望月ミネタロウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公ハシは事故の後遺症で破片が脳に残っている為に「嘘がつけない」症状を持っている。思った事をそのまま口にする為、他者とのいさかいが絶えないために入院している。その他、それぞれ異なる疾患を抱えた患者と玉木ドクター。未だ脳の疾患と精神異常がごちゃ混ぜにされている世の中で、何が人の心を傷つけるのか、と言う事が描いてあり、そこから脱するのは自分の心なのだ、と言う事が一切押しつけがましくなく作者のテイストで描かれている。時にシュールに、時におとぎ話の様に、時にギャグ漫画の様に。
患者を導くべき医者の玉木が失踪する。破片を取り除く手術をすれば元に戻れる確率は50%と言われていたハシは、玉木失踪後に手術を勧められ、選択するには自分を診てくれていた玉木の助言が欲しいと願う。玉木は女装癖及び自分の性癖に悩み、失踪したのだ。自分が分からない医師が患者を診る事などできない、と。玉木の言葉以外でそのような描写は一切されていないが、玉木が「ただ女装が好きなだけなのか」「自分はゲイなのか」「かと言ってハードルの高いものを好む性癖ではなさそう」とまだ迷い続ける中、その一端を担ったのがハシの存在であり、ハシを好きになってしまうかもしれない自分から逃げたと言う告白をしている。
人と違う事、人に理解されない事は人間である以上苦痛を伴わない訳がない。どんなに正直に告白しても信じて貰えない時もある。隠し続けても見透かされる場合もある。なぜ自分はいつまで経っても人と同じになれないんだろう、自分だけ違ってしまうんだろうと考え続ける大人が読んで欲しい漫画だ。 -
Posted by ブクログ
江戸時代が舞台の原作を、上手に現代的要素を取りこみながら翻案している。
工務店経営や信用金庫への融資申し込みについては詳しくないが、現代でも通るのかなぁと思った。
キャラクターが魅力的。教養がほとばしり、世界旅行中には冒険もし、現在は従業員や子供達のために経営や施工に奮闘する若棟梁の生き方に好感が持てる。
あまり感情の起伏が表に出ないように見える「大(マサル)」は、若棟梁の大事なパートナーで理解者だと思う。
子供達の個性も面白い。
マイペースかつユニークな福田父。原作ではここまで個性的ではなかったが、だから周りの人は彼の言動をあのように受け取ったのだろうか。
個人的には、若棟梁とゆうこさんはお似合いだと思う。
りつの個性がいきいきと描かれている。
スーパーで女の子に買ったものに対する辛口のコメントをされた大留の女性社員が、眉をひそめることもなく切り返したところが大人らしくていい。 -
Posted by ブクログ
火事により実家の工務店が焼け
両親を亡くした若棟梁の茂次は、
父の言葉
「どんなに時代が変わっても人に大切なものは、人情と意地だぜ」を胸に再建を誓い、
会社を継ぐことに。
そんな時
お手伝いのりつや
行き場のない子供たちまでが
転がり込んできて…。
山本周五郎の原作を
ロックする漫画家・望月ミネタロウが斬新にリメイクした
鬼才2年半ぶりの待望の最新作。
いやぁ〜
相変わらずやってくれるわ(笑)
大好きな漫画家望月ミネタロウが描く今度の主人公は
まるでホームレスか
70年代ヒッピーのような
長髪に髭もじゃの
怪しい26歳の若棟梁。
本が好きで世界中を旅してきた自由人なんやけど
頑固で意地っ張りで
あくまでも自分の力だけで
工務店を立て直そうと奮闘する様が
ホンマカッコいいんです。
そしてそんな崖っぷちの工務店に
家政婦として住み込むことになるのは
病弱な母を養うため
キャバクラで働いていた20歳の女性りつ。
これまた頑固な性格で(笑)
怒ると目尻が上がって
口がへの字になる
まるで朝ドラのヒロインのような
りつのキャラが
ホンマ魅力的なのです。
やむを得ず引き受けることになった
施設の子供たちや、
(「アダムスファミリー」時代のクリスティーナ・リッチによく似たゴスロリ少女が、いい味出してて爆笑やし)
りつの恋のライバルとなるであろう
お色気ムンムンな福田ゆうこなど
脇役たちもキャラが立ちまくってて
終始ニヤケっぱなし(笑)
それにしても
ブランクを感じさせない
望月氏の
ポテンシャルの高さよ。
ピンナップにして
飾っておきたいほど
オシャレでセンスのいい
ワンカットワンカットのコマ割り。
少女性を残した
相変わらずキュートでガーリーな
ヒロイン像。
懐かしい自身のヒット作
「お茶の間」を思わす
古き良き和の世界観。
今作は今の日本人がとうに失くした
下町の義理人情と
職人という男気あふれる
大工の世界を描くということだけど、
1巻を読んで不安も吹き飛びましたよ(笑)
お得意のスタイリッシュなポップ感覚は
より研ぎ澄まされ、
お洒落さと
古き良き昭和の香りが見事に融合していて
コレは早くも
傑作の予感がプンプンします!