松田青子のレビュー一覧

  • ワイルドフラワーの見えない一年

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    著者の言葉の選び方や着眼点はさすがだった。
    だからこそ、短編じゃなかった前2作のもつパワーは圧倒的で、それと比べるとどうしても物足りなく感じてしまった。
    また長編が読みたい。

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    2016年09月09日
  • ロマンティックあげない

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    yomyom pocket 2013.7-2015.8 連載エッセイ。Youtubeの歌、映画、DVD、服、コスメ、文房具、翻訳や原稿の仕事、バレエ。ベースにフェミと英語。

    英語の音楽もネットもyoutubeもDVDも本も、レパートリーに入っていると、世界が広がるな〜と思いました。

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    2016年10月09日
  • 英子の森

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    収録されている最初の短編「英子の森」は、チープに駆り出される「英語ができる」女たちの苦悩を描き、感情移入するところが多々あった。とてもリズムの良い無駄のない文体で好感が持てた。だけど、「英語エリート」に対する社会的な目を批判的に書くにとどまり、深いところまで潜れていない気がした。娘の「森」と母の「森」を見つける物語なので関係ないっちゃ関係ないのかな。他の短編も、社会の今まであまり触れられてないかゆいところに手が届いて、指先でスクラッチする感じ。かゆみ止めではないし、原因もわからないまま。でも、楽しく読めた。割と好きだった。

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    2016年05月10日
  • 英子の森

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    何者にもなれない自分といまも格闘している私にとって、とても共感できるし、どこにも行けない寂しさを感じて、なんだかどこかほっとした。山内マリコと川上弘美を足して割ったような雰囲気の短編集。
    ほかの作品も、日常に感じる違和感が共感たっぷりに描かれている。ありきたりの言葉で語ることによって、却って何かの可能性を失ってしまうむなしさ。なんかみたことある言葉で、なんとなくまとめてしまうことは、結局なにも語っていないんだよね。このレビューにしたってそう。私は本のレビューなんて結局書いていないんだ。

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    2014年11月25日
  • 英子の森

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    何かに気づくと、気になってしまって仕方がない。
    スルーできない、突き詰めたところで、また、
    次の事が気にかかる。決して終わらない世界。

    さぁ今日も自分の森のなかに逃げ込むとします。

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    2014年09月24日
  • 英子の森

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    魅力的な装丁に一目惚れ。
    しかしまあ、なんとも独特な世界観。

    今まであまり触れたことのない不思議な物語だったけれど、
    こんな視点でこんな風に書く人がいたんだ、と新鮮に読めた。
    ちょっぴりダークでほんのりシニカル。
    普段読む本とは何かが違い、違和感みたいなものを感じたけれど、これはこれで悪くない違和感。
    だからこそ面白い。

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    2014年08月05日
  • 英子の森

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    短編集6編。
    「わたしはお医者さま?」の職業が、私もこれならやりたいという風でとても面白かった。どれも切り口が斬新で、ある意味実験小説的な感じもした。

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    2014年05月21日
  • 英子の森

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    痛い小説だ。いやいや作品が痛いんじゃなくて痛いのは私。
    うーん、刺さるなぁ。痛すぎますよ・・・。
    自分のことを言われているようで逃げたくなった。
    多分ね、日本中に英子のドッペルゲンガーがうようよしている。
    私もその中の一人。

    英語ができない人から見たら英語ができる人と英語の出来ない人の二種類しかいないのだろう。でもね、英語ができる人(と認めたうえで)の中でも歴然としたヒエラルキーが存在するのよね。
    ああやっぱりね、作者は英文科卒か。だから分かるのよね。そうよねー。

    英子はやっと翻訳の仕事についたところ。
    これからも先が長いのよ、なーんておせっかいか。
    「翻訳の仕事やってます!」って胸を張っ

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    2014年05月14日
  • 英子の森

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    媚びない文章だから好きなんだけどスタッキング可能でじわじわ来た感じほど来なかった。コンセプチュアルアートのように感じた。そういうやりかたもあるんだな、と。何度か読めばまた違うんだろうな。最後の作品はやりたい仕事って自分で作っちゃえばいいんだと作品の中の人と同じ感覚でわくわくしながら改めて発見した。もっとはやくに気づいていたら…。

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    2014年05月11日
  • 英子の森

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    カオス文学である。
    妄想広がる部分ととても現実的な内容が共存しながら進み、その境目が非常に曖昧というか溶け合っている。
    川上弘美ともこういうタイプなのだろうか(数冊しか読んだ記憶がないからわからないが)。

    私は地に足ついた話が好きなのと、
    導入部がハマらないと楽しめないので苦手なタイプだった。

    表題作の『英子の森』が80ページ程度の短編で、他は20ページ程度の掌編。

    『英子の森』
    英語を習得すれば人生はうまくいくという教育のもと英語だけをひたすら頑張ってきた主人公の英子。
    だが英語を使う仕事とは言っても地味で退屈、しかも英語ができない人と時給もほとんど変わらない現実を疑問に感じ始める。

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    2014年05月02日
  • 英子の森

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    短編集で、作品の完成度はまちまちな印象だけど、私は著者の感性が好き。
    表題作も、他にとりえもないから、唯一他人よりできる(といってもほんの少し)英語に縋って「知的でグローバルな私」という幻影に生きる自立できないフリーターを描いてはいるけれど、実際に結構な数存在するそういった人々を嘲笑しているわけではない。彼らの立場に立って悲哀を描いている。情に溺れずに。そして、そんな仕事をしている娘を生きがいに生きる母親も描き、ちゃんと救いがあるところが良い。
    表題作が一番面白かったが、「*写真はイメージです」「博士と助手」も良かった。この人、詩を書いてもいいかもしれないなと思った。
    これからも期待したい作家

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    2014年04月14日
  • 英子の森

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    はて。どうしたものかと戸惑う不思議な感覚。
    エンヤをはじめて聞いたときのような、少し現実味に欠ける浮遊感。
    もう一作品は読んでみないと。

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    2014年03月30日