松田青子のレビュー一覧
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全編を通してあるのが、「匿名性」というキーワードだろう。
匿名であることの空虚さ(のようなもの)。そのせいで生まれるややこしさ。特に「もうすぐ結婚する女」はもう、語り手が誰で、語られ手が誰で、それがどういう関係で、何人居て、ということが、一読しただけでは分からない。というか再読しても分からないし、人物相関図を書いてみても分からないと思う。だって、この人とこの人が同一人物である、という保証がないのだから。名前が存在しない所為で。
表題作の「スタッキング可能」では人物に名前が与えられてはいるけれど、「付けられている」というより「振られている」というだけみたいな名前だから余計ややこしい。「A田」と -
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ネタバレよく考えたら夜道で危ないから送っていくよといい彼女もそりゃそうだとそれを受け入れ2人でカメラから消えていく
正しさ大事だが思いやりも同じ位大事だと言うことも。
まず愛想が悪いのがいい笑顔を大事にしている店ですと書いてあって度肝を抜かれた位に愛想が悪い
どこかに自分が気がつかなかった家の剃り残しがあるんじゃないかそれを見つけられて内心何か思われているんじゃないか
人数の多いアイドルグループが夏らしい曲のミュージックビデオで全員白いビキニを着せられているのを見ると可愛いなと思うと同時に撮影当日この中の何人が生理で嫌だったろうと考えてしまう白いホットパンツが衣装だったりする時も生理の時大変だ -
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今、翻訳家のエッセイがおもしろい!
岸本佐知子さんに続き、この人のエッセイから目が離せない。
なんと言ったらいだろう、いい感じに気の抜けた笑いとおおらかさがあって、読んでいて楽しい。
そこは盲点だった!という意外な着眼点や、激しく共感するマニアックネタについて書いてあったり。とにかくいちいち面白いのだ。
岸本佐知子さんとの違いは、女子目線があること。
世代が同じようで若干違うので、理解できない話もあったけど、それ以外はどれもクスっと笑ってしまう。
洋画、洋楽フリークの人にオススメしたい一冊!
本で私の大好きなSNLネタがけっこう登場するので、それだけでなんだか嬉しかったなー。 -
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私的2013年度ナンバーワンの本は松田青子さんのデビュー作スタッキング可能だったので、二作目はとにかく期待度高く楽しみにしていました。
二作目のこちらも素晴らしい。こう来たかと思わず唸りたくなる面白さ。相変わらず世の中の皮肉を摘み取るのがうまい。実に巧妙。ただスタッキング可能のときよりも幾分難しい、というか分かりづらい。どなたかの解説が読みたいくらい。表題作英子の森がちょっと読み取りづらかったかなー。英語の森? にかけてるのかしら。英語ができたとしても時給にして50円ほどしか変わらないなんとも残酷なんですよ、ってね。
表題作以外は分かりやすいです。なかでも、おにいさんがこわいが好き。
スタッキ -
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取っ付きやすいカテゴリの作品ではないはずなのに、全篇ともするりと楽しく読めてしまった。
もちろんこれは、褒め言葉です。そして個人の感想です。自信と責任を持って発信したい個人の意見です。
「森」が意識のメタファーだなんてことは疾うの昔から知れてることですが、
こんなにシュールでガーリーで、ちょっとばかり毒のあるいい森を作ることは、
言葉について、言語について考え続けてきた人にしかできない高等な言葉遊びでしょう。
もし今度、ちょっと気になる誰かが現れたとしたら、
「今度、うちの森に遊びに来ませんか」と誘ってみたい。
その誘いに応じてくれる人とは仲良くなれそうだ。 -
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ネタバレ◾️record memo
敬子は、信じられないような気持ちで、彼女たちのことを見た。衝撃、としか形容できないショックを敬子は受けていた。
日本の女の子たちは、とても頼りなく見えた。
それまではそんな風に一度も思ったことがなかったのに、日本とは違う国で一ヶ月間過ごし、外から帰ってきた敬子の目に、それは明らかに異質なものとして映った。
まず、声が小さかった。
日本の女の子たちは、かわいらしい、誰も傷つけることができないような声をしていた。
最弱。
突然、その言葉が降ってきて、敬子は驚いた。
そう、敬子には、日本の女の子たちが最弱に見えた。とても弱々しい生き物に。その事実に、敬子は脅威を覚えた -