エナミカツミのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
アドウェナ・アウィス号はついに海にでる。
不死者誕生秘話の最終章。
船に乗ることになった面々が、それぞれ思惑があり、偶然があって、という展開はまさにエンターテイメント。
が、しかし、全体を悪意が覆っている感がいなめない。
それも、ねじれて歪んだ悪意たちだ。
恋人を失ったヒューイの悪意が、一番直球のように感じるのだからどれだけねじれているんだ。そもそも、そのヒューイの悪意ですら、歪んだ形でしか表にでていないのに。
おかげで、エルマーの「笑顔が見たい」という、異様ではあるけれど悪意はないはずの気持ちですら、結局は悪意から発生しているのではないかと思ったぐらいだ。
そして、今まで名前はでてきても存在が薄かったフェルメートが、明確な悪意として姿を現す。
のちにチェスに喰われたはずなのに、そうでもないらしいので、この先の展開の重要人物なんだろうなぁ。
にしても、この1700年代の話と1930年代の話で、変った人間もいれば変わらずにいる人間もいて、結局人は<個>では成り立たないのだろうなと思うのである。
変らずにいるということもまた、<他者>の影響を受けずにはいられない、影響を受けてなおかつ揺るがずにいる強さというか頑固さが決意であり、異様さなのだと思うのである。
…しかし、結局不死者ってすごい多いんですけど。
大丈夫なんすかねww -
Posted by ブクログ
【ネタバレあり】
相変わらずのバッカーノ。
鬼畜外道野郎がヒィヒィ言ってるのには、やったねエルマー! さすが魔王! と思ったけど、
フェルメートにも人間的な面があると知ると、なんか拍子抜け。
もっとひでぇ取り返しのつかない奴かと…うんこれから何百年でそうなっていくのかもしれないけど。
こいつが大ボスとして2003に君臨するのかぁ…何をやらかしてくれんのかなぁ。
ヒューイといえば、やっぱりホムンクルスはモニカのためだったの?
ルネ先生の「実験台」は結果シャーネってことでいいのかしら。
お嬢様がネブラ関係だったらどうしよう。
そろそろマルティージョが恋しい。 -
Posted by ブクログ
昔から思っていることがあって、100点満点のテストで0点を取ることも100点を取ることも大して変わらない。いや、重大な違いだという意見は当然あるだろうけど、常識の範囲内という意味では両社とも常人なのである。
異常とは、0~100点までしか取れないテストで「103点」とか「-4点」とかを取ってしまうこと。すなわち常識を逸脱してしまうことであって、そこには「優秀」だとか「落ちこぼれ」なんて分類はない。どんなに優秀でも100点以上を取ってしまうことは異常である。
制御を失っていきすぎた「正義」ってのはもはや異質な別物なんじゃないだろうか。
本書を読んでそんなことを感じた。
いやはや、相変わらずというかなんというか、構成もしっかりしている上に面白い。成田さんは外れのない作家さんだと思います。タガの外れたキャラクターを書かせたらピカイチです。
ネジの外れた人間はまるで全てが破綻したように見えてしまいがちですが、それこそネジが1つ外れただけなんじゃないかなと思います。ただ、それが信念みたいなその人の根幹を揺るがす重大なピースであるがゆえに影響力も大きいだけです。
成田さんの描くキャラクターもなにか1つだけズレていることが多いです。
最後に余談ですが、「悪を逸脱した悪」があるとしたら、それは一体どんなものなのでしょうね。 -
Posted by ブクログ
その不死者の名前はエルマー・C・アルバトロス。“笑い”に異常な執着を持ち、ハッピーエンドの為なら手段を選ばない「笑顔中毒者」である。
三百年前に別れたその男を捜して北欧の森を訪れた4人の不死者たち。そこには古びた小さな村があった。突然現れた来訪者に敵意の眼差しを向ける村人たち、なぜか彼らに“悪魔”と恐れられているエルマー、そして不思議な少女ーー。
謎に満ちた村で繰り広げられる、「バッカーノ」異色作!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
おお!
今までの中で私的に一番読みやすくて面白かった!
多分新しい登場人物が他に比べて少なかったからだと思う…!
終わり方もさすがハッピーエンドの為なら手段を選ばないエルマーさんなだけあって、良い感じの終わりだし、楽しかった!
チェス君の笑いころげる姿がみたいね(;ω;)