松田青子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ非常に面白かった。
最初に、「おじさん」から少女が見えなくなった世界であることが示される。
現実ではない、仮想世界の物語かと思って読んでいくと―
現代の女性たちが直面するさまざまな理不尽なことが、これでもか、と挙がっていく。
セクハラを訴えて職を失った30代の女性、敬子を軸に、何人もの女性の生活が、次々と提示される。
・非正規社員の女性へのセクハラとそれをもみ消す会社
・女性が楽しむことを非難する雰囲気
・女性の自己主張へのタブー視
・女性の外見を問題にする文化、特にアイドルへの圧力
・女性の身体の自己決定への侵害
・女性の体への性的なまなざし
・ワンオペ育児
これが、地球環境を保全するため、国家を仕舞うためのくじに当たった日本の、緻密で効果的な施策の結果だった―というあたり、非常にシニカルだ。
そして日本は何もない、緑なす土地になり、ここに魂となった女性たちが浮遊するという結末。
なんとなく、井上ひさしの『吉里吉里人』が思い出された。
どちらも地縛霊とか、魂だけが滅んでいく国について語っていたという構図が、最後に明かされる点で似ていると思ったから。
でも、吉里吉里人は、日本に接収されて終わった。
本書では、日本ごと滅びる。
「女性ならではの観点で、日本を立て直す」などという、おじさん世界のおとぎ話に収斂することも避けたのだな、と感じた。 -
Posted by ブクログ
共感するところも多いが、名字については今までそこまで強く考えたことがなかったので、特に考えさせられた。
自分自身、元々の名字が珍しくて気に入っていてかえたくはなかったが、結婚を機に変わっても友達などには元の名字が混ざったあだ名のままで呼んでくれと伝えた。
最初こそ抵抗があったものの、元の名字を使う機会も多く、今まで尾を引いてはいない。
まわりの人ともそんなに名字の話をしないゆえに、名字をかえたくないために事実婚にしたり離婚したり、そういった方がおられるということはあまり考えていなかった。
夫婦別姓、できたら良いだろうな(他人事)くらいだったが、強く訴えておられる人の気持ちが少しわかった気がする。
あと、子どものイヤイヤ期前、レジスタンス期があるのはとても共感。いままさにそれだ…
そして子どもに男の子らしく、女の子らしく、というレールを敷かないようにするのも、まだまだ意識しないと難しそうだなとも思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった〜うわーうわーと思いながら読みました。
表題作の社内の描写がリアル過ぎて気持ちが落ち込みそうになるけれど、ユニークさがとてもあるので楽しく読めます。落ち着いてよく考えると随分とひどい社会だな…となるけれど。
「ウォータープルーフ嘘ばっかり!」はキャッチフレーズの勢いが良いです、唱和したくなる。「ヒートテックを着ています」は世界平和です。「パンツ問題」、今のところイントネーションで区別しているけど、(ズボンのままがいいのに…)は消えない思いです。なぜ全て英語にするんだろ、フランス語でもいいのに。
「マーガレットは植える」「タッパー」も不条理だけじゃないんだろうなきっと…というのがわかります。「もうすぐ結婚する女」は全て同一になるのか、、、