高山羽根子のレビュー一覧

  • 旅書簡集 ゆきあってしあさって

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    よく知った世界から枝分かれて進化の袋小路に辿り着いたかのような、何故にどうしてこうなった?と言わずにはいられない強烈な風習、建築、祝祭(と呪い)をくぐり抜けて旅は続く。
    土地のパワーに負けそうなところを、好奇心と一種の鈍感力で三者三様にサバイブしていく訳だが、何より敬服するのは食に対する許容値の広さ。現地の食べ物を探すのは旅の醍醐味だけれども、さすがにこれを食べますか…。
    旅行に行きたいが、まずは己れの胃袋を鍛え直さねば。

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    2023年03月25日
  • パレードのシステム

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    主人公である芸術家が、祖父の死をきっかけに故郷に戻る。そこで祖父が台湾で生まれ日本に帰った“湾生”であることを知る。そのことから以前アルバイトで知り合った台湾出身の梅さんと繋がり、彼女の祖父の葬儀に招待される。
    本書には3人の死と葬儀が描かれているが、主人公は台湾で行われた知人の祖父の葬儀にしか参列できない。なかなかに難解で手こずったが、決して読みにくくはない。
    ……タイトルの意味はそういうことなのかなあ?

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    2023年03月05日
  • パレードのシステム

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    ネタバレ

    台湾と日本 

    かつて、日本が統治していた歴史がある。
    その中で、湾生と呼ばれる統治時代に台湾に生まれ、第二次世界大戦後に日本に引き揚げられた日本人たちがいる。本作の主人公の祖父もその湾生の一人だった。
    祖父の葬式のために、久しぶりに故郷に帰った主人公だったが、どこか雰囲気の違う葬式に戸惑った。参列者が母と叔母だけで、執り行われていたから、その原因は、祖父の自死にあったから。
    祖父のルーツを辿るべく、台湾に向かう主人公は
    そこで、何を感じ取るのか、何故自死に向かったのか、死生観を考えさせる、生と死、両方の側面から見た作品でした。

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    2023年02月06日
  • 首里の馬(新潮文庫)

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    ネタバレ

    不思議なお話。

    沖縄に住み未名子は、小学生の頃から登校拒否なのかな。
    それで、近くにある私設の郷土資料館?の整理を手伝っていた。館主は、順(より)さんという女性。順さんの娘の途(みち)さんも、順さんと暮らすようになる。

    未名子の仕事は、不思議。一日に、2~3回、ネット通信で外国人に25問ほどクイズを出して答えてもらう。少し雑談も。後は、資料館の整理を手伝う。
    自宅は、何年か前の父が亡くなり、一人暮らし。

    ある双子台風の時に、自宅に馬が迷い込んできた。
    警察に届けたが、ネット通信している外国人に話すと、馬との接し方などを教わる。

    順さんの死期が近いことを感じて、未名子は、資料館の資料を画

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    2023年02月02日
  • パレードのシステム

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    過去の台湾の歴史にもふれ台湾での日本との風習の違いなど知らないことばかりあなたも読んで深く感じて下さい。

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    2023年01月23日
  • オブジェクタム/如何様

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    正直読む期間が途中で空いてしまい、表題作の「オブジェクタム」の印象はない。
    私が好きだなと思ったのは、
    「太陽の側の島」
    「如何様」
    どちらもハッとさせられる内容で、楽しく読めた。

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    2023年01月10日
  • うどん キツネつきの

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    SF。ファンタジー。幻想譚。短編集。
    著者に対する、勝手なイメージの通り、奇妙な物語たち。
    緩くてノスタルジックな雰囲気もいつも通り。
    「シキ零レイ零ミドリ荘」の平和さが一番好み。

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    2022年08月31日
  • 旅書簡集 ゆきあってしあさって

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    SF作家3名がそれぞれの旅行先で見聞きしたことを報告しあうという設定で書かれた、書簡体のリレー小説。世界のどこかにあるかもしれない不思議な土地をめぐる空想旅行記。


    東アジアを思わせる日常的な風景が徐々におかしな方向へズレていく高山さん、旅行先の土地にとって旅人は常に"異分子"であることをホラー的に演出する酉島さん、一番純粋に観念的な幻想の国を組み立てる倉田さん、三者三様の作風の違いが楽しい。そんな三人の旅を、カニ頭の謎の人物と郵便局員シュヴァルが繋いでいく。
    酉島さんはどれも不条理小説のようでゾクッとする面白さがあったけど、特に"外国人がイメージするニッポン&

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    2022年08月30日
  • オブジェクタム/如何様

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    常にあたまのなかで、謎が浮かぶ、不思議な作品
    でした。芥川賞を受賞した、著者の初期の作品の
    「オブジェクタム」「如何様」を、合本して、エッセイを加えた本作は、まさに高山羽根子を知る上で、是非読んで欲しい作品です。「オブジェクタム」は、ある広場の壁にかけられている壁新聞の謎に迫るお話で、壁新聞の内容がとてもシュールでして、「スーパー山室と八百永青果店、ナスと柿に於ける傷みの率の比較」など、とてもユニークです。
    この新聞を描いたのは誰なのか、そして、クライマックスの謎をぜひ読んで欲しいです。
    「首里の馬」のイメージと違う、どちらかと言えば
    SF色の濃い作品集だと思います。

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    2022年07月20日
  • オブジェクタム/如何様

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    日常から少し浮かんだところに、曖昧な謎が産まれて、いつまでも解かれずに、物語は終る。この感覚は心地よい。ただ、提示されるだけで解かれない謎というのは、純文学界隈では一般的、というか、もはやクリシェだからね。そうしなければいけないという強迫観念さえ感じる。だから、きちんと伏線をはった上で、落とすことに、案外作者さんがこだわってるところを評価したい。そういう意味でも「オブジェクタム」や、オチがきれいな「太陽の側の島」あたりが愉しい。

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    2022年07月10日
  • 居た場所

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    表題作と2つの短編が収録されている。表題作「居た場所」は、中国南部や東南アジアから介護を学ぶために来日している小翠(シャオツイ)と語り手の物語。結構難しい作品だった。小翠が経験したことや住んでいた場所の変化が何を示すかあまり理解したとは言えないし、フェレットのような小動物の存在なんかも、分かりそうで分からない。ただし、淋しさなんかを作品から感じた。

    その他の短編では、「蝦蟇雨」は文字になっていない部分を想像するとホラーに近い印象。もう一つの「リアリティ・ショウ」は地獄だけが“リアル”だったのかもしれないと解釈した。

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    2022年05月31日
  • おかえり台湾 食べて、見て、知って、感じる 一歩ふみ込む二度目の旅案内

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    アートや文化、そして食を写真中心に紹介されていてとても楽しく読めた。
    台湾に精通された方々の台湾での過ごし方、アプローチに羨ましくもあり次に訪台した際の参考にしよう。まずは食とマッサージ、それと書店に足を運んでみたい。

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    2022年05月21日
  • おかえり台湾 食べて、見て、知って、感じる 一歩ふみ込む二度目の旅案内

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    台湾に精通している池澤春菜さんが作家の高山羽根子さんと一緒に台湾を巡る旅行案内本。

    観光地や食事の話から日本統治時代の台湾の話まで多彩なジャンルを網羅していて、台湾への関心が高まる。

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    2022年05月12日
  • Genesis 一万年の午後

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    おもしろいシリーズだから愉しみ

     最初に大好きな堀晃作品を読んだ。土地勘あるからスラスラ読める。堀さんの近況報告みたいなものかな。

     最も楽しみにしていた久永作品を最後におき、順番に読む。高山羽根子作品は最初から乗り切れずパス。宮内悠介作品はミステリー感覚て肩透かし。秋永麻琴作品がとても楽しかったぞ。これ別作品も読みたいってことで発見のワクワク感で持ち直す。松崎有理さくひんは少しトーンダウンて、次の生首って作品はさっぱり乗り切れずに少しコーヒータイム。

     リフレッシュ後の宮澤伊織作品は、これまた秋永作品同様にアクションつぽくてとても良かった。これも発見だ。アンソロジーはこれが醍醐味。

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    2022年04月02日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    東京創元社の日本SFアンソロジーシリーズ「Genesis」、毎年刊行されるこのシリーズもこれで4冊目となる。いつもこの本が出るのを本当に心待ちにしてきており、申し分なく期待どおりの作品集となっている。このアンソロジーには有名なSF作家、新人SF作家が執筆しているのでいつも時間をかけて読んでいる。

    短編が多い中、一番スペースを割いていたのが小田雅久仁の「ラムディアンズ・キューブ」で、私はこれが一番面白かった。この方のお名前はあまり覚えていなかったが、今回の作品でとても興味を持った、読み終えて直ぐに先々月出版された「残月記」を購入した。刊行されて間もないのに重版が出ていたということは、やはり人気

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    2022年01月03日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    2021-12-29
    なかなかバラエティに富んだ短編集。日本SFの奥行きの深さを感じる。
    創元SF短編賞の歴史を読んで、だいぶ読んでない作家がいるなあ、と実感。そしてまた積読の山が高くなるのかなあwww

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    2021年12月30日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    SF。短編集。
    作品によって、けっこう好みが別れた印象。
    好きだった作品は、小川一水「未明のシンビオシス」、宮澤伊織の表題作。
    表題作の突飛なアイディアがとても好き。
    受賞作2作では、個人的には溝渕久美子さん「神の豚」がわりと好み。ちょっと高山羽根子さんっぽい?

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    2021年12月25日
  • うどん キツネつきの

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    「うどん キツネつきの」☆☆
    ある日女子高生が拾ってきた不思議な犬が狐につかれていて宇宙人とも関係があって?
    何を読まされているのか全く分からなかった。
    読書を始めたばかりのころはそういうこともあったが、久ぶりに何の話なのか理解できない作品に出会った。

    「シキ零レイ零 ミドリ荘」☆☆
    1作品目でわけのわからない作品を書く作家だということはわかったので身構えながら取り掛かったところ、わずかながら理解が及んだように思う。それでも奇想天外すぎて感想を書くまでに至らない。
    在日外国人とか低所得者向けのオンボロアパートの住人たちの間で起こる奇怪な非日常的日常。

    「母のいる島」☆☆
    母から特別な訓練を

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    2021年11月01日
  • うどん キツネつきの

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    ネタバレ

    「うどんキツネつきの」★★★
    「シキ零レイ零ミドリ荘」★★★
    「母のいる島」★★★★
    「おやすみラジオ」★★★
    「巨きなものの還る場所」★★★

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    2023年04月12日
  • 宙を数える 書き下ろし宇宙SFアンソロジー

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     欠損と拡充、
     リンクする力? 絶妙にズレているのが、また面白い。
     ひらめき。


     宇宙冒険譚からSFファンタジーから宇宙船密室モノまで、なかなか読み応えのあるアンソロジーでした。
     平均すると☆3…だけど気に入ったのはとことん気に入ってる。

     濁流のような情報の中に閃く、深化して進化したアイデアこそがSFの真髄なんだろなぁ。

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    2020年10月30日