感情タグBEST3
Posted by ブクログ
京都の二条家に仕える武家の出のなつめ。
幼い頃に二親を亡くし、兄も消息不明。
親の死因に不審なことも多かったことから、親戚からも引き取るのを嫌がられ、
江戸に住む了然尼と暮らしている。
まだ何者にもなっていないなつめは興味や好奇心が旺盛で、
色んなものになりたがっては、一月二月で興味を失い、
未だなににもなれていない。
最初こそ、そんななつめに眉をひそめかけたものの、
まぁまだ15歳かそこらだもんなぁ、
一番身近にいる、手本となる大人が凛とした了然尼であれば、
あんなふうになりたい、という気持ちを持つのは当然だし、
それがオトナになっていくってことなんだろう……と
なんだか寛容さを覚えていました。わたしも大人になったもんです。
今よりもっと距離のあった京都と江戸で、
同じ菓銘でありながらも、全く違うお菓子があり、
たまたまそれが、なつめの両親を思い出す縁のお菓子(菓銘)で、それを捜し求めていたなつめは、運命的な出会いをします。
少し、ご都合主義な感じも受けなくはないけれど、
きっと人生が動くときは、そういう巡り合わせがあるものなのだろう……と信じることにします。
これはきっと、なつめの成長譚。
まだ幼さの残るなつめがどんなふうに成長していくのか、願いを叶えることはできるのか。
続きが楽しみな物語とまた出会えました。
Posted by ブクログ
両親を火事で亡くしたなつめ。兄とも生き別れて、京から江戸へ。
そこで出会った幼い頃に食べた思い出の菓子・最中の月。
その菓子との再会が彼女を菓子職人の道へいざなうことになる。
江戸の女性のお仕事小説第一弾です。
面白かった、続きを読んでますが、面白いです。
Posted by ブクログ
京都で親子4人で暮らしていた武家の娘、なつめ。
だが火事で両親と兄を亡くして、尼と一緒に江戸に出てくることに。
たまに菓子を買い求め、主人である了然尼と、ゆっくり食べることが楽しみであった。
なつめには思い出の菓子があった、名前を最中の月という。
その菓子を江戸で探しても煎餅の様な菓子しかない。
あるとき偶然に出会う。
その時から、菓子職人になりたいという夢ができた。
武家の娘であるなつめ、女は弟子にしない職人の世界。
ここから、一つ一つなつめは自分の夢を叶えて切磋琢磨する。
Posted by ブクログ
京で生まれ育ったなつめは、二親を亡くし、兄が行方不明になっている。預けられた尼寺の尼僧について江戸へ来て、ふとした事から菓子屋で二人の子供逹の世話と読み書きを教えることに。思い出深い菓子を作っているその菓子屋で、菓子職人になりたいと考えているなつめは、様々な菓子が作られていくのを目の当たりにして、ますますその夢を膨らませるのだった。
女が菓子職人になるなんてあり得ないと言われた時代に、頑張って修行をし、一人前になろうと志すすがたが清々しく、応援したくなる。続編が楽しみ。