古谷経衡のレビュー一覧
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★面白いが学術風分析が少しやり過ぎ★自分の身を振り返れるからこそ「意識高い系」の分析が秀逸なのだろう。本当のリア充はアピールしないから、外からは見つけられないというのは面白い指摘。ありあまる承認欲求から地元の外に出たが、スタートラインのずっと後ろからしか走り出せない。そんな地方出身者の苦悩も納得する。学生時代の満たされなさにすべての原因を持ってくるのはちょっと行き過ぎな気もするが、そういう人は確かに多いのかもしれない。
「意識の高い人」と「意識高い系」の違いは、実際に努力して行動するかという提言もいい。小4の選挙サイトで問題となった青木大和も、北海道への移住とかシェアハウス運営とか聞こえのよいことではなくて、地に足の着いた取り組みをすればいいのに。
前半は過度に分析的、定義づけに取り組んでいるので読みにくい部分もある。後半の具体例から読んだ方が入りやすいかも。
「リア充」について一点。盛んに自分の生活をアピールする地方のマイルドヤンキーと、世田谷に土地を持っているような著者のいう本当のリア充とでは、やはり別物なのか。ホテルでシャンパンといったようなキラキラ感があってこそ、意識高い系が参照するリア充になれるのか。マイルドヤンキーはリア充であっても、また別の種類なのか。 -
Posted by ブクログ
この本では「シニア」とは五十歳以上のことなので(p10)私もすでにシニアなのである。副題の「日本の中高年はなぜ右傾化するのか」という問いに対する著者の答えは、シニアはネット上の情報を疑わずに接してしまうこと、また、戦争を体験していないシニア世代にとっては戦後民主主義がふわふわとしたものでしかなかったこと、それゆえにシニアはYouTubeなどネット上の煽動によって容易に右傾化してしまいやすい、と要約できる。では子供や若者はどうかというと、シニアと同じくネット上の情報を疑わずに接してしまう傾向があるので、ネットがいかに不完全か啓発すべきとされる(p269)。なにか現状を打破するすべはないのか。「移民が重要なカギを握る。(後略)」(p279)が移民には右翼も革新も否定的だし、円安もあり日本で働きたいという人々は減っている、と続けられ、暗澹たる気持ちになりながら読み終えた。
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陰謀論と排外主義は末端から主力へ上がっていく。
陰謀論や排外主義に関する話題が、選挙で挙がるようになって久しい。本書はネットで名前をよく聞く識者が陰謀論などに関してそれぞれの視点で切り込んでいく。
ちだい氏の話を読むと、地方選での陰謀論などの広がりを実感するし、藤倉氏による幸福の科学など他団体を絡めた話も印象に残った。
残念ながら情報を精査できない中高年がハマってしまい、受動的に受けることが主になっている若い人達の間でも今後も引き続き陰謀論などは広まると思えてくる。そのような中で、それは何も生み出さないと意識を持って距離を置くようにしたい。 -
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世の中の出来事で気になることが起きた時、この人の意見を聞きたいと思う人が何人かいる。
立花隆、池上彰、佐藤優、がそんな人なのだが、その次が思い浮かばない。
古谷経衡さんは、佐藤優さんが後継者にしたいと感じた人物らしい。
古谷経衡さんという人物を知りたくて読んでみたが、古谷さんが佐藤さんの考えを聞き出すような内容だった。
分かったのは、古谷さんが成人するまでに親から受け続けた学歴プレッシャーで精神を病んでいたということ。
4年間に渡る対談を纏めたものらしいが、話題が発散しすぎていて「こんな話をしていたの」という感じ。
「日本人の7割が知らない世界のミカタ」というタイトルにした訳もわからない。
古谷経衡さんは今43歳。
佐藤さん曰く、45歳までは勉強して45歳を過ぎたらその内容を咀嚼して皆に分かり易く伝えてほしい。
ということを言っていたので、古谷経衡さんの今後の活動を時々チェックすることにしよう。
立花隆さんは亡くなってしまったが、池上彰さんと佐藤優さんが健在なうちは、この二人の考え方を参考にしていこうと思う。
古谷経衡さんの人となりは、本書からはよく分からない。 -
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太平洋戦争は圧倒的な国力を誇るアメリカ相手に無謀とも言える闘いを挑み、3年以上に亘って繰り広げられ、最終的には2発の原子爆弾投下後に無条件降伏という形で終わった。戦後数々の戦記物や評論が書籍となり、中には戦争自体を正当化するものや、こうすれば勝てたという様な奇想天外なものまで内容は様々だ。大方、山本五十六の言う最初の半年ぐらいは何とかなるだろうが、後のことは解らない、という情勢判断が(それも奇襲前提)当たっているし、それでも尚埋まるはずの無い圧倒的な工業生産力・技術力を考えれば、やはり無謀としか見えない。
緒戦のマレー・ハワイの二方面の快進撃だけは日本が勝っていたのも事実で、その後は徐々にアメリカに押されていく。中でも、海軍が空母四隻を失うミッドウェー、陸軍が戦力を逐次投入して失陥したガダルカナルの戦いは戦争全体を見渡して、日米の戦局転換点になったと言われる重要な戦いだ。元々圧倒的な戦力差で開始された戦争であるから、順当になったと言えなくはないが。
以降は散発的に反撃が行われるものの、兵力と最新兵器にモノを言わせる米軍に殆どなす術なく押し込まれていくといった流れだ。その様な連戦連敗の負け戦が続く中で、幾つかの戦いに於いては「転んでもタダでは起きない」様な戦いがあり、それを成し遂げた名指揮官達の活躍ぶりにフォーカスするのが本書の内容だ。名将として4名を挙げる。インパールの佐藤幸徳中将と宮崎繁少将、沖縄戦の高級参謀八原博通大佐、航空特攻の無謀さを訴え最後まで部隊を率いて戦い続けた美濃部 正少佐。単に歴史書物を追うだけでなく、実際の日本兵が直面した現場に赴いて肌で実感してくるというアクティヴな筆者のスタイルが面白い。
最初のインパールは補給の無い前線から命令違反になる事を恐れず撤退し、高木俊朗の「抗命」にもその英断が描かれる佐藤中将。再三の約束にも関わらず補給を送ってこない牟田口に対して、前線の兵士の危機的な状況と全滅を回避すべく撤退を決断した司令官は、当時命令違反=死刑を恐れず決断した勇将として戦後描かれる。実際は初めから補給線を完全に無視した作戦ながらもインパールまであと少しのコヒマを占領するなど、指揮官としての評価は高く描かれる。さらにその撤退戦においても戦国軍師真っ青の巧みな謀計で追いすがる敵を撹乱しながら殿の務めを見事に果たす宮崎少将。私も以前に宮崎少将を題材にした書籍を読んだが、孔明さながらの敵を欺く戦法にはワクワクしたのを覚えている。
沖縄戦の八原博通大佐もその頭脳明晰ぶりと戦局を冷静に見極める眼について、本人を題材とした書籍で知っていたものの、大本営との作戦構想の違いから何度も作戦変更を余儀なくされる。その様な中でも残存兵力を用いて米国に多大な出血と本土決戦までの時間を作るという大極的な戦略目標を達成していく。八原については沖縄の犠牲者を徒に増やしたとの評価もあるが、あくまで軍人としてみれば名将と呼ぶに十分な働きをする。
最後は美濃部少佐であるが、有名な言葉「あなた方(軍首脳部)が数千機の練習機で闘いを挑んできても、美濃部が一機の零戦で撃ち落とす」で、最後まで自身の部隊から特攻を出さなかった事で有名だ。当時扱いに困り余っていた彗星戦闘機とその管理方法から偽装工作まであり物を全て駆使して戦い続けた名将は、戦後航空自衛隊の空将まで上り詰めた。
いずれの指揮官・参謀達にも共通するのは、負け戦という相手方に攻撃主導権のある状況、限られた武器と傷ついた兵士たちを守りながら闘うという制限された状況、限りある物資の中での戦闘を指揮しながら成果を挙げたという事だ。現代社会に於いても会社の状況や新型コロナなどあらゆる制約を受けながら前進する我々現代人にも参考になる闘い方だ。予算がないから出来ないというビジネスパーソン、コロナでお客さんが来ないと店を閉めて諦めてしまう飲食店、国家戦略にしても全て好条件のもとで物事を進められるなんて稀だ。むしろ限られた資源でいかに工夫するか、いかに最大限の成果を出せるかで人の評価は決まる。生と死を分ける食べ物も武器も何もない最も過酷で厳しい条件で、かつ生きて帰れるとは思わない死地に赴いた1人の人間として、彼らがどの様に創意工夫し生き延び、戦後を生き抜いたか、是非本書を手に取り生き方に活かしてほしい。