黒輪篤嗣のレビュー一覧

  • 新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

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    いやー、難しい…。哲学系以外で理解に時間をかけたのはホント久々かも。まぁその難しさが面白いわけなんだけど。

    エネルギーを生み出すのに必要な石油/天然ガスが大国アメリカから採れるようになった「シェール革命」から本書は始まる。ロシアやサウジアラビアからの輸入を必要としなくなる上、色々な国へエネルギー源を輸出することが出来るというのは、各国の関係性を変えるのに十分だったわけだ。
    ロシアや中国、中東の危うさも同様に、このエネルギー源に由来している部分もある。エネルギー源は金になるからこそ、それを手に入れようと誰もが争うのだな。

    一方でコロナや再生可能エネルギーにより、石油/天然ガスの価値というものも変わってきている。身近な例で言えば電気自動車など。石油/天然ガスの価値が下がれば、それによって成り立っていた国々は方針を改めざるを得なくなる(サウジアラビアなどがいい例だ)。あるいは、レアアースがそういった石油/天然ガスの枠に収まっていくのかもしれない。

    エネルギー1つとっても世界情勢全体を俯瞰しなければならず、「地政学」という一言がいかに汎ゆる意味を孕んでいるかを示してくれる超良書。難しいしまとめきれないんだけど、非常に納得感のある一冊でした。オススメです。

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    2023年11月25日
  • ワイズカンパニー―知識創造から知識実践への新しいモデル

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    前著「知識創造企業」の続きで、前著で紹介したSECIモデルを発展させたSECIスパイラルについて、その軸となる共通善と実践を抽象化したフロネシスを中心に解説し、SECI行き詰まり症候群を打破するための6つのリーダーシップ実践について提案している。
    事例が豊富でかつ25年前に出版された前著と比べて新しくなっているのでより腹落ちしやすいのではないかと思う(JALの再建や東日本大地震のときの企業の実践などが事例として挙げられている)。
    メインテーマでもあるワイズリーダーの理想が高すぎる気がするが、9章で述べられている自律分散型リーダーシップをもって相互補完するというのであれば納得できる。
    一つ残念なこととしては後半の6章がSECI行き詰まり症候群への対策として挙げられているが、実際に対策を実行した事例がないこと。
    とはいえ、事例が豊富でボリュームの割に読みやすく、前著から一貫してミドルマネージャの重要性を説いているため、今ここで自分から実践することの背中を押してくれる。

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    2023年10月07日
  • 新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

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    500ページを超える読み応えのある本。この一冊で現在のエネルギー資源と世界の勢力地図を総覧しようとしている。近年、エネルギーと地政学にまつわる世界地図がどのように塗り替えられたかを、石油・天然ガスの主要な生産あるいは消費国・地域である米国、ロシア、中国、中東と、エネルギー問題に関する二つのテーマ、電気自動車、気候変動問題を中心に詳細に描き出している。
    米国で2000年代初めにシェールオイル、シェールガスが採掘され、増産が軌道に乗ると、世界的な政治・経済のバランスが大きく変化した。経済的には、2008年のサブプライムローンによる金融危機で疲弊した米国の経済が復活した。安価な石油が生産できることで産業が米国に戻ってきた。しかしもっと大きな変化は、米国が石油の輸入国から輸出国に変わったことであり、それは国際政治のバランスを大きく変えるものであった。1970年代のオイルショックからイラン革命までの過程にみられるように米国は中東との関係に頭を悩ませてきた。その理由の一つは、石油の安定供給のためであった。しかし「シェール革命」によってその懸念は後退し、国際情勢に対して「強硬策に打って出られる余地」を作り出した。中東に対する関与のあり方の変化や、ロシア・中国に対する強硬策などは、その背景にシェール革命がある。
    ロシアは世界の三大産油国の1つに数えられる。石油・天然ガスはロシアの主要産業であると同時に、国際戦略上の武器でもある。ロシアを世界の超大国として復活させるというプーチン大統領の目論見を実現するために最大限活用されている。ノルド・ストリーム建設をめぐるヨーロッパ各国との綱引き、石油・天然ガス供給を求める中国への接近。ウクライナ侵攻後のロシアが欧米からの経済制裁にもかかわらず、持ちこたえているのは豊富な石油・天然ガス資源があるからだ。
    中国は米国とともに世界を2分する大国となった。米中両国で世界のGDPの約40%、軍事費の約50%を占めている。為替レートで算出されたGDPで比べれば、米国は中国経済より大きいが、購買力平価で計算した場合は中国が世界最大になっている。
    中国の「一帯一路」構想はアジア、ユーラシア、その先にまで広がる経済圏を形成し、世界経済の中心に中国を据えようとする。その目的は、中国製品のための市場と、必要なエネルギーや原材料を確保することにある。しかし一帯一路はどこまで経済的な企てなのかはわからない。阿片戦争以来の「国辱の百年」の克服を唱えており、国際秩序の中で勢力を増し、「中華帝国」を復興しようとしているようにも見える。領海については、東シナ海及び南シナ海のほとんどは中国固有の領海であると主張しており、その根拠は1936年の地図に描かれた「九段線」に基づいている。しかもその海は公海ではなく、外国の海軍は中国からの許可なく航行してはならないという。しかしこの主張は、国連海洋法条約にもとづく「航行の自由」に反している。西側の「普遍的価値」への挑戦でもある。今や米中間の相互依存関係は崩れ、経済と安全保障の問題をめぐる対立、米中経済のデカップリング論、軍拡競争となっている。
    オスマン帝国の支配下であった中東に国境線を引いたのは、1916年のサイクス・ピコ協定であったが、それはイギリスとフランスの勢力争いの賜物であった。以来、中東ではイスラムの権威を復活し、カリフ制による支配を取り戻す運動がたびたび起こってきた。エジプトのムスリム同胞団にはじまり、アルカイダそしてISISにまでつながる。2014年、シリアからイラクに進撃したISISは「サイクス・ピコ協定の終焉」を高らかに謳った。中東の国境線はもとより不安定であるが、イスラム教内のスンニ派とシーア派の覇権争いによって各国の外交、内政が複雑化している。
    20世紀以降中東各地で発見された石油と天然ガスは富と権力の基であり、砂漠の国々の経済を支える重要な資金源である。しかしやがて訪れるであろう「石油需要のピーク」を前にして、新たな産業の模索も始まっている。「シェール革命」によって米国の中東への依存度が減り、政策に変化が起きたことは、中東各国を疑心暗鬼にさせている。今までのような米国一辺倒ではなく、ロシア、中国への接近を図る動きも見られる。
    電気自動車、「移動のサービス化」(Mobility as a Service : Maas)、自動運転は世界の石油産業と自動車産業に大きな影響を及ぼし始めている。乗用車とライトトラックは、世界の石油需要の35%を占める。電気自動車の増加は、石油需要に直接の影響をもつ。ウーバーのような配車サービスは、自動車は所有するものから、利用するだけのものに変えていく。自動運転技術は、自動車をハードウェアからソフトウェアに変え、自動車産業に大きなインパクトを与えている。そして今後ドライバーの雇用にも大きな影響を与えるかもしれない。
    2015年11月に開催されたパリ気候会議でパリ協定が採択され、今世紀中の気温上昇を産業革命前に比べて2度未満に抑え、できる限り1.5度以内に抑えることを目指すため、各国が行動することが取り決められた。「パリ前」と「パリ後」は大きな時代区分となった。「エネルギー転換」へと大きく舵を切ることとなったが、しかしそれは人間の活動からいっさい炭素を排出しない「炭素ゼロのエネルギー」なのか、それとも「実質炭素ゼロ」のシステム、つまり炭素を吸収するメカニズムによって排出量を相殺するシステムなのか。どのように達成するのかについてのコンセンサスはまだない。「再生可能エネルギー」開発のため、太陽光と風量による発電は急ピッチに進められている。しかし太陽光や風力にしても鉱物資源や土地の確保が必要であり、それらの獲得のために大国は覇権争いを繰り広げる。新しいエネルギー構成おいても地政学が展開されるのは、今と変わらない。
    この本の最後は、米中対立の焦点の一つである南シナ海について触れて終わっている。普遍的な法秩序と民主主義を標榜する日本としては、米国とともに中国・ロシアと対峙していくべきなのであろうが、エネルギー資源の乏しい日本がロシアと完全に袂を分かつことができるのか、経済大国となった中国とデカップリングしても日本の経済は持ちこたえるのか。答えが見つからない。
    米中対立、欧米対ロシア、ヨーロッパ世界対イスラム世界、世界各地で起こる目まぐるしい勢力争い。気候変動(今や気候危機)を含む地球規模の課題が山積する中で、こんな争いごとをしている場合なのだろうか?!

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    2023年07月02日
  • アッテンボロー 生命・地球・未来―私の目撃証言と持続可能な世界へのヴィジョン

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    人類がいかに厄介な生き物か非常にわかりやすく分析されてて、面白かったです。
    今の右肩上がりの成長をコントロールされたものにしていかないと生き残っていけないのは、よーく分かりました。
    しかし、強欲な人達が自制できるかなあ。利権が絡んでいるので、ルール作りも大事ですねえ。

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    2023年06月11日
  • 新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

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    新しい世界の資源の地図を読んで

    第一部 米国の新しい地図

    ・マクロを見ることは大切
    →シェールガスで天然ガスの供給量が急激に増えて、天然ガスが下落することを悟ったEOGは、シェールオイルに舵をきった。

    ・シェールオイルによって、アメリカは世界の主要な石油プレイヤーになった。これは、経済的にも地政学的にも重要。
    →各国との貿易で赤字を減らす要因になる。自国でエネルギーを賄えるようになったことで、地政学的にも優位な立場になった。国際的な安全保障を実現しようとした時、強硬策に出られる余地が出てきた。

    ・メタンガス流出問題
    →シェールオイルに限った話ではないが、設備やパイプラインから漏れ出るメタンガスが問題になっている。回収すればお金にもなる。

    ・今や2000億円以上がアメリカ国内の化学関連設備の拡張に投じられている。
    →天然ガスは燃料としても、化学製品の原材料としても使われる。安価なエネルギーが唯一の理由ではないが、中国等の人件費の安い国から再びアメリカ国内に投資が戻る結果となった。

    ・今もなお続くエネルギー投資
    →メキシコやブラジルなど技術を持たない国は今なお世界から注目されている。ただし、他国を受け入れるかはその国次第。技術を海外に持ち出すことができれば、高い利益を上げられそう。

    ・パイプライン建設は容易ではない
    → 環境保護団体の反対を食らったり、大統領によって意見が変わったり、大変そう。


    第二部 ロシアの地図

    ・ロシアの強さ
    →広大な国土。莫大な量の核兵器とミサイル。サイバースキルも高い。世界に出ていこうとする意志もある。とりわけ天然資源もある。

    ・ウクライナにあるもの
    →天然ガスの欧州向けのパイプラインがある。そこにウクライナが関税をかけている。なお、パイプラインはロシアの所有になっている。
    そこで、ノルドストリームなどウクライナを回避するパイプラインが建設された。

    ・欧州のエネルギー政策
    →①天然ガスのシステムのレジリエンスを高め、長期契約ではなく需要と供給で価格が決まる市場を形成すること。②脱炭素と高効率化、再エネ化

    ・2014年ロシアはクリミア併合
    →軍を派遣し、住民投票で再統一を発表。欧州諸国の民間機を撃ち落とすこともし、EUからも反感を買う。アメリカは経済措置を取るが、これが長期化すると、他国はアメリカに依存しなくなり、経済措置の意味が薄れる可能性もある。

    ・ロシアは、まだまだ石油のポテンシャルがある。
    →北極海やシベリア盆地など。

    ・近年、ロシアは東シフト
    →特に中国との結びつきを強めている。
    中国もロシアが重要なパートナーとしているが、エネルギー比率で言うと2%程度で、輸出額も米国の1/10である。クリミアの時の米国の制裁にも従っている。

    ・中国とロシアの一致
    →西洋の普遍的な価値観や規範に対する拒絶。国家主権の経済運営の一致。米国の覇権的地位への反発。


    第三部 中国の地図

    ・中国はアメリカと並ぶ大国
    2008年の金融危機を脱したのは中国のおかげ。それにより存在感が強まった。軍事力等もある。しかし、エネルギーと人口動態に課題を抱えている。

    ・中国とアメリカの火種
    →台湾、最も大きいのが南シナ海。
    貿易戦争もある。アメリカは、中国を米国の利益と価値観に相入れない世界を築こうとする大国とみなした。略奪的な経済力で近隣国を威嚇する一方、南シナ海で島々の軍事拠点化を進める中国は、戦略的競争相手。

    ・南シナ海
    豊富な海洋資源があり、また貿易の要衝にもなっている。中国の原油輸入の80%がここを通る。そして、中国は自国の海域であることを主張している。国際法では認められなかったが、中国はそれを無視。(9段線と言われる国境線を見ると言ってることのヤバさがわかる。)海軍にも力を入れている。

    ・中国のエネルギー事情。
    現在、中国は世界一のエネルギー消費国。エネルギーの構成比率は、石炭6割、石油2割、天然ガス6%、残り再エネ。よって、エネルギーの地政学が中国政府の最優先事項になる。

    ・中国とASEAN
    東南アジアは、安全保障面では米国と統合されているが、経済面では中国と統合されている。

    ・一帯一路
    中国とユーラシア全土とをインフラ、エネルギー、投資、通信、政治、文化を通じて繋ごうとしている。新しいシルクロード。西側とは特に思想の違いはあれど、大規模な資金能力(投資、貸出)を武器としている。しかし、借り手が債務不履行になれば、中国に優位を許すため、注意が要る。

    ・各国の動き(予想)
    多くの国は、中国の新しいグローバル経済に加わりたいと考えている。しかし、同時に自国の行動の独立も確保したいので、ロシアや米国の関係を使って、中国影響力の増大とのバランスを取ろうとするだろう。ただ、最近米国は世界の問題から手を引きつつあると多くの国に見られている。インドという大国は一帯一路に不信感を持っており、動きが気になる。


    第四部 中東アジアの地図

    ・イラン革命
    ホメイニ師は、シーア派の聖職者が支配するイスラム共和国を作ろうとした。そして、この革命を他国にも広げようとした。

    ・アメリカの中東関与のきっかけ
    イラン革命や、ロシアなどからペルシャ湾地域の支配権を守るために深入りすることに。

    ・イランとサウジアラビアの対立
    シーア派とスンニ派の争いに期限。現在、イランは「単一の世界的な共同体」の建設を目指して革命を広げようとしている。(イラン革命)

    ・シーア派とスンニ派
    イスラム教の9割はスンニ派。シーア派国家のイラン。スンニ派国家のサウジアラビア。

    ・イラクを巡る争い
    イラクはシーア派が多数を占める国であった。フセイン時代にはイラン革命の道が閉ざされていたが、フセイン打倒後、再びイラン革命の標的に。しかし、アメリカもシーア派の騒擾に対抗するため介入。さらに近年ではISISとの戦いもある。現状、主にイランにより、イラクはかなり弱体化している。

    ・イラクのランドブリッジ
    現在、イランからイラク、シリア、レバノンに至る。イラン革命の波及地域。

    ・イエメンの現状
    カオス国家になっている。もはや国家として機能していない。イラン系のフーシ派が力をつけており、サウジアラビアと戦争にもなっている。アラビア半島の南端だけに地理的に重要な意味を持つ。

    ・東地中海の資源
    近年、イスラエルやキプロス付近で大規模な天然ガス田が見つかった。しかし、今のままでは争いの海になりかねない。

    ・ISISの誕生と発展、衰退。
    世界を支配するカリフ制の復活が目標。ゆえに、国民国家への拒絶がある。イスラエルの建国には断じて反対であり、世俗化の脅威である米国にも抵抗。ムスリム同胞団からアルカイダが生まれ、イラクとシリアのアルカイダからISISが生まれた。ISISは、石油関連施設なども支配し収入を得た。またSNSを使って戦員を集めた。しかし、2019年には米国の参戦もあり、シリアも奪還。トップも討ち取った。ただ、戦闘員が未だ残されているのは事実である。

    ・アルカイダの作戦方針
    アラブ諸国の政権や米国、世界経済を攻撃する手法として石油に重点が置かれた。

    ・石油の価格について
    石油は生産しようと思えば供給過多にでき、現に2014年には急落した。しかし、その後OPECプラスによる減産の合意が取られ、2016年に上昇に転じた。しかし、2018年トランプが石油価格の上昇を拒んだり、米中の貿易戦争により石油価格は下落に転ずる。

    ・中東とロシアの関係
    ロシアはサウジアラビアやイラン、シリアなどと対話ができた。サウジアラビアにとっては、ロシアは米国との関係悪化に対する防衛手段になったり、イランとの対立でも利がある可能性があった。OPECプラスにより2016年には石油価格の下落を防げた。

    ・新型コロナウイルスと石油生産量
    自国が減産し、他国が減産しないとシェアを奪われる可能性がある。また新型コロナウイルス蔓延当初、ロシアなどは米国のシェールのシェアを取るいい機会だと考えていた。しかし、マイナス価格などの懸念もあり、皆の減産で合意した。

    第五部 自動車の地図

    ・電気自動車
    ・自動運転車
    安全・安心・プライバシーをめぐる議論に加え、連邦政府と州政府の役割分担を決める議論もある。
    ・ライドヘイリング
    ・目指す世界は、事故ゼロ、排出ゼロ、渋滞ゼロ

    第六部 気候の地図

    ・太陽光発電のシェアについて
    現在7割が中国で生産され、原料のポリシリコンの生産に関しても6割を占める。

    ・将来のエネルギー構成
    →太陽光、風力、水力などが増えるだろう。安定供給の観点から蓄電池も気になるところ。

    ・現状を打開する技術
    →現時点では、実質炭素ゼロへのエネルギー転換を進められる技術はない。しかし、可能性が高いものはある。
    貯蔵とバッテリーの技術、改良型原子炉・小型原子炉、水素、3Dプリンター、建築技術、送電網の近代化、CCUS技術、DAC。

    ・途上国の現状
    電気のない暮らしを送る人が10億人。近代的な調理用器具が使えない家に住む人が30億人。この30億人は薪や炭などを家で燃やし室内大気汚染に晒されている。

    ・インドのエネルギー革命
    LNGを増やしたり、太陽光の開発を行なっている。目指しているのは、「天然ガスを基盤にした経済の先駆けになること」

    ・温室効果ガス対策の影響
    エネルギーの生産や輸送や消費のあり方、戦略や投資も、技術もインフラも国家間の関係も変わり続けるだろう。異業種の企業間で提携や競争が顕著になる。

    ・途上国の成長
    ここ20年の石油消費量の増大は、途上国によるもの。人口と所得が増加している。

    ・石油の将来の需要について
    コロナ前に1億バレルだった消費量は、2030年代半ばにピークを迎え、2050年には1億3000バレルになると予想されている。思い切った施策が実施されても6000万〜8000万バレルにしか下がらないとされている。

    ・鉱物資源に関して
    太陽光発電わ電気自動車が普及するほど、必要な鉱物資源を確保する必要が生まれるだろう。需要の増大に伴っては、鉱物安全保障とでも呼ぶべき、サプライチェーンの構築が大事になる。

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    2023年04月03日
  • 新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

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    素晴らしい本で、ぼやっとしていた資源の事情についての解像度が格段に増します。
    国ごとのトピック、資源ごとのトピック、歴史に着眼点を置いた展開など、ストーリーをベースに読み解ける。
    必携の本と思いました。

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    2023年04月02日
  • 新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

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    ー 以来、技術とイノベーションはエネルギー転換の要因になってきた。そのためには着想や発案から技術やイノベーションが生まれ、さらにそれらが最終的に市場へといたる必要がある。これは必ずしも短期間で起こるわけではない。エネルギーはソフトウェアとは違う。現に、リチウムバッテリーが1970年代半ばに発明されてから、路上を走る車に使われ始めるまでには、30年以上かかった。近代的な太陽光や風力の産業は1970年代初めに誕生したが、規模が拡大し始めたのは2010年以降だ。しかし、デジタルから新素材や人工知能、機械学習、さらにはビジネスモデルなどまで、イノベーションのペースは、関心の高まりとともに加速している。背景には、気候対策や政府の支援もあれば、投資家の判断、異分野の企業やイノベーター間の協力、技術や能力の収斂もある。

    何がいつ起こるかは、関わる者の才能や、開発を支える資力、真剣さ、困難に負けない気力、創造性の豊かさにも左右される。イノベーションからは、破壊的なものであれそうでないものであれ、新しい技術が生まれ、それによってエネルギーと地政学の新しい地図が形成されることになるだろう。しかし地図は直線的に進む未来を保証するわけではない。ある程度の頻度で、思いもよらぬ妨げに見舞われ、そのつど進路変更を余儀なくされることは間違いないだろう。シェール革命も、2008年の金融危機も、アラブの春も、2011年の福島の原発事故も、電気自動車の復活も、太陽光のコストの急落も、世界的な大流行を引き起こす感染力の恐ろしく強いウイルスの出現と経済の暗黒時代も、米国の政治を揺るがした2020年の大規模な抗議行動も、予期せざるものだった。

    しかし、予期でき、備えられる妨げもある。わたしたちがそれによって具体的にどういう道を進むことになるかまでは描けないとしても、はっきり「見えている」ものもある。1つには気候をめぐる困難の数々がそうだ。しかしそれだけではない。緊張が高まり、分裂が進む世界秩序においては、国家間の衝突もそうだと言える。 ー

    ウクライナ侵攻の前に出版された作品だが、世界で起きている資源戦争の今が分かる作品。

    僕たちアラフォー世代は10代の頃に『沈黙の春』を読み、環境問題に向き合わなければならないと教育を受けてきた。にも関わらず、その後の30年間、ほとんど何もして来なかった罪は重たい。

    そして僕たちは来年40歳になる。次の25年で何を実現出来るのか、それが2050年の未来の姿を決める。そう考えると、僕たちの年代の責任が非常に重たいのがよく分かる。

    僕たちは本来は、世界を変えなければならないのに、日々の小さな仕事に振り回されているのはいったい何故なんだい???

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    2022年12月03日
  • ハーバード流 逆転のリーダーシップ

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    会社のとあるリーダーから推薦されたリーダーシップに関する本。イノベーションを継続的に生み出す新時代のリーダーに求められるのは「羊飼いのリーダーシップ」。従来の一般的なリーダー観とは一線を画するような内容である一方、リーダーとして普遍的に求められている要素としては従来と変わらないような気もする。スキルや経験が非常に豊かで頭の切れる1人の天才がリーダーになっても、イノベーションは生まれにくい。たしかにそうだろうなあと思う一方、業務内容や社員のバックグラウンドがある程度均質化された集団では、そうしたリーダーの方が効率的気もする。ただそれはあくまでも効率「効率」を重視していて、目指すべきものがイノベーションではないからか。リーダーシップにもいろいろな形があるんですなあ。何よりも大事なのは、結局有能なリーダーは学ぶことを忘れないということ。

    以下備忘録。
    イノベーションに必要なことはそれに適した組織を築くこと。
    1. コラボレーション
    2. 発見型の学習
    3. 統合的な決定

    これら三つの要素を通じて、個々の天才の一片からひとつの集合天才を作り出せる組織をつくる。そしてそれには二つの課題がある。

    ひとつは、イノベーションが内包するパラドックス、つまり精神的な重圧をのりこえるための意欲を引き出すコミュニティをつくる。これは、目的、参加規則、共有された価値観で結びつける必要がある。

    ふたつめは、イノベーションに取り組める組織づくり。創造的な摩擦、創造的な敏速さ、創造的な解決が要素となる。

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    2022年09月19日
  • 新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

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    『これまでの20年以上、ウラジーミル・プーチンは大統領として壮大な「国際的事業」に取り組んできた。それは旧ソ連諸国をまたロシアの支配下に置くことであり、ロシアを世界の超大国として復活させることであり、新しい同盟関係を築くことであり、ひいては米国を押し返すことだった。どれほどロシアに原因があるかは別としても、プーチンの思惑にかなった結果になっていることは間違いない。北大西洋条約機構(NATO)の分断しかり、EUの分裂しかり、米国の政治の混乱や、醜悪さや、二極化しかりだ』―『第9章 プーチンの大計画/第2部 ロシアの地図』

    自分がこの業界---ここで少し長めの無駄話になるのだけれど、石油業界(あるいは石油会社)というと、日本では一般的にガソリンスタンドやサインポールを出している石油元売りの業界(あるいは会社)というイメージが強いけれど、欧米ではむしろオイル・インダストリーと言えば石油を生産する方の業界を指すことが多いんだよね。いわゆる業界の川上(=上流)側を指している訳で、これが無いことには川下もない訳だから。石油という言葉をお堅く訳せば実はOilじゃなくてPetroleumだけど(これはむしろ原油(=Crude Oil)と同義)上流も下流も含めた業界の意味だとPetroleum Industryが使われる印象。そして石油には原油と天然ガスが含まれる。ついでに言うと20年くらい前までは天然ガスはおまけ(というかハズレ)だったのが、最近はOil CompanyじゃなくOil & Gas Companyというのが一般的になったくらいガスも商品として価値が認められるようになった(それも今後変わるだろうけど)。なんでこんな話をするかと言えば、今の日本人のほとんどは石油が輸入出来て当たり前だと無意識に考えていて、石油が戦略物質だということに中々ピンと来ないから。皮肉なことに戦前の軍部はそのことを確り理解していた---に入りたての頃、世の中ではまだセブン・シスターズという言葉が実態を伴って存在していた。なので、最初の海外赴任の頃に出版されたダニエル・ヤーギンの「石油の世紀」は、まだ駆け出しの自分には業界の歴史と共に暗黙のゲームのルールのようなものを知る絶好の教科書だったことを覚えている。

    そのヤーギンの最新作「新しい世界の資源地図」は、米国、ロシア、中国、そして、中東という、どの国にとっても石油資源戦略上外して考えることの出来ない基軸において過去30年程の間に起きた大きな変化を概観し、更に自動車、気候問題という観点から近未来の方向性を占って見せるという大著。「石油の世紀」の続編との位置付け(「探求」は飛ばしてもいいような気がする。気候変動を気候危機と同義語と捉える向きには逆なのかも知れないけれど)であるが、後半の2つのカテゴリーについては現在進行形の部分が多く、明確な視座を提供するという訳ではない。元々著者の得意とすることは飽くまで複雑に絡み合った事象の背景にありそうな、全体を統制するかのような要因(あるいは物語)を見い出すことで、未来予想をすることではない(というのは言い過ぎかも知れないけれど)。それに、やはり四地域に関する洞察こそヤーギンの面目躍如という感じがする。

    『もっと若い補佐役たちの考えは違った。「アラブの春」の盛り上がりに感激し、フェイスブックやツイッター世代に共感を覚えていた。聴衆の心を掴むオバマの演説の力を信じていた彼らは、ムバラクの追放を躊躇しないよう大統領に直言した。「歴史の正義の側」に加わるべきだ、と。「しかし、どちらが歴史の「正しい」側で、どちらが「誤っている」側なのかは、誰にもわからないのではないか」と、ゲイツはのちに書いている。「希望と理想主義によって始まった革命のほとんどが、抑圧と流血に終わるのだ。ムバラク後に何が起こるかは、誰にもわからない」』―『第4部 中東の地図/第31章 対決の弧』

    米国のシェール革命、ロシアの天然ガス資源開発、そして中国のエネルギー需要の増大と地政学的平衡感覚、どれもセブン・シスターズ後の世界での大きな変化であり、ヤーギンの考察は、その時代を同時並行で走って来た身には尚更、なるほどと思わせるところがある(もっとも、そもそも岡目八目とも言うし、並走している限り歴史的な流れは見え難いというのは世の常だし、実は個別の小さな動きの背景にあるものが個々の決断全てを論理的に決定している訳でもないと思う。歴史とは、結局のところ過ぎたものを顧みて総括する以外、把握することは困難なものなんだと思っておいた方がよい、と個人的には思う)。けれど、やはりエネルギーの供給を考える上でどうしても外せないのは石油であり、それが中東地域に偏在しているという事実から目を背けることはできない。本書の各段落に費やされている頁数を比較してみても、米国(72pp)、ロシア(67pp)、中国(65pp)、中東(166pp)、自動車(58pp)、気候(53pp)と圧倒的に中東に割かれた頁が多い。資源量の偏在に加えて、宗教、民族、いわゆる国という単位の成り立ちのどれもが一筋縄では捉えられない複雑さを有していて、尚且つ、その変化も激しい地域であるのだから仕方がないと言えばないのだが、そこに、欧米露の思惑も入り乱れているので尚更だ。そして更にそこに加わる中国の一帯一路。この地域において白地図を塗り分けるようなヤーギンの考察も現時点では合理的なものと思えるけれど、未来については必ずしもその合理性の延長にある訳ではない。

    『移行はどれくらいの速さで進み、どのような影響を及ぼすだろうか。予測には大きな幅がある。IHSマークイットのシナリオによれば、世界の電力消費は2040年までに最大60%増える。その時点で、風力・太陽光が全発電量に占める割合は24%から36%になると予想されている。どちらにしても現在の7%からは大幅な上昇になる。予想に開きがあるのは、容易に想像がつくとおり、技術や発明、政策や経済の未来については、どうなるかわからず、さまざまな想定がなされうることによる』―『第43章 再生可能エネルギーの風景/第6部 気候の地図』

    例えば、IHS Markitという会社は、少し前にファイナンス情報を提供するMarkitと合併する前までIHS(Information Handling Service)という会社で、石油業界の情報提供会社としてはもう少しシンプルな会社だったし、そのIHSだって石油部門に関してはCERA(Cambride Energy Research Associates。ヤーギンが設立)を買収したことで単なる情報サービスから脱して業界の雄であったWood MacKenzieと肩を並べるシンクタンクのメインストリームに出てきたという印象。そもそもその前はもっとシンプルな探鉱情報(いわゆるスカウト情報とマップ)を提供する業界的には最大手だったPetroconsultantsという会社を買収して参入して来た部外者的会社だったという印象が未だに自分には残っている。そういう栄枯盛衰を傍で見てきた身としては、業界の常識が変わるのは本当にあっという間ということを忘れてはいけないと思うこと頻り。例えば、どんな類の開発にも付き物であるHSE(Health-Safty-Environment)だって、20年くらい前までは工事現場的な単純なHSだったのが、今やSHSE(Social-HSE)と社会的責任も負わなければならない立場を操業者に課すこともある。けれど、例えばアフリカ東岸に於ける開発で負わなければならない社会的な責任とはどこまでの範囲を含んだものなのか。その国の資源に対する適切な開発はもちろんのことだが、貧困救済までも考慮した地域の活性化策も含むのか、はたまた地域間の貧富の差の解消策も含むのか、民主的な為政者の支援策も含むのか、と考えだせば切りがないし、より問題は複雑になる。だから単純な物語というのは本当は存在しない、とどうしても思ってしまうのだ。

    ヤーギンの本はいつも大部で読むのが一苦労という感じだけど、歴史書的な記述で混沌とした社会情勢の変化などを筋立てて語るので、判り易いと言えば判り易い。でも、例えば日本史における司馬遼太郎の「創作」のように少し判り易くし過ぎているところもあるのだろうと思いながら読んだ方がいいようにも思う。

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    2022年05月06日
  • ワイズカンパニー―知識創造から知識実践への新しいモデル

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    われわれの研究では、形式知と暗黙知を用いるだけでは不十分であることが示されている。リーダーはもう一つ別の知識も使わなくてはいけない。それはしばしば忘れられがちな実践知である。実践知とは、経験によって培われる暗黙知であり、賢明な判断を下すことや、価値観とモラルに従って、実情に即した行動を取ることを可能にする知識である。
    (引用)ワイズカンパニー 知識創造から知識実践への新しいモデル、著者:野中郁次郎、竹内弘高、訳者:黒輪篤嗣、発行者:駒橋憲一、発行所:東洋経済新報社、2020年、39

    野中氏によって著された「知識創造企業」からおよそ四半世紀、ついに待望の「ワイズカンパニー(東洋経済新報社、2020年)が刊行された。サブタイトルは、「知識創造から知識実践への新しいモデル」とある。本書では、知識創造の世界から実践を繰り返し、知恵にまで高めることの重要性を示している。

    野中氏が提唱し、もはや知識創造・実践モデルとして世界でも受け入れられている「SECI(セキ)モデル」。本書では、新しいSECIモデルが示されている。そこには、個人から始まり、チーム、組織、そして環境という要素を加え、存在論的な次元で生じる相互作用を加えた。そして、いまや伝説となっている京セラの創業者である稲盛和夫氏によるJALの再建を事例として、本書ではSECIモデルをやさしく説明してくれる。当時、私は、稲盛氏が難なくJALを経営再建していく姿を目の当たりにし、まさに、稲盛氏の「実践知」の凄さに感銘を受けた。と同時に、本書を読み、稲盛氏によって、JALの再建がSECIモデルに沿って実行されたこと、またSECIモデルの有効性が実証されたのだと感じた。

    SECIモデルでは、共同化、表出化、連結化そして内面化のスパイラルを発生させることにより、拡大していく。最近、私は、シティプロモーション関連の本を読んだが、そこにもSECIモデルが紹介されていた。なにもSECIモデルは、企業だけのものではない。私は、まちづくりやNPO、行政など、様々な組織で活用ができると感じた。

    本書の前半で「知識実践の起源」が紹介されていることも興味深い。時代は、アリストテレスの時代まで遡る。そのアリストテレスが唱えた「フロネシス(実践的な知恵(実践知)(本書、59)」は、2400年の時を経ても色褪せることがない。普段、私も仕事をしていて感じることは、「何事も実践してみること」だと思う。ときには、失敗を繰り返すこともある。しかし、実践を繰り返さなければ、「実践知」を得ることはできない。本書には、YKKの創業者、吉田忠雄氏の語録も紹介されている。

    「何しろ、私は理屈抜きにして働かない人を好きじゃないですね。どれだけ頭がよくてもね(本書、172)」

    この言葉に、私は強く共感する。いま、私が自分の仕事を通じて感じることは、「働きたくても働けない人」がいるということだ。それは、吉田氏が言われる「頭のよさ」に関係しない。私が言う「働けない人」というのは、今までの自身の仕事で、実践を繰り返さず、実践知が足りないということだ。ときには、「綱渡り的な仕事」も存在する。この仕事が失敗すれば、自分の地位を失うと感じ、チャレンジを諦める人たちがいる。私から言わせれば、「もったいない」の一言だ。新型コロナウイルス感染拡大時において、北海道や大阪府の知事が脚光を浴びた。これは、その危機から逃げず、前面に立ち、道民や府民を守るというリーダーの姿を見せたからであろう。私は、「ピンチはチャンス」だと思う。その危機的な状況においては、さらに貴重な「実践知」が得られると私は思う。そして、リーダーとしての自信にもつながるのではないかと思う。

    少し脱線したが、本書では、私の敬愛するピーター・F・ドラッカー氏や稲盛和夫氏をはじめ、ホンダの創業者の本田宗一郎氏、ユニクロの柳井正氏、トヨタの豊田章男氏などが登場する。本書を読み進めると、「どこかで聞いたエピソードだな」と思うところが随所に出てくる。そのため、この1冊で、ビジネススキルの要点が網羅されているような感じも受けた。それらのエピソードは、ワイズ(Wise)リーダーになるための心得にもつながる。

    今後、SECIモデルを用いて自身の事業や公共的な施策などを拡大していきたいかた、また一流のリーダーシップを学ばれたいかたに、本書をオススメしたい。

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    2020年11月07日
  • ワイズカンパニー―知識創造から知識実践への新しいモデル

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    感想
    新しいSECIモデルは、コトだけでなく、人間という不確定変数の多い部分のプロセスを示すことで、現場で使えるものに解釈されている(実践から生まれたものをまさに形式知にしたようなイメージ)

    評価

    内容
    知識創造理論を現在目線で捉えなおすこと
    【今までの知識創造との変化】
    存在範囲の概念が加わった(個人なのかチームなのか)
    ←知識理論を実体化することには、人と人との相互作用が非常に重要な観点である

    ①共同化
     個人同士が暗黙知を共通する(考えを話し合う)
     組織内の各メンバーが暗黙知を獲得
     ※身体的・感情でも理解が進む→相互信頼
    ②表出化
     個人がチームレベルで、共同化された暗黙知を統合(共通言語や事象とする)
     暗黙知のエッセンスが言葉やイメージ、モデルになる
    ③連結化
     形式知が組織内外から集められる(集合知マニュアル)
     組み合わせや整理、慧さんを通した複合的で体系的な知識になる
    ④内面化
     連結化によって増幅した形式知が実行に移される
     個人がそれぞれのチームの中で行動を起こす
    →個人の血肉となるとともに、組織の業績が上がる

    【JALの再生】
    稲盛さんが考えていたことは、
    ・個人が能力を引き出せて、生きがいをもって働けるようにするにはどうしたらいいか。 ➡創業時に戻ること(全員経営と業績連動の高速化)
    ・好業績の処遇はステップがある。まずは自分の満足・周囲からの感謝や称賛。そして、処遇。まずは人間として感情で得られる最高の報酬を味わう。
    ★従業員の信頼関係と考えの共有と能力の集結が実現する

    ①共同化 稲盛さんとの2way、幹部会議、幹部のコンパを通して破綻の原因、再生への想いなどの表出が行われ理解が一人一人JALのメンバーとしての進んだ
    ②表出化 その結果、JALフィロソフィのガイドをリーダーシップを持ってまとめるに至り、全社員チームの言葉に変換された。チーム制をとることで、それぞれの利益がどれだけかを正確に把握できることとなった
    ③連結化 表出した知識とチームの相互関係によって初年度のコストダウンは数百億円となったほか、新たな形式知となったフィロソフィは続々と自主的な勉強会に発展
    ④内面化 これらの活動を通して、個人の具体的な行動に移されることとなった。手袋を捨てない・上司に意見を言う、フライトが満席であることが笑顔につながる(今までは仕事増で不満) など、多くの行動が変化した。
    重要なのは、従業員の心に触れること(プロセスに踏み込む)。そうしないと個人の行動は変わらない。


    【そもそも知識創造理論】
    新しい知識はある知識を別のものに変換すること。
    知識とは、二つの相互作用プロセスを踏むことで創造される。
    一つは、知識の種類として ①暗黙知②形式知 の間で生じる認識の壁を越えていくこと
    もう一つは、人と他人の存在の中で生じるプロセス。ただし、これは多くを語られていなかった

    【第7章】
    ワイズリーダーは、あらゆる隠喩、比喩、物語を駆使して、
    効果的に意思疎通を図る。
    カギとなるのはレトリック。

    相手のこと、受け止めを理解した上でレトリックを
    うまく扱うこと。
    その前提には、共感できる力と、本質を見抜くこと。

    ・共感、見抜く
    ・表現
    ・意思疏通する

    本田宗一郎のマン島TTレースの文面のように、
    【誰にでも分かる言葉で、ここの状況の本質を捉え抜いて表現】すること。

    【第8章】
    人を動かすには政治力
    政治力は、機転が効き、狡猾であること

    チームを動かすのはスクラム
    組織のメンバーに権限を与えて、
    分散的に進めつつもある一点で集まり、
    チームでプロセスを完了させること

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    2021年08月10日
  • レゴはなぜ世界で愛され続けているのか 最高のブランドを支えるイノベーション7つの真理

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    世界的に有名なブロックメーカーであるレゴが、2000年代初頭に低迷期を迎え、それをいかにして乗り越えたかの企業の経営史書的なもの。

    内容としては1章から4章で、レゴには6つの基本理念があることの紹介から始まる。

    ①価値観が肝心
    ②果てしない試行錯誤が画期的なイノベーションを生む。
    ③製品ではなくてシステムを作る。
    ④的を絞ることで、利益の出るイノベーションが生まれる。
    ⑤本物だけをめざす。
    ⑥小売店が第一、その次に子ども

    その後スターウォーズを受け入れて、様々な改革に取り組んだブローメン氏だったがほぼ失敗に終わり、後ろ盾に創業者一族のケル・キアク、財務のオヴェーセン、クヌッド・ストープという三頭体制で乗り切ることになった。

    その中で改革に失敗した7つの方向性をレゴに合う形で行った。

    ①レゴらしさを取り戻す(イノベーション文化の構築)
    ②レゴシティーの復活(顧客主導型)
    ③バイオニクル(全方位イノベーションを探る)
    ④マインドストームなど(オープンイノベーション)
    ⑤レゴ・ユニバース(建築などの破壊的イノベーション)
    ⑥レゴゲームの誕生(ブルーオーシャンに漕ぎ出す)
    ⑦ニンジャーゴー(創造性と多様性の人材活用)

    それらによってレゴが段階的にブランドを復権することができたとしている。改革の失敗の上に成功への導く過程が面白かった。

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    2018年10月01日
  • シンプル・ライフ 世界のエグゼクティブに学ぶストレスフリーな働き方

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    以前読んだ『道は開ける』『マインドフル・ワーク』を補完する内容であると感じた一冊。
    一つの行為にきちんと意識を向けることが、いかに出来てなくて、いかに大切かが理解できた。

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    2016年01月06日
  • ハーバード流 逆転のリーダーシップ

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    イノベーションを起こすためのリーダーシップ論
    原題は「Collective Genius」で、色々な才能を集めて大きなイノベーションを起こすためには、ということが書いてある

    洋書の和訳なので色々と読みにくいが、エッセンスを抜き出せばなるほど、と思える部分が多数

    まだ読んでないが「Work Rules」や「How Google Works」とも似ている部分が多いのではと推察

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    2015年10月14日
  • シンプル・ライフ 世界のエグゼクティブに学ぶストレスフリーな働き方

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    成功者に聞いた、シンプルに生きる方法。
    成功者だって、成功するまではガツガツ・寝不足で働きまくったとは思う。今はシンプルに生きているんだろうけど。なんてヨコシマな見方もしてしまうけど、周りにいる「いい働き方」をしている人って、本に書かれているような生活をしている気がする。タイトルに「エグゼクティブ」って入っているところがちょっといやらしいけど、疲れた時ほど読み直したい、いい本だと思いました。

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    2015年01月12日
  • レゴはなぜ世界で愛され続けているのか 最高のブランドを支えるイノベーション7つの真理

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     40年にわたり遊び続けている、このおもちゃについての成書を初めてしり、読んでみた。歴史から、近年の迷走、そして復帰への道を詳細にルポ。大体の流れは把握しているつもりだったが、多くの事実を新たにしり感動。
     アイデアブックや、30年くらい前にあったレゴ新聞なんかが取説以外の唯一の情報だった頃から比べ、今はすごい。改めてネット化後の世界で、これほど多くのファンがいるのを感じ取った。子供がもう少し大きくなったら一緒に遊べるようになるだろうからそれを今から楽しみにしている。5~9歳がメインの製品だったとは知らなかった(他にもシリーズもので15、6歳というのもあるが)。
     一方、レゴ社のビジネス的動きを、イノベーションというキーワードで俯瞰するところは、一理あるのだろうが、もう少し詰めた議論、話題があってもよい。組み立てるのは自分自身ではあるものの、ヒントとなるネタはもっともっと同社にあるはず。それをもっと拾ってほしかった(もっと分厚い書籍にしてほしい)。と思いつつも結構触発されているところ・・・。

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    2014年07月06日
  • ハイパーインフレの悪夢―ドイツ「国家破綻の歴史」は警告する―

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    「国を打ち倒したかったら、まずは通貨を破壊せよ」
    想像を絶するハイパーインフレの実態。。。というか、ほとんどどのページを見てもパンが一日で30%値上がりした、とかそういう話ばかりで逆に眠たくなるくらいだ。

    1914年に50%程度だったドイツのエンゲル係数は、1919年には75%になっていたという。1913年から1923年までに、丸くは実に1兆分の1の価値にまで暴落(というか微小すぎて無視していいレベル)

    WW1:軍部:戦争したい→政府:戦費調達→インフレ
    (兵士の戦意をある程度くじくくらいのインフレだったようだ)
    ベルサイユ条約(フランスがありったけの恨みを込めて創り上げた条約)
    マルク安にして重工業の国際競争力をあげるため(ウォン安みたい)、見た目の賃金をあげるため(実際はすごいインフレで銀行員の年収で4人家族を1ヶ月食べさせられるのがどうにかってくらいだったらしい。。。死ぬしかないやん)
    「ドル・物価が上がる」との認識。マルクが下がる、との認識はなく、より多くのマルクを求める。

    貯金などの資産価値は激減
    とにかく通貨をモノに変えようとして、老人が子供服を買ったりするくらい
    「パニックがあらゆる法を無視せよと言っている」

    インフレ→外国人にとっては旅行が激安(日本人もカメラ買いに行ってたらしい)→困窮する自分、豪遊する外国人→外国人嫌い
    インフレ→金融=ユダヤ人の陰謀説(なるほど!)→反ユダヤ主義

    ブルーカラーの給料がホワイトカラーの給料を凌駕。「頭脳にはもはや市場価値はない」と大学教授が嘆いたほど。(なるほど!知識階級に多かったユダヤ人がアメリカに行ってもいいやと思えただろうな。後から考えたら馬鹿としか思えないけど、これなら納得。)

    農民(=減少しない価値有るモノを持った人)のほうがいい生活。グランドピアノを小麦少しで手に入れるなど。

    中産階級の崩壊、反ユダヤ主義→ヒトラー台頭の温床に

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    2011年12月05日
  • 新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

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     中央アジアにあるカザフスタンの首都、ヌルスルタン(旧アスタナ)は部分的に新しい都市だ。シベリアから冷たい風が吹き付けてくる、冬の寒さが厳しい都市で、旧地区は、ソ連時代、ツェリノグラードというまた別の名で呼ばれていた。僻地にある活気のない都市だったが、カザフスタンが独立を果たしたときに新しい首都に選ばれた。
     新地区には高層ビルが立ち並び、世界的に有名な建築家によって設計されたきらびやかな近未来都市の街並みが広がる。そのような都市開発が可能になったのはひとえに、1991年の独立以来、外国からもたらされている石油収入の増大のおかげだ。カザフスタンは中央アジア諸国の中で最もグローバル経済との統合に力を入れてきた。首都には、金融ハブにする目的で建設された、英国の商法を準拠法にするアスタナ国際金融センターがある。石油資源も、中央アジアのどの国よりもはるかに豊富で、おかげで中央アジアで最も裕福な国になっている。


     多くの国は中国からの投資を欲し、新しいグローバル経済に加わりたいと考えている。中国主導の 「グローバル化2.0」から取り残されたいとは思っていない。しかし同時に、自国の行動の独立も確保したいので、ロシアや米国との関係を使って、中国の影響力の増大とのバランスを取ろうとするだろう。米国が世界で最も重要な経済大国であり、安全保障上、きわめて重要な国であることは今も変わらない。
     ただ、その一方で、米国は世界の問題から手を引きつつあると、多くの国に見られている。米国が将来、どういう行動をとるかはますます不透明になっており、もはや以前のように信頼できない、と。 これが中国との関係を深めることに魅力を感じる理由になっている。中国のある政府高官が「米国の撤退は我々にとってありがたい」と述べているゆえんだ。
     しかし一帯一路の莫大な資本投下は米国政府に行動を起こさせた。トランプ政権が発足したとき、政府機関の整理縮小リストには、ボリティカルリスク保険(現地の政治的理由による損害を補償)の提供を通じて米国企業の海外投資のリスクを軽減する政府系機関である海外民間投資公社 (OPIC)が入っていた。しかし結局、このOPICをほかの機関と統合する形で、海外のインフラ投資を目的とする米国国際開発金融公社が設立された。融資能力は、600億ドルが予定されている。これは中国のシルクロード基金とほぼ同額だ。


     OPEC最大の産油国サウジアラビアと、主要な産油国の1つであるイランとの現在の争いは、どちらが中東の地図において優位に立つかの闘いだ。それは宗教や、イデオロギー、国益の衝突という形を取り、覇権への意欲によって支えられている。この争いは石油と不可分に結び付いているので、 影響は世界にも及ぶ。
     イラン、サウジアラビアともに相手を罵ることをやめない。イランの最高指導者アリ・ハメネイ師がサウジの王族を「傲慢と植民地主義の罪深い偶像」「愚か者」「米国人の乳牛」と蔑めば、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン王子(「MBS」の通称で知られる)は、ハメネイ師を「世界征服を企む中東のヒトラー」と呼び、「中東で問題が起こると、必ずその背後にイランがいる」と批判する。


     ISISは100年の歴史の中から登場した組織だ。その歴史は、イスラムによる国民国家の拒絶に始まり、オスマン帝国の崩壊、欧州による統治、世俗的な世界と現代的な文化、第一次世界大戦後の国境線の設定、忌むべき指導者への反発によって、育まれてきた。


     2011年から2013年までの3年間、原油価格は信じられないほど安定していた。1パレル当たり100ドル強だった。前の10年よりおよそ5倍も高かったが、世界は新しい価格に慣れていた。
     この「新常態」にもとづいて、・ にもとづいて、各国政府は予算を組み、企業は事業に資金を投じた。この価格がさほどノーマルなものではないことがわかると、石油産業は激震に見舞われた。各国はその衝撃に動揺し、 価格危機の中から新たな地政学的な提携の動きが生まれた。
     しかし驚くべきは、原油の世界的な供給網が混乱をきたし、不安定化しているときに、原油の価格が3年間も安定していたことだ。その理由は偶然、それを埋め合わせるものがあったおかげだった。
     米国の産油量を急増させたシェールオイルだ。ただしその増加分は、ほかの産油国による供給の中断や停止で相殺された。リビアでは、国営石油会社の会長が自社を「崩壊同然の状態」と述べているほどだったし、ナイジェリアでは、武装勢力がパイプラインを破壊していた。ベネズエラでは、「21世紀の社会主義」を標榜するウゴ・チャベスによって築かれた政治体制が、チャベスやその後継者ニコラス・マドゥロのもと、経済的・人道的な大惨事をもたらし、その影響で産油量が急減していた。イランの輸出量も、核兵器開発に対する制裁措置のせいで大幅に減った。これらの減少分を補ったのが、米国のシェールオイルの増産だった。ただし、それはしばらくのことだった。


     ベネズエラは世界最大の石油確認埋蔵量を有する。重質油なので、その分、生産コストが高いが、 確認埋蔵量はサウジアラビアをも上回っている。ところが石油産業への投資は枯渇し、有能な経営者は国外に追放され、国営石油会社には必要な作業や技術に支払う金がなかった。そのうえ、マドゥロ政権は石油産業を軍の管轄下に移した。およそ500万人の国民が、極度の貧困と飢えと暴力の苦しみに耐えかね、国外に脱出していた。それもたいていは歩いてだった。


     数年前であれば、世界の石油産業の中心でこれほど甚大な被害が発生すれば、世界の市場にパニックが広がって、原油価格はうなぎのぼりに高騰していただろう。しかしこのときに目を引いたのは、 価格が上昇したことではなく、価格がさほど上昇せず、すぐに攻撃前の水準に戻ったことだ。これは 1つには、サウジアラビアが在庫を取り崩すとともに、国内の製油所への供給量を減らすことをただちに明らかにしたからだった。壊された施設の修復も早急に進められた。加えて、世界の石油在庫も多かった。
     またもう1つ、数年前との違いを生んだのは、急増し続ける米国の産油量によって世界の石油市場の需給バランスが保たれたことだ。シェールは世界の石油市場を根底から変えただけではなかった。 世界市場の心理をも根底から変え、人々に新しい安心感を与えていた。


     言い換えると、少なくとも今の段階では、太陽光と風力は独力ではやっていけないということだ。パートナーが要る。太陽光と風力のよきパートナーになるのは融通が利く天然ガス発電だ。天然ガスは低炭素で、温室効果ガスの排出が少ない(メタンの排出を制御すれば)。風力や太陽光の出力変動に合わせて、天然ガス発電の発電量を増やしたり、減らしたりすれば、電力量を一定に保てる。
     電源に再生可能エネルギーを組み込もうとするときには、送電網の管理もいっそう複雑になる。ここに第2の難題が関わってくる。貯蔵の問題だ。石油なら、タンクに貯蔵できるし、天然ガスも地下に貯蔵できる。しかし、今のところ、数時間はもちろん、元エネルギー長官アーネスト・モニツが言うように、数日間、大量の電気を蓄えておく手段はない。現在唯一、注目される手段としては、水力発電の一種である「揚水発電」がある。しかし規模が小さく、成長も限られている。
     電力系統に使える蓄電池、すなわち規則的に放電できる電気を大量かつ経済的に蓄えておける蓄電池の開発に、現在全力が注がれている。

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    2026年04月11日
  • ビジネスとしての宗教

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    ネタバレ

    書かれているテーマが非常に興味深いので読んだ。
    宗教をビジネスとして考える研究は実はまだ少ないらしい。でもかなりビジネス化しているのは確かだ。翻訳もわかりやすく、例や説明もわかりやすかった。
    宗教とはコミュニティ形成なのだ、というのは一理ある。
    貧しい人や立場が弱い人が宗教というコミュニティの中でしか生きられない、あるいは宗教組織の中で一定の地位を得たいから信じる(通う・お金を払う)というのはわかる。日本でも宗教が増えているらしいというのも面白い。
    日本にジャイナ教がきてるって書いてあった。そうなの?

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    2026年01月24日
  • ビジネスとしての宗教

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    宗教が成長する仕組みはコミュニティマーケティングによるものだ。冒頭に貧しい信者が豊かな宗教指導者に自ら献金をする理由が紹介してあった。宗教は様々な便益を消費者である信者に与えるが、大きな一面はコミュニティの提供といえる。宗教は貧しい者、学がない者、寂しい者の受け皿としての機能を持っているのだ。ただし、宗教が繁栄し、力をもつことはリスクも持っている。宗教指導者も人間である以上、ほとんどの行いには利権が絡む、個人が力を持ち過ぎると碌な結果にならない。書いてあった内容を私なりに解釈するとそのような感じだ。
    現在、我が国で流行っている推し活もこのコミュニティマーケティングに近い。我々はコミュニティから独裁者が生まれないように監視を行う必要がある。社会の構成員として、どのようにすればマーケティングが悪用されず、世の中を良くするかを考えなければならないと思った。
    正直、一読で理解できていないと思うので、また時間をあけて読みたい。

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    2025年12月29日