篠綾子のレビュー一覧
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氷川屋の圧力は、照月堂のみならず、
独り立ちした辰五郎の辰巳屋までを標的にします。
大店ならば、でんと構えていなさいよ、と思う。
よほど自信がないのだろうか、とも。
いよいよ菓子職人として厨房へ入り、
久兵衛から惜しみなく技術を伝授されるなつめ。
彼女の真摯な態度と、真っ直ぐな眼差しが
女だから、という色眼鏡を取っ払ってくれたのだろうな。
京都へ旅立った安吉がちらりと出てきます。
彼なりに背水の陣なので、なかなか大変な立場だけれど、がんばっているね。
修行先のお家も、いろいろありそう。
これから徐々にわかるのかしら。この風呂敷は回収されるかしら。
あと、いくら技術を教わったとて、
友だち -
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氷川屋から転がり込んできた安吉は、
お調子者で、菓子職人としても自信過剰な、お近づきにはなりたくないタイプ。
安吉が照月堂へ来たことで、騒動がおきます。
市右衛門さんの卦「災い転じて福となす」は当たる……?
照月堂の人たちを有り難い存在だとなつめが感じ、感謝の気持ちを持ち続ける限り、きっと未来は明るくなると信じられます。
一作目で目についていた落ち着きのなさが鳴りをひそめ、目指す道が見え始めると同時に、視野は少しだけ広くなったように思います。
お兄ちゃんが生きていてくれて、幸せであるといいね。
なつめと同じ願いを胸に、これから次巻を買いに行きます。笑 -
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京都の二条家に仕える武家の出のなつめ。
幼い頃に二親を亡くし、兄も消息不明。
親の死因に不審なことも多かったことから、親戚からも引き取るのを嫌がられ、
江戸に住む了然尼と暮らしている。
まだ何者にもなっていないなつめは興味や好奇心が旺盛で、
色んなものになりたがっては、一月二月で興味を失い、
未だなににもなれていない。
最初こそ、そんななつめに眉をひそめかけたものの、
まぁまだ15歳かそこらだもんなぁ、
一番身近にいる、手本となる大人が凛とした了然尼であれば、
あんなふうになりたい、という気持ちを持つのは当然だし、
それがオトナになっていくってことなんだろう……と
なんだか寛容さを覚えていま -
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更紗屋おりん雛形帖 シリーズ第2作目
五代将軍擁立のとばっちりを受けて、潰れてしまった「更紗屋」を立て直す為に、越後屋で奉公する、おりんの物語。
今回は、真田の分家 沼田藩の松姫の元で、奉公することになったおりんが、沼田藩の揉め事に巻き込まれる。
藩主、真田信利の悪政に苦しめられる農民の為に直訴する、磔茂左衛門。
そして、茂左衛門を匿う、松尾芭蕉。
祖父、真田信之の反対にあい、本家の後継者になれなかった真田信利。
その事が原因で、悪政を行う様になった、夫を、何度、諌めても聞き入れて貰えず、諦め「鬼の夫には、蛇の妻でよい」と、白無地の小袖を「いずれわたくしが着る小袖」と決意する松姫。
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日本橋の薬種問屋『伊勢屋』に奉公する小僧・助松。(13歳)
伊勢屋のお嬢さま、油谷(ゆや)しづ子。(18歳)
謎の陰陽師、葛木多陽人。(20代半ば)
おそらくこの三人が主人公の、「万葉集歌解き譚」第三弾。
今回は、伊勢屋のお嬢さま・しづ子と、母親である、伊勢屋の女将・八重(やえ)が伊香保に旅をすることになり、助松と、手代の庄助、女中のおせいが同行を命じられた。
更に伊勢屋の客であり、主人の信任厚い多陽人が護衛を依頼され、付かず離れず、一行に随行することになった。
もう、最初っから多陽人の動向が怪しい。
三作目だが、誰かが囚われるのがお約束。
そして、ミステリアスな出来事が起こり、解いてみれ -
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更紗屋おりん雛形帖
全6作シリーズの、第1作目。
京の呉服商「更紗屋」の一人娘、おりんは、清閑寺熙子姫と身分を超えた、友情で心を通わせていた。
将軍の代替わりの騒動に巻き込まれて 、父親と店を無くしたおりんは、迎えに来た、叔父 善次郎と、丁稚 末続との三人で、借金取りに追われるように、江戸を目指す。
おりんに残されたのは、江戸を立つ時に、熙子姫から手渡された、形見の「墨染桜」の打掛と、父親の吉兵衛が、おりんのために、命がけで守り通した、更紗「鼠地鳥獣唐草文様」だけであった。
ところが、叔父の善次郎が任されていた江戸店は、とうに潰れていた。
京に来たのは、お金の無心のためらしい。
善次郎 -
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これで完結の「江戸菓子舗 照月堂」シリーズ。
火事で両親を亡くし、兄とは離れ離れになったなつめは、京都から遠い江戸にやってきた。
了然尼を母親のように慕い、縁あって菓子屋に勤めることになる。それから菓子職人への道を進むのだが。
次々と登場人物が現れるが、完結編ではそれはひとりとして無駄がないことがわかる。
一番グッときたのは、性格が少し悪い安吉という職人見習いなのだが、京都へ修行に行き、幼いながら天才的な菓子職人である長門をしることで、成長。
今回の失明した父親との再会は涙を誘う。
篠綾子さんの得意とする「和歌」の世界と、和菓子の世界が融合した魅力的なシリーズでした。 -
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仁明天皇の更衣として、その美貌と才能から、多くの男性に言い寄られている、謎多き女官、小野小町。
そんな小町には、初めて上京した折に出会った、忘れられない男性がいた。
嵯峨上皇崩御の後に起こった、承和の変で、恒貞親王を守ってやれなかったと、苦悩している仁明天皇は、
小野小町
歌人として名高い良岑宗貞
若輩ながら、美丈夫の誉高い、在原業平
この三人を呼び、
藤原良房の野望から、「皇太子を守ってほしい」と頼む。
小町は、良房に、最後の一手を使わせない為に、会う決心をする。
小町の忘れえぬ人が、意外な人であったり
有名な、「百夜通い」を取り入れたり、
《花の色はう -
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後一条天皇の御世。皇太后彰子に仕えている紫式部の娘、藤原賢子。和泉式部の娘、小式部。中将の君。
ある日、ライバル三人娘は、今光君と言われている、憧れの藤原頼宗から、妙な依頼を受ける。
依頼内容とは、時の権力者、藤原道中の、六女《六の君》と六男《子若君》が、男女入れ替わって、生活している。それを、誰にもバレないように、元に戻して欲しい。という事。
しっかり者の《賢子》
浮気っぽく、要領の良い、《小式部》
高望みばかりして、幸いを掴み損なっている《中将の君》の三人は、力を合わせ、難題に取り掛かる。
摂政ないし関白になるには、「天皇の外戚であること」が原則。
皇統は「冷泉天皇系」と「円融天皇 -
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斎藤道三の娘にして、織田信長の正室「濃姫(のうひめ)」こと、帰蝶さまの物語。
昨年の大河ドラマで何かと話題な帰蝶さまだが、この本の発行は2019年12月25日、「麒麟が来る」の放送開始直前というまことにタイムリーなものだった。
また、帰蝶さまに会える本。
武将の国盗り物語ではないので、戦乱に関しては、あった事、流れのみが語られる。
主なエピソードが記憶にあればOK、「麒麟」を観ていれば予習として更に分かりやすくなる。
本題は、戦国時代に生を受けた一人の女の生き方。
帰蝶に関しては、明智光秀と同様に資料は少なく、いか様に描くも作者次第なところがある。
この作品には意外なオリジナルキャラが用意