篠綾子のレビュー一覧

  • 菖蒲ちまき 木挽町芝居茶屋事件帖

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    ネタバレ

    今回は吉良家に仕える元旗本奴の人物が(・・;)

    そして、既に時代遅れになってしまっている主従関係や殉死が扱われていて、ふむふむと。

    戦国乱世は遠い昔。憧れるのは構わないのですが、巻き込まれた方は、当時は良くても、過去は振り返りたくないかもしれないなぁと思って読んでました(まさに厨二病、黒歴史)

    この後に赤穂浪士に仇討ちの対象にされてしまう吉良さんが、自分に仕える中間に、その無意味さを説くのは皮肉な結末だったかも知れないなぁ。

    続きではそこまで書かれるのか、気になります!

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    2023年01月30日
  • 歴史をこじらせた女たち

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    ネタバレ

     古代の女帝から幕末の大奥まで、こじらせた女性たちを紹介した一冊です。
     こじらせた=恋愛ではないところも面白い着眼点の一冊でした♪
    さすがに三十三人すべてを紹介できないので、私が読んでいて特に気になった女性を紹介したいと思います。

     古代では「酒人内親王」です。
     私はこの女性を知りませんでした(-_-;) 
     彼女は称徳天皇のあとを継いで、即位した光仁天皇の皇女であり、生母は皇后となった井上内親王。聖武天皇の娘です。彼女は母親の井上内親王はある事件をきっかけに廃后されて、彼女は伊勢の斎宮となるのですが、天皇の代替わりにより伊勢より帰ることに……。
     そこで光仁天皇は彼女を女帝へ据えようと

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    2023年01月02日
  • 花と舞と 一人静

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     義経ではなく、静御前の生き方を描いた秀作。

     日の本一の白拍子とたたえられた彼女が自分の舞に誇りを持ち、その中でどう義経と出会い、彼の死後、再び白拍子として生きることを描いているところが素敵です。

     色ではなく芸を売るという彼女の一筋の生き方はとてもまぶしくて、読みながら、こういう作品は好きだなぁと。

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    2022年11月21日
  • 義経と郷姫

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    義経といえば静御前で本妻は影の人というか、ほとんど注文されてなかった人を主人公にする作者の視点がよかった。

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    2022年09月18日
  • 猫戯らし 小烏神社奇譚

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    今回は名刀と言われる刀が理解不能の動きをして、小烏神社の竜晴に託された。
    それはその名刀・南泉一文字に付喪神が宿ろうとしていた事変だったのだ。

    それは古の物語に由来し、小烏丸の本体の名刀の持ち主だった平重盛の物語がここに明らかにされた。

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    2022年07月26日
  • 黄蝶の橋 更紗屋おりん雛形帖

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    更紗屋おりんシリーズ2作目
    越後屋奉公を続けることになり、またさる高貴な御屋敷へ行くようになる。沼田藩のお家騒動に巻き込まれおりんはどうするのか?江戸時代の人々の色々な義をみる物語

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    2022年07月22日
  • 墨染の桜 更紗屋おりん雛形帖

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    上方のおおだなの呉服屋おりんは、家と両親をなくし、叔父を頼りに奉公人と江戸へ。縁あって出会った長屋の人々や市井の人達、高貴な方々との交流を経て成長していく物語。おおだなのお嬢さんらしく最初は世間知らずだったり生意気だったりするが、素直な育ちのお陰で吸収していくのも早い。続いていくシリーズの中でおりんは実家を再興できるのかな?誰かと恋愛をしていくのかな?連作短篇なので読み進めやすく、色々な装いが出てくるのも面白く話の展開になっていくのも興味深い。

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    2022年07月22日
  • 雛あられ 木挽町芝居茶屋事件帖

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    ネタバレ

    今回は赤穂藩ゆかりのお武家様がたくさん。
    それに関わるのが常連のおあさの父にして狂言作者の東義左衛門(^◇^;)

    挙句、弥助と喜八は役者の真似事をする羽目に。

    今回も楽しませてもらいました。
    そして料理が美味しそう。山菜の天麩羅が食べたい!

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    2022年07月20日
  • 星月夜の鬼子母神

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    鎌倉殿関連小説、北条政子の次は若狭局。源氏の骨肉の争い、幕府内の権力闘争が、比企一族の女性たちの視点で描かれる点が新鮮で面白い。どのような世でも変わらない母子愛がテーマ。「愚管抄」に拠りつつ作者の解釈を加えた若狭局親子の最期が哀れ。比企氏滅亡は悲惨だが、終章、竹御所のエピソードでほんの少しだけ救われる。同じ作者の「義経と郷姫」を先に読んでいたので、より楽しめた。やはり比企一族を取り上げた「武蔵野燃ゆ」も読んでみたい。

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    2022年06月30日
  • 義経と郷姫

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    大河ドラマで最近退場してしまった義経と郷姫。
    タイミング良く読んだのだが、実は単行本は2005年に出ていて篠さんの出世作らしい。

    義経の戦いや運命については史実通りで、大河ドラマのような斬新な解釈や演出はない。
    だがこの作品ならではの設定がいくつかあって、それが物語をよりドラマティックに最後の悲劇を盛り上げている。

    一つは頼次という架空の人物。入間川を流されてきたところを郷に救われた記憶喪失の少年は後に記憶を取り戻すのだが、彼女への想いを秘めたまま陰に日向に見守る。
    もう一つは畠山重忠と郷との秘めた恋愛関係。大河ドラマの重忠と郷(ドラマでは里?)のキャラだとイメージが湧かないが、こちらでは

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    2022年05月31日
  • 義経と郷姫

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    静御前の陰に隠れ、ほとんど語られることのない義経の正妻にスポットを当てた点に惹かれて手に取ったが、予想以上の面白さ。冒頭から引き込まれ、終盤、平泉入り後はウルウルしっぱなしだったし、これほど切ない義経最期の場面も初めて。初読みの篠綾子さん、情景が目に浮かぶような美しい文章で、内面描写も巧み。とても読み易かった。2005年「義経」の時に刊行され、17年後「鎌倉殿の13人」放送に際し文庫化と、多分に大河ドラマ便乗っぽい。でも、お陰で目に留まって良い読書体験ができた。

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    2022年04月29日
  • 初午いなり 木挽町芝居茶屋事件帖

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    ネタバレ

    前のシリーズは菓子屋。そして、今回は芝居茶屋ということですね。そして、主人公も女性から男性へ。

     戦国時代に傾奇者と呼ばれる人がいたことは知っていたんですが、江戸時代にも町奴、旗本奴などという人たちがいたのは初めて知りました。いわゆるならず者集団。

     主人公の喜八の父は町奴のかささぎ組の頭。大目付の大粛清にあい、牢内で死亡。
     
     喜八は駆け落ちした叔母が営う、小茶屋『かささぎ』を任されるところから物語は始まります。

     芝居の話等、前とは違う雰囲気が楽しく、面白いです。
     
     これからの展開が楽しみです(*^-^*)
     

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    2022年03月01日
  • 宝の船 江戸菓子舗照月堂

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    なつめの育ての親でもある了然尼は寺建立のため、住まいを移ることになった。
    少し前に、無理がたたって倒れてしまった了然尼につきそうため、
    なつめは照月堂を辞めることに決めた。
    武家からの主菓子の注文を受けるようになり、忙しくなってきた照月堂ではあるものの、
    厨房には新しい見習いの三太や郁太郎が、
    帳場には太助の甥の文太夫が入ったり、と新陳代謝も良好ではある。

    距離的に通いが難しいがゆえの離職なので、つながりが切れたわけでもなし、
    照月堂の優しい人たちにもまた会えるのはなにより。

    京都からは、安吉が里帰り(?)し、
    最後に慶一郎お兄さんも登場し、クライマックスへ向けて動き出す。

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    2022年02月21日
  • 神様の果物 江戸菓子舗照月堂

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    江戸菓子舗照月堂シリーズ完結。

    少し駆け足ではあったけど大団円かな。
    10年以上離れて暮らしていた兄の慶一郎ともわかりあえ、その兄と一緒に父母の墓前に参り、自身の手で作った最中の月を供えられた。
    なつめが願いが叶うと同時に、
    これからのなつめが行くべき道筋がくっきりと浮かんだ。

    人々が健やかになるような菓子を。
    きっとなつめなら、自分だけの神様の果物を手にすることができるだろう。

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    2022年02月16日
  • 子育て飴 江戸菓子舗照月堂

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    慶信尼は、やはり兄の慶一郎の想い人だった。
    名前からすでに出落ちではあるし、状況的に見ても読者である私たちにはわかることも、
    慶信尼とただ直接会っているだけのなつめには、名前をどう書くかなど言わない限りわからないわよね、そうよね。

    京都では、安吉が長門とともに新しい菓子作りを始め、
    その安吉の恩人であるおその小母さんも登場。
    世間がコンパクトなのは、物語ゆえか、はたまた時代的なものなのか。

    了然尼が過労のため倒れたことで、
    なつめは、今までのように、ただ菓子を作り続けていればいいわけではなく、自分の未来を見つめなければいけない時期に来たことに気づく。

    物語も終盤。
    なつめはこのあとどのよ

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    2022年02月15日
  • ほおずき灯し 江戸菓子舗照月堂

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    照月堂に追い風が吹き、
    翻って氷川屋には、
    親方の重蔵が他の大店に引き抜かれたり、
    屋台売りのたい焼き売りにもケチがついたり、と逆風が吹き始めた。
    そんな中、氷川屋の職人菊蔵が照月堂の戸を叩く。

    結果としては、まぁそうでしょうね、と予想通り。
    いくらフィクションといえども、何もかもが安直に、思い通りになるはずもない。
    いくらみんなが幸せになるお話が好きなわたしでも、そんなご都合主義のお話を求めているわけではないのです。
    今ですら、意外性がないうえにトントン拍子なので、深みがないなぁと感じているのに。

    少しずつ登場人物が増え、過去の関わりが垣間見えてきたりもしてきたけれど、この大風呂敷はきち

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    2022年02月13日
  • しのぶ草 江戸菓子舗照月堂

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    氷川屋の圧力は、照月堂のみならず、
    独り立ちした辰五郎の辰巳屋までを標的にします。
    大店ならば、でんと構えていなさいよ、と思う。
    よほど自信がないのだろうか、とも。

    いよいよ菓子職人として厨房へ入り、
    久兵衛から惜しみなく技術を伝授されるなつめ。
    彼女の真摯な態度と、真っ直ぐな眼差しが
    女だから、という色眼鏡を取っ払ってくれたのだろうな。

    京都へ旅立った安吉がちらりと出てきます。
    彼なりに背水の陣なので、なかなか大変な立場だけれど、がんばっているね。
    修行先のお家も、いろいろありそう。
    これから徐々にわかるのかしら。この風呂敷は回収されるかしら。

    あと、いくら技術を教わったとて、
    友だち

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    2022年02月10日
  • 菊のきせ綿 江戸菓子舗照月堂

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    氷川屋から転がり込んできた安吉は、
    お調子者で、菓子職人としても自信過剰な、お近づきにはなりたくないタイプ。
    安吉が照月堂へ来たことで、騒動がおきます。
    市右衛門さんの卦「災い転じて福となす」は当たる……?

    照月堂の人たちを有り難い存在だとなつめが感じ、感謝の気持ちを持ち続ける限り、きっと未来は明るくなると信じられます。
    一作目で目についていた落ち着きのなさが鳴りをひそめ、目指す道が見え始めると同時に、視野は少しだけ広くなったように思います。

    お兄ちゃんが生きていてくれて、幸せであるといいね。
    なつめと同じ願いを胸に、これから次巻を買いに行きます。笑

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    2022年02月02日
  • 望月のうさぎ 江戸菓子舗照月堂

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    京都の二条家に仕える武家の出のなつめ。
    幼い頃に二親を亡くし、兄も消息不明。
    親の死因に不審なことも多かったことから、親戚からも引き取るのを嫌がられ、
    江戸に住む了然尼と暮らしている。

    まだ何者にもなっていないなつめは興味や好奇心が旺盛で、
    色んなものになりたがっては、一月二月で興味を失い、
    未だなににもなれていない。
    最初こそ、そんななつめに眉をひそめかけたものの、
    まぁまだ15歳かそこらだもんなぁ、
    一番身近にいる、手本となる大人が凛とした了然尼であれば、
    あんなふうになりたい、という気持ちを持つのは当然だし、
    それがオトナになっていくってことなんだろう……と
    なんだか寛容さを覚えていま

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    2022年02月02日
  • 弟切草 小烏神社奇譚

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    続編が気になる終わり方!
    ちょっと漫画みたいな感覚で読み進めた.
    なんて言うか…弟にソレを頼むのは無しでしょ??

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    2022年01月05日