高山羽根子のレビュー一覧

  • 首里の馬(新潮文庫)

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    p.134のポーラの語る言葉の最後に勇気づけられた。私たち人間は、それぞれ違うからわかりあえなくて問題はない。私の今いる場所も名前が与えられてて、未名子や解答者たちがいる同じ地球上にあって繋がってるんだよなあって思った。記録することの大切さも、私がしてる仕事内容とリンクしてるように感じて感慨深くなった。

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    2023年08月06日
  • 首里の馬(新潮文庫)

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    誰にも知られないけれど確かにあったいつかの誰かの記憶の記録を、いつかだれかのためになったらという祈りを込めて、世界の“どこか”に置いた未名子。
    マスに共有されることのない経験や記憶の尊さを筆者は伝えたかったのかな〜

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    2023年06月18日
  • 首里の馬(新潮文庫)

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    ネタバレ

    沖縄で地元の歴史を紡ぐボランティア活動をする女性は、オンライン上で海外の人々へクイズを出す謎の仕事もしている。
    歴史をきれいな箱に収めずとも、地中深くだろうと何だろうと関係ない。忘れないことが大事であって、物質的な保存は2次的なのだ。

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    2023年06月11日
  • 首里の馬(新潮文庫)

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    ネタバレ

    例えば電車の窓から流れていく住宅街を眺めるとき、あるいは巨大な集合住宅を横目にとぼとぼと歩いている時に、この幾多もの住宅の中に様々な家族であったり独り者であったりが暮らしていて、よくよく聞けば面白いかもしれない話を秘めていて、もしかしたら見ただけで興味を引かれるような人間がいるかも知れず、といった空想をすることがある。
    この話は多分、普段は通りすぎるだけの、意識しなければ顔のない存在にすら、無限に詰まっているかもしれない情報たちについてのお話だ。
    そうしてまた、つい最近、お話をする鳥たちがリモートで交流するというニュースを見たが、まるでおとぎ話のような不思議な交流から芽生える新しい感情に期待す

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    2023年04月28日
  • 首里の馬(新潮文庫)

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    この小説の主な構成要素は、沖縄、クイズ、宮古馬。
    この3つの奇妙な要素が、本書のテーマである、孤独なもののつながり、記録を残すことの意味を示すこととなる。
    舞台は沖縄であり民俗学的な部分もある中、国際宇宙ステーション、深海、紛争地のシェルターといった場所にまで物語は及び、スケールの小ささと大きさのダイナミズムに心が揺さぶられた。

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    2023年04月08日
  • 首里の馬(新潮文庫)

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    SF的な設定ですが、帯にあるような面白い・感動するという激しい印象はあまりなくて、穏やかに染みる感じでした。記録すること、保存すること、知識を記憶として蓄えること、記憶から解答すること。これらの行為って、人間にとって、もしくは私にとって、どんな価値があるものなんだろう、とぼんやり思いを巡らせたくなった作品です。

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    2023年04月03日
  • 旅書簡集 ゆきあってしあさって

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    エッセイを読んでいるような、旅行記や冒険譚を読んでいるような、と思えばSFの世界に投げ込まれるような、不思議な気分にさせてくれる本でした。

    架空と分かっていながらそこに書かれるお手紙にワクワクしたり困惑したり、妙な現実味を持って読ませるのは流石作家の技術だと思います。個人的に終わり方もとても好きでした。

    私は本を読みながら頭で映像化するタイプでカタカナ語が苦手なタイプなので一気に読むのが辛く途中から1日1通と決めて読みましたが、自分にも手紙が届いているような感覚があって良かったです。

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    2023年02月11日
  • Genesis 一万年の午後

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    日本人作家によるSF短編アンソロジー。様々な味わいのある作品を楽しめる。読者ごとに好みがあるので、すべての作品を面白いと思う人はそう多くないと思うが、これから好きになる作家出会う良い機会になるだろう。私の好みは、「イヴの末裔たちの明日」(松崎有理)と「生首」(倉田タカシ)の2作品。前者はAIが仕事を奪った結果、治験のアルバイトにたどり着く、どこかユーモラスな作品。後者は生首が現れる現象がホラーチックであるが、なぜか笑いたくなる作品。なんだ、私は笑える作品が好きなのだろうか。今気づいた。

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    2022年12月21日
  • うどん キツネつきの

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     〈すこしふしぎ〉な意味でのSF短編集。収録作は5作。どの作品も素晴らしい。最後の『巨きなものの還る場所』は、他の収録作よりもとぼけた雰囲気は控えめ。そのぶんスケールも大きめ、いや巨きめな傑作。

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    2023年01月02日
  • 旅書簡集 ゆきあってしあさって

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    リレー式書簡集、のていをした架空旅行記、とは思えないほどスケッチも写真も呪いの人形もリアル。秘境旅モノの書棚にしれっと紛れていてほしい。
    異国情緒を楽しむ趣向もあれど、ところどころ不穏。うっかりすると夢に出てきそうな蟹男の気配におののく。

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    2022年04月26日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    幅広いアンソロジー。宇宙モノは無かったが、理不尽、インナースペース、動物モノと様々。気が付いたらブエノスアイレスにいるとか理不尽系が面白かった。
    表題作の「時間飼ってみた」は火浦功のようなドタバタとした展開。面白いけど完全に理解してるかは怪しい。

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    2022年04月11日
  • Genesis 一万年の午後

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    東京創元社が、社名の「創元=GENESIS」を冠して二〇一八年に刊行したSF書き下ろしアンソロジー第一集。各作品の前に編者による洒脱な紹介コメントも寄せられていて、「日本の現代SF小説界、作家も出版社も一丸となってこんなメンツで盛り立てていきますぜ」という顔見世興行的な気合いの入りようが感じられる。今のところ二〇二一年の第四集まで毎年刊行が続いているようだ。
    SFに限らず同時代の作家の好きと思える小説に出会えることには、古典名作を楽しむのとはまた違う喜びがある。創元さんの四年前のお薦め、彩り豊かで「ぜんぶ好き」とはいかないが、これだけいろいろ並べて出してくれたことにありがとうという気持ち。

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    2022年03月20日
  • 旅書簡集 ゆきあってしあさって

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    どなたの作品も未読
    帯に岸本佐知子さんのお名前があっただけで手に取る

    なんとまあ、どうしましょうというところから入る旅路に、行きつく先はあるのかしらとやり取りを覗き見る
    途中、呪われたのか膠着状態になるも、なんとか打破
    夢の中の出来事のような、なさそうでやっぱりないのだけど、微かな現実味にやっぱりあるんじゃないかとドキドキする頃には、もうすでに取り込まれているんだな

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    2022年03月14日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    やっぱりSFは、最高と思わせてくれる。想定外の景色が頭に思い浮かぶ。そして上手く騙された事が心地よい。こんなストーリー考えつくなんて。

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    2022年01月09日
  • うどん キツネつきの

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    SFとういよりファンタジーな5編の短篇集です。気に入ったのは「巨きなものの還る場所」。青森のねぶたにまつわる、いくつかの短い話が、時空を超えて少しづつ織り上げられいくファンタジーです。

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    2021年11月18日
  • Genesis 一万年の午後

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    2018年末に刊行された新しめの日本SFアンソロジー。短編8編+エッセイ2編が収録されています。

    アンソロジーを読むこと自体、ちょっと良い(と見込んだ)食事処にぷらっと入って「おまかせコース」を頼むようなもので、満足したい気持ちと、意外なものを味わいたい気持ちが同居していると思います。
    個人的には両ポイントともにちょうど良い感じの1冊でした。編集者の匙加減の素晴らしさもあるんでしょうが、SFというジャンルの中での振れ幅もなかなか心地良かったと感じました。
    (正統派SFもありつつ、一見ファンタジーでは?日記では?となる作品や、突き抜けたシュールさの作品があって、色彩豊かでした)

    1編挙げると

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    2021年05月08日
  • うどん キツネつきの

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    また一人好きな作家を見つけたぞ。
    乙一や古川 日出男や山本弘に出会ったときに感じた喜びに似てるかな。

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    2021年04月18日
  • うどん キツネつきの

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    「うどん キツネつきの」は、声に出して読んでほしい。会話のはね方が心地よくって、楽しくなって笑いながら読みました。

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    2021年02月25日
  • Genesis 一万年の午後

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    SF。短編集。エッセイもあり。
    これは良い企画。5年、10年と続いてほしい。

    久永実木彦「一万年の午後」
    人類絶滅後のロボットたち。綺麗な文章が印象的。

    高山羽根子「ビースト・ストランディング」
    怪獣を持ち上げるスポーツ。相変わらず奇妙な設定が持ち味。好き。

    宮内悠介「ホテル・アースポート」
    SF設定でのミステリ。ミステリとしては小粒だと思うが、上手くまとまってる。舞台設定が良い。

    秋永真琴「ブラッド・ナイト・ノワール」
    吸血鬼&マフィアもの。ラノベやマンガぽさが強い。成田良悟『バッカーノ!』風な印象。好き。

    松崎有理「イヴの末裔たちの明日」
    近未来の技術的失業。リアルなテー

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    2019年11月17日
  • Genesis 一万年の午後

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    新しいSFのアンソロジーシリーズ
    堀晃が読める!ってのを期待しちゃった分だけ、日記の様な小品にガッカリ…

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    2019年02月16日