相田裕のレビュー一覧
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ネタバレ担当官の中でもぶっちぎりでワーストに入るのはジョゼさんだと思う。
きっとそんなことを言おうものならヘンリエッタに銃を突きつけられ、
ジョゼさんほど素晴らしい人はローマ中探してもいません!とか
言われてしまうんだろうと思う。だがジョゼさんはだめ男である。
大人の余裕と優しさでヘンリエッタを掬い上げたように見せて、
実は妹の形に開いた心の穴を埋めていただけで、その虚しさや
救いようのなさに絶望していきながら、結局ヘンリエッタから全て、
ほんの小さな幸せすら奪ってしまったわけである。
だがそんなジョゼさんすらヘンリエッタは守ろうとする。
愛らしい微笑みを忘れた無表情でも、ジョゼさんを守ろうとする。
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Posted by ブクログ
ネタバレここまで作風を変化させてきましたか。いや、興味深いです。
とりあえず表紙の絵のタッチに驚きましたね。
これまでは繊細な線ながら比較的キッチリとした絵柄で、塗りも基本的に写実的なものだったと思うんですが、少しラフ目な線で味のある絵柄、塗りも幻想的なものとなっていて、かなり大きく変化した印象を受けました。
いや、作中の絵柄というかコマ割含めた画風が段々変化していってるのにはもちろん気付いていましたけど、その変化の方向性として想定していたものとはやや違っていたこともあって驚きました。
これは内容的にも同様なんですが、静かに淡々と遠くから眺めるような描かれ方だったのが、かなり強く -
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架空の欧州を舞台に、暗殺者として人生を改変されたサイボーグ少女と大人達のバディを中心に描かれる諜報モノ。
両者は任務のための相棒としてだけでなく、庇護者、兄妹、あるいは遠く叶わぬ恋愛関係として、死と隣り合わせの舞台内でいびつな人間劇を繰り広げてゆく。
まだ一巻の時点ではそれほど達者なタッチではないが、舞台相応に痛みとウィットの効いた台詞回し(「案外どこかのスナッフ・ムービーに出演してたのかもね」「薬で尊敬を得たのか」等)や、細かなシーン描写(ティーソーサーの傍らに開けられた無数のシュガースティック、放り投げられるぬいぐるみ等)は節々に垣間見られる。
聖なる傷を負わされた子供達の救いの無い姿、 -
Posted by ブクログ
ようやくジャンとジョゼの兄弟を「復讐」に走らせたきっかけ「クローチェ事件」が語られる12巻。後半はヘンリエッタの話。絵柄がごつごつした感じに変わって、とても残念だ。
ジョゼにとってのエンリカ、ジャンにとってのソフィアがどういう存在だったのかがよく分かる。エンリカは前に出てきた亡霊と全く違う性格だったのには驚いた。あんなに元気な子だったとは…。
エンリカがソフィアに謝ることができないまま死んでしまったのを読んだとき、切ないとか悲しいとかいうのではなく、どう思えばいいのか分からず戸惑ったというのが正直なところだった。やはりこの事件は救いようがなく残酷なものなのだと思った。
p107のプリシッラやロ -
Posted by ブクログ
既刊まで既読<1~11>
絵も3巻あたりの頃が一番好きだけど(特にジョゼさん)、何より過去編に突入してジャンさんとヘンリエッタの擬似恋愛的な関係が好きだったんだと強く思った。過去編を見てると妹が可愛すぎてそして家族の描かれ方が上手すぎて「ああヘンリエッタは代わりでしかないのか」っていう知ってたんだけどそれがより強く印象付けられてしまった。2期生が現れる前ぐらいまでが誰か死ぬんじゃないかと、次のページを捲るのが怖くて震えてた気がする。今はもう心が慣れたのかすいすい読める【カテゴリ★5→★2に↓】
↓9巻あたりまでの感想
語り切れないぐらい、いい。大好きな「大人の男×少女」なんだけど、あざとさの