松田青子のレビュー一覧

  • 英子の森

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    ・「英語が使える仕事とそうでない仕事の差が、たったの50円」というのに愕然とし、「英語が話せる仕事」という夢の行く先はこんなもんか、という脱力を感じる場面が特に好き

    ・小花模様が壁紙からぽろぽろこぼれたり、家が森の中にある、という描写も、若干シュールレアリスチックで、非現実と現実に片足ずつ突っ込んでいる感じが良い

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    2015年12月20日
  • 英子の森

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    面白い小説を書く人だなぁ。振り返ると、特にすごい事を書いているわけじゃないんだけど。苛立ちはすごく伝わってきて。

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    2014年10月01日
  • 英子の森

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    母親は、娘に期待しすぎて、娘は、思っていた通りにいかないことを、母親のせいしている。
    森という幻想の中に、グローバルと言う言葉に振り回されてすがる親娘と社会がより明らかとなる。
    やがて彼らは、再生の道を選ぶ。

    意図があると思うけど、固有名詞と普通名詞が同時に使われてて、小説として読みにくい。

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    2014年07月10日
  • 英子の森

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    ネタバレ

    簡単に言うと、母娘の自立物語。
    なのだが、そこは松田青子作品。独特な世界が存在する。

    彼女の作り出す少し不思議な物語は、好き嫌いが分かれるのかもしれない。
    言葉の選び方や、清潔感のある文章など、私は好き。

    「博士」
    「うん?」
    「博士のそういうところ、ヘドがでそうです」
    「うん?」
    「正直ヘドがなにかよくわからないですが、それでもヘドがでそうです」
    (『博士と助手』より)

    『英子の森』他5作品収録。

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    2014年07月06日
  • 英子の森

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    英語の仕事に執着する人々とそれぞれの森、表題作の英子の森
    *写真はイメージです、おにいさんがこわい、スカートの上のABC、博士と助手、わたしはお医者さま?
    この人の文章って匿名性が強いと言うか顔やキャラが浮かばないんだよなあ。悪い意味でなく。
    おにいさんがこわいとわたしはお医者さま?がすきだった。

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    2014年04月03日
  • 英子の森

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    私的2013年度ナンバーワンの本は松田青子さんのデビュー作スタッキング可能だったので、二作目はとにかく期待度高く楽しみにしていました。
    二作目のこちらも素晴らしい。こう来たかと思わず唸りたくなる面白さ。相変わらず世の中の皮肉を摘み取るのがうまい。実に巧妙。ただスタッキング可能のときよりも幾分難しい、というか分かりづらい。どなたかの解説が読みたいくらい。表題作英子の森がちょっと読み取りづらかったかなー。英語の森? にかけてるのかしら。英語ができたとしても時給にして50円ほどしか変わらないなんとも残酷なんですよ、ってね。
    表題作以外は分かりやすいです。なかでも、おにいさんがこわいが好き。
    スタッキ

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    2014年04月02日
  • 英子の森

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    星新一を21世紀にしてガーリーにして。「森」を「マンション」や「戸籍」に置き換えたりしてみたけど、やっぱり「森」なんだよね!!高学歴ワープア、母娘関係、現代のリアルな問題なのに、帰る場所は、「森」!!

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    2014年03月06日
  • 英子の森

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    取っ付きやすいカテゴリの作品ではないはずなのに、全篇ともするりと楽しく読めてしまった。
    もちろんこれは、褒め言葉です。そして個人の感想です。自信と責任を持って発信したい個人の意見です。

    「森」が意識のメタファーだなんてことは疾うの昔から知れてることですが、
    こんなにシュールでガーリーで、ちょっとばかり毒のあるいい森を作ることは、
    言葉について、言語について考え続けてきた人にしかできない高等な言葉遊びでしょう。

    もし今度、ちょっと気になる誰かが現れたとしたら、
    「今度、うちの森に遊びに来ませんか」と誘ってみたい。
    その誘いに応じてくれる人とは仲良くなれそうだ。

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    2014年03月04日
  • 女が死ぬ

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    表紙が可愛すぎて見つけた瞬間即購入。
    「女だから」とか「女らしく」という概念へのアンチテーゼ。
    ちょっと吹き出してしまうような毒も効いていて
    エンタメとして面白かったです。

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    2025年12月05日
  • 持続可能な魂の利用

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    ネタバレ

    ◾️record memo

    敬子は、信じられないような気持ちで、彼女たちのことを見た。衝撃、としか形容できないショックを敬子は受けていた。
    日本の女の子たちは、とても頼りなく見えた。
    それまではそんな風に一度も思ったことがなかったのに、日本とは違う国で一ヶ月間過ごし、外から帰ってきた敬子の目に、それは明らかに異質なものとして映った。
    まず、声が小さかった。
    日本の女の子たちは、かわいらしい、誰も傷つけることができないような声をしていた。

    最弱。
    突然、その言葉が降ってきて、敬子は驚いた。
    そう、敬子には、日本の女の子たちが最弱に見えた。とても弱々しい生き物に。その事実に、敬子は脅威を覚えた

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    2025年11月11日
  • おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are

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    歌舞伎や落語や民話で幽霊や化け物が登場するお話をモチーフに、現代で繰り広げられるお話たち。
    幽霊たちを束ねている会社があることが、途中からわかってくるのだけれど、なんともそこで働く幽霊たちの楽しそうなこと。
    スキルアップしてできる技が増えてきたり、人助けしたり、幽霊になるのもまんざらじゃない。

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    2025年08月24日
  • 彼女たちに守られてきた

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    他の方もかかれていますが、表紙の雰囲気とタイトルから、一章は読んでよかったー、いい気持ちって感じだったけど、だんだんフェミニズム色が強くなり、寝る前に読むには気分的に合わず、途中は結構飛ばして読んでしまった。どんどん表紙のほっこりから離れていってしまう。大事なことなんだけど、そちらの言葉は強く求めていないのでなんだか乗れず…

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    2025年06月27日
  • 問題だらけの女性たち

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    一部皮肉なのかよくわからないものもありますが、全体的に皮肉なので皮肉なのでしょう ^^;

    ちなみに19世紀ごろが舞台で、近代 (1900年台後半) の話はほぼありません。

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    2025年06月18日
  • おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are

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    ネタバレ

    落語や歌舞伎をモチーフにしたお化けの出る短編。
    汀と言う社員の会社で所々短編が繋がってるのが面白い。解説:会社は色んなことをしているが、全部「救済」に通じている。
    最後のページのモチーフ一覧の落語歌舞伎をいちいち調べながら読んだ。その辺に造詣があればより楽しめそう。

    嫉妬深い女を「あなた」、夜の仕事でシングルマザーをする女を笑う人達を「彼ら」と表現してるのが印象的だった。

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    2025年06月09日
  • 彼女たちに守られてきた

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    ネタバレ

    3章に分けられた、これまでのエッセイをまとめた一冊。
    1章目の子どもの人との暮らしでの気付きや、ハッピーな話がとても良い。
    2章目からの、過去の女性たちの不遇についての話が続きすぎて、疲れてる状態の私には結構なダメージだった。
    この手の話題はもう少し少ないと、スカッとして丁度いいんだけど、疲れてしまう自分にがっかりしてしまう側面もあるので、あまり大量には読みたくない。

    タイトルからイメージするのは1章のようなほんわかした話なので、そちらに特化した一冊を読んでみたいな。

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    2025年06月08日
  • 彼女たちに守られてきた

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    はじめの方、言葉の使い方が面白い人だなーと思っていたら、少し前に読んで好きだった「おばちゃんたちのいるところ」の作者だったとは。

    第2章からダイバーシティのような内容になっていって、ちょっと思っていたのと違った。

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    2025年05月30日
  • 彼女たちに守られてきた

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    Ⅰ 時々、外に出て行こう
    Ⅱ 「当たり前」の痛みにさよなら
    Ⅲ 彼女たちに守られてきた

    の三つの章に分かれて構成されているが、「『当たり前』の痛みにさよなら」の章は、とても良かった。

    アジア人である自分を属性で呼称せずに、「黄色いカバンを持った人」とアナウンスする人のさりげない教養に感動する作者。
    大きな声で自説を披露する男性に負けぬ大きな声で反論を言っておくことにする作者。がんばるなー。

    その姿勢に共感しました。

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    2025年05月15日
  • 彼女たちに守られてきた

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    タイトルに惹かれて本を手に取った。が、メインタイトルの「彼女たちに守られてきた」の章よりも、松田さん自身の経験の文章の方がフレーズとして心に残るものが多かった印象。しかしこれをきっかけに他の作品を読んでみたいと思うようになった。

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    2025年05月05日
  • おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are

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    落語や歌舞伎の幽霊などが出てくるような題目をモチーフにした短編集。
    ゆる~く短編同士がつながっていたりするところが面白かった。

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    2025年05月03日
  • 彼女たちに守られてきた

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    エッセイで語られていることが、著者の作品にそのまま反映されているんだなと。
    いろんな考え方がある中で年代が違うこともあり、うん?と思うことも多々あるけれど、芯がぶれていないところが潔く。
    「こどもの人」との呼称はちょっといただけないけど(笑)

    紹介されていた本、特に海外作品は読んでみようと思った。

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    2025年04月30日