収録されている最初の短編「英子の森」は、チープに駆り出される「英語ができる」女たちの苦悩を描き、感情移入するところが多々あった。とてもリズムの良い無駄のない文体で好感が持てた。だけど、「英語エリート」に対する社会的な目を批判的に書くにとどまり、深いところまで潜れていない気がした。娘の「森」と母の「森」を見つける物語なので関係ないっちゃ関係ないのかな。他の短編も、社会の今まであまり触れられてないかゆいところに手が届いて、指先でスクラッチする感じ。かゆみ止めではないし、原因もわからないまま。でも、楽しく読めた。割と好きだった。