高山羽根子のレビュー一覧
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ネタバレ⚫︎感想
創作SFということだったが、芥川賞を受賞した「首里の馬」が好きだったので読んでみた。
「母のいる島」「おやすみラジオ」が気に入った。
精神でも肉体でも、強い女性には憧れる。
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
犬に似た奇妙な生き物を育てる三姉妹の人生をユーモラスに描き、第1回創元SF短編賞佳作となった表題作、郊外のぼろアパートの住人たちの可笑しな日々「シキ零レイ零 ミドリ荘」、十五人姉妹が暮らす孤島を見舞った異常事態「母のいる島」、ウェブ上に現れた子供の日記から始まるシュールな冒険「おやすみラジオ」、ねぶたの街・青森を舞台に時を超えて紡がれる幻想譚「巨きなものの還る場所」の全五編を収録。
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格差が広がる「この国」の国民の立場と矜持を守るために
移民という存在に与えられたシステムと差別
のように感じた
「この国」はこの国の未来かもしれないし
そうではないかもしれないけど
このようなディストピア小説を読むたびに
確実に近づいているよな……と思う
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テロというのは、負けがこんで借金を抱えている人がゲーム中のボードをひっくり 返すことに似ている。ただ、ルールを決めてゲームをつくっているほうの人は、そのボードの外にいる。いつだって、ルールをつくっている人とゲームに参加している人 たちは同じにはいなかった。そのゲームボードの上にいるのは同じルールの中で、同じように苦しんでいる人たちだ。だから、ボードをひっくり返すことでばらばらに はじき飛ばされてしまうのは、そういう人たちだけだった。(p.94) -
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★意味、完全に解ってる言葉しか使っちゃいけねえなんて、誰が決めたんだよ(p.86)
よく把握できないままになんとなく魅力的な作品群/わかろうとせず気分で適当に読んでしまうのが吉かも/「シキ零レイ零 ミドリ荘」かなり好きです/SFとかカテゴライズする必要もないかも。
【一行目】「今、あのゴリラ啼かなかった?」
【うどん キツネつきの】ヘンな犬を拾った三姉妹は「うどん」と名づけた。《長生きして死ぬならそれが幸せだと・・・・・・少なくとも私はそう思うよ》p.32
【シキ零レイ零 ミドリ荘】ミドリ荘のミドリと住人たち/キイ坊/自称元宇宙飛行士のおっちゃん/背の高いベトナム人のグェンさん/自分の中で迷子になるタニムラ青年/顔文字でしゃべるエノキさん/王さん/キクイムシ/行方不明の犬たち/《まーね、私だって、両親が必要かと言えばそうでもないタイプの子供だし》p.70/《なにより、二人は同じ日本語を喋っているつもりだがお互いの言葉をほとんど理解していないようだった。》p.88/《読む人が文字だって思えば、傷だって文字でしょ》p.100。
【母のいる島】島の十六人姉妹/黄泉比良坂。
【おやすみラジオ】謎のブログ/大きくなっていく物体(ラジオ?)/複数のブログ/調べると整合性が取れなくなる/ノアの方舟/《虹も乗り物に乗って旅をしたいのかもしれないと考えた。》p.215。
【巨きなものの還る場所】いくつかの話/巨きなものは動きだす/ねぶた/シャガール/オシラサマ/学天即/《意識とか、魂みたいなものは、ひょっとしたら私自身にあるんじゃなくて、所属している集団とか、場所のほうにあるのかも。そこにたまたま私みたいなひとつの生き物がいるから、私に魂があるように見えるだけで・・・・・・》p.304 -
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■個人的なメモ
[△]久永実木彦「一万年の午後」/ヒト絶滅後、一律なマ・フたち、聖典、宇宙の地図づくり、変化しないこと。
[▽]高山羽根子「ビースト・ストランディング」/ビースト挙げ競技、旧野球場。
[○]宮内悠介「ホテル・アースポート」/宇宙エレベーター、ホテル、殺人事件。
[△]加藤直之「SFと絵」/ゲーム「ディガンの魔石」以来ファンです。
[○]秋永真琴「ブラッド・ナイト・ノワール」/旧吸血鬼の「夜種」、人間は王族、ローマの休日、好みのキャラ、好みの設定、好みの会話。
[△]松崎有理「イヴの末裔たちの明日」/技術的失業、AI、ロボット、ベーシックインカム、治験、星新一さんっぽいオチ。
[△]吉田隆一「SFと音楽」/音楽SF案内。
[▽]倉田タカシ「生首」/生首落とし、半世紀ほど前の前衛的小説のようなレトロ感。
[△]宮澤伊織「草原のサンタ・ムエルテ」/異星人憑依型スーパーガール、戦闘サイボーグ部隊、死の概念。
[▽]堀晃「10月2日を過ぎても」/大阪市内中を自転車で走っているので馴染みの地名や風景ばかりですが・・・ -
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高山羽根子、酉島伝法、倉田タカシの三人の作家が、架空の国を旅しながら(どうやってかはともかく)手紙を送り合うという設定の「旅書簡集」。そして巻末エッセイ(あとがきのようなもの)は宮内悠介。お、東京創元社のSFアンソロジーシリーズ『GENESIS』で見かけるような作家たちだぞ、と思って手に取った。
読んでみると、GENESISを読むときに似た幻想浮遊感に見舞われる。そして、時折り「わかる」地平に降り立つのだが、そこもどこかしらなにかしらずれている。私が「わかる」と思っていることなんて世界の中のほんの一部なのだなあなどと思っていると、突然、人生哲学とか人間の本質みたいなことを考えさせるようなフレーズが、あったりなかったりして驚かされる。そしてそれよりなにより、この三人の三つの旅が、意外な形でつながりを見せてきたりこなかったりする様に目が離せなくなり、個々の旅の世界を楽しみながらも、いったいこの大きな物語の終着点はどこなのか、それを見届けたいという思いが否応なく高まっていった。
と同時に、現実問題、こんな付かず離れずが絶妙な合作本はいったいどうやったら作れるのだろう?この三人の関係性は?出版社が仕掛けて三人集めて「よろしくお願いします」でできるものなのかな?といった制作の裏側への興味もわいてくる。それへの答えは、ひとつは奥付け手前の「本書は〜を元に〜」といった説明文にもちろんあるのだが、そういった事実関係の説明とは異なる“階層”での述懐が宮内さんの巻末エッセイにあり、これがまた良かった。私が映画監督だったら、この巻末エッセイを含めた本書全体を映画化したい。
以下、自分用断片備忘メモ。
・ほふりの村。祝祭感。(倉)
・着水した飛行機。ハリウッド映画味もほんのりありつつ、おかしさと、得体の知れなさと。(倉)
・島々の話。UVクリーム騒動の顛末に笑い、“満潮娘”とのひとときに癒される。(高)
・川が分かつ街。こちらとあちらに分かれていて、いろいろと暗喩的。美術館がある。(倉)
・雨とカーフューの街。「行政手続きが電子化されてAIが全般的に判断を行うようになったときに入り込んだバグが・・・」というようなSFらしい話が。(倉)
・変な通貨の国。“踊り”が通貨。(高)
・鳥の村。よそ者である自分の魂がそれに完全に乗り移るまで、案山子になり続けるという地元の儀式に参加。(酉)←酉島さんの旅は、敢えてここまで個々に挙げなかったが基本過酷なので、この程度のことはきっと大丈夫だろうと思うのだが、絵葉書に描かれた巨大案山子(その一部として生きている酉島さん自身を含む)の絵は胸に迫るものがある。 -
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ネタバレ不思議なお話。
沖縄に住み未名子は、小学生の頃から登校拒否なのかな。
それで、近くにある私設の郷土資料館?の整理を手伝っていた。館主は、順(より)さんという女性。順さんの娘の途(みち)さんも、順さんと暮らすようになる。
未名子の仕事は、不思議。一日に、2~3回、ネット通信で外国人に25問ほどクイズを出して答えてもらう。少し雑談も。後は、資料館の整理を手伝う。
自宅は、何年か前の父が亡くなり、一人暮らし。
ある双子台風の時に、自宅に馬が迷い込んできた。
警察に届けたが、ネット通信している外国人に話すと、馬との接し方などを教わる。
順さんの死期が近いことを感じて、未名子は、資料館の資料を画像データ?として残すことを計画。
馬も預け先から保護して、仕事もやめることにして、
ネット通信している外国人に、データを保管してもらう。
最後の通信の時には、外国人の身の上話を聞く。
そして、順さんの死が知らされ、お葬式の手伝いをして、途さんの身の上話も聞く。
順さんの資料館は解体される。
中の資料は、未名子のSDカードと、ネット通信していた外国人の元に残る。
これは、何を伝えたいのでしょう?