あらすじ
ジャコモ率いる五共和国派残余、建造中の原発を占拠!! 総力を挙げた社会福祉公社の制圧作戦が始まる。様々な運命が交錯する激動の第13巻。
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Posted by ブクログ
とにかく痛々しさを感じる物語。かつてのキャッチコピーに「少女が手にしたのは大きな銃と小さな幸せ」というのがあった記憶があるが、この巻ではその「幸せ」の象徴であったヘンリエッタすらも「ロボット兵士」として扱われ、担当官のジョゼもそれを是とし(あるいはそのように自身を納得させ)戦いに赴く。
「戦闘」ではなく「戦争」と表現するのが正しいのかもしれないと思わされる両者の争いは、多くの犠牲を憎しみを生む。そんな中窮地に立たされたトリエラと彼女を救わんと死地に向かうヒルシャーの姿に思わず目が潤む。戦いの前日譚を含め、この二人の関係性は本当に良い。互いに自分の想いが愛情と知り、思いやりを持って言葉を掛け合う。
トリエラの言葉はいささか自己犠牲が過ぎたような気もしたが、それだけに出会えたときに漏らした本心にグッと来た。
二人の行く末、戦いの結末、どちらも次巻以降に持ち越しで今からそれが楽しみでならない。
Posted by ブクログ
イタリア社会の暗部を象徴する過激派勢力、五共和国派。
彼らを壊滅させるべく秘密裏に組織された社会福祉公社。
いま、両者による最後の総力戦の火蓋が切って落とされる。
そして、熾烈極まりない戦いの果てに彼女たちが迎える運命は・・・。
義体という作られた命 社会福祉公社の戦兵として
使い捨てられる運命にある彼女達
だからと言ってそれが死を正当化する理由足り得るだろうか
彼女たちが本当に求めていたのはほんの少しの思い遣りだったのかもしれない
「今となって思うのは、利己的な生き方・・・愛情 モラル・・・偽善 すべてが自分ってことだ。俺は誰にも恥じないぞ!」(byジョゼ・クローチェ)
どんな終焉を迎えるか分からない
だが、戦争やテロ、命についてこうも深く考えさせられる作品に巡り合えたのは
一種のキセキなのかもしれない・・・
Posted by ブクログ
平和だったあの頃が嘘だったかのよう。
VS五共和国派のクライマックスに近づいてきたように思う。
そしてこのシリーズでもっとも激しいドンパチが繰り広げられます。
塔のテロも僕らにとっては激しく驚きの戦闘だったけど
今回に比べたら大したことない。
戦闘というか…戦争、殲滅戦ですね。
全ての力をもって公社はこの作戦に望むんだけど
そのための心意気とかがその部分を強調していて緊迫感がすごい。
塔のときと同様に今まで登場しなかった義体が活躍していて、
その他の課員や戦闘要員も凄まじいい戦いを繰り広げられていて
手に汗握りまくりんぐです。
しかもここにきてトラウマというものが作戦じ非常に大きく
かかわりをもつようになるみたい。
続きが待ち遠しくてしょうがないよ!
Posted by ブクログ
徐々に終わっていく物語も、もうすぐ終わるのではないかという雰囲気。まさに最終決戦。
なんかここまで来てしまうと淡々と終わってく様を眺めていくだけかと思っていたが、意外と今巻の描写は熱い。特にジャコモ=ダンテがいい味を出している。12巻がクローチェ兄弟の復讐劇の描写メインだったが為に。
ジョゼは確かに因果応報だがヘンリエッタに関してはもはや悲劇としか言いようがないなぁ。ヘンリエッタとジョゼの続きも気になるが、それ以上にトリエラとヒルシャーが猛烈に気になるのであった。ええい13巻はいつ発売だ…。
あ、書き忘れてた。アレッサンドロもげろ。
Posted by ブクログ
いよいよ始まった公社VSジャコモとの決戦。
この巻はぞわぞわと忍び寄る滅びの予感と戦いながら、それでもずっと憑かれたようにページを捲っていたような気がする。
誰が生き残るのか分からない戦いの描写は以前よりも迫力を増しているように見えて、作者の気迫が感じられた。
1期生が次々と窮地に陥るが、ペトラたち2期生も油断できない状況。本当にいつ誰が死ぬのか分からない。何とか少しでも救いのあるラストにならないものだろうか…。
そして、最後のジョゼのうめくような呟きが容赦なく胸を抉ってきた。まさに衝撃のラストだった。
次で最終巻なのだろうか。
誰が生き残るのか。救いはあるのか。
続きをゆっくり待とうと思う。
Posted by ブクログ
年端も行かない女の子が銃を持ってドンパチ、という妄想全開の設定だけど、丁寧に作られた世界観(設定や絵柄も)の為にいやらしい感じがしません。
もっとも作者はエロゲーのイラストも手がけているようですが…。
いや、逆にそのおかげでこっちの作品ではストイックさを保っているのかも。
担当官にほのかな恋心を抱く描写が多々あるので、特にペトラのエピソードで恋愛ものが苦手な私には途中で読むのを止めようか…と思った事もありましたが、アンジェのエピソードでやられてしまいました。
そして、このどうあがいても悲劇しか待ち受けていない物語の終焉を、作者がどう描くのかが気になって、購読続行を決めたのでした。
エロもないし、ハードな内容なので、読む人は選ぶかも。
Posted by ブクログ
担当官の中でもぶっちぎりでワーストに入るのはジョゼさんだと思う。
きっとそんなことを言おうものならヘンリエッタに銃を突きつけられ、
ジョゼさんほど素晴らしい人はローマ中探してもいません!とか
言われてしまうんだろうと思う。だがジョゼさんはだめ男である。
大人の余裕と優しさでヘンリエッタを掬い上げたように見せて、
実は妹の形に開いた心の穴を埋めていただけで、その虚しさや
救いようのなさに絶望していきながら、結局ヘンリエッタから全て、
ほんの小さな幸せすら奪ってしまったわけである。
だがそんなジョゼさんすらヘンリエッタは守ろうとする。
愛らしい微笑みを忘れた無表情でも、ジョゼさんを守ろうとする。
ほんまどこに出しても恥ずかしくない甲斐性なしである。
ラストシーンも自分は罰されて満足したかもしれないが、
ヘンリエッタにしてみれば悪夢でしかない。
そんなところまでこの子に背負わせるというのか。
あとクローチェ兄弟はエンリカの何を見ていたのかと思う。
こーのいくじなしがあー。
それを思えばヒルシャーさんの男気に涙が出る。
トリエラは義体の中で唯一外に世界を持っている子で、
それらを大事にしているのがすごく愛おしかった。
Posted by ブクログ
ジャコモの策略に翻弄される政府と公社。
トリエラが…ヘンリエッタが…。
義体達がボロボロになってゆく…。
悲しい結末しかないのか…。そんな予感のする巻。
次巻が楽しみなのか見たくないのか複雑。
Posted by ブクログ
絵が昔に戻りつつある気がする。やっぱこっちのほうがかわいいし、それでこそ救いのないストーリートのギャップもあっていい。悲しくなる。
それにしてもすげえ展開だな。
近代兵器の応酬は熱いね。
Posted by ブクログ
誰がどれだけ生き残ることが出来るのか?
普通の”ハッピーエンド”はそもそも最初から望むべくも無いし、
とにかく何某かの”救い”のあるラストであることを・・・。
Posted by ブクログ
女性的な揺らぎと、銃撃戦を同時に書かれちゃたまんないね。
誰かが誰かを陥れるために陰口を叩く、という日常生活は描かれないという所も魅力だと思う。次の巻が待ち遠しい!
Posted by ブクログ
決戦。
右腕右足を失ったトリエラが、
「血は止まった。
まだ戦える。
でも、生き残ってもアンジェリカのように記憶が…。
…ここが私の死に場所か。
マリオおじさんのウィンチェスター。
ヒルシャーさんのくれたP230。
うん。寂しくないね」
助けに来たヒルシャーに、
「ばかな人。でもうれしい」
「この人と一緒に、必死に生きて、そして死のう」
と同格の場面。
そしてヘンリエッタ、錯乱によりジョゼを撃ってしまう。
Posted by ブクログ
ジャコモとの戦いが本格的に。
義体達も傷つきながらの大激戦。
つか、ちょっときついわー。
激戦過ぎて、消去されたはずの記憶が甦ったりするわけですよ。
それ位、彼女らの過去は壮絶だったということなんだ。
そして現在もいずれは使い捨ての身。
読んでて苦しくなってくる。