松田青子のレビュー一覧

  • ワイルドフラワーの見えない一年

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    なんだか、凄い本に出会った感じ!
    星新一のショートショートより、さらにショートあり。
    クスッと笑ったり、考えさせられたり、ぞくっとしたり、次はなんだろうとめくる手が止まらなかった。

    特に面白かったのは、
    「ボンド」
    「男性ならではの感性」
    「猫カフェ殺人事件」
    本のタイトルの
    「ワイルドフラワーの見えない一年」
    そして最後の「魔法」

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    2022年11月29日
  • 女が死ぬ

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    ネタバレ

    確かに黒波以外の綾波ってこうだ…という第一話から心を掴まれました。自由な短編集、どれも面白かったです。
    猫を讃える2篇や、「バードストライク!」みたいになにこれフフッ…となるのも好き。
    「武器庫に眠るきみに」はいつ読んでも怖いと思いますが今読むととても怖い。
    ベティ・デイヴィスさん検索しました。AKIRAのキヨコ演じさせたかった気持ちもなんとなくわかりました。
    松田青子さん読みたいと思っていてようやく読みました。楽しいだけではありませんが楽しかった。他の本も読みます。

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    2022年11月13日
  • ワイルドフラワーの見えない一年

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    アイディア勝負の一発芸満載。ジェンダーあるある、ポジティブあるある、等をベースに、褒め殺しあり、瞬間芸あり。活字にしかできないことはまだまだある。そんな感想を持つぐらいに楽しませてもらいました。

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    2022年10月10日
  • ワイルドフラワーの見えない一年

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    短編集。
    いくつかの小説に関連性があったり、時々ショートショートより短い一文が挟まったりする。
    相変わらず不思議な世界観だが、テンポがいい文章で読みやすい。


    以外特に面白かったもの。

    ・あなたの好きな少女が嫌い
    日本のアニメなどを見ていると黒髪ストレートに白ワンピ(もしくは女子学生の制服)が正統派少女像みたいな前提が存在するのを感じる
    ポトレ撮影が目的でもなければそんな機能性に欠ける格好をしている女性がいるとは思えないような場面でもそういう格好をした少女が微笑んでいる画が多く、でもこういう少女を好む人たちは“自分を美しく撮影するために装う女”は嫌いなんだろうなぁと思う。

    ・女が死ぬ

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    2022年06月02日
  • じゃじゃ馬にさせといて

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    映画、ドラマ、舞台、MV…、人を元気にさせるカルチャーのあれこれを、次から次へと教えてくれる。ということで、遅まきながらNetflixの「クィア・アイ」にはまって、毎回じーんとして、元気が出て、笑顔になってる。
    マシュー・ボーンの話を読んでいたら、む?松田さん、BTS好きなんじゃないの?と思ってググってみたら、やっぱりそうだった、というのが、ちょっとうれしい。

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    2022年05月22日
  • スタッキング可能

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    現代社会の絶望を圧縮し、その先にある希望を浮かび上がらせようとする奇才、松田青子のデビュー作。

    川上未映子の詩を思い出す部分もあるし、彼女の短編を彷彿とさせる部分もあるが、松田青子には松田青子にしか書けない何かが明らかにある。

    スタッキング可能
    ウォータープルーフ嘘ばっかり!
    マーガレットは植える
    もうすぐ結婚する女
    タッパー

    どれも掴めそうで掴めない
    それこそ小説の意味

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    2022年03月25日
  • ワイルドフラワーの見えない一年

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    50もの短編が収められている。
    短編だからサクサク読めるかと思いきや、一つ一つが濃厚で、時間をかけて少しずつ読みたい一冊。
    全然違うかもしれないけど、芥川龍之介の『侏儒の言葉』を想起した。私たちが普段何気なく過ごしている事柄を言葉に、物語にして提示されることでドキッとする。中にはほんの数行の作品もあるけれど、意味を考えるとクスッと笑ってしまったり、ドキッとさせられたり。

    「ハワイ」は3年着られなかったセーターが主人公の話。
    世の中でブームの断捨離の裏をかくような内容。
    「少年という名のメカ」「あなたが好きな少女が嫌い」「女が死ぬ」などは私たちのジェンダーに対する認知バイアスに思いもよらない角

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    2022年02月01日
  • ロマンティックあげない

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    こんなにおもしろいエッセイよんだことないよ!

    映画に詳しくないので、映画の話にはついていけなかったけれど映画も見たくなった。テイラー・スウィフトも聴いてみたい!

    声をだして笑ってしまった。

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    2019年03月20日
  • AM/PM

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    映像のインスタレーションを見ているような気持ちになった、とても好き。
    1ページずつの掌編が、一見なんの脈絡もないようなんだけどどこか連続している。今までに読んだことのないタイプの作品。日常と非日常が混じり合って溶け合う感覚…感覚が鋭敏になって広がっていくよう。
    人対人になった時は、えらく皮肉で孤独だなと思った。
    きっと原語だったらもっとワードのセンスが読み取れたんだろうな…沢山あるけど、「生まれたてのビッチ」がお気に入り。

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    2019年01月11日
  • スタッキング可能

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    p.53「何千人と人がいたって、どの階でも同じようなことが話されていて、行われている。構成要素だいたい同じ。」

    望む望まない、戦う戦わないに関わらず女性として会社で働くこと。本人が様々な環境で自分らしく考えて化粧をし服を着て、男性と会話をし、仕事をしているとしても、周りがそれを評価し、ラベルを貼っていく。5階でも7階でも11階にも、A山さんもB木さんもC川さんD田さんもいて働いている。
    最初は、この没個性的なABCDEのネーミングとエレベーター階の表示、スタッキングの意味がわからず、前衛的な女性論的な本を読んでいると思っていたが、漠然とそれぞれのアルファベットの位置付けと「個性」を感じるにつ

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    2018年07月08日
  • AM/PM

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    “自分の胸の中にある確かなこの気持ちをどうしたらいいのという時に、ある瞬間、人々は無意識に、〝普通〟から少しずれた、変なことをしたり、口に出したりしてしまうことがある。側から見ると脈略や意図が不明だったとしても、それはその人にとっては、人生に抗おうとする、決死の瞬間だ。そしてそのギリギリの小さな瞬間を、アメリア・グレイは見逃さない――”

    訳者の後書きも合わせて読みたい、居にくさに対するやさしい答えみたいな本。世界からはみ出しそうな人たちへ。

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    2018年06月23日
  • スタッキング可能

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    twitter文学賞から。匿名にされたA田やらB川やらC山やらが、当たり前だけどイメージしにくくて”何これ?”って思ったけど、お互いに置換可能な、結局は田でも川でも山でも大差ない、っていうインパクトを強めることに成功している。実際、途中からフロアはこんがらがってくるんだけど、相対的な理解には殆ど影響がないという。表題作以外も、繰り返しが印象的な「ウォータープルーフ」とか、魅力的な短編集でした。

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    2018年05月28日
  • ロマンティックあげない

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    「スタッキング可能」「英子の森」「読めよ、さらば憂いなし」に続き4冊目の松田青子さん。時折声を出して笑ってしまうくらい面白いエッセイ集だった。
    独特の視点から語られる事柄・人物は、たとえ今まで全く興味がなかった(むしろあまり好きではなかった)としても、とたんに好きになってしまいそうなくらい魅力的に感じられるから不思議だ。
    面白いと感じるものは面白い、おかしいと思うことはおかしいと、自分の感覚を信じて発信できる松田青子さんは頼もしい。これからの作品にも心から期待。

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    2016年12月14日
  • ロマンティックあげない

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    はぁ…
    本当面白くてひとつひとつじっくり読んでしまった。友達になってほしい。それくらい全ての好みがドンピシャ。観ている映画も同じだし、キルユアダーリンのデインデハーンにメロメロなのも、服の好みやら、ゴシップ記事のあれこれとか、師匠と呼びたいです。
    知らないものでも松田さんがいいというもの全てググってチェックしてしまった。魅力ある一冊。面白すぎた。お気に入りのエッセイになりました。

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    2016年09月12日
  • ロマンティックあげない

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    P33 生活や仕事をしているだけなのに、ただその場にいるだけなのに、トンチンカンな言動が爆弾みたいに投下される、その瞬間のアホらしさ。そしてそれに気を遣って笑わなければいけないむなしさ。

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    2016年08月10日
  • 英子の森

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     好き!!寓話的でありながら、リアルな現代を皮肉る視点が冴え渡っていてとっても面白かった。グローバル化を謳う社会、丁寧すぎる注意書、建前だらけのコミュニケーションなどなどに溢れた世界にどっぷり浸って生きている私の鈍感さと空虚を見透かした著者によって、時に面白おかしく、時に温かくそれらを胸に突き付けられた気分。本当に面白かった。

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    2015年12月16日
  • 英子の森

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    元ヨーロッパ企画女優さんの小説集第二段。
    現代を生きる一般的な女子目線寄りのシュールな世界観や、ヨーロッパ企画の演劇を思わせるチョイ脱線感のちりばめられ方は相変わらずクセになる◎
    特に後半の作品は、この世界観の最後に星新一ばりにハッとなるのがプラス。
    松田さんのペンがレベルアップしてるのが素人でもわかるくらいでした。
    ちなみに、無数のよしき事件を引き起こした『おにいさんがこわい』、世にも奇妙な物語が好きな人にはオススメです(怖くはないよ笑

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    2014年02月23日
  • 女が死ぬ

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    ネタバレ

    ◾️record memo

    あなたの好きな少女が嫌いだ。あなたの好きな少女は細くて、可憐で、はかなげだ。間違っても、がははと笑ったりはしない。がははと笑うような少女をあなたは軽蔑している。というか、それはもうあなたにとっては少女ではない。では、がははと笑う少女はどこに行けばいいのか。

    あなたの好きな少女が嫌いだ。あなたの好きな少女は弱くて、非力で、不器用だ。困ったやつだなあと、あなたはあなたの好きな少女を庇護してやらねばという気持ちにかられる。親でもないのに。

    あなたの好きな少女が嫌いだ。あなたの好きな少女は、我がままで、自由で、子猫のように移り気だ。また、あなたの好きな少女は、そのよう

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    2025年11月06日
  • おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are

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    キャッキャと読み終わりました。
    「おばちゃん」と言いたくなる格好良い人ばかりで、、わたしもおばちゃんと言われるような人になりたい…と憧れてしまうパワフルなご婦人たち。
    面白かったです。

    ここ数年で沼にハマりだした落語も、歌舞伎も戯曲もほぼわからずで勉強不足でした。
    『八百屋お七』(ガラスの仮面)と、歌舞伎『紅葉狩り』(陰陽座「紅葉」)くらい…。
    でも、それらのモチーフが、現代話にこう絡まってくるとは。相乗効果がありました。

    連作短編集で、ある部分で少し、別のある部分でまた少し、世界が重なっていました。
    「どんなに時代が変わっても“ある”もの」と「新たな形をつくっていく関係」、どちらもそれぞ

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    2025年10月30日
  • おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are

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    ネタバレ

     ジャンルは「おばちゃん」という幽霊が出てきて、怪談話だから怖いのかな、と思ったら全然怖くありませんでした。幽霊のエンタメ要素がかなり入ったファンタジーにさせてもらいました。ジャンルをエンタメにカテゴライズしてもよかったです。
     話は、現実の世界で日常生活をする人間に対して「おばちゃん」という幽霊がやってきて何か言ったりアドバイスすると言った内容で、全17話からなる短編集です。幽霊目線、現実で生きている人間目線」という幽霊が出てきて、怪談話だから怖いのかな、と思ったら全然怖くありませんでした。幽霊のエンタメ要素がかなり入ったファンタジーにさせてもらいました。ジャンルをエンタメにカテゴライズして

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    2025年10月19日