あらすじ
ニューヨークで、ある日突如として時間の流れがおかしくなりはじめた。時計がどんどん遅れていくのだ。しかも場所ごとに少しずつ遅れかたが違う。その結果、周波数も影響をうけ、通信もままならない。著名な物理学者が言うには、「この世界と交差する他次元のエイリアンが、われわれの時間を少しずつ盗みとっているのです」!?エイリアンだか何だか知らないが、とにかく時間がたりなくなっていくのは本当だ。でも、いったいどんな手が打てるというのだ?議論は果てしなくつづく。だがやがて時間のみならず物質にまで異常事態が生じはじめ……。巨匠が贈る時間SFの新機軸!
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Posted by ブクログ
局所的に時間の流れが早く(実際には遅く)なると言う事件の解決を命じられた警官、という主人公像が印象的。テンポよくほいほい読めてしまうんで遠出の際に持って行く事多し。この作家の本の中では飛び抜けて薄い1冊では。
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時間泥棒というタイトルが気になり手を取りました。
とても読みやすい小説でした。
文章も長くなく、複雑すぎるわけでもなく、SFを読み慣れていない私でも読破できました。
主人公は警察官で、時間の進み方がおかしくなってしまった原因を探れ(時間泥棒を探せ)と言われ調査するお話。
様々な分野の専門家に話を聞いていきながら、真実に近づいていく過程が面白く、警察が主人公ということもあり、ミステリ的な楽しみ方もあるのかなと思いました。
事件の真相は、私としては面白いと思いましたし、事態を収束させるための方法もとても面白くある種コロナ禍を思い出すような感じがしました。
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あらすじや導入、設定やSF要素はかなり面白い作品
話もまとまっていてサクッとエンタメを楽しむ分にはおすすめの作品ですね
中編くらいの文量なので、がっつりSFを…となると描写不足、説明不足は否めないかなぁ…
兎にも角にも設定が凄く面白いので肉付けした作品読んでみたい…
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星を継ぐものシリーズ以外で初めて読んだホーガン作品。2024年の復刊フェアで購入。
星を継ぐものシリーズでも感じられた説得力のある科学解説と、あっと驚くようなアイデアが詰め込まれている、短いながらも引き込まれる作品だった。
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短くシンプルな設定ながら面白かった……! 説得力のある(※私にはほぼ分からない)理系設定をベースにしつつ、なるほどと思わされる奇抜なアイデアに読みながら何度も「おお……!」と感心させられました。
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SF。時間SF。
時間を盗むエイリアン?
サクッと読めるアイディアストーリー。
ストーリーはシンプルながら、アイディアは良いし、キャラクターも個性的、読後感も良く、十分に満足。
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ホーガンの割りと短めの中篇。ホーガンの小説は2冊目くらいかな。まだ代表作のアレも読んでない。
ニューヨークで起こった謎の時計のズレ現象。何故か最先端のデジタル時計は遅れるのに、手巻きの懐中時計はずれない。また、遅れる地域もあれば、教会などでは遅れない。時間を盗んでいる何者かをなぜか追う羽目になった警察のコペルスキーは…。
前半はぼんやりと時間が遅れていることを表現しつつ、わけのわからない状態を受け入れる主人公たち。古典哲学などで理解をしようとするものの、結論には至らず。そして後半では畳み掛けるように明らかになっていくメカニズムとそこから考える解決策。
敷いた伏線は必ず回収し、ぼんやりとした展開も無駄にせずに解決に使う。
欠点といえば、専門家ではないコペルスキーが、かなり万能にメカニズムを解決してしまう点。もちろん深いトライアンドエラーの思考実験があるわけだが。
短い上に、出オチのような始まり方に戸惑うかもしれないが、ちゃんとSF読みにも納得の展開で、読み応えがあった。後半は一瞬で読めてしまうんだけどね。
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ある日、ニューヨークの時間がおかしくなり始めた。
全世界でもニューヨークだけ。しかも街の場所によって遅れ方が違う。
しかし太陽は普通に昇り、普通に沈む。世界には何の変化もないため、まさしく「時間がなくなっていく」のである。
ニューヨーク市の刑事であるジョー・コペクスキーは上司から、「エイリアンが我々の時間を盗んでいるのだ。つまりこれは窃盗事件である。犯人逮捕に全力をあげろ」と命令される。
コペクスキーとその部下のディーナが聞き込みに行く宗教家や科学者のとんちんかんぶりをユーモラスに皮肉って描いてある。
そんな中、ニューヨークにあって時間が狂っていないある教会の神父と、コペクスキーは事件解決に向けて行動をはじめる。
もしも時間がなくなったらどうなるだろう。
待ち合わせが無意味になるなんて程度ではなくなるかもしれない。
最後にはそういう原因なのか、と驚かされる。
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ある日突然ニューヨーク中の時計が遅れ始めた。
ある物理学者は「何者かによって時間が盗まれている」という仮説を立て、一人の警官が問題解決に立ち向かう。
時間が題材だがタイムトラベルやパラドックスを題材としていない珍しい作品。
作者のホーガンには有名な「星を継ぐ者」三部作があるが、本書は内容的にもページ数的にも息抜きにピッタリ。
Posted by ブクログ
ニューヨークの時間が何者かに盗まれている!?という導入部は、おバカSF的でいかにも面白い。そのまま時間泥棒さがしのバカミス(お馬鹿ミステリー)展開かと思いきや、意外にもスマートな解決法。それでも赤方偏移うんぬんは馬鹿馬鹿しすぎる(笑)。爆笑しながら楽しく読みました。
時間が盗まれる(消えていく)というテーマをファンタジー的に扱うとミヒャエル・エンデの「モモ」になるし、コメディにすると筒井康隆の「急流」になりますね。ホーガンの回答は新しい切り口だと思います。別次元の宇宙生物の設定はアシモフの「神々自身」を思い出させるところもあり。
「時間泥棒」には時間の流れ方の差による劇的展開は特にないので、ウラシマ現象のような時間SF特有のドラマを期待するとちょっと肩透かし気味かも。
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ニューヨークの各地で時間が遅れていく。
とある学者は「エイリアンが時間を盗んでいるのだ」と主張するが…?
短めのお話で、若干突拍子もないオチではあるので、人によっては「え?」と思うかも。
人物描写が多めで、登場人物が魅力的に思えます。
個人的には面白いと思いました。
Posted by ブクログ
題材としては初期SFに近い空気を感じつつも、題材への切り口はアメリカSF的な空気も持ち合わせている不思議な一冊。すんなり読めるけど、練りこまれた傑作。
事象の考察への切り込み方はホーガンらしい。印象的だったのが以下の一文。
「分かりませんね」とコペルスキーは答えた。「そいつはあなたの専門でしょう。ですが、なんでも頭から否定して、スタートする前にブレーキをかけようとするより、まず可能性を認めてその根拠を検討したらどうです? そして、どこに考えが落ち着くかを見てほしいですね」
この一文のすぐ後にもある通り、帰納的に考えるのではなく演繹的に考えるべきだという事を、ホーガンは星を継ぐものでも書いている。著者の思想がよく出ている
Posted by ブクログ
「時間泥棒」と聞いて真っ先に挙げられるのは、やっぱりエンデの『モモ』。ファンタジーという形式を取りながら、現代を的確に風刺した『モモ』を真っ先に思い浮かべてしまうので、本書はちょっと物足りなさも感じてしまう。また、ホーガンらしい緻密な理論構築も、従来に比べて少々甘いような気もする。
それでも、主人公のコペクスキー初め、モイナハン神父やエーリンガー博士など、魅力的な登場人物の描写は、やはりホーガン、と思わざるを得ない。犯人である「虫」を、トラックに積んだ大量のエサで釣って回る、というコミカルな発想も、ハリウッド的で、エンターテインメントとしてはそこそこおもしろいと思う。
Posted by ブクログ
時間泥棒というタイトルに惹かれて読んだ。
『モモ』の時間観とか、『不思議の国のアリス』の"時間さん"の話が好きなんだけど、こちらの本も時間がなくなっていく仕組みが斬新だった。
哲学的な意見、物理的な意見、突拍子もない意見、様々な仮説が立てられていて、それだけ時間の概念てたくさんあるなと思った。
人間にとって時間は命そのものであるけど、その長さと内実は人によって違う。そうなると、時間は効率的に充実したものにしたいと思ったけど、そもそも一定の時間にたくさんのことを詰め込むことが充実とは限らないよな。時間を贅沢に(わざと無駄に)使うことだって充実の一種なんだから。
Posted by ブクログ
可もなく不可もなく、短すぎず長すぎず、よくまとまっていてよかった
SFに関する知識も理系の知識もほとんど無いので所々分からない話が出たが、大筋は理解できるようになっている
Posted by ブクログ
名作「星を継ぐもの」に比べると、物足りなさは残るもののやはり面白かった。私はホーガンの描く、数字や定理だけで表しきれない哲学的な表現部分にも心惹かれます。
働いて手に入れたいものは時間ではないのか?などをはじめとしてストーリーとは無関係ながら、心を刺激してくれる言葉がそこここにあると思うし、そういうものを読むたびに、SFってやはりロマンって気がします。
Posted by ブクログ
SF好きとか世間様に公言して憚らない自分ですが実は古典、いわゆるクラシックな名作や大御所を全然知らなかったりします。と言うわけでそろそろ補完しよう、とまず薄めの本を購入して見ました。
物語の導入部分は推理小説みたいです。お話の核へとつながるのが非常に上手だな~と。時間が進み方が変わってしまう、と言うのも面白い。何せ登場人物が非常に魅力的です。あんな神父様ならキリスト教に改心してもよいかも知れない。うん。