黒輪篤嗣のレビュー一覧
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ネタバレこの本には、地政学とエネルギー安全保障の変化によって、世界がどうなっていくかが書かれている。
舞台となるのは、4つの国と地域。アメリカ、ロシア、中国、中東だ。エネルギー安全保障において、現状最も重要なのは、石油と天然ガスの確保である。アメリカでのシェールガスとシェールオイルの発見は世界のバランスを大きく変えてしまった。
そして、今後のエネルギー安全保障の鍵となるのが気候変動への対策(カーボンニュートラル)になる。めちゃくちゃとも思えるくらい高い目標が設定されているが、これを達成させるための3つのキーワードがある。1つ目が炭素回収、2つ目が水素、3つ目がバッテリーだ。この3つの技術革新が求め -
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【感想】
本書はエネルギー問題を扱う専門家、ダニエル・ヤーギンによって書かれた「資源をめぐる地政学」の本である。原書が書かれたのは2020年9月とかなり新しく、アメリカ、ロシア、中東といった巨大産油地域の最新情報はもちろん、電気自動車や気候変動といった、エネルギー関連業界の動向まで余すことなく網羅している。まさに「新時代の地図」と言える一冊だ。
エネルギーが国際政治上の武器として扱われた例といえば「第4次中東戦争」であるが、そこから50年近く経った今でも、石油をはじめとする「資源」は常に大国間で緊張を生み出し続けている。
そのエネルギー業界に、近年大きなシフトが起きた。「シェールガス革命」で -
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温室効果ガス実質排出ゼロに向けて、急激な変化を目前にする今、踏まえておくべき世界情勢。
・アメリカのシェールガス、シェールオイルによる輸出国化
・中東依存の低下、世界の警察の必要性低下
・欧州へのLNG輸出、エネルギー地図の変化
・ロシアとウクライナとのパイプラインを巡る紛争、ウクライナの西側シフトと戦争の予感
ロシアの欧州パイプラインとEU各国の思惑、米国の制裁、復元力
・欧州のLNG基地建設による相対的地位の低下
・北極圏LNG開設による東方シフト、多様化
・2014年に購買力平価GDPで中国が世界一位
・東シナ海を巡る米中対立(資源次第で重要性が変わり得る)
・一帯一路(BRI: -
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ネタバレ知識創造企業の続編というか完成版というべき本。
海外の研究者が書く、企業研究・経営系の本より、やはりしっくりくる。取り上げられている企業が、本田やトヨタ、JAL、エーザイなど見知った企業のため、それも理解の助けになる。
ワイズカンパニーになるためには、ワイズリーダーが必要であり、それは必ずしもCEOだけではなく、ミドルマネジメント層も大事だ、というのは実感にあっている。
特に大企業では、経営目標の数値自体は、上から降りてくると思いますが、実際に、アイデアを出すのはミドル層が多いと思います。イノベーションを起こすために、知識に加え、知恵と実践が重要です。
ただし、こうなんというか熱い感じの現場の -
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おもしろい。常に問い続けることで問いが強化されていく。なんでも同じだ。真剣に、続けることで洗練されていく。
正しい問いが人間を成長させる。
賢い人は、深い問いを立てることができる。
人は自分の中に常に問い続けている問いがある。
問う力を鍛える。常に興味深い問いを持つ。
芸術とは目の前のものを単に複製するだけでなく、目の前のものを深く理解して新しいものを生み出す行為。
タイトルである問いこそが答えだと言うものをずっと述べている。鋭い問を問うことができるだろうか。通ことによって、人生や世界が変わると著者は主張しているが、本当だろうか。そんなに大きな問いを立てることができる状況というのはど -
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本書では自分が求めている成果に対して正しい「問い」がたてられているか?と問われます。
そんなの当たり前だろ!欲しいのは答えだよ!って読む前は思ってました。
だって自分が分からないのは成果を得るための答えであって、問いは自然とあるものだとおもうじゃないですか汗。
でもね、例えば「痩せて健康的になる」という成果に対して
⑴【痩せる為にどうやったら食事を我慢できる?】
⑵【痩せる為に適切な食事量とタイミングは?】
この2つで成果に辿り着く道筋が違ってくるよね〜という事が本書で分かったことで。
つまり成果を得るための答えを探す為には自分に合った問いを絞り出す事が大事だよってことです。
他にも -
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「知識創造企業」の25年ぶりの続編という位置付けで、おそらくは野中さんの最後(?)の主著、集大成という感じかな?
「知識創造企業」(1996年)以降の研究をまとめたということだけど、もともと英語ででたものを日本語に翻訳したというものなので、この25年の間の野中さんの本をある程度読んできた日本人にはデジャブ感のある話が多いかな?
集大成的な本としては、「知識創造企業」(1996年)とこの「ワイズカンパニー」(2020年)のあいだには、「流れを経営する」(2010年)という本がある。この「流れを経営する」からの理論的な進化という意味ではそこまで明確ではないかな?
また、「流れを経営する」で、 -
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偉大な本。帯には「経営学の世界的名著『知識創造企業』著者両氏による四半世紀ぶりの【続編】」と書かれている。これは必ず読まねばならない本だと購入。
『知識創造企業』は20年前にビジネスマン人生がはじまるにあたって会社から入社前研修キットの中に入っていた本で、読んだ当時もそうだが昨今のVUCAの時代で昨年読みなおして(時代が変化しても読み継がれるべき本だと)物凄く感銘を受けた本。
失敗の本質、戦略の本質もそうだが野中先生の本はその時の出会いから直観の経営とか含めていくつか読ませていただいている。自分の社会人人生で最も影響を受けた先生と思っている。
さて、本書の内容としては、『知識創造企業』2 -
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ネタバレ<どんな本?一言で紹介>
テクノロジーが発展する世の中、情報の波にのまれない自分づくりをするための本。
<どんな人におすすめ?>
行き先が分からないけど、忙しい人。
色々なことをしないと!と思っている人。
将来が不安で、色んなことをやっている人。
<読んだら、どんなことが分かるの?>
情報過多な時代で、自分の創造性を発揮して豊かさを感じるための、考え方。
・「マインドフルネス」とは、今の瞬間に全意識を向けること
・「何に意識を向けるか」で、テクノロジーに翻弄されるか活用できるかが決まる
・先入観を持っていることに気づければ、世界は変わる
・自分の無知と向き合う
・具体的な「日々のエク