高島雄哉のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ多くの人類がウイルスにより死滅し、生き残った人々もデータ化されて量子サーバーに保存されているというTVアニメ「ゼーガペイン」の衝撃の世界。
舞浜南高校映画研究部で映画作りに精を出す守凪了子がそのような世界の綻びに違和感を覚え、真実に迫っていくというストーリー。
ゼーガペインそのものは出てこないものの、その世界を別の角度から描いている。
量子サーバーに保存された人の意識は、アイデンティティを感じられるのかと思ってしまう。
巻末の声優・花澤香菜さんによる解説は素敵なボーナストラック。
そうか、了子を演じていた時はリアル女子高生だったのか。あの素人的な(失礼!)声が良かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み終えるまでに時間はかかったものの、三作くらい読むと後は毎夜日課になって直ぐ読み終えた。
各者の銀英愛が眩しい。
太田忠司の暖かで素直なミステリも素晴らしい。
小川一水はビジュアル面で印象的に切り取って終わる。
小前亮の実に正攻法な艦隊同士の大戦は銀英伝の面白みを再確認させる。
藤井太洋の短編は「これどうなってるのかな…」などと見ていたら実に衝撃的な展開で成程!と。ある意味ニヤリともした。
激推しは高島雄哉の「星たちの舞台」で、ヤンというキャラクターを見たまんまのパロディやコピーにせず、彼ならばこの状況ではこうもあり得るだろう、という絶妙で繊細なキャラクターに仕上げ、若き日のヤンの繊細さに惚れ込んだ。
突発的に出てきたヒロインも実に聡明で奥ゆかしく、なんというかこの二人は恋物語では無いのだがたまらないね!(本音)大好きです!
1とついているのでそろそろ列伝2出して下さい。 -
Posted by ブクログ
テレビアニメリーズのよくわからなかったところも小説を読むとよくわかります。この小説はテレビアニメリーズの1話から3話で構成されているので、テレビアニメリーズを全て見終わってからもう一度アスティカシア学園中心のそれほど重たくないストーリーを追いかけることができて楽しいです。スレッタはテレビアニメリーズ後半ではどんどん頼りがいのあるキャラに成長していきましたが、この小説ではまだまだ挙動不審でセリフのひとつひとつが不自然で面白いし、それに対するミオリネの反応も冷たくぶっきらぼうなものが多く、どうしてもスレッタを応援団するような視点で読みすすめてしまいます。
またテレビアニメリーズにはないオリジナルエピソードも含まれているので、ただ単にテレビアニメリーズを追いかけるだけでない楽しみもあり、読み進めることにとても満足感があります。 -
Posted by ブクログ
東京創元社のSFアンソロジーの二巻目。二〇一九年十二月刊行。まだコロナ禍やリモートばかりの生活を知る前の作品だけど、「あれ、なんだか今っぽい」と感じられるものもあって、フィクションの奥深さを思った。一巻を読んだときに比べて私のSF受容力も上がったのか、どれもそれぞれ大変楽しめた。
■高島雄哉『配信世界のイデアたち』
昔、かこさとしの『ほしのほん』シリーズを読んで、宇宙には「銀河」というものがたくさんあるということを知ったとき、もしかしたらはるかかなたの銀河のどこかに、私みたいな女の子がいて今同じように宇宙の本を読んでいるかもしれない…という想像をした。そんなことを思い出した。
■石川宗生『モンステリウム』
物語の舞台がいつのどこなのかよくわからないが、町に巨大な怪物が現れ、何もせず立っている。それは異常事態として始まったけど、いつしかそれも日常になる。そしていつか終わるが、日常は続く。私たちの日常力は、意外と強靭だし、意外と滋味深い。
■空木春宵『地獄を縫い取る』
近未来のアメリカ。首筋のスロットにケーブルをつなぐことで他人の感覚や感情をも追体験できる、そんな世界で、二人の女性が、小児性犯罪者摘発のための囮となる少女AI開発プロジェクトに取り組んでいる。一方、室町時代の日本。遊女の閨房で、遊女の体に地獄絵図を縫い取る謎の客人。この二つの場面が交わったときには、火の鳥異形編をちょっと思い出した。これはSFなどという括りを越えて読まれるべき作品では。揺さぶられ度はピカイチ。
■川野芽生『白昼夢通信』
そうか白昼夢か。幻想的に滲む色彩が美しかった。思い浮かぶのはラヴェルの水系ピアノ曲…。
■門田充宏『コーラルとロータス』
ここでパキパキわかりやすい作品になって安堵。アンソロジー楽しい。さて、ここも、うなじのスロットに様々な装置を挿し込める世界。精神的支配や共依存の蟻地獄に巻き込まれた憧れの同僚を、世間では一般に障碍と思われている過剰共感能力を用いて救い出す、心理学系ヒーロー(女性だけど)SF。短さと痛快さと頬の赤らめぶりに、走れメロス味もある。
■松崎有理『痩せたくない人は読まないでください。』
ダークなのにユーモアがあって、リアルなのに虚構めいてて、センス抜群だなあ。前作に比べるとオチがいまいちな気はしたけど、もっと読みたい。
■水見稜『調律師』
小説のかたちをした音楽論みたいなところはあるが、やっぱり生身が一番という感覚。