黒輪篤嗣のレビュー一覧

  • 新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

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    ネタバレ

    この本には、地政学とエネルギー安全保障の変化によって、世界がどうなっていくかが書かれている。

    舞台となるのは、4つの国と地域。アメリカ、ロシア、中国、中東だ。エネルギー安全保障において、現状最も重要なのは、石油と天然ガスの確保である。アメリカでのシェールガスとシェールオイルの発見は世界のバランスを大きく変えてしまった。

    そして、今後のエネルギー安全保障の鍵となるのが気候変動への対策(カーボンニュートラル)になる。めちゃくちゃとも思えるくらい高い目標が設定されているが、これを達成させるための3つのキーワードがある。1つ目が炭素回収、2つ目が水素、3つ目がバッテリーだ。この3つの技術革新が求め

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    2022年09月30日
  • 新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

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    【感想】
    本書はエネルギー問題を扱う専門家、ダニエル・ヤーギンによって書かれた「資源をめぐる地政学」の本である。原書が書かれたのは2020年9月とかなり新しく、アメリカ、ロシア、中東といった巨大産油地域の最新情報はもちろん、電気自動車や気候変動といった、エネルギー関連業界の動向まで余すことなく網羅している。まさに「新時代の地図」と言える一冊だ。

    エネルギーが国際政治上の武器として扱われた例といえば「第4次中東戦争」であるが、そこから50年近く経った今でも、石油をはじめとする「資源」は常に大国間で緊張を生み出し続けている。
    そのエネルギー業界に、近年大きなシフトが起きた。「シェールガス革命」で

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    2022年08月20日
  • 新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

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    温室効果ガス実質排出ゼロに向けて、急激な変化を目前にする今、踏まえておくべき世界情勢。

    ・アメリカのシェールガス、シェールオイルによる輸出国化
    ・中東依存の低下、世界の警察の必要性低下
    ・欧州へのLNG輸出、エネルギー地図の変化

    ・ロシアとウクライナとのパイプラインを巡る紛争、ウクライナの西側シフトと戦争の予感
    ロシアの欧州パイプラインとEU各国の思惑、米国の制裁、復元力
    ・欧州のLNG基地建設による相対的地位の低下
    ・北極圏LNG開設による東方シフト、多様化

    ・2014年に購買力平価GDPで中国が世界一位
    ・東シナ海を巡る米中対立(資源次第で重要性が変わり得る)
    ・一帯一路(BRI:

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    2023年01月22日
  • ハイパーインフレの悪夢―ドイツ「国家破綻の歴史」は警告する―

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    極まったインフレが起こると何が起こるか、人、国がどうなるのかを知れる本。

    需要と供給、為替相場における通貨安/通貨高など経済の基本的な考え方を知った上で読むと、より実感を持って読めると思う。

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    2022年06月18日
  • ワイズカンパニー―知識創造から知識実践への新しいモデル

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    難しい本であるが、具体例が多いため、理解はしやすい。企業の競争力の向上のためには、差別化、知識創造が必要である。二次元的に語られていた、知識総合が、知識実践として、三次元上に繰り返されることが大切と理解した。私の実践としては、日々の業務もそうだが、そういった場の提供に努めていく。

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    2022年04月05日
  • ワイズカンパニー―知識創造から知識実践への新しいモデル

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    第1部が特に良かった。読者への定着を狙ってか、第2部はエピソードの繰り返しが多かった。企業の社会的ポジションや、善や美について、論が展開されるが、引き合いに出されるエピソード(インタビューや公表されている情報)のいくつかは共感を持って受け止められなかった。実践者として取材対象となった企業のいくつかが、ブラック具合を報道されていたり、訴訟をかかえていたり、社会的な姿勢を批判されているので。マキャベリズムの話も出てくるけど、その手段を取ることで、社会的に理念を疑われる事態になるのであれば、それは上手くないのではないかと思った。

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    2021年11月06日
  • ワイズカンパニー―知識創造から知識実践への新しいモデル

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    •社会的利益を目的とした知識創造と実践サイクルからの実践的な知恵は、継続的なイノベーションの基盤
    •具体的な未来を描くことは、人を巻き込み、未来を創造することにつながる
    •JALフィロソフィー:人生・仕事の結果=考え方x熱意x能力考え方が1番重要
    •従業員1人1人が会社を支えていて、会社を変えることができる
    •人間には新しいアイデアを思いつく能力創造性と、不確かな状況と向き合って別の可能性を思い描く能力想像力がある

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    2021年10月24日
  • ドーナツ経済

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     これはすごい本だ!経済学の本は古臭くて小難しい算式が載っていて、どうも読めない。何か誤魔化されていると思っていました。この本はそんな経済学を、当たり前の、普通の人が考えることのできる角度で取り上げています。
     算式は一つも出てきません。トマ・ピケティの21世紀の資本でも、算式は一つしか出てきませんでしたが、この本には一つも出てきません。その代わりドーナツ状の図が出ているのですが、これはSDGsそのものの図であり、この著者がSDGsに大きな影響を与えたことがわかります。
     現代の経済人の必読の書です。

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    2021年10月06日
  • ワイズカンパニー―知識創造から知識実践への新しいモデル

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    ネタバレ

    知識創造企業の続編というか完成版というべき本。
    海外の研究者が書く、企業研究・経営系の本より、やはりしっくりくる。取り上げられている企業が、本田やトヨタ、JAL、エーザイなど見知った企業のため、それも理解の助けになる。
    ワイズカンパニーになるためには、ワイズリーダーが必要であり、それは必ずしもCEOだけではなく、ミドルマネジメント層も大事だ、というのは実感にあっている。
    特に大企業では、経営目標の数値自体は、上から降りてくると思いますが、実際に、アイデアを出すのはミドル層が多いと思います。イノベーションを起こすために、知識に加え、知恵と実践が重要です。
    ただし、こうなんというか熱い感じの現場の

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    2021年06月19日
  • ワイズカンパニー―知識創造から知識実践への新しいモデル

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    暗黙知が共有され、形式知になり、実践を経てまた暗黙知となる、その繰返しによって組織及び個人が成長していく、SECIスパイラルモデルの実例が豊富で現場の様子がありありと浮かんでくるようだった。また、組織の話が中心かと思いきや、リーダーシップの本だった。ワイズカンパニーを作るのはリーダーであり、そのリーダーのあるべき姿についてかなりのページ数が割かれている。政治力を行使する、の話あたりがすごく面白い。ただただ綺麗事を並べているわけではなく、矛盾に満ちたリアルな現場をどう打開していくか、そこに企業の未来はかかっているのだと思う。

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    2021年06月19日
  • ダークデータ 隠れたデータこそが最強の武器になる

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    実際のデータを「ダークデータ」と称しデータの偏りや欠損などとその悪影響などを論じている。
    その武器の仕方まではあまり書かれておらずちょっと物足りないけど、データ分析を行うならば基本的な知識として抑えておくべき内容と思う。

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    2021年05月08日
  • 問いこそが答えだ!~正しく問う力が仕事と人生の視界を開く~

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    物事の視点を変えるには問いを変えること
    問題が解決に至らない場合、それは問いが間違っていることがほとんど
    A事業部の業績が上がらないのはなぜか?ではなく、A事業部の業績を上げるために役員でできることはないか?などと前向きに変えるなど
    問いを鍛える能力は、自分のコンフォートゾーン外にある
    積極的にそんな場に身を置く

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    2021年04月20日
  • ワイズカンパニー―知識創造から知識実践への新しいモデル

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    原点となる知識創造企業は1996年出版。時代に応じて書き加えられた要素と本質的な完成度。野中先生にとって晩年の最新刊という点も特に感慨深い。

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    2021年03月23日
  • 問いこそが答えだ!~正しく問う力が仕事と人生の視界を開く~

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    おもしろい。常に問い続けることで問いが強化されていく。なんでも同じだ。真剣に、続けることで洗練されていく。

    正しい問いが人間を成長させる。
    賢い人は、深い問いを立てることができる。

    人は自分の中に常に問い続けている問いがある。

    問う力を鍛える。常に興味深い問いを持つ。

    芸術とは目の前のものを単に複製するだけでなく、目の前のものを深く理解して新しいものを生み出す行為。

    タイトルである問いこそが答えだと言うものをずっと述べている。鋭い問を問うことができるだろうか。通ことによって、人生や世界が変わると著者は主張しているが、本当だろうか。そんなに大きな問いを立てることができる状況というのはど

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    2021年02月27日
  • 問いこそが答えだ!~正しく問う力が仕事と人生の視界を開く~

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    ◾️概要
    タイトルの、問いこそが答えだ!とはどういうことか理解するため、読みました。最も印象に残ったのは、「いちばん重要で、なおかつ難しいのは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを見つけることだ。」です。VUCAの時代、課題設定力こそが全てのビジネスパーソンに求められる能力と再認識しました。

    ◾️所感
    答えの価値とは、それによってさらによりよい新しい問いが見つかるところにある。という言葉で肩の荷が降りました。自他に問うと、思考が深まる実感が持てているので、継続したいです。

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    2021年02月25日
  • 問いこそが答えだ!~正しく問う力が仕事と人生の視界を開く~

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    本書では自分が求めている成果に対して正しい「問い」がたてられているか?と問われます。
    そんなの当たり前だろ!欲しいのは答えだよ!って読む前は思ってました。

    だって自分が分からないのは成果を得るための答えであって、問いは自然とあるものだとおもうじゃないですか汗。

    でもね、例えば「痩せて健康的になる」という成果に対して
    ⑴【痩せる為にどうやったら食事を我慢できる?】
    ⑵【痩せる為に適切な食事量とタイミングは?】
    この2つで成果に辿り着く道筋が違ってくるよね〜という事が本書で分かったことで。

    つまり成果を得るための答えを探す為には自分に合った問いを絞り出す事が大事だよってことです。

    他にも

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    2021年02月07日
  • ワイズカンパニー―知識創造から知識実践への新しいモデル

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    留学先で唯一聞いた日本人学者の名前が「イクジロウノナカ」だった。矛盾を解決すればそこにチャンスが。空白の市場は挑戦者がないか挑戦者がいても諦めて撤退している。
    物語。

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    2020年10月24日
  • ワイズカンパニー―知識創造から知識実践への新しいモデル

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    「知識創造企業」の25年ぶりの続編という位置付けで、おそらくは野中さんの最後(?)の主著、集大成という感じかな?

    「知識創造企業」(1996年)以降の研究をまとめたということだけど、もともと英語ででたものを日本語に翻訳したというものなので、この25年の間の野中さんの本をある程度読んできた日本人にはデジャブ感のある話が多いかな?

    集大成的な本としては、「知識創造企業」(1996年)とこの「ワイズカンパニー」(2020年)のあいだには、「流れを経営する」(2010年)という本がある。この「流れを経営する」からの理論的な進化という意味ではそこまで明確ではないかな?

    また、「流れを経営する」で、

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    2020年10月06日
  • ワイズカンパニー―知識創造から知識実践への新しいモデル

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    偉大な本。帯には「経営学の世界的名著『知識創造企業』著者両氏による四半世紀ぶりの【続編】」と書かれている。これは必ず読まねばならない本だと購入。

    『知識創造企業』は20年前にビジネスマン人生がはじまるにあたって会社から入社前研修キットの中に入っていた本で、読んだ当時もそうだが昨今のVUCAの時代で昨年読みなおして(時代が変化しても読み継がれるべき本だと)物凄く感銘を受けた本。

    失敗の本質、戦略の本質もそうだが野中先生の本はその時の出会いから直観の経営とか含めていくつか読ませていただいている。自分の社会人人生で最も影響を受けた先生と思っている。

    さて、本書の内容としては、『知識創造企業』2

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    2020年09月24日
  • シンプル・ライフ 世界のエグゼクティブに学ぶストレスフリーな働き方

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    ネタバレ

    <どんな本?一言で紹介>
    テクノロジーが発展する世の中、情報の波にのまれない自分づくりをするための本。

    <どんな人におすすめ?>
    行き先が分からないけど、忙しい人。
    色々なことをしないと!と思っている人。
    将来が不安で、色んなことをやっている人。

    <読んだら、どんなことが分かるの?>
    情報過多な時代で、自分の創造性を発揮して豊かさを感じるための、考え方。

    ・「マインドフルネス」とは、今の瞬間に全意識を向けること
    ・「何に意識を向けるか」で、テクノロジーに翻弄されるか活用できるかが決まる

    ・先入観を持っていることに気づければ、世界は変わる
    ・自分の無知と向き合う

    ・具体的な「日々のエク

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    2020年03月28日