相田裕のレビュー一覧
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永きを生きた事で狂気へと至った射干の剣技はそれこそ命を命と思わないもの
春安達のように武士として命を懸ける覚悟がある者の剣技と大いに異なるそれは対峙する者から容易に命を刈り取る技。ただ、春安にすればその剣技は美しくないし生松や菊滋の剣に劣るというのは面白い評だね。怪物の域に達している事と剣の強さはまた別なのか
しかし、問題となったのは生松達より強くなかろうが春安達の前に立ち塞がった壁としては脅威であるのは変わらぬ点か。その為に葉狩が……
序盤から春安達に協力し、一時離脱は有りつつも変わらぬ同心から再び旅に同行した。そんな彼の心にあったのは死に損なったという感覚だったのかも知れないなぁ…
志しを同じくした弟は御家の使命に殉じた。なのに明治まで生き延びた自分はかつての同僚と言える不平士族を討つばかり。彼にとって仕える主人の為に命を賭す春安の姿や懸想方の在り方に倒幕以外の遣り方で幕を閉じる使命は待ち望んでいた死に方だったのかも知れない
けれど、葉狩の戦い方は決して無謀なものでも命を投げ捨てるものでもなかったね
殺生石を使用しても決して妖刀に呑まれる事はなく最後まで武士として戦い続けた。己が持つ汎ゆる武器を用いて射干へ決死の一撃を見舞わんとした。両手を犠牲にし射干へ刃を届かせた彼の剣技は凄まじいものでしたよ……
この戦いは冷え切った射干の心にどれだけの熱を燈したのかな……?
射干を退け再び逃亡を始める春安達。ここで意外な動きとなったのが百歳か
葉狩の遺体を弔うよう図り、捕らえられた春安達を助けてみせた。初登場時の彼女は口だけ達者な子供という印象が強かっただけに、本物の死合を見て己の弱さを知った百歳は大いに変貌を始めたね
ただし、百歳は完全な変貌を遂げた訳では無い。だから、新たな学びが必要と成るのだろうけど、ここで春安達の旅路に同行しますか
シノの思惑は知っているが、そこへの同調は無い筈。母の思い出がない彼女にとってむしろシノが母代わりであり、シノの願いを叶えたいという想いが強いのかな…
刀工の里へと辿り着いた一行、まさかここに来て他勢力も里を目指していたとは
改めて殺生石が事態の趨勢を握る鍵であると強調されているかのよう。図書掛は退けたけど、修羅へと至りつつある煙花から刀工達を守るのは生半可な事では無いように思えるが… -
ネタバレ
少女たち周りの倫理観が欠点
義体になった少女たちの人権侵害に対して、全体的に大人たちの倫理観が低すぎませんかね…というところだけが引っかかる。
倫理観が低いなら倫理観低いままで突っ走っていいんだけど、なんか倫理観低い状態で少女たちと接してる大人たちの姿がいい話に描かれているのに違和感が拭えない。
トリエラの件も、本人が同意したわけでもないのに、勝手に子孫を残されそれが希望扱いされるのって人権侵害では…スペランツァ検事は法曹なのにそこ疑問に思わなかったの?という疑問が。
テロとの戦いや復讐、憎しみの連鎖、少女たちだけじゃなくそれを取り巻くのキャラクターたちの魅力…などなど、素晴らしい点がたくさんある作品なので、少女たちの人権侵害について良識派であるキャラすら十分に批判的じゃないし、大人側に都合がいい話になっているのが残念です。
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生徒会ってこんな感じなのかな
高校生の学園ものです。彼らの挫折や希望がよく描かれています。高校時代、私はあまり生徒会には縁がありませんでしたが、疑似体験している気分です。陰の存在ながら、いろんなことをやっているのですね。てっきり雑務ばかりかと思っていました。過去を断ち切り、新しい世界へとがんばる彼らを応援したいです。
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本作品の魅力の一つが分かった気がします。ジメッとした雰囲気が漂ってる割に登場するキャラクターがみんな良い子なのですね。この空気で不快なキャラが出るとすぐにバランスが崩れるのかもしれません。つまり何が言いたいのかというと、一巻の良さはそのままに非常に面白かったということです。
しっかり方向性を示したのかな?一巻時点では公志朗君が野球少年として復帰するENDもありかねないと思いましたが、ガッツリ生徒会ですね。主人公の丸ちゃんとの異性としての関係性がフォーカスされて、落ち着くところに落ち着いたなという印象です。それにしても相変わらず「良い意味で」起伏の乏しい作品です。新入生歓迎マラソンという大きなイベントはあるのですが、言い表しようのないイチゴーイチハチ空気で話が展開されて、主張の強くないキャラクター達なのに「主役はストーリーではなく私(俺)たちだ」という声が伝わってきます。まさに青春ですね。青春群像譚としてこれ以上ないGOODな空気です。大好きです。
良い子ちゃんだらけの本作ですが、一番闇を抱えてるのは主人公の丸ちゃんではないかと踏んでいます。『1518!』というタイトルなので高校生活を全て描写すると思われますし、現在の生徒会長もいなくなってから本番なのかなとワクワクしています。次巻に期待です。 -
Posted by ブクログ
野球?恋愛?生徒会?いいえ、青春群像譚です。
『1518!』というタイトルや冒頭の野球シーン、そして生徒会入会とイマイチ何の漫画だか掴めませんでした。おまけに群像譚というから余計に混乱します。しかし、詳細な高校生活描写によって読み進めるうちに作中に入り込めるので、方向性の迷子になるということはありません。一巻だけでは魅力を発揮しきれていないように感じたので、全巻読み終わってから読み返したい一冊です。
受験に敗れた者たちの集まる学校ということもあって、青春漫画というには暗めの始まりでした。表紙の空の雲の割合がそのまま作中の空気を反映しています。同じ土俵で再び立ち上がるわけでもなく、派手やかな別の舞台で輝くわけでもなく、現実に即した違う道の歩き方を示すのは苦しさや痛みを伴いますが他作品にない魅力だと思います。そういった雰囲気のためか作品内に流れる時間が非常にゆっくりに感じるのも好感です。彼ら彼女らの行動にどんな意味を与えるかが作品の最大の魅せ所だと思うので、非常にラストが気になります。
週刊少年ジャンプなどを読んでる自分には、生徒会が非常にリアルなのが新鮮でした(笑)。現実的な権限を持った生徒会の現実的な活動の範囲に収まっています。少し埃を被ったような学校描写も素晴らしいですね。生徒会経験のある方には勿論刺さると思いますし、これから中学高校生活が始まる方にもオススメだと思います。 -
Posted by ブクログ
完結。目標を失った野球少年が、高校生活を通して
新たな目的や笑顔を取り戻していく過程を描く物語…と
作者さんはおっしゃていますが、主人公だけでなく
それぞれのキャラクターがとても真っ直ぐに
がんばっているという姿勢がまず印象的な作品でした。
自分の「今」を一所懸命に考え、生きて、
次へとバトンを渡して巣立っていく…。
公志朗と幸はもちろんだけど、周囲を取り巻く人々が
それぞれに輝いている、清々しく羨ましい高校生活でした。
生徒会がメイン舞台だったせいか、極端に荒れた
キャラクターや展開はなかったけれど、
これが、この空気がいいんだと感じました。