エナミカツミのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“「フン!あんな裏切り者……組織の脱退者に敬意など寄せないで頂こう」
冷静さを保って『黄』を諌めるカルジミールだが、追い討ちをかけるように『藍』の東洋人が呟いた。
「別に裏切ったわけではなく、普通に脱会しただけだったような……」
「さて!本題だが!」
呟きを掻き消すように力強く叫ぶカルジミール。
いよいよ本題に移るとなって、場内に緊張が漂い始めたのだが————。
その雰囲気は、議長であるカルジミール自身の手によって打ち消された。
「こんな事もあろうかと、既に手は打っておいた!この場にいない『緑』のジグムントに、【ニーズホッグ】ルーディと、【フレーズヴェルグ】テレジア!メルヒルムを道案内に、彼らを既にグローワース島に出撃させている!」
「なッ……」
議長から告げられた事実を聞くと、にわかに議場がざわめきを取り戻した。
「ふん……本来ならば『黒』を筆頭とする我々の最高戦力を持って叩き潰したかったが……あの個体……レリック・F・バルシュタインが相手では、如何に我々とて、正面を切って戦うのはまずい。そこで、軽快に動ける戦力を投入したのだよ。御理解いただけだかね……諸君」
力強い笑みと共に告げられた『結果』を前に、会場のざわめきは一時中断し——
——やがてそれは、大きな大きなブーイングの嵐となった。”[P.69]
前編。
新キャラも出つつ。
成田さんの話は誰かと誰かが同一人物に違いないというわくわくが付きまとう。
植物吸血鬼カップルが微笑ましい。眼鏡が意外だったけど。
子爵に婚約者がいたとは……。
そういえばギータルリンって、越佐大橋の猫さん側のリーダーの名前でもあったっけな。
“「大丈夫だよ、どうせあんまり祭りを楽しむ気は無かったんだから。だけど、誰かと一緒なら結構楽しめるんじゃないかと思っただけでさ……」
「……でも」
「……じゃあ、お願いしていいかな?その……一緒に来てくれないかな?色々と——話をしたい事もあるんだ」
——そうさ、これは彼女の為だけじゃない。僕の為でもあるんだ。
自分にそう言い聞かせながら、彼女に祭りを楽しんでもらおうと、外の世界をタップリと眼に焼き付けてもらおうと彼女に言葉をかけ続けた。
自分と同じ、人間でも動物でもない物から進化した彼女が——果たして人間や吸血鬼と比べて、どのような価値観を持っているのか。そこに、自分を見つける答えがあるのではないか。そう考えながら、ヴァルは優しくセリムの手を握り——
地上へと向けて、ゆっくりと引きこもりの少女をエスコートする。
人間と同じように、柔らかく暖かい手を握りながら——
少年は何故か、自分の心が熱くなるのを感じていた。”[P.269] -
Posted by ブクログ
“棺から現われた血が、流暢な書体となって壁に文章を綴りあげる。そのシュールな光景を前に、隊員達は完全に言葉を失っている。そんな読者をお構いなしに、今や巨大なノートとなった白い壁に、血は己の身を使って次々と新しい英文を生み出していった。
【ありがとう、本当にありがとう!いくら感謝の言葉を述べようとも、この万感の思いは尽き果てる事は無い!あのまま棺の暗闇に閉じ込められていたら、我輩は間違い無く死ぬところであった!我輩は感謝する!再びこうして日の光に巡りあえた幸運を——神と、悪魔と、そして何より棺桶の蓋を開けてくれた聖職者諸君に対してだ!】
御丁寧にも『!』を多様して、血は感謝を精一杯相手に伝えようとしているようだ。どうしてカルギラ達の事を聖職者と呼ぶのかは不明だが、おそらく白木の杭の破片を見て血が勝手に判断したのかもしれない。
自分を取り巻いている状況の危うさに気付き、カルギラは精一杯の虚勢を張って、部下達に向かって叫びをあげる。
「糞ッ!やばい!どっかに本体がいる!この血を操ってる本体を探すんだ!」
そんなカルギラの言葉を訂正するかのように、壁の血文字は次々とその姿を変化させる。
【何をしておるのかね、親愛なる諸君!私は"ここ"だよ!この血こそが我が現身!血こそ我なり!血こそ我輩の全てだ!】
更には『" "』と『傍点』までをも駆使し、血文字は自分こそが本体であると強調する。
「なッ……」
口をパクパクさせるカルギラを見て、血文字は補足をするように文を付け足した。
【信じるにせよ信じぬにせよ、我輩と意思の疎通を行うには我輩の身体を見てもらうしかないのだよ。残念な事に、我輩にはテレパス能力は無いのでね】”[P.104]
漸く手を出してみたりして。
登場人物が多いと聞くので自己流相関図作りつつ。
楽しい!本当成田さんの大人数動かすお話楽しい。
ミヒャエルは色んな人から好かれそう。
これからの展開も楽しみ。もっと大乱れしてほしい。
“「わああ、フェレット大変だ!フェレットが追いかけて来たよ!これって喜ぶべきこと?」
「……叩き落としましょうか?」
そう言いながらチラリと振り返ると、確かに後ろから自分の姿をした者が追いかけてくる。同じ体格なら物を背負っている自分の方が不利になる。
——それにしても、わざわざ私と同じ格好になるとは——なんと陰湿な奴なのだろう。
今はまだ離れているが、これ以上詰められたら念動力で足をすくわれる可能性がある。
より確実に逃げるには、横に抱えているミヒャエルを捨てる事なのだが——
「しっかり捕まってて下さい!」
——そんな事はできない。できるわけがない。
フェレットの強い思いとは裏腹に、ミヒャエルは胸ポケットからカメラ付携帯電話を取り出しながら叫んだ。
「ああ、笑ってる!あの偽フェレット笑ってるよ!珍しいから写真撮っとこう」
——捨てる。あと一回何かしたら捨てる!”[P.217] -
Posted by ブクログ
1700年代完結編です。
伏線が入り交じった構造は相変わらず刺激的で、鳥肌ものでした。
注目すべきキャラはやはりヒューイ・ラフォレット。
確かに彼の行動は世間を騒がすものでしかありません。
しかしその奥に感じるのは「愛」という純粋な原動力。
どんな異形をとっていても憎めない存在・・・・・・
そういう彼だからこそ、三百年の間色んな信者を抱えていられたし、エルマーみたいな輩をずっと親友として見る事が出来る。
そこが彼とフェルメートの根本的な違いではないでしょうか。
なにがともあれ、ヒューイとその仲間達が積み重ねた様々なものが遠い未来に訪れるバカ騒ぎを明るい方向へ導いてくれるはずだと、今はそう信じていたいです。無敵の婿さんがついている事ですし(笑)1935がとても楽しみです! -
Posted by ブクログ
ふおぉーーー!!面白かった!前回の1710はだいぶ前に読んだきりだったので忘れかけてて、最初のほうはモニカの最期について思い出すのに苦労しましたが・・・。エルマーは相変わらずだし、フェルメートはだんだん本性が見えてきて、今後を考えると怖くなるし。スペランの女性好きに癒された。ヴィクターの性格がすきだなあ。それにしても・・・、ザンクて現代に出てこないキャラだっけ?記憶に自信がない。マイザーの弟は頼りない男で少しがっかり。セラードの爺様は意外とまともだね。ヒューイは・・・悟りきったようになってたけど、そこがなんか悲しい。ヒューイの心情の変化は改めて追いかけたいなあ。
フェルメートとエルマーで今後どんな作用を生み出すのか、楽しみです。
最後に騙されて、最後の最後に驚かされた。そんなお話でした。ルクレツィアが好きだわ。今後も出てくるのかな。そして、ニキは・・・。
次回が楽しみだ♪ -
Posted by ブクログ
NYに連続殺人鬼が現れる。
死にたがる少年は不死者に出会い、死を恐れる新聞記者は殺人鬼にであう。
少年が出会ったのが不死者でも、スマイルジャンキーのエルマーなので思わず「気の毒に」とつぶやいてしまった。
案の定、エルマーに振り回され振り回され、結局連続殺人の一件も振り回され、目が回って、気が付いたら全てが終わっていたって感じの作品。
結構、ミステリーっぽいです。
うん、犯人は誰なのかっていう謎解きも楽しめる。
…作者は、エルマーにどういう役目をさせるつもりなんだろうか?
ただの傍観者という域は超えてしまっている。かといって、物語を引っ張っていく人物でもないし、ラスボスでもなさそう。
うむ。
リバーシーの最大のコマなんだろうか。ラスボスでもないけど、いざという時に全てを反転させる、そういう力を秘めてる、持たされているような気がしてならない。
にしても、随分前に読んだんだけど、なぜ感想あげるの忘れてたんだろう??
なぞだ…