岡本さとるのレビュー一覧
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居酒屋お夏・セカンドシリーズ“春夏秋冬” 第九弾。
毒舌女将・お夏&いぶし銀料理人・清さんが切り盛りする居酒屋を舞台にした人情噺・連作四話が収録されています。
相変わらず優しい“お節介”で、訳ありな人々のお悩みを人知れず解決しちゃうお夏さんと清さん。
第一話「引っ越し蕎麦」で、元カノと思わぬ再会となった半次郎さん・・切ない結末にはなりましたが、彼にも幸せになってほしいですね。
第二話「大蒜」では、居酒屋常連のまとめ役でもある“不動の龍五郎親方”の好敵手且つ盟友が亡くなってしまったことで、龍五郎親方がすっかり老け込んでしまい、周りを心配させましたが、昔親方が世話をした新吉を巡るゴタゴタが -
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居酒屋お夏・セカンドシリーズ“春夏秋冬” 第八弾。
辛口女将・お夏&料理人・清次が切り盛りする居酒屋を舞台にした人情噺・連作四話が収録されています。
何だかんだで困っている人を放っておけないお夏、清さんや常連客の不動の龍五郎さんといった、“お節介”なメンバーの優しさが心に染み入ってくる内容となっているのですが、今回は特に“お節介度”が高めで、頼まれてもないのに動いちゃう印象を受けました(勿論、それで解決に繋がるので良いのですが)。
第一話「台所飯」では徳次郎と伴三を助ける為とはいえ、悪い奴らを影でちゃっちゃと"殺って"しまうという、まるで“勝手な必殺仕事人”という感じで -
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シリーズ3作目。短編4話。
「母」は、女は誰でも母の心がある、というのにはどうかな、と思ったが、
小さきものに優しくしたい、誰かのために力を尽くしたい、守りたいという気持ちは多くの人にあるだろう。
自分の罪と向き合いながら、穏やかな生活をしたいと願うお竜の心の揺れが切ない。
「名残の袖」は「母」の続き。
母を亡くした幼子と、若き日の過ちを悔い、必死で店を守る男。
その二人を振り切り、裏稼業へ戻るお竜。悲しいなあ…
人情一膳飯と守り神も続く物語。
悪いお殿様は時代物には欠かせない。
色気と強さと、さながら和風の峰不二子。
そして久々の師との再会。
まだまだ物語は続きそう。 -
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ネタバレ最近忠臣蔵に魅了され、手に取ったこの1冊。赤穂浪士生存説という奇抜な設定への違和感から楽しめなかった。例えば大石だけが生存していたら現実味があるだろうが、46士もいれば離脱者も出るし、全てを隠し通すのはどうしても無理がある。さらに上からの命とはいえ、当時の武士の矜持からすると、切腹を逃れることは受け入れられないはずだと思う。
後半は綱吉と家宣の物語。家宣が終始不気味だったが最後に将軍を誅する場面でその違和感に納得。ただ、そういう展開にするなら、儒学者であった綱吉に絡めて、武王や紂王の例えを引用してほしかった。新井白石や間部詮房の動機にも共感ができず。柳沢吉保を悪者に仕立てているが、結局は新 -
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居酒屋お夏・セカンドシリーズ“春夏秋冬” 第七弾。
毎度お馴染み毒舌女将・お夏と、苦み走った料理人・清次が切り盛りする居酒屋を巡る、人情噺連作四話が収録されています。
他所から目黒にやってきた、実直だけど訳アリな父娘・禄次郎とお京。(第一話「杯事」)
七日に一度訪ねてくる息子家族との夕餉を楽しみにしていたのを、愛娘の久々の訪問によって気がかりなことを抱えてしまう足袋職人の弥兵衛。(第二話&表題作「明日の夕餉」)
不幸な過去を持つ母娘を気遣いつつ、自身もある秘密を抱えている菊次郎。(第三話「白飴」)
悋気が過ぎる恋人に束縛されている弟子を気遣う剣客・坂村信二郎(第四話「年取りそば」)
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居酒屋お夏・セカンドシリーズ“春夏秋冬” 第六弾。
毒舌女将・お夏と、料理人・清次が切り盛りする居酒屋を舞台にした、人情噺連作四話が収録されています。
これぞ安定の読み心地。今回も居酒屋を訪れるお客たちが巻き起こしたり、巻き込まれたりする騒動を、お夏と清さんが影でこちょこちょ動いて解決してくれています。
表題作の第三話「根深汁」では、お夏の昔からの仲間・“河庄の旦那”こと河瀬庄兵衛さんのご近所の研ぎ師・合田喜右衛門が大身旗本の屋敷に仕事にいくも、そこの殿様がヤバイお方だった・・という話なのですが、剣吞な事に巻き込まれそうな喜右衛門の事を、居酒屋ではお夏&清さん、自宅付近では河庄の旦那と、ダ -
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シリーズ第二作。楽しみにしてました!
人情あふれる作品だが、今回胸にぐっとくるのが、長太と粂三のコンビ。
お竜を姐さんとしたう姿が可愛らしい。
初登場は小物感ありすぎ。
そこでぺちんとやられるのは、時代物の「お約束」。
心を入れ替えた2人の危なっかしい活躍は、どうも母親目線になっていけない。
もうひとつのエピソードが、孫兵衛の敵討ち。
これがメインのエピソード。
いやいや、これも目新しい展開ではないのに、時代劇らしい展開で。
悪人退治に大立ち回り、それぞれの思いを抱えて裏稼業。
なんだかてらそままさきのナレーションまで聞こえてきそうだ。
三作目はあるだろうか。
3部作で終わってくれるなら収