相田裕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
京都にも化野民の子って居たんだ…。隗が纏める一派だけかと思っていたよ
母を殺すつもりだったとしても家族殺しは初めてで。故にシノのメンタルは揺らいでしまうのは当然なんだけど、この有り様だと本当に母殺しなんて出来るのだろうかと疑ってしまうね。無論、そう易易と母殺しが出来ない方が健全では有るのだろうけども
そうした揺らぎを受けてか、この巻のシノはいつにない行動が見えたような
不慣れな手料理に精を出したり、熱に浮かされたり…
それらは彼女が尋常ならざる領域へ近づいている証かのよう
そうした異変が表に現れてしまうくらいには彼女一人では困難な大業。これを支える者達が居る構図は改めて良いと思えるね。 -
Posted by ブクログ
化野民を交えた剣戟は常と異なる光景となるね
人より丈夫でありながら高い技巧も併せ持つ。そんな化野民から勝ちを拾おうと思えば、それこそ前巻にて春安がやったように自らの命をなげうつような剣筋が求められる
そのような剣筋は何度も放てるものではないから、一世一代の場面でしか使えない
そう思うと、藤田と伊庭が互いの死を幻視する程の緊張感に身を浸しながら、時尾の傍に帰る為に逃げの一手を打った藤田の姿は印象深い
士であれば死を賭してでも切り合いを遣り遂げるのかもしれないけれど、既に士を辞めたのであれば命を捨てる理由など何も無い。生きる為に逃げる彼の姿は時代の移り変わりに適合した姿に思えたよ
だとしたら時