松田青子のレビュー一覧

  • 英子の森

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    元ヨーロッパ企画女優さんの小説集第二段。
    現代を生きる一般的な女子目線寄りのシュールな世界観や、ヨーロッパ企画の演劇を思わせるチョイ脱線感のちりばめられ方は相変わらずクセになる◎
    特に後半の作品は、この世界観の最後に星新一ばりにハッとなるのがプラス。
    松田さんのペンがレベルアップしてるのが素人でもわかるくらいでした。
    ちなみに、無数のよしき事件を引き起こした『おにいさんがこわい』、世にも奇妙な物語が好きな人にはオススメです(怖くはないよ笑

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    2014年02月23日
  • 持続可能な魂の利用

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    「おじさん」に抗うフェミニズム小説

    本作は「おじさん」によって作られた日本社会を痛烈に批判している。
    作中の「おじさん」とは年齢や性別による区分ではなく、強い言葉で表現すれば女性の地位を不当におとしめ、加害構造を無自覚に維持しようとする人のことだ。読後は、本書で「おじさん」の頬をひっぱたいてやりたい気持ちになるかもしれない。

    作中では様々な「おじさん」による被害が描かれる。特に印象的なのは「制服」の話だ。日本では「制服」は性的なアイコンとして扱われていることを理解しながら、それを未成年の女子学生に着させている。少女たちは「おじさん」から性的に消費される服装に身を包みながら、日々の生活をサバイブしなければならないのだ。
    そんな文化が当たり前に受け入れられている理由は、本作ではそれが「おじさん」によって作られたものだからとされている。要するに、このシステムには自浄作用がないのだ。

    本作はフィクションだが、特に女性アイドルカルチャーに関する描写はまるでノンフィクションを思わせる。なぜなら実在したアイドルをモデルに、現実にあった出来事などが描かれているからだ。名前こそ出ないものの、知っていれば誰のことなのかは手に取るようにわかるだろう。
    そんなアイドルたちを作り上げたのは紛れもなく「おじさん」だし、彼女たちが学生の制服を模した衣装を着るのはいかにも「おじさん」の発想だ。でも、彼女たちには男女問わず魅了する力があるのだから不思議なものだ。

    後半になると日本批判のトーンがさらに強まり、比喩でもなんでもなく革命の物語になる。冒頭で少女革命ウテナからの引用がある理由はここだろう。読んでいてこの辺りで息苦しさを感じるようになったのは、私自身も「おじさん」の一員であるという証左かもしれない。

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    2026年09月03日
  • お砂糖ひとさじで

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    好きな章は、「副反応のシルバニア」「木曜日生まれっぽい!」。
    共感した章は、「ファンシーに夢中」「体重のプレッシャー」「運命のペンとノート」「それもまたよし」。
    まず、タイトルと装丁が素敵で気になった。
    本の内容は、コロナ禍日常エッセイという感じ。青子さんがK-POPや韓ドラ、韓国料理など、韓国カルチャーが好きでいらっしゃるのがよく分かった。韓国カルチャー意外の話は、むしろ新鮮な感じがあったくらい。
    自分の子どものことを"子どもの人"と書くのはなぜなんだろう?聞きなれない言葉だった。(他の読者の方の感想にもかなり挙がっていた。子どもでも一人の人として接しているという意味で解釈するのが合っていそう。)
    青子さんと子どもの人のやりとりの部分が一番好きだと感じた。子どもの人に「着る?」「使う?」ときちんと意見を聞くのがいいなと思った。
    青子さんとの共通点があり嬉しかった。左利きであることと木曜日生まれであること。韓国カルチャーが好きなことも同じかな。
    文章は難しくなく読みやすい。すらすらと読み進められた。

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    2026年07月19日
  • 女が死ぬ

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    これは男性優位、戦争、あらゆる予定調和へのアンチテーゼなのでしょう。

    掌編で数行で終わる話もあり、数分あれば一編読めてしまう。どれもこの視点!?という驚きもあり、センスいいと思いました。斜め下から刺されます。

    「少年という名前のメカ」「あなたの好きな少女が嫌い」「武器庫に眠るきみに」が特に好き。

    作者の怒りがふつふつと感じられる作品とあれば、クスッと面白い話もある。著者の一言解説がいい。純文学好きな人におすすめです。

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    2026年07月16日
  • おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are

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    可笑しくもあり悲しくもありちょっぴり元気をもらえる、そんな不思議な気持ちになる本だった。さりげなく他の話で出てきた登場人物が再度出てくるのも、同じ世界での出来事であることが感じられてニヤニヤしてしまった。この世の中理不尽が沢山で諦めたくなることもあるけれど、誰かや何かに救ってもらっているのかな。あっという間に読み終えてしまう素敵な作品でした。

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    2026年05月09日
  • 女が死ぬ

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    少しの共感とそれを超える新鮮さ。
    シニカルな短編集。最後の作者の振り返りが答え合わせみたいでより楽しかった。

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    2026年03月04日
  • 自分で名付ける

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    妊娠出産の出来事や周りの人の対応のもやもやをかいたエッセイ

    生まれた子を「子どもの人」と呼んだり、母性は「めちゃくちゃ大切にしなければならない人を大切にする」感情だと言い換えたり、
    もやもやしがちなことをずばり言ってくれた

    私には子どもはいないけれど、生きている中で感じるいろんなバイアスに、同じ感情で立ち向かっている人がいるんだなと安心した

    きっと子どもができてから読んだらまた感想変わるんだろうなあ

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    2026年02月20日
  • 自分で名付ける

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    妊娠、出産、産後に私が感じていたなんとも言えない不安な気持ちやイライラが見事に言語化されていて、何度も頷きながら読んだ。

    -明らかに出産は、とんでもない出来事で、産む当事者である女性にとって負荷が大きいのに、周囲の人が、その大変さを不当に軽く扱っているように思えたことだ。

    いやほんと、想像以上でした

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    2026年01月24日
  • 女が死ぬ

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    「女が死ぬ」「この国で一番清らかな女」「武器庫に眠るきみに」「21世紀のティンカーベル」
    が好きだった

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    2026年01月06日
  • おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are

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    芸に疎いので、怪談インスパイア話かなと思ったら、落語や歌舞伎を参考にしてた。でも、現代に本当に幽霊がいたらこうなのかも、と思わせてくれる文体。クズハの一生という短編が面白かった。カーネーションをあげても、ほーんと思うだけ。仕事ができない男性社員をかわいそうだなと思う。そういうクズハがいて、私もそれでいいんだなと思った。

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    2025年12月25日
  • 女が死ぬ

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    ネタバレ

    ◾️record memo

    あなたの好きな少女が嫌いだ。あなたの好きな少女は細くて、可憐で、はかなげだ。間違っても、がははと笑ったりはしない。がははと笑うような少女をあなたは軽蔑している。というか、それはもうあなたにとっては少女ではない。では、がははと笑う少女はどこに行けばいいのか。

    あなたの好きな少女が嫌いだ。あなたの好きな少女は弱くて、非力で、不器用だ。困ったやつだなあと、あなたはあなたの好きな少女を庇護してやらねばという気持ちにかられる。親でもないのに。

    あなたの好きな少女が嫌いだ。あなたの好きな少女は、我がままで、自由で、子猫のように移り気だ。また、あなたの好きな少女は、そのような特質を備えつつも、あなたの言うことだけは素直に聞き、あなたの思い通りになる。女児が幼少期に心の赴くままにお人形を操り、様々な物語を構築して遊ぶのはよく知られたことだが、あなたの好きな少女も、まさにそういった都合のいいお人形のようである。

    あなたの好きな少女が嫌いだ。あなたの好きな少女は、センスが良くて、前途有望で、いろいろ教えがいがある。教えてあげるのはもちろんあなただ。あなたは知識のすべてを総動員して、少女を教育したいと思う。学校の先生でもないのに。

    あなたの好きな少女が嫌いだ。あなたの好きな少女は、繊細で、感性が豊かで、誰よりも敏感に世界を感じとることができる。あなたの好きな少女は世界の残酷さに涙を流す。しかし、力を持たない少女には何もできない。それでも、あなたの好きな少女は自らを犠牲にし、血を流し、あなたのことを守ってくれる。この時、あなたは少女を庇護したいと思った気持ちを、すっかり忘れてしまっている。

    あなたの好きな少女は太らない。あなたの好きな少女は嘘のように体が軽い。あなたの好きな少女は頭以外に毛が生えない。どこもかしこもすべすべのつるつるだ。髪の毛には天使の輪が光っている。膨らみはじめたばかりの小さな胸は、あなたを怯えさせることもなく、脅威にもならない。

    あなたの好きな少女は透明感に溢れている。シミもニキビももちろんない。あったらそれはあなたの好きな少女ではない。では、シミやニキビのある少女は一体全体どこへ行けばいいのか。頑丈な太ももの、ごわごわの髪をした少女たちはどこへ。

    あなたの好きな少女は皆似ている。天使のようで、聖母のよう。そして小悪魔の一面を、あなたにだけ見せてくれる。

    あなたの好きな少女は、あなたの中で大量生産されていく。まるでヘンリー・ダーガーの絵のように、あなたの好きな少女は異形だ。わたしはそう考えるが、だけどそれがあなたにとっての正統派の少女であり、それ以外の少女はあなたの目には映らない。

    わたしは時々、あなたの目に映っているであろう、あなたの好きな少女を想像してみる。そして、彼女たちに何か添えたい気持ちにかられ、実際頭の中でそうしてみることがある。

    わたしは、イスにお行儀よく座ったあなたの好きな少女に鼻眼鏡をかけさせる。貧弱な体を強調するような、ミニスカートとレースのブラウスを脱がせ、頑丈なオーバーオールを着せてみる。あなたの好きな少女の髪の毛を枝毛だらけにしてみる。ポパイとお揃いの錨模様のタトゥーを腕にいれてみる。そのタトゥーが目立つように、あなたの好きな少女の、そっちの腕だけ筋肉隆々にしてみる。あなたが一番傷つく言葉を、あなたの好きな少女に言わせてみる。

    アフロのウィッグ。通学時に下駄。常に口の中でねりけしをガムがわりに噛んでいる。わたしは頭の中であなたの好きな少女にワンポイントを足し続ける。あなたがあなたの好きな少女にがっかりすればいいと思いながら。幻滅すればいいと願いながら。そうすれば、少女はあなたの好きな少女じゃなくなる。あなたの目に映らなくなる。あなたから消去された世界で、たくさんの少女たちが自由に太ったり、痩せたり、好きに動いて、好きに笑う。あなたの目に映らない楽園で。

    世の中のいろんなこと、いろんな物語は、ヴィクトリアの好きな状態ではなかった。世界にはもっといろんな色があるはずなのに、どれもがわかりやすいかたちに整えられているか、汚い色、つまらない色をしていた。だけど、素敵な物語や素敵な色が見つかることもあって、そんな時はとりわけ幸せな気持ちになった。

    高校生になったヴィクトリアは髪をいろんな色に染め、穴の開いたブラックジーンズによれよれのバンドTシャツを着て、バッジをいっぱい留めたバックパックを背負って学校に通っている。もう最終学年だ。

    そもそもヴィクトリアもテリッサも、こういうあからさまにセクシーぶった下着は好きじゃない。

    「なんかだるいよね、最初からいろいろ決まっててさ。まあでも、わたしはいつでもヴィッキーの味方だから、カミングアウト?とかそういうのいつでも応援するし。ていうか、自分のセクシュアリティなんて、わたしもわかんない」

    わかんないけど、どうしてこっちがカミングアウトする側なんだろう。彼らだって、カミングアウトするべきことがあるんじゃないのかな。実は差別主義者ですとか、一度も募金をしたことがありませんとか、毎日ネットで悪口を書いていますとか。どうして彼らはカミングアウトされるのをのうのうと待っているんだろう。まるで自分たちにはカミングアウトすることなんて一つもないみたいに。カミングアウトは勇気ある行動だっていうなら、彼らもカミングアウトすればいいのに。

    どうしてカミングアウトしないと、存在が認められなかったり、秘密を隠していることになるんだろう。まったく、嫌になることばっかだ。

    テリッサはヴィクトリアの手をとると、そのまま元気な子どもが乗ったブランコみたいにぶんぶん大きく揺らし、にっこり微笑んで言う。
    「ヴィクトリアには秘密なんてないよ」

    わたしたちはできない!
    できないことはできない!
    向いていないことはできない!
    面白くない話に無理に話を合わせられない!
    面白くない話は面白くないから!
    自慢話に愛想笑いできない!
    すごいですねと相槌を打てない!
    相手の自己顕示欲を満足させることができない!
    場を丸くおさめるために謙遜できない!
    自分を卑下できない!
    そうする必要はないから!
    それは義務ではないから!
    「男を立てる」ことができない!
    「三歩下がる」ことができない!
    面倒くさいから!
    馬鹿馬鹿しいから!
    時間がすごく無駄だから!
    性差別的な言動を許すことができない!
    性差別的な社会を受け入れることができない!
    そんな人生はまっぴらだから!
    いい加減にしてほしいから!
    わたしたちはできない!
    したくないことはできない!
    わたしたちは絶対にできない!
    わたしたちは死んでもできない!

    それでもわたしは、街のいたるところに、若い時代と悲しみ、を見る。
    空いた夜の電車で、リクルートスーツを着た女の子がドアにもたれかかって外を見ている、その無表情な顔がガラスに映っているのを見た時、若い時代と悲しみ、とわたしは思う。
    スターバックスで、若いカップルが退屈そうな顔をして向かい合っている時、若い時代と悲しみ、と隣の席に座っているわたしは思う。

    若い時代が人生で一番いい時だなんて、輝いている時だなんて、一体全体誰が言ったのだろう。たとえいい時だったのだとしても、それを教えてくれる大人は誰もいなかった。大人たちは、劣るものとして、わたしたちを扱った。大人たちに植えつけられた不安と劣等感に怯えている間に、わたしの体は老い、心は老い、若い時代は終わった。若い時代は悲しかった。あとずっとお金がない。

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    2025年11月06日
  • おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are

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    キャッキャと読み終わりました。
    「おばちゃん」と言いたくなる格好良い人ばかりで、、わたしもおばちゃんと言われるような人になりたい…と憧れてしまうパワフルなご婦人たち。
    面白かったです。

    ここ数年で沼にハマりだした落語も、歌舞伎も戯曲もほぼわからずで勉強不足でした。
    『八百屋お七』(ガラスの仮面)と、歌舞伎『紅葉狩り』(陰陽座「紅葉」)くらい…。
    でも、それらのモチーフが、現代話にこう絡まってくるとは。相乗効果がありました。

    連作短編集で、ある部分で少し、別のある部分でまた少し、世界が重なっていました。
    「どんなに時代が変わっても“ある”もの」と「新たな形をつくっていく関係」、どちらもそれぞれあって良い。
    どちらかを抑えつけるなんて以ての外。自由に生きたいね。

    楠本まきさんが企画で格好良く漫画化されていた「楽しそう」。続きがあったなんて…元妻と元夫と現妻、皆さん楽しそうだからって遠くで見てるのは面白かった。

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    2025年10月30日
  • おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are

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    ネタバレ

     ジャンルは「おばちゃん」という幽霊が出てきて、怪談話だから怖いのかな、と思ったら全然怖くありませんでした。幽霊のエンタメ要素がかなり入ったファンタジーにさせてもらいました。ジャンルをエンタメにカテゴライズしてもよかったです。
     話は、現実の世界で日常生活をする人間に対して「おばちゃん」という幽霊がやってきて何か言ったりアドバイスすると言った内容で、全17話からなる短編集です。幽霊目線、現実で生きている人間目線」という幽霊が出てきて、怪談話だから怖いのかな、と思ったら全然怖くありませんでした。幽霊のエンタメ要素がかなり入ったファンタジーにさせてもらいました。ジャンルをエンタメにカテゴライズしてもよかったです。
     話は、現実の世界で日常生活をする人間に対して「おばちゃん」という幽霊がやってきて何か言ったりアドバイスすると言った内容で、全17話からなる短編集です。群像劇っぽかったですね。
     読みやすくて面白かったです。読んだ後に気づいたのですが、この作品って「世界幻想文学大賞(短編集部門)」を受賞してたことは帯で知り、レイ・ブラッドベリ賞の候補になってたことをこの作品を読んで知りました。こういう本があるよと紹介されて軽く考えていたのですが、レイ・ブラッドベリ賞の候補と知って「これは読まないといかん」って思って読みました。レイ・ブラッドベリは昔から有名なSF作家の一人ですが、この作品が海外で絶賛されていることを知り、あらためてすごいなぁ、と思いました。

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    2025年10月19日
  • 男の子になりたかった女の子になりたかった女の子

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    11編からなる短編集。

    どれも人物や設定が異なり、バラエティに富んでいる。
    割と現実世界に近いものもあれば、奇想の世界もある。
    読んでいてつらい気持ちになるものもあれば、楽しかったり、力強さを感じたりするものもある。

    奇想ということであれば、「ゼリーのエース」。
    某食品メーカーが販売している家庭で作れるゼリーのミクスを思わせる。
    美佐子と正吉夫婦は台所=実験室で、ゼリーを作るように粉末にお湯をかけ、冷蔵庫で冷やして「娘たち」を作り、あちこちの家庭に「納品」している。
    「娘たち」は冷蔵庫の中で「身を固め」、おしゃべりをするようになる(!)。
    その中で、いつまで経っても「身を固め」ない娘が現れてしまい、最初は夫妻を困惑させるのだが、やがて受け入れていく、というお話。
    「身を固める」という今や死んだフレーズに感じる違和感が、こんな大らかな、チャーミングな話になるとは。

    「物語」という短編は、人々を搦めとろうとする「物語」と、それを迷惑そうに退ける人々との攻防(?)が描かれたSF的な小説。
    2人称小説という珍しい形態であるせいもあって、最初は違和感を覚える。
    だが、「物語」が次々と繰り出してくる「女」「男」「子ども」「老人」…などのイメージがあまりにも一面的で笑えてくる。

    カバーストーリーである、「男の子になりたかった女の子になりたかった女の子」。
    メインの人物である彼女には名前が与えられず、この「男の子になりたかった女の子になりたかった女の子」が繰り返されることになる。
    彼女もまた「物語」から強い意志を持って、あるいはよんどころなく逃れていく人。
    自分が何を好むのか、何に価値を感じるのかをきちんと把握しようと闘っていて、かっこいい。
    硬い文体が主題によくマッチしているとも感じる。

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    2025年09月27日
  • 女が死ぬ

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    面白かったーっ!日々を生きてて、うわ、これだるいなって思ったことある場面がちょこちょこ来て、共感がすごい その物を直接的に言葉に出さずに、でも頭にその物を思い浮かばせる、天才 さいこーっ

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    2025年09月05日
  • 問題だらけの女性たち

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    なんで歴史上の偉人に女性がいないのか?
    女性の脳は小さい。女性が勉強すると胸が萎む。
    試験を受ける時に試験会場に羊を離す。
    女性の偉業は歴史のゴミ箱に捨てられる。

    しんどすぎる。かなりマシになったとはいえ、今も続いていることが身に覚えがありすぎて不快感しかない。
    フェミニズム系のことってしっかり勉強しないとって思うけど、本当にしんどくなる。
    それでも立ち上がって改善しようとした人たちがいてくれたから今があるんよなぁ。考え続けないといけない。

    と同時に、日本は平安時代に紫式部とか清少納言が活躍していて、女流作家の歴史も長い。当時の世界から見るとかなり異質で最先端をいっていたのでは?と思うのに、日本はどこで女性蔑視が進んでしまったのか不思議でならない。

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    2025年08月03日
  • 女が死ぬ

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    正直よくわからない作品もあったけど、それでも全体がバラバラに感じなかったのは、ミソジニーを中心とする常識に対して、ユーモアを交えながら異議を唱えてる著者の姿勢が一貫しているからだと思う

    読んでいて、自分でも気づかないうちに抱えていた価値観や視点にハッとさせられる瞬間が何度もありました

    次はぜひ、長編にも挑戦してみたいです

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    2025年07月20日
  • おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are

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    読み始めは、なんか地味だなあと思った。
    それがだんだんと面白くなり、いつの間にか読み終えるのが寂しくなっていた。
    短い話ばかりの連作短編。落語や歌舞伎などが元ネタになっているらしい。

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    2025年07月20日
  • 男の子になりたかった女の子になりたかった女の子

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    女性であることやそこに付随する苦しみについて語ろうとするとき、また他人の語りに耳を傾けるとき、なんとも言えない苦々しい気持ちになる。でもこの本はあんまり苦々しくなかった。この思いをこんな風に表現できるのかと思った。
    勝手に筆者は若い方なんだろうと思っていたのだが、ブルマの件でおや?と思い調べたら全然歳上の方だった。なんだかそこでまたグッときてしまった。こうして直視し、表現し続けている女性がいることがうれしい。他の作品も読みたい。

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    2025年06月09日
  • 問題だらけの女性たち

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    19世紀の女性の扱いに対して、皮肉のパンチが炸裂したイギリス発のジェンダー絵本。歴史になかったことにされ捨てられてきた女性たちをすくい上げるのは、いまの女性たち。

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    2025年05月23日