年発表、日本では1983年に翻訳された、ホーガンの代表作のひとつ。2022年の今、これを読んでまず思ったのは、当時作者が未来予測的に描いたコンピュータにまつわるデバイスやインフラなどが、かなりの打率で実用化されているなぁということ。スマホやタブレットっぽい情報端末などは言うに及ばず、ほとんどの書類が電子化されていたり、対戦型ネットゲームがあったり、ドローンが現在のイメージまんまで出てきたり。そんな中で、本作が掲げる人工知能の進化と人間との共存というようなテーマは古典的ではあるけれど、今だからこそ間近に迫っている問題としてリアリティを感じながら読んだ。展開はベタだが、その経過を彩るハードSFとしてのディテールと、ホーガンらしい発想の着地点がありふれたものではなく、本作には40年を超えて今もって古びない感動と示唆がある。シンギュラリティと人間の未来や如何に。

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2022年11月24日

Posted by ブクログ

人工知能は人間に対して安全なのか、最近でもホーキング博士を始めとして危険と唱える識者の方も少なくない。この問題に対して地球とは隔絶された宇宙ステーションの中で実験を試みるのがこの小説です。人間側の執拗な攻撃に対して人工知能が次第に凶暴さを増してきて熾烈な人間vs人工知能の戦いになるところがハラハラドキドキでとても面白い。最終的には和解して人間の良いパートナーになるといったハッピーエンドで終わるところもまた良し。この戦いの最中、人工知能は一億年に相当する進化を遂げたとある。ヒト亜科として区分される動物が現れたのは、600万年前から500万年前とされていますが、人間はまだ進化が足りないのでしょうか?ちなみに人工知能が自己の修理や攻撃に使う様々なドローンが登場し、日本で研究開発されたとあるのが面映いのですが、この小説が発表されたのは1979年、日本の全盛期なのだな。。。

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2017年05月10日

Posted by ブクログ

人工知能研究から、安全性を確認する為に宇宙ステーションでシュミレーションを行うが。人間とA.I.の共存を問うハードSF。

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2009年10月04日

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星野之宣作画の漫画を先に読んでいたせいか、今ひとつ純粋には楽しめなかった。惜しいことをした…。再読するときには是非ともまっさらな気持ちで楽しみたいものだv

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人類と思考形態が異なるAIというものをしっかりと描写してくれた一冊。対立試験が激化していくあたりはストレスがたまる一方だったが、シメはホーガンらしい健康的な科学礼賛でほっとした。AIが影像への理解を深めていくさまが面白かった(一般化の伏線は予想通りだった)が、これも一種の成長小説と呼べるのだろうか。

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2021年03月29日

Posted by ブクログ

今の時代でこそ機械学習はごく普通の話であるけれども、1980年代にここまで予測しているのは驚異としかいいようがない。

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2021年03月25日

Posted by ブクログ

2017年5月時点、DeepMind社が開発したAI「AlphaGo」は囲碁棋士の世界王者を打ち破り引退を表明、今後は医療やエネルギー分野へ取り込むことを発表。いよいよAIが人智を超えるときが来たのかもしれない。

ジェームズ・P・ホーガン氏は未来が見えていたのではないかというぐらい彼の予見力の精度は高い。本書で語られる2030年前後の世界がまさにいま訪れている。「この分野では人間が優位」など重箱の隅をつつく時代は終焉を迎えたように思う。

人工知能が人智を超越し争うテーマはよく見るが、機械の生存本能を刺激したらどうなるか?という思考実験が面白い。有機体の進化は無機体の進化の前提であり踏み台ではないかという本能的懸念を、それこそ機械的な合理性を持って希望的結論を導くストーリーは見事である。

約40年前の本で翻訳や用語の点からやや読みにくさはあるものの、著者の着眼点や発想力は時代を経ても色あせることはない。

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2017年06月12日

Posted by ブクログ

凄い!
よくもまぁあの時代にこれを書けるとは。
いつかマシーンが感情を抱く時代が来るんでしょう。
その時は、最高のパートナーとして共存したいですね。

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2014年07月15日

Posted by ブクログ

前半の科学者たちが人工知能に関して延々語り合うところはさすがホーガン先生といったところ。
星を継ぐものを思い出す。

後半のスパルタカスが組みあがり、徐々に知能をつけ、人間を敵対視していくあたりはサスペンス感満載。

そしてラスト。
無敵のスパルタカスにどう勝つか。
ホーガン先生がどうやってハッピーエンドに持っていくか。
なるほど、そう来ましたか。
ただ、ホーガン先生の世界では受け入れられるだろうけど、現実ではスパルタカス封印だろうなぁ。

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2013年09月16日

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ホーガンの近地球・近未来作品。地球軌道上でAIを実験的にイジメた人間達は? なんで、そんなことしたんねん?

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

人工知能がテーマの傑作

 2028年。人工知能がどこまで進化するのかを確かめるため、隔離された環境である宇宙ステーションでの実験が実行に移された。

 自分を守るという命題を与えられ、人を攻撃することを強いられる人工知能。やがてその攻撃は実験の想定範囲を超えてしまう。

 あわやというとき、人工知能は自身と人の共通性を推論し、一気により高度な知能を開花させる。

 登場人物に多少のインフレ感があるものの、無駄のないプロットに加えて序盤から中盤への爆発的なテンションアップ、序盤の伏線をラストで一気に開花させる小気味よさと読むものを飽きさせない。

 いやぁ、おもしろい。映画にすればとても絵になる戦闘シーンが続出するし、3つのシーンが同時並行するクライマックスも緊張感があり映画向きだろうと思う。加えてエンディングが非常にきれいだ。

 しかし、しかし、コンピュータが推論の無限関数の結果として知能をもつというのは私にはどうしてもピンとこない。それがどうしてもひっかって、熱中するまでには至らなかったのも事実。

 現実の未来はどうなるのだろうか? 長生きして知りたいものだ。

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2011年09月14日

Posted by ブクログ

機械が思考し進化する過程を楽しむことはできるが
登場人物のキャラクターがあまり印象に残らない。
1979年の作品で2028年の世界を描いているそうだが
現実はどこまで迫りまたは追い抜いているのだろう。

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2011年05月29日

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