松田青子のレビュー一覧

  • 持続可能な魂の利用

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    ネタバレ

    非常に面白かった。

    最初に、「おじさん」から少女が見えなくなった世界であることが示される。
    現実ではない、仮想世界の物語かと思って読んでいくと―

    現代の女性たちが直面するさまざまな理不尽なことが、これでもか、と挙がっていく。
    セクハラを訴えて職を失った30代の女性、敬子を軸に、何人もの女性の生活が、次々と提示される。

    ・非正規社員の女性へのセクハラとそれをもみ消す会社
    ・女性が楽しむことを非難する雰囲気
    ・女性の自己主張へのタブー視
    ・女性の外見を問題にする文化、特にアイドルへの圧力
    ・女性の身体の自己決定への侵害
    ・女性の体への性的なまなざし
    ・ワンオペ育児

    これが、地球環境を保全するため、国家を仕舞うためのくじに当たった日本の、緻密で効果的な施策の結果だった―というあたり、非常にシニカルだ。

    そして日本は何もない、緑なす土地になり、ここに魂となった女性たちが浮遊するという結末。
    なんとなく、井上ひさしの『吉里吉里人』が思い出された。
    どちらも地縛霊とか、魂だけが滅んでいく国について語っていたという構図が、最後に明かされる点で似ていると思ったから。
    でも、吉里吉里人は、日本に接収されて終わった。
    本書では、日本ごと滅びる。
    「女性ならではの観点で、日本を立て直す」などという、おじさん世界のおとぎ話に収斂することも避けたのだな、と感じた。

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    2024年06月16日
  • 自分で名付ける

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    妊娠中に読んだ。共感できる部分と、自分はそのまで深く考えてなかったなぁと反省させられる部分があった。妊婦健診にお金がかかりすぎるということや優先席に譲られづらいことはとても共感した。夫婦別姓については私は夫の姓になることをむしろ喜んでいたので、あまり深く考えることはなかったが、日本は遅れてるよなぁと改めて感じた。この本は是非男性に読んで欲しいなと思った。

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    2024年06月09日
  • 女が死ぬ

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    おもしろい読書体験だった!
    最後の著者自らのひとこと解説で、松田青子さん好き…もっと作品を読もうと心に誓う。
    女性としてのつらさがあるなら、男性としてのつらさもあるはず。どっちも立場やら役割をふりかざさないで素直にしんどいわって言えるといいけれど

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    2024年04月14日
  • 自分で名付ける

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    共感するところも多いが、名字については今までそこまで強く考えたことがなかったので、特に考えさせられた。

    自分自身、元々の名字が珍しくて気に入っていてかえたくはなかったが、結婚を機に変わっても友達などには元の名字が混ざったあだ名のままで呼んでくれと伝えた。
    最初こそ抵抗があったものの、元の名字を使う機会も多く、今まで尾を引いてはいない。
    まわりの人ともそんなに名字の話をしないゆえに、名字をかえたくないために事実婚にしたり離婚したり、そういった方がおられるということはあまり考えていなかった。
    夫婦別姓、できたら良いだろうな(他人事)くらいだったが、強く訴えておられる人の気持ちが少しわかった気がする。

    あと、子どものイヤイヤ期前、レジスタンス期があるのはとても共感。いままさにそれだ…
    そして子どもに男の子らしく、女の子らしく、というレールを敷かないようにするのも、まだまだ意識しないと難しそうだなとも思う。

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    2024年04月05日
  • スタッキング可能

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    会社での同調圧力。抗っていた時期もあるけど、ひとりで生きるために手放したものもある。誰かに頼って生きている間は反抗できるのに、ひとりで生きるためには従わなくてはいけないなんて不思議だ。

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    2024年03月28日
  • 女が死ぬ

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    「少年」最後の一言がきいてる。
    「男性ならではの感性」
    めためた面白い。
    「ボンド」『でもしょうもない奴だったら絶対やんねー。』最高だな。

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    2024年03月04日
  • スタッキング可能

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    なんだかグダグダと愚痴を言っているだけではないか、と感じる瞬間もあるけれども。いやしかしお笑いみたいなもんというか聞かないけどラジオとか、そういうどーでもいーことを宣っているのを聞いてても楽しげなのもまたテクニックではなかろうか。もしくは単に波長が合うだけか。
    その愚痴の隙間に謎すぎる展開の話が挟み込まれていてこれがまたいい味を出していて、結婚する人の話とかマジメに解釈したら面白いかもしれないけど面倒くさいからやらない。
    でもそれが良い。なんて。

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    2024年02月04日
  • 女が死ぬ

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    天才がいた。
    このひとの本、全部読みたい。

    「モヤ対談」に出てきて知った本。
    むちゃくちゃ面白かった。

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    2024年01月15日
  • 持続可能な魂の利用

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    普段であれば自分の選択肢にはなかなか入らない、今の日本に対するアンチテーゼのような一冊。
    自分もおじさんなので「おじさん」のようにならぬように気をつけないと。

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    2023年12月22日
  • 女が死ぬ

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    帯には「女らしさが、全部だるい。」と書いてありますが、そんな気持ちがこの作品を読んですーっと晴れました。
    ショートショート。って面白い!奥深い!

    お気に入りの一文。
    「この世には、何かで気を散らさないと、やっていられないことがある。」(「みつあみ」より)

    特に印象に残った話。
    「少年という名前のメカ」
    「あなたの好きな少女が嫌い」
    「お金」
    「You Are Not What You Eat」
    「ハワイ」
    「男性ならではの感性」
    「週末のはじまり」
    「リップバームの湖」

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    2023年12月20日
  • 女が死ぬ

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    ショートで読みやすい。

    全てに共感という感じではなく
    どれか刺さるものがある。という感じ。

    男性ならではの感性が個人的には好きだった。

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    2023年12月14日
  • 女が死ぬ

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    サクサク読める短編たちだが、心には引っ掛かりまくる。共感度はまちまち。「男性ならではの感性」が可笑しかった。岸田首相が、女性閣僚に"女性ならではの感性"を期待する発言が批判を呼んだのが記憶に新しく、それを男性に置き換えるとモヤモヤもありつつ、女性に限定した物言いが改めて偏ったものであることがあらわになる。そんな世にしれっと居座る常識的なものを、おかしくないか?と疑わせてくれる一冊。

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    2023年11月04日
  • 女が死ぬ

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    星新一のショートショートのような、森絵都さんの「できない相談」のような、ピリッと辛いアクセントの効いた短編集。とても面白かった。
    「男性ならではの視点」が特別キレがあって笑ってしまったが、後書き?を読んでさらに笑った。
    ヴィクトリアの秘密が1番好き。話さなかったら隠してて、秘密なのか。そうじゃないよなあ。

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    2023年10月19日
  • 持続可能な魂の利用

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    書いてもらうことで自分の中のモヤモヤや、恥ずかしながらスルーしてしまっていた物事に気付かされる。
    おんな、おとこ、おじさん、おばさん、という以前にみんながみんな、消費されずのびのびと生きていくためにはどうしたらいいのか。
    みんなで考えて行動していくことの大切さ。

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    2023年07月23日
  • 女が死ぬ

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    もっと真面目なフェミニズム的なやつだったらどうしようと思っていたが、違ってよかった。
    「ボンド」が最高。Qが好きな人の気持ちもわかる。

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    2023年06月21日
  • スタッキング可能

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    一日中股から血が出てる人間は、家で寝てるのが普通じゃないか?結婚するから、ただの皿洗いが、ただの生活を営むために必要なことが「家事」と名付けられ、義務感を帯びるのではないか?
    私も透明性の高いマスカラボトルは欲しい。

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    2023年05月02日
  • おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are

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    完全にタイトルに惹かれて読んでみた感じの本ですが、一つの話が短いので、通勤でサクッと読むには良いかと思います。昔からある怪談をモチーフに作られているようですが、すごくライトな感じの話から深い話まであり、興味深く読めました。幽霊だけど働くお母さんの代わりにシッターをしているとか、燈篭のセールスに来るのとか様々いるけど、どの話も温かさを感じる話ばかりでした。

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    2023年04月16日
  • おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are

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    溶解や幽霊をモチーフに、死んだおばちゃんと話したり妖怪のセールス受けたり、変な会社で働いたりする。ちゃんと生きていかなあかんなとか世の中に色んなことがあるなとかいうことを、魅力的な幽霊とか妖怪に教えられる感じでした。

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    2023年03月09日
  • スタッキング可能

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    ネタバレ

    面白かった〜うわーうわーと思いながら読みました。
    表題作の社内の描写がリアル過ぎて気持ちが落ち込みそうになるけれど、ユニークさがとてもあるので楽しく読めます。落ち着いてよく考えると随分とひどい社会だな…となるけれど。
    「ウォータープルーフ嘘ばっかり!」はキャッチフレーズの勢いが良いです、唱和したくなる。「ヒートテックを着ています」は世界平和です。「パンツ問題」、今のところイントネーションで区別しているけど、(ズボンのままがいいのに…)は消えない思いです。なぜ全て英語にするんだろ、フランス語でもいいのに。
    「マーガレットは植える」「タッパー」も不条理だけじゃないんだろうなきっと…というのがわかります。「もうすぐ結婚する女」は全て同一になるのか、、、

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    2023年03月07日
  • おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are

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    一番最初の話 みがきをかける で、一気に物語に引き込まれました

    各作品にモチーフがあって、そこに新しい設定(社会.会社)が加わり、不思議空間と生きてる人、もう生きてない人の交わりがあり、、

    面白かったです!
    結局一番怖いのは 生きている 人間です

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    2023年01月26日