篠綾子のレビュー一覧
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なつめの育ての親でもある了然尼は寺建立のため、住まいを移ることになった。
少し前に、無理がたたって倒れてしまった了然尼につきそうため、
なつめは照月堂を辞めることに決めた。
武家からの主菓子の注文を受けるようになり、忙しくなってきた照月堂ではあるものの、
厨房には新しい見習いの三太や郁太郎が、
帳場には太助の甥の文太夫が入ったり、と新陳代謝も良好ではある。
距離的に通いが難しいがゆえの離職なので、つながりが切れたわけでもなし、
照月堂の優しい人たちにもまた会えるのはなにより。
京都からは、安吉が里帰り(?)し、
最後に慶一郎お兄さんも登場し、クライマックスへ向けて動き出す。 -
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慶信尼は、やはり兄の慶一郎の想い人だった。
名前からすでに出落ちではあるし、状況的に見ても読者である私たちにはわかることも、
慶信尼とただ直接会っているだけのなつめには、名前をどう書くかなど言わない限りわからないわよね、そうよね。
京都では、安吉が長門とともに新しい菓子作りを始め、
その安吉の恩人であるおその小母さんも登場。
世間がコンパクトなのは、物語ゆえか、はたまた時代的なものなのか。
了然尼が過労のため倒れたことで、
なつめは、今までのように、ただ菓子を作り続けていればいいわけではなく、自分の未来を見つめなければいけない時期に来たことに気づく。
物語も終盤。
なつめはこのあとどのよ -
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照月堂に追い風が吹き、
翻って氷川屋には、
親方の重蔵が他の大店に引き抜かれたり、
屋台売りのたい焼き売りにもケチがついたり、と逆風が吹き始めた。
そんな中、氷川屋の職人菊蔵が照月堂の戸を叩く。
結果としては、まぁそうでしょうね、と予想通り。
いくらフィクションといえども、何もかもが安直に、思い通りになるはずもない。
いくらみんなが幸せになるお話が好きなわたしでも、そんなご都合主義のお話を求めているわけではないのです。
今ですら、意外性がないうえにトントン拍子なので、深みがないなぁと感じているのに。
少しずつ登場人物が増え、過去の関わりが垣間見えてきたりもしてきたけれど、この大風呂敷はきち -
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氷川屋の圧力は、照月堂のみならず、
独り立ちした辰五郎の辰巳屋までを標的にします。
大店ならば、でんと構えていなさいよ、と思う。
よほど自信がないのだろうか、とも。
いよいよ菓子職人として厨房へ入り、
久兵衛から惜しみなく技術を伝授されるなつめ。
彼女の真摯な態度と、真っ直ぐな眼差しが
女だから、という色眼鏡を取っ払ってくれたのだろうな。
京都へ旅立った安吉がちらりと出てきます。
彼なりに背水の陣なので、なかなか大変な立場だけれど、がんばっているね。
修行先のお家も、いろいろありそう。
これから徐々にわかるのかしら。この風呂敷は回収されるかしら。
あと、いくら技術を教わったとて、
友だち -
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氷川屋から転がり込んできた安吉は、
お調子者で、菓子職人としても自信過剰な、お近づきにはなりたくないタイプ。
安吉が照月堂へ来たことで、騒動がおきます。
市右衛門さんの卦「災い転じて福となす」は当たる……?
照月堂の人たちを有り難い存在だとなつめが感じ、感謝の気持ちを持ち続ける限り、きっと未来は明るくなると信じられます。
一作目で目についていた落ち着きのなさが鳴りをひそめ、目指す道が見え始めると同時に、視野は少しだけ広くなったように思います。
お兄ちゃんが生きていてくれて、幸せであるといいね。
なつめと同じ願いを胸に、これから次巻を買いに行きます。笑 -
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京都の二条家に仕える武家の出のなつめ。
幼い頃に二親を亡くし、兄も消息不明。
親の死因に不審なことも多かったことから、親戚からも引き取るのを嫌がられ、
江戸に住む了然尼と暮らしている。
まだ何者にもなっていないなつめは興味や好奇心が旺盛で、
色んなものになりたがっては、一月二月で興味を失い、
未だなににもなれていない。
最初こそ、そんななつめに眉をひそめかけたものの、
まぁまだ15歳かそこらだもんなぁ、
一番身近にいる、手本となる大人が凛とした了然尼であれば、
あんなふうになりたい、という気持ちを持つのは当然だし、
それがオトナになっていくってことなんだろう……と
なんだか寛容さを覚えていま -
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日本橋の薬種問屋『伊勢屋』に奉公する小僧・助松。(13歳)
伊勢屋のお嬢さま、油谷(ゆや)しづ子。(18歳)
謎の陰陽師、葛木多陽人。(20代半ば)
おそらくこの三人が主人公の、「万葉集歌解き譚」第三弾。
今回は、伊勢屋のお嬢さま・しづ子と、母親である、伊勢屋の女将・八重(やえ)が伊香保に旅をすることになり、助松と、手代の庄助、女中のおせいが同行を命じられた。
更に伊勢屋の客であり、主人の信任厚い多陽人が護衛を依頼され、付かず離れず、一行に随行することになった。
もう、最初っから多陽人の動向が怪しい。
三作目だが、誰かが囚われるのがお約束。
そして、ミステリアスな出来事が起こり、解いてみれ -
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これで完結の「江戸菓子舗 照月堂」シリーズ。
火事で両親を亡くし、兄とは離れ離れになったなつめは、京都から遠い江戸にやってきた。
了然尼を母親のように慕い、縁あって菓子屋に勤めることになる。それから菓子職人への道を進むのだが。
次々と登場人物が現れるが、完結編ではそれはひとりとして無駄がないことがわかる。
一番グッときたのは、性格が少し悪い安吉という職人見習いなのだが、京都へ修行に行き、幼いながら天才的な菓子職人である長門をしることで、成長。
今回の失明した父親との再会は涙を誘う。
篠綾子さんの得意とする「和歌」の世界と、和菓子の世界が融合した魅力的なシリーズでした。 -
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斎藤道三の娘にして、織田信長の正室「濃姫(のうひめ)」こと、帰蝶さまの物語。
昨年の大河ドラマで何かと話題な帰蝶さまだが、この本の発行は2019年12月25日、「麒麟が来る」の放送開始直前というまことにタイムリーなものだった。
また、帰蝶さまに会える本。
武将の国盗り物語ではないので、戦乱に関しては、あった事、流れのみが語られる。
主なエピソードが記憶にあればOK、「麒麟」を観ていれば予習として更に分かりやすくなる。
本題は、戦国時代に生を受けた一人の女の生き方。
帰蝶に関しては、明智光秀と同様に資料は少なく、いか様に描くも作者次第なところがある。
この作品には意外なオリジナルキャラが用意