黒輪篤嗣のレビュー一覧

  • ハイパーインフレの悪夢―ドイツ「国家破綻の歴史」は警告する―

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    本書では、ドイツが経験したハイパーインフレの歴史が丁寧に描かれており、通貨価値が崩壊するという現象の恐ろしさを、まるで目の前で起きているかのように感じながら読み進めた。特に「貨幣とは何か」「紙幣の価値は人々の共同幻想に基づく」という指摘は、自分に強い印象を残した。

    私たちが当たり前のように使っているお金も、社会全体の信頼が揺らげば、あっという間にその価値を失う。貨幣の信用が成立するには、一定以上の信頼が欠かせないという事実を改めて思い知らされた。

    現在の日本や世界情勢は目まぐるしく変化しており、将来を正確に予測することは極めて難しい。しかし、本書を通じて「不確実な時代をどう生きるのか」を考えるきっかけを得られたように思う。自分自身も、経済や社会の動きを主体的に学び続ける姿勢が必要だと感じた。

    本書は、今後の時代を生きていくための視点を与えてくれる大変示唆に富んだ一冊であり、折に触れて読み返す価値があると強く思った。

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    2025年12月07日
  • ワイズカンパニー―知識創造から知識実践への新しいモデル

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    ネタバレ

    骨太な一冊。
    リーダーの主観や信念に基づき(パーパス的な話)つつ、社会に認められるには共通善を目指すべきという主張は納得性がある。一方で現実的な課題に向き合う必要があるということで、数々の実践すべきアドバイスがまとめられている。
    多方面にアドバイスされており、読み手や状況によって響くところが違うと思うので少し間をおいて読むとよいかもしれない。
    今の自分は自問自答を繰り返せ(フィードバックループ回す)、木と森を見よ(大局観)、基本に忠実にしつつ変化への適用(両利きの経営)といったところが印象的だった。

    最後の一節(さぁ、本を閉じて行動を起こそう)が内容を総括しているとともに、長く分厚い本だからこそ、なおさら響く。

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    2025年10月22日
  • ドーナツ経済

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    ネタバレ

    これまでの経済学は、成長し続けるというのが大前提にあったが、実際は現実に即して脱成長という前提のなかで新たな経済学を考えて行く必要があるとし、新たな考え方を提案している
    ドーナツの図は、世界の誰もが健康で文化的な生活を営むことができ、かつ、環境を破壊せずサステイナブルなものという、コンセプトをうまく図示したものと感じた
    人新生の資本論を読んだ際にも感じたが、ではこれを世界で実装するにはどうすれば良いかという点はいずれとしてクリアにならず、考え方としては賛同できるが実現性という観点で難易度は高いと感じる

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    2025年10月06日
  • ハイパーインフレの悪夢―ドイツ「国家破綻の歴史」は警告する―

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    アダム・ファーガソン著『ハイパーインフレの悪夢――ドイツ「国家破綻の歴史」は警告する』は、1923年ワイマール共和国で起きたハイパーインフレの地獄を、生々しい資料と証言で再現した迫真の記録です。パンやシャンパンの値段が1日単位で桁違いに高騰する中、市民がどう生き抜こうとしたのか、リアルすぎる描写に背筋が凍りました。

    著者はジャーナリストかつ歴史家として、外交資料・日記・新聞を縦横に活用し、学問の厳密さと読み物としての引力を見事に融合しています。インフレによって日常が崩れ、信頼さえ奪われる様子は、現代の私たちにも多くの示唆を与えてくれます。

    この本は単なる経済史ではなく、「お金とは何か」「価値とはどこから生まれるのか」と自問させられる一冊。経済・歴史・社会に興味がある人はぜひ手にとってほしい必読書です。

    #ハイパーインフレ #歴史ノンフィクション #アダムファーガソン

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    2025年09月10日
  • 問いこそが答えだ!~正しく問う力が仕事と人生の視界を開く~

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    正しい問い、よい問いが必要である。そうでない問いからは導き出される答えはピントが外れたものになってしまう。見方を変えてよい問いを出すことができれば、おのずと正しい、ブレークスルー的な答えが示されると書いてあります。

    「いちばん重要で、なおかつむずかしいのは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを見つけることだ」ドラッカー
    「問いはすべて枠組みであり、答えはその中に収まる。枠組みを変えることで、解決策の幅は劇的に変化する」ティナ・シーリング
    チームの成功といちばん強い相関が見られたのは、心理的安全性だった。
    あらゆるブレークスルーの背景にはよい問いがある
    すばらしい解決策のためにはよい問いが不可欠だ。問いを変えなければ、いつまでも同じ道を進み続けるだけで、飛躍は望めない。
    問いの目的は、相手に別の角度から問題を考えさせることことにある。

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    2025年06月16日
  • 読みだしたら止まらない 超凝縮 人類と経済学全史

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    初めて読んだ経済学の本を読みました。
    歴史で習ったことが色んな面で経済に繋がってることを知りとても面白かったです。
    下記のコメントが一番印象に残りました。

    完全な民主主義国どうしのあいだで戦争が起こったことは、歴史上一度もない
    ※ポリティプロジェクトやエコノミスト・インテリジェンス・ユニットによる定義では、市民の自由が守られ、民主的な政治文化が浸透し、司法権の独立と報道の自由が保障されているのが完全な民主主義国であるとされる。

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    2025年06月01日
  • ワイズカンパニー―知識創造から知識実践への新しいモデル

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    知的創造企業の改訂版。SECIモデルを二次元から三次元にアップデートし、理論から実践を想定した改訂がかけられている。
    最初の理論の部分だけだと抽象的でピンとこない部分も多々あったが、実企業の取り組み事例を中盤以降多数取り入れており、とても分かりやすかった。
    さてこれを今働いている企業、組織にどう取り込んで行くか。そこが悩ましいところである。

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    2025年05月02日
  • 読みだしたら止まらない 超凝縮 人類と経済学全史

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    久しぶりに脳が喜んだ。経済学なんて今まであまり興味がなく、どちらかといえば縁遠いものだったが、読み始めたら面白くて、第5章まで一気読みした。そこで一息ついて、ちょっと違和感のある部分に遭遇した。その後はじっくりと読み進み、なかなか味わい深い本だと思った。
    こういう切り口で人類史を語ってくれた本に初めて出会えたことに感謝。

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    2025年02月24日
  • 新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

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     本書で論じられるのは、「地政学とエネルギー分野の劇的な変化によってどのような新しい世界地図が形作られようとしているのか、またその地図にどのような世界の行方が示されているか」である(序論より)。

     第1部では、アメリカにおけるシェール革命の進展とその影響が説明される。シェール革命によってアメリカは石油と天然ガスの世界最大の生産国になり、輸出国にもなった。世界のエネルギー地図を激変させ、世界の地政学を塗り替え、新たな影響力、強化されたエネルギー安全保障、選択の幅が広がった外交政策など、米国の立ち位置を変えた。
     第2部では、エネルギー大国であるロシアについて、その強さと共に、石油と天然ガスの輸出に依存する経済面における弱みについて叙述されるが、とりわけ不透明な先行きとしてウクライナとの関係について懸念が示される(本書はウクライナ侵攻前の著作であるが、ウクライナがロシアとヨーロッパのいずれを向くかという問題が大きかったことが分かる)。またプーチンが中国に近づく「東方シフト」を進めており、結束した中ロ政府が「完全な主権」を主張し、米国の「覇権」に異を唱えていることを説く。
     第3部は、経済力と軍事力を飛躍的に伸長させている中国についてである。ほぼ全域にわたって中国が領有権を主張している南シナ海が、周辺諸国と争いになっており、また米中の戦略上の対立が最も先鋭化している場所であること、中国製品の市場と必要なエネルギーや原材料を確保することを目的とする「一帯一路」構想が、経済的な企てなのか、中国主導の新秩序を築こうとする地政学的な企てなのかなどについて、多角的に論じられる。

     第4部は中東について。中東の主なプレイヤーであるイラン、イラク、サウジアラビア、加えてシリアやヨルダン、イエメン、アラブ首長国連邦、バーレーン、イスラエル、そして米国といった国々がどうして対立しているのか、スンニ派とシーア派、資源である石油を巡る争いなどの事情について、その歴史的経緯や「敵の敵は味方」のような複雑な関係が簡明に叙述されていて、とても勉強になった。

     第5部は、電気自動車、ライドヘイリング、自動運転といった新しい動きが、どのように自動車産業とエネルギー事情を変えていくか、第6部では、気候変動とエネルギー転換の将来が論じられる。地球温暖化対策がどのように進むかはかなり各国の姿勢、政策によって変わってくると思われるが、特にトランプ復活によって米国の取組がガラッと変わりそうなので、各国の足並みが揃うのかかなり心配だ。

     経済活動や日常生活に欠くことのできないエネルギーとその背後にある複雑な国際情勢について、最新の満載した情報を分かりやすく提供してくれており、お勧めの一冊だ。
    (しかし、第5部の自動車のところにトヨタがちょっと出てくるくらいで、日本に関する叙述はないに等しい。エネルギー資源の問題について日本のプレゼンスがないことを痛感させられる。)

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    2025年01月21日
  • 新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

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    2007年を基準にすると、2019年の米国の赤字額はシェール革命がなかった場合より、3090億ドル低かった。
    シェール革命により石油天然ガス業界全体では雇用数は米国内で1230万人にのぼった。

    中国のエネルギー消費は全世界の25%近くを占めている。
    全エネルギーに対する割合は60%近く。米国は11%

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    2024年09月04日
  • ワイズカンパニー―知識創造から知識実践への新しいモデル

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    ベースが英語なので、ところどころ滑らかではないが、
    日本企業の事例が豊富でわかりやすい。
    やはり経営理念は大事。抽象的でも共通目的を従業員に理解させる効果がある。

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    2024年08月03日
  • 世界を変えた8つの企業

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    企業の存在意義は社会の為かまたは自社の利益の為なのか「ソキエタス」や「フォード・モーターカンパニー」「フェイスブック」などを通し企業の在り方を考える一冊。利欲にくらみ衰退していく企業が多い中でも協力していく大切さ、一つの目標に向かっていく団結力は企業だから発揮できるのだと学ぶことができた。

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    2024年06月29日
  • ドーナツ経済

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    p280でオフグリッドの話題が取り上げられていた。オフグリッドについて、気になるのは、バックアップ電源。電力会社は、それを再エネで賄えないからこそ、安定供給のために原発やガス火力から手を引けないのだろうし。仮にオフグリッド住宅やオフグリッド農場、工場が多数できたとして、発電できないときはどうするのか。蓄電でどの程度賄えて、蓄電のための環境負荷や国を越えての人的負荷はどの程度なのか。電気が無いなら無い状態で過ごすのがオフグリッドの行きつく先なのだとしたら、よく話に出るが医療では、人工呼吸器が必要な人はそのときどうなる?透析が必要な人はどうなる?農業工業では、不安定な電源でも大丈夫な仕組みをどう作る?ここら辺のカバーについてどういった考えが挙がっているのか、調べたら答えが見つかるだろうか。調べてみよう。
    ・・・・・・
    現在の資本主義の在り方についてもんもんと考えることがある。このもんもんを解消するヒントを得たくて4年前に『オリーブの森で語りあう: ファンタジー・文化・政治』(ミヒャエル・エンデ)を読んだ。そのとき抱いた感想(下記)が、本書『ドーナツ経済』を手に取ることになった今に繋がっている。

    ↓『オリーブの森で語りあう: ファンタジー・文化・政治』(ミヒャエル・エンデ)の感想↓
    「環境問題、エネルギー、格差、平和、教育、政治…、何を考えるにしても、最近、「資本主義」というものの矛盾を感じている。お金は便利だし、お金があるからこそ今の生活がある。しかし、お金を媒介にして社会が成り立ち、かつお金に重きを置いている社会だと、生活者全体がハッピーになるのは難しいんじゃないのか?と感じる。何が「正しい」とは言えないけれど、医療、農水産業、教育、防災、インフラ…、現場で体を動かして働く人の賃金が、低いと思われる今の日本。創造すること、仕組みを作ること、そして資本を回す役割、それらももちろん大切なのだけれど、あまりに現場で体を動かす人の賃金と差があるのではないか。賃金で格差があるのなら、税金を再分配して生活者がハッピーに暮らせるような仕組みが回っている必要があるし、それが政治だと私は思っているのだけれど、生活者を向いた政治がなされているのか疑問を抱く機会が年々増えている。

    お金を媒介にするのは便利だけれど、そしてそのお金が広く、生活している人たちや地球のハッピーのために世界を駆け巡っているのならそれは幸せな仕組みだと思うのだけれど、そうなっているか?」
    (以上、『オリーブの森で語りあう: ファンタジー・文化・政治』の感想)

    『ドーナツ経済』の中で価値が減っていく貨幣の話が取り上げられていたが、どこか他の本でも読んだことある。「腐っていくお金」の仕組みを試した地域があると。どこで読んだのか…思い出せない。この仕組みに惹かれる。

    ドーナツ経済の具体的な実現方法や政策提言までは、本書の中では触れられていなかったと思う(私の読み逃しか?)。だけれども、何かこれからの社会づくりのヒントがこの中にあると思った。…と書くととても偉そうだななんだか。私はどうする?何ができる?おこがましくも、学び、考え続けたいと思ってしまうし、できることから行動…。それが私は足りていない…。2024/6/20(木)

    ・・・・・・
    その他、読書メモ欄に引用メモした。

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    2024年06月20日
  • 新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

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    なんかすっげースラスラ読めるけどぶっちゃけ全然アタマに残ってねえ。
    タイトルの和訳に配慮というか苦労が見えた。

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    2024年04月05日
  • 経済学レシピ―食いしん坊経済学者がオクラを食べながら資本主義と自由を考えた

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    ネタバレ

    1980年以降、経済学は新古典派だけになってしまった。イノベーションや行動経済学も組み込まれた付け足しでしかない。
    アメリカでは奴隷は財産であり、貸付対象、担保にもなった。
    1791年ハイチ革命で、フランスに反乱を起こし1804年に独立国となった。ルイ14世はルイジアナから撤退し、アメリカがこれを購入して領土が広がった。ハイチ革命がなかったら、ルイジアナはフランス領のまま。
    資本主義と自由との関係は複雑、ときに両立しない。

    労働参加率は貧しい国の方が高い。タンザニアが87%、ドイツは60%。児童の労働率が高い。
    生産性の高さは環境によるもの。富裕国に移り住めば生産性が高まる。生産設備、高いインフラなどによる。貧しい国は、個人後からではどうしようもない問題で貧しい。真面目に働かないから、欠点があるから、ではない。

    ペルーは、ペルー沖の片口いわしを食べた海鳥の糞による肥料や火薬製造によって潤った。ハーバーボッシュ法まで。一次産品は、たやすく他国に奪われる。ゴムやコーヒーの例。化学産品はそれとは違う富の奪い方をする。オランダは技術力で(温室)農地を増やし、水耕栽培で垂直方向に農地を増やした。高い生産水準のためには技術力が欠かせない。

    幼稚産業保護論。日本が重化学工業を保護しようとした政策は批判があった。繊維産業に特化した方が競争風位があるのではないか、と。
    英国と米国は、自由貿易発祥のイメージがあるが、世界一の保護主義の国だった。自国の産業が強くなってから切り替えた。しかし、安易にやると大人になり損ねる。

    現代グループは、もともと建設業。自動車はフォードとの合弁産業。いろいろな要素、優秀な人材と政府の力で伸びた。三菱は海運会社としてスタート。発展は、個人の才能、企業努力、内部相互補助、政府の支援、消費者の犠牲、のおかげで成長した。
    アメリカ国防省の防衛研究がなければ、IBMもインテルもアップルもなかっただろう。
    自由主義社会での成功は個人主義ではなく総合力が必要。

    ゴールデンライスは遺伝子組み換え問題で、軌道に乗っていない。
    特許が絡まり合った状態で、技術的な進歩ができない。特許プールで共有する方法がある。そのほかにすべての特許を短くする方法、報奨制度で初期費用をまかなう、方法もある。
    缶詰の技術は懸賞金によって発明された。

    ウルグアイはサッカー王国でもあり、牛肉王国でもある。コーンは、もともと粒の意味。コーンビーフは塩漬けのための塩の粒から来ている。
    穀物法は、産業と、貿易に課された政府の帰省とのと戦い。最終的には撤廃することで産業側の勝利となった。自由貿易の起源とされる。が、世界で最初に自由貿易を強いられたのは南米。不平等条約のせい。日本も同様だったが、城郭改正後は30%乘関税を掛けた。WTOでは現地調達率規制は禁止されている=富裕国に有利。
    貿易の自由化は敬愛援助の条件となっている。
    世界貿易は、力の不均衡により自由をいう名前で不公平な貿易を強いられている。

    バナナは品種改良の結果、自分では子孫を残せない。バナナ企業は巨大になり、中南米の経済を支配した。現地に対しては功罪がある。新技術の導入に役立つこともある。外資導入策が成功する国もある。フィリピンは飛び地経済の被害国でもある。安価な労働力だけを使われて技術移転しない。合弁を義務づける、雇用の制限などが必要。規制を課してノウハウを手に入れようとする努力が必要。と同時に支援策で誘致する。

    コカコーラの名称はコカの葉とコーラの実に由来する。ボリビアのモラレス大統領は、ワシントンコンセンサスに反して、主要産業、公益事業を国有化、社会保障費を増やした。経済学的には後退だが、所得格差が減少し、経済は成長した。アルゼンチン、ブラジル、エクアドル、ウルグアイ、ベネズエラが続いた。ピンクの潮流という。ベネズエラの失政以外は。
    発展途上国では、新自由主義が惨憺たる結果を招いている。

    ドイツのビスマルクは、ライ麦生産者に関税の導入を認めさせて、重工業を発展させた。社会保障制度、公的年金を導入しt。社会主義運動の弱体化を狙った施策。そのため、社会保障制度は当初、社会主義者に反対された。労働者を買収する手段と映った。
    福祉給付はただではない。全員が対価を払っている。スケールメリットがあること。そのために全員が安価で済んでいる。医療保険がないアメリカの医療費と比べると一目瞭然。細分化されてる医療保険ではスケールメリットを活かせない。

    自由主義派は競争の結果を受け入れるべきと考える。しかし機会の平等を徹底できるか。男女差、人種差、教育差、など。ニーズや能力の違いをどうするか。
    結果の平等を促進するためには市場の規制のほかに、社会保障制度による再配分がある。

    GDPには、家事労働や無償労働を計算に入れていない。ワーキングマザーという呼び方は、主婦は働いていないかのように映る.ケア労働は無償であっても欠かせないもの。GDPでは過小評価されている。

    壊血病の克服のため、英海軍ではライムがラム酒に混ぜる形で配られた。ライミーズといえば英国人を指す言葉。
    船乗りにライムを摂らせるように、市場の問題には政府の介入が必要。

    有限責任の会社はスパイス探しの大冒険を可能にした。スミスは、他人の金でギャンブルをするもの、と批判したが、資本主義の原動力になった。
    行き過ぎた金融化で、株主還元割合が90%以上に高まった。長期的な投資ができない状態。議決権を保有期間で決める方法、株主以外のステークホルダーの力を強める、株主の選択肢を制限する。経済の進歩の妨げになっている。

    機械化は、雇用を失わせるのはいつの時代でも同じ。AIが特筆されるのは、それを訴えている階級に危機が迫っているから。その技能が無用の長物になりかねない恐怖。
    自動織機のおかげで、織工は4倍に増えた=安くなって需要が増えた。政策を通じて雇用を維持できる。コロナで明らかになった。
    理屈では、学び直しによって新しい仕事に就ける。現実には教育以外の支援が必要。学び直しがなければ、高い技能を必要としない職にしかつけない。積極的労働市場制度が必要。
    いちごはベリーではないのに、ベリーの代表格になっている。

    スイスは工業国。ミルクチョコレートはスイス人の発明。後のネスレ。
    脱工業化論の罠。製造業は人件費の安い中国のような国で行われ、富裕国は金融やIT、コンサルなどサービス業にシフトすると言われた。しかし、サービス産業化のお手本といわれるスイスとシンガポールは世界1位2位の工業国。
    脱工業化の原動力は生産性の変化。需要の変化ではない。機械化で人では減っているので従事者は減る。しかし製造高は増えている。サービスの価格が相対的に工業品より高くなっているだけ。製造業は技術革新の源泉。企業内から外注化されているので、売り上げがシフトしているように見えるだけ。製造業の衰退は、脱工業化の印ではない。製造業がなくて他の産業だけが成り立つことはない。

    経済学はいろいろな味方で見るべきである。経済学の分析は、材料のでどころがどこか、を調べるべき。

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    2024年03月19日
  • 経済学レシピ―食いしん坊経済学者がオクラを食べながら資本主義と自由を考えた

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    経済学の教養本で、料理を入り口にしてるので読み物としても楽しめる。
    結局印象に残ったのが料理の豆知識、って章も多くありますが笑
    楽しめます、一読して損はないです

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    2024年03月15日
  • 新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

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    地政学が流行った時期に見つけて購入。アメリカのシェール革命、ロシア、中東、中国のエネルギーを巡る情勢がNHKのドキュメンタリーのように克明に描かれている。事実の羅列ではなく実在の人物の言葉や行動と共に綴られており臨場感がある。中東の情勢に疎かったのでこの本でだいぶ勉強になった。

    一方で気候の章は自分の専門に近いからか知っている話が多くやや物足りなさもあった。

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    2024年01月06日
  • ドーナツ経済

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    河出文庫 ケイトラワース 「 ドーナツ経済 」

    経済学の役割を 経済成長でなく、貧困根絶と環境保全に求めた本。

    経済成長に 全人類の幸せはなく、貧困根絶と環境保全がなされた「人類にとって安全で公正な範囲」を バランスのとれた繁栄の道であるとしている

    経済学者に求められる思考
    *目標を変える〜成長をめざすのでなく、バランスのとれた繁栄の道を探る
    *全体を見る〜市場の効率性でなく、家計、市場、国家、コモンズ(共の役割を考える
    *人間性を育む〜合理的経済人でなく、社会的適応人へ人間像を変える
    *システムに精通する〜ストック、フロー、フィードバックグループ
    *分配を設計する〜所得と富を再分配する
    *環境再生を創造する〜循環型経済へ
    *成長にこだわらない〜成長しなくても繁栄をもたらす経済へ

    目標を変える=GDP成長からドーナツ部のバランスのとれた繁栄へ
    *人間の生活の場である経済を豊かにするのでなく、人間の生活そのものを豊かにする
    *人間の生活そのもの=ドーナツ部〜人類にとって安全で公正な範囲であり、バランスのとれた繁栄の道
    *人類の繁栄は地球そのものの繁栄の上に初めて成り立つ

    全体を見る
    *市場の効率性を高めるのでなく、家計、市場、国家、コモンズ(共有する自然や社会の資源)の役割を考える
    *地球〜許容限界に配慮する〜空きのある世界は終わり、いっぱいに詰まった世界に生きている
    *市場〜自由市場でなく、誰がリスクとコストを負い、恩恵を受けるかから再規制を見直す
    *コモンズ〜国や市場に頼ることなく、自発的な秩序形成を通して行う
    *企業〜株主価値の最大化より魅力的な企業目的が必要

    人間性を育む
    *合理的経済人(利己的、孤独、計算高く、好みが一定、自然の征服者)でなく
    *社会的適応人(社会的、互いに頼り合い、価値観が変わりやすい)へ
    *わたしたちは条件つきの協力者(他者が協力するかぎり自分も協力する)が同時に利他的な処罰者(裏切り者やただ乗りする者を罰する)
    *ハンナアレント「野良犬は名前をつけてもらうと長生きする」

    システムに精通する
    *システム(特徴的な行動パターンを生み出す仕方で互いに繋がりあっている仕組み)
    *ストック、フロー、フィードバックグループが複雑に絡み合う
    *フィードバックグループがストックとフローを結ぶ
    *フィードバックグループには、自己強化(正)とバランス(負)がある
    *自己強化型は、増大がさらなる増大を呼ぶ
    *バランス型は、システムの暴走や内部崩壊を防ぐ
    *全人類をドーナツの中に入れるには、「成功を呼ぶ成功」のフィードバックグループを弱める必要がある

    分配を設計する
    所得と富の再分配をめざし、そのために市場、コモンズ、国家を活用する

    西洋の経済は危険なレベルの不平等に向かっている〜資本から生まれる利益の成長が経済全体の成長スピードを上回り、富の集中が起こる

    再分配政策
    *累進課税と所得移転
    *最低賃金など労働市場の保護
    *医療、教育、公営住宅など公共サービスの提供

    幸せを増進する行動
    *周囲の人々とつながる
    *体を動かす
    *世界に関心を持つ
    *新しい技能を身につける
    *他者に与える









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    2023年02月11日
  • 新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

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    2023年5冊目。満足度★★★★☆

    「米国で最も影響力のあるエネルギー問題の専門家」による世界を読むとく書の最新刊

    500ページを軽く超える厚さに、怯みそうになるが、毎日少しずつ時間をかけて読み終えた。

    本書を読めば、エネルギー、気候問題や地政学の今に関する基礎的な知識を得られるであろう

    私には第4部「中東の地図」の箇所が、知識不足のためか読むのが辛かった。

    アメリカのエネルギーに関する状況が、10年くらい前と今では「様変わり」していることが印象に残った

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    2023年02月03日
  • 新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

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    米国のシェール革命がエネルギーを取り巻く地政学上のパワーバランスを一変させたことがよく分かる1冊だと思う。中東の複雑な歴史については改めて勉強が必要だと痛感した。

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    2023年01月01日