岡本さとるのレビュー一覧
-
ネタバレ 購入済み
過去が….….
お夏と清次の過去が、だんだんと明らかになる….….かつての仲間三人の死と共に。母親の死の謎、父親が、何をしていたのか?その他の仲間達の行方は?まだまだ、話しは、続く。楽しみだ。
-
ネタバレ 購入済み
格好良い!
あるときは、居酒屋の、年齢不詳の口の悪いクソババァ、また、あるときは、天女のような粋な年増女で、悪人を、バッタバッタなぎ倒す。弱きを助け、悪を成敗する。お夏さん、格好良い!
-
Posted by ブクログ
久々の私の中でのヒットシリーズになりそうな予感!
地方の貧しい農家の息子が江戸に出てきてゴロツキに絡まれていた隠居を助けた縁で、元から働きたかった駕籠かきに。
その二人の農家の息子は新三と太十。立派な体格に、素直な心根、思いやりや機転の聞く頭の良さで、駕籠屋「駕籠留」でも信頼がある。
そんな二人がでしゃばらず、駕籠かきとしての腕を上げる様子をいろんな客との事件を通して描くのだが。
徐々にこの二人には、只者ではないことが、その考え方や身のこなしでわかってくる。
駕籠かきというと、少々ヤクザな感じで描かれることが多い時代小説の中で、どっぷり市中の民の中に浸かりながら世間、江戸を見る視線が面白い。
第1巻は3つのお話が入っているが、それぞれに面白みがあって実に充実した時間。
2021年1月15日第1刷という作品。
作家さんの健康を祈る! -
ネタバレ 購入済み
成長ぶり著しい鷹之助
新宮鷹之助は、日光奉行所の武芸を見聞して来るよう命じられて、日光の旅へ出るのであった。新宮家の若党、原口鉄太郎と中間の平助が鷹之助の供をすることになった。
日光からの帰府の途中、今市宿で鷹之助達三人は猪鍋を食したのだが、好奇心の強い鷹之助が猪を捕る猟師の技術を見てみたいと言い出した。宿で訊ねると、この辺りの山間にある長田村に土橋忠三郎という鉄砲の名人がいると、教えて貰った。
忠三郎は、嘗て幕府の鉄砲方で鉄砲磨き方同心と仕えていたのであったが、鉄砲撃ちの衝動を抑えきれず、妻子を捨てて長田村の猟師万造に弟子入りをしたのだった。そして、万造亡き後長田村に残り、日ごろ山を歩いて猟を続けていた。猪や熊を一発で仕留める確かな腕前を持っていた。
長田村ではちょっとした騒動が起こっていた。根太七という百姓が熊に襲われて死んだ事件だ。事の発端は、村の管理下にあった入会地の一部は、根太七が所有者であると言い出したことにあった。外所者が入らずしかも迷信のようなものを信じる村故に、根太七の死亡が山神の祟りだとか呪いだとかで片付けられた。しかし、鷹之助はそれを撥ね除けて死因を探るのである。しばらくして鉄太郎と平助、土橋忠三郎と共に、根太七の縁者の喜助を犯人として捕まえて、見事に事件を解決するのである。
この物語を読んでいると、時に私は時代感覚の錯乱を覚えたのだが・・・
しかも鷹之助の目覚ましい成長ぶりには目を瞠るものがある。非常に頼もしいし、頼りがいのある頭取に変わっている。鷹之助は江戸の頃の成熟した自信みなぎる人物なのだろう。
私もまたいつの間にか時空を超えて、将に今こそ自信を持って生きていけと言われるような気がしてならない。元気を貰える物語である。 -
ネタバレ 購入済み
抜刀術とは
新宮鷹之助は、火付盗賊改方同心の大沢要之助から江戸、神楽坂付近で起きた辻斬り事件の話しを耳にした。
目撃者の話しでは刀を抜いた様子がないというので、居合いによる一瞬の間で斬り殺されたと判断された。
鷹之助の武芸帖編纂所は今回、この事件で遣われた抜刀術を調査し始めるのである。
大奥で薙刀を指南している鈴姫よって、抜刀術の達人、中倉田之助の存在が分かる。彼は、出羽守・船津家の江戸屋敷で剣術指南役を務めている。中倉家は、父・平右衛門から羽州七万石、船津家に仕える家柄であった。平右衛門も水鷗流を遣い、腕の立つ抜刀術の武芸者であった。ある時、平右衛門は上司の命令で同家の家来を居合いで倒したのだが、殺すことまでは考えていなく、抜刀術の未熟さ故、過剰に対応したことを大いに反省し、その行為を非常に悔いたのであった。その為、自ら出羽を離れて遠方の地、楢葉で百姓をして暮らしてきた。
平右衛門はそこで息子の田之助に自らの抜刀術、大地流を伝授したのだが、田舎暮らしに飽き足りぬ田之助は江戸に出て、父と同じ船津家に剣術指南役として仕えることになった。
その田之助が、奇しくも国表の目付役を斬った作田嘉兵の殺害を国家老から命じられるが、長く肺病を患っていた彼は使命を果たすことなく亡くなってしまった。
こうした不遇の武芸者に鷹之助はお節介を焼いて、田之助の代わりに父・平右衛門がその役目を果たすのを助太刀するのである。
鷹之助の細やかな配慮と機微があってこの事件が大事にならないで、平右衛門がそのまま編纂所に留まり、抜刀術が武芸帳に詳しく記述されるのだった。非常に痛快で面白い物語である。 -
ネタバレ 購入済み
剣豪の使命
新宮鷹之助が頭取の武芸帖編纂所で編纂方をしている松岡大八は、播州龍野の出身で円明流の遣い手である。円明流こそ宮本武蔵を教祖とする流派である。それゆえ、今回の調査対象である二刀流の調べを鷹之助から任されるのである。
大八は領主の脇坂家に将来を見込まれ、江戸に出て武芸を一層磨いて、名を上げるよう期待された。江戸に来たのが20歳代と言う。やがて脇坂家の支援を受けて目黒白金に道場を開いた。さらに、八重という妻を得て娘ができ、一介の家庭を持つまでに至った。
いくらかの門弟を抱えるようになり生活基盤も整ったのだが、剣の腕は一流だが、生来の田舎武士で不器用者だ。剣の教え方一つをとっても、門弟の心中も考えずに、ただ厳しく愚直に教えるだけでは、やがては門弟が徐々に辞めていき、数が少なくなり、これでは生活の糧を稼ぐ事ができない。脇坂家から世慣れた師範代を送られたが、剣の道を究める剣豪という者は世間から少し離れた孤独な存在だ。師範代ともそりが合わなかったのだろう。結局、貧しさから娘を事故で亡くしたことで、妻との仲も壊れて離縁する始末だ。
門弟に残った者に小谷長七郎と桑原千蔵の二人がいて、特に長七郎は武蔵を崇拝して、二刀流を極めたいという強い意志を持っていた。
結局、大八は道場の経営に行き詰まり道場を閉めて、失意のもと回国修行へ旅立ったのである。
大八が再び江戸に戻り、編纂所を手伝うようになり、二刀流の使い手を探すとき、今時二刀流に励む武芸者がいないだろうとの思いがする。しかし長七郎のことが気になり、消息を訪ねて探し出した。
思いもかけず、長七郎は相変わらす二刀流の稽古に励んでいたのである。しかも他流試合で負かした相手の武士の兄弟に追われる身であった。寸でのところで大八は鷹之助や三右衛門と共に長七郎を助けた。
武芸者の心得というものは、まさに他流試合を重ねてその技量を高めていくことである。そこには命のやり取りがあり、それが武芸者の宿命である。大八は書を読み漁りあらゆる工夫をして、円明流を学ぶ傍らで二刀流の稽古をしたという。それでも勝ち続けることはできないと大八は悟るのである。
全く世の中はそれだけのものではない。物語を読み進めていくと、平凡で普通の生活を営むことがどんなにか大切なことかが見えてくる。そして、この話が、人と人の繋がりがどんなに大切かが読める良い物語だ。 -
ネタバレ 購入済み
護身術としての鎖鎌術
武芸帖編纂所頭取の鷹之助は、老練剣士、水軒三右衛門と松岡大八と共に隣に設えた道場で、大名や大身旗本から寄せられた武芸帳を基に、その流派の太刀筋などの研究を日々重ねるのであった。そして整理された流派の目録は、黄表紙作家であった編纂方担当の中田郡兵衛により武芸帖に書き加えられた。
ある日、鷹之助が嘗て士学館で剣術を共に習った幼友達の大沢要之助が訪ねて来た。彼は火付盗賊改の同心になっていたが、彼の先輩格宮島充三郎同心が本所の柳島村の土手で殺害されたのだが、殺され方が普通の刀で切られたものではなかったことで、武術に詳しい鷹之助に助言を求めて来たのである。しかしその時は鷹之助等はまだ満足に答えられなかった。
それが機会となり、鷹之助が要之助の家を出向かうようになった。要之助の妹、三津とも会うようになるが、鷹之助にとってはとうに昔の話しなのだが、三津は初恋の女だった。お互い適齢期になった若者として、鷹之助は三津に自身を最下部の結婚相手として見做してくれるようにと、率直に己を曝け出して伝えるのであった。非常に爽やかで男らしい若者ぶりだ。
鷹之助は、心が晴れないまま、切ない気分を晴らす為酒を憶える人となり、春太郎芸者の馴染み客になる。色々愚痴話しをこぼした中に、充三郎の殺しの事件もあった。そんなある時、春太郎が編纂所を訪ねて話してくれた鎌術に事件解決のヒントなるものを教えられる。
江戸市中に伊藤一水が教える伏草流鎖鎌術の道場があり、その師範代は小松杉蔵である。彼に嫌疑が掛かるのだが、要之助が夜間見回りの時に、鎖鎌術を使う賊に襲われたということで、事件の元凶はむしろ火盗改方の中にいるとの思いに至った。さらに柳島村の又兵衛は、農民自らの護衛術として鎖鎌術を使うことが判るのだが・・・この後、物語は複雑な展開になり、思わぬ方向へと進む。
結局、鷹之助は機を得た自らの行動力や彼の人柄にして様々な情報が集まる事、そして2人の老練剣士とのチームワークもあり、火付盗賊改方の内部の悪巣を暴くのである。