あらすじ
目明かし父娘が持ち込んだ凶報が、お夏の居酒屋をざわつかせた。聞けば、男手一つで娘を育てた古着屋が殺されたという。さらには、その娘が行方不明ともいう。事件の真相も娘の安否も杳として知れず。そんな中、事件解決のきっかけとなったのは、お夏が「色ぼけ婆ァさん」とからかうお春が発した驚きの一言だった……! 人気シリーズ第八弾。
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良いねぇ
良い女を、隠して、クソババァを演じている?お夏さんが、良いねぇ。居酒屋の客達の、お節介が、また良いねぇ。前途有る若者が、自らの進む道を、見つけるのも良い。年取って、若い時の想いを、思い出せるのも、また良い。読んでいて、悲しくも無いのに、自然に涙が出てくる。
Posted by ブクログ
内容(ブックデータベースより)
目明かし父娘が持ち込んだ凶報が、お夏の居酒屋をざわつかせた。聞けば、男手一つで娘を育てた古着屋が殺されたという。さらには、その娘が行方不明ともいう。事件の真相も娘の安否も杳として知れず。そんな中、事件解決のきっかけとなったのは、お夏が「色ぼけ婆ァさん」とからかうお春が発した驚きの一言だった……! 人気シリーズ第八弾。
令和6年2月9日~11日
Posted by ブクログ
居酒屋お夏・セカンドシリーズ“春夏秋冬” 第八弾。
辛口女将・お夏&料理人・清次が切り盛りする居酒屋を舞台にした人情噺・連作四話が収録されています。
何だかんだで困っている人を放っておけないお夏、清さんや常連客の不動の龍五郎さんといった、“お節介”なメンバーの優しさが心に染み入ってくる内容となっているのですが、今回は特に“お節介度”が高めで、頼まれてもないのに動いちゃう印象を受けました(勿論、それで解決に繋がるので良いのですが)。
第一話「台所飯」では徳次郎と伴三を助ける為とはいえ、悪い奴らを影でちゃっちゃと"殺って"しまうという、まるで“勝手な必殺仕事人”という感じでした(汗)。
そして、第四話「炊きの煙」では、父を亡くし一家を支える為に自己犠牲状態になっている祥太郎を希望の道に進ませる為、もう周りが寄ってたかってお膳立てをするという展開で、お節介もここまでくると"皆さん、どんだけいい人達なんよ~"と、しみじみと思ってしまった私です。
そんな中、他の話とちょっと毛色が違っていたのは第二話「菊落雁」。
仏具店〈真光堂〉の隠居で、"天然キャラ"のお春さんの微笑ましいエピソードと、そんなお春さんに振り回されてしまうお夏の様子が面白く描かれていたお話だったと思います。
第三話(表題作)「もみじの宴」は、"殺人事件"が絡んでくるので、ちょっとピリつきましたが、前述のお春さんの"グッジョブ"と、"二代目・濱名の旦那"こと同心の濱名又七郎さんの粋な裁きによって、いい感じに着地したと思います。
それにしても、又七郎さんは叔父の茂十郎さんの跡をしっかりと受け継いでいて、頼もしい限りですね。
因みに、舞台となっているお夏の居酒屋の“居心地の良さ”というのが、毎回これでもかという程、しつこく描写されているのですが(苦笑)、つまるところ、お夏たち居酒屋のレギュラーメンバーが、すごく気を遣っているからこその居心地の良い空間なんですよね・・。
そんな居酒屋メンバーが、今後どんな"お節介"を焼いていくのか・・次巻も楽しみにしたいと思います~。