あらすじ
立秋を迎え、照月堂でも秋ならではの菓子を出し始めた矢先のこと。なつめは、店前の仕事を一人で切り盛りする番頭・太助に、疲労の色が滲んでいることに気づく。そんな折、太助をますます疲れさせる客が現れた。かつて、上野の菓子舗・氷川屋と競い合いをしたときに判定役だった無役の御家人・陶々斉だ。陶々斉は、競い合いの際に久兵衛が作った菓子を食べたいと駄々をこねる。一方、好調だった氷川屋の商いが下り坂となるなか、互いに惹かれ合う氷川屋の職人・菊蔵となつめの関係は──。物語がいよいよ動き出す、大好評シリーズ第六作。
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Posted by ブクログ
物語のところどころにヒントが散りばめられている。京で修行中の安吉が仕入れた情報がキーポイントになりそう。
菊蔵さんとなつめが惹かれあっているのに、結ばれないのが切ない。菊蔵さんにとっては、職人の引き抜きにより親の店が潰れたという過去があるから、同じことを繰り返さないようにという思いがあるからだろう。
Posted by ブクログ
中古の本をとっているので くる早さによって
飛び飛びに読んでしまいました。
なかなかくるまで待てないものです。
ほおずき灯し
お菓子につけられた名前ですが
ほおずきの外の皮を水につけ 葉脈だけを残し
中の赤い実が透けて見える。
赤いほおずきが灯っているようだ。
なつめの菊蔵への思い
女郎花では 了然尼の昔の恋
思いがけず 氷川屋の職人が引き抜きにあう。
氷川屋は傾いていく
菊蔵は氷川屋の婿になるのか
最後に 挨拶にきた菊蔵が 自分の潰れてしまった実家の菓子屋の味になった餡を
なつめに渡す。
惚れても一緒になれないのかな?
くるとあっという間に読んでしまう本です。
Posted by ブクログ
照月堂に追い風が吹き、
翻って氷川屋には、
親方の重蔵が他の大店に引き抜かれたり、
屋台売りのたい焼き売りにもケチがついたり、と逆風が吹き始めた。
そんな中、氷川屋の職人菊蔵が照月堂の戸を叩く。
結果としては、まぁそうでしょうね、と予想通り。
いくらフィクションといえども、何もかもが安直に、思い通りになるはずもない。
いくらみんなが幸せになるお話が好きなわたしでも、そんなご都合主義のお話を求めているわけではないのです。
今ですら、意外性がないうえにトントン拍子なので、深みがないなぁと感じているのに。
少しずつ登場人物が増え、過去の関わりが垣間見えてきたりもしてきたけれど、この大風呂敷はきちんと回収されるかしら。
Posted by ブクログ
照月堂の子供たちの通う手習塾で、図らずも師範の大切にしていた鬼灯をもぎ取ってしまった亀次郎。
泣く泣く打ち明けて謝りに行く。
その時に鬼灯を模したお菓子を持たせることに。
露寒軒の知り合いで、菓子比べで、選者となってくれた、陶陶斎。ずっと若いが無役の御家人でもある。そして菓子が大好きである。
一緒に師範のところへ行き、鬼灯をずっと楽しめる保存法を教えた。
新しい鬼灯の菓子の名は「ほおずき灯し」「青ほおずき」
季節は秋本番。
茶会が多くなる忙しくなる季節。
照月堂は太助だけでは忙しい店先を甥っ子の能楽をやっていた青年を連れてくる。
武士との付き合いが増え、対応ができる人材が欲しかったところに、能楽の素養のある文太夫は適任だった。
氷川屋では、親方が日本橋の大店、一鶴堂に引き抜かれてしまった。
歌の雅と、商いの厳しさ、職人の一途な思い。
そんなエッセンスが絡み合う密な物語、第6巻。