松田青子のレビュー一覧

  • 女が死ぬ

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    ネタバレ

    どれも面白かった。
    とくに「テクノロジーの思い出」が印象深い。
    メロンソーダを出す機械から戦争という黒いテクノロジーに繋げた著者の感性に脱帽した。
    しかし「男性ならではの感性」があまりにも凡作すぎて拍子抜けした。これを書いた作者がこの本に収録されている何十とある名作を書けるのかとその凡庸さに驚いた。
    この短編についての著者の解説コメントを読むと「イラッとして書きました」と書いてあった。
    怒りながら書くとこのような作品が出来上がるのかと思い少し納得した。

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    2025年10月02日
  • 男の子になりたかった女の子になりたかった女の子

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    11編からなる短編集。

    どれも人物や設定が異なり、バラエティに富んでいる。
    割と現実世界に近いものもあれば、奇想の世界もある。
    読んでいてつらい気持ちになるものもあれば、楽しかったり、力強さを感じたりするものもある。

    奇想ということであれば、「ゼリーのエース」。
    某食品メーカーが販売している家庭で作れるゼリーのミクスを思わせる。
    美佐子と正吉夫婦は台所=実験室で、ゼリーを作るように粉末にお湯をかけ、冷蔵庫で冷やして「娘たち」を作り、あちこちの家庭に「納品」している。
    「娘たち」は冷蔵庫の中で「身を固め」、おしゃべりをするようになる(!)。
    その中で、いつまで経っても「身を固め」ない娘が現れ

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    2025年09月27日
  • 女が死ぬ

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    面白かったーっ!日々を生きてて、うわ、これだるいなって思ったことある場面がちょこちょこ来て、共感がすごい その物を直接的に言葉に出さずに、でも頭にその物を思い浮かばせる、天才 さいこーっ

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    2025年09月05日
  • 問題だらけの女性たち

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    なんで歴史上の偉人に女性がいないのか?
    女性の脳は小さい。女性が勉強すると胸が萎む。
    試験を受ける時に試験会場に羊を離す。
    女性の偉業は歴史のゴミ箱に捨てられる。

    しんどすぎる。かなりマシになったとはいえ、今も続いていることが身に覚えがありすぎて不快感しかない。
    フェミニズム系のことってしっかり勉強しないとって思うけど、本当にしんどくなる。
    それでも立ち上がって改善しようとした人たちがいてくれたから今があるんよなぁ。考え続けないといけない。

    と同時に、日本は平安時代に紫式部とか清少納言が活躍していて、女流作家の歴史も長い。当時の世界から見るとかなり異質で最先端をいっていたのでは?と思うのに

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    2025年08月03日
  • 女が死ぬ

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    正直よくわからない作品もあったけど、それでも全体がバラバラに感じなかったのは、ミソジニーを中心とする常識に対して、ユーモアを交えながら異議を唱えてる著者の姿勢が一貫しているからだと思う

    読んでいて、自分でも気づかないうちに抱えていた価値観や視点にハッとさせられる瞬間が何度もありました

    次はぜひ、長編にも挑戦してみたいです

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    2025年07月20日
  • おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are

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    読み始めは、なんか地味だなあと思った。
    それがだんだんと面白くなり、いつの間にか読み終えるのが寂しくなっていた。
    短い話ばかりの連作短編。落語や歌舞伎などが元ネタになっているらしい。

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    2025年07月20日
  • 男の子になりたかった女の子になりたかった女の子

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    女性であることやそこに付随する苦しみについて語ろうとするとき、また他人の語りに耳を傾けるとき、なんとも言えない苦々しい気持ちになる。でもこの本はあんまり苦々しくなかった。この思いをこんな風に表現できるのかと思った。
    勝手に筆者は若い方なんだろうと思っていたのだが、ブルマの件でおや?と思い調べたら全然歳上の方だった。なんだかそこでまたグッときてしまった。こうして直視し、表現し続けている女性がいることがうれしい。他の作品も読みたい。

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    2025年06月09日
  • 問題だらけの女性たち

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    19世紀の女性の扱いに対して、皮肉のパンチが炸裂したイギリス発のジェンダー絵本。歴史になかったことにされ捨てられてきた女性たちをすくい上げるのは、いまの女性たち。

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    2025年05月23日
  • 彼女たちに守られてきた

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    松田青子さんが、2015年~2024年にわたって書いた文章を集めたエッセイ集です。

    自分が経験できないことや考えに触れ、しかも楽しめるところが、エッセイを読む楽しさだと思います。

    〈Ⅰ 時々、外に出ていこう〉には、そんな文章があふれていていました。読み進めながら、インド料理のビリヤニを食べてみたいなとか、岸田衿子さんの詩集を読んでみたいとか、たくさんの思いで一杯になりました。そしてやはり、自分の子どもを「子どものひと」と敬意を払って呼ぶのが、すてきだと思いました。

    〈Ⅱ 「当たり前」の痛みにさよなら〉では、今でもまだ多くの「当たり前」に悩まされていることについて考えるきっかけになりま

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    2025年05月22日
  • 問題だらけの女性たち

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    すぐに読み終わるけれど、読み終わった後に考えなければならないことがたくさんある。
    可愛らしい絵と可愛らしい語りであるけれど、重い話。
    現代ではこんな状況じゃないって本当に言える?平等でないことに気づけてる?男性への差別もない?他の性別についてはどう思う?と自分に問いたい。

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    2025年05月19日
  • 問題だらけの女性たち

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    全く問題だらけの女性たち。19世紀のありえない女性観。21世紀の私たちは19世紀の問題だらけの女性を笑えない。まだ、まだ、私たちは19世紀と変わらぬ、男性からの期待を受けている。男性も同様。19世紀ほど露骨ではないにしても、男性よりも知的で賢い女性が疎まれ、男勝りなんて言葉も死語にはなっていない。男性と張り合う女性がいる。お互いにお互いの違いを認め、性別に関係なく、性別ではなく特性だけを見て、やりたいことをやり、生きたいように生きられる世界はまだまだ遠い。女の子なのに、と言われる子ども時代を過ごす人がいなくなりますように。同じに、男の子なのに、と言われて悲しくなる人がいなくなりますように。

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    2025年05月17日
  • 彼女たちに守られてきた

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    10年分のエッセイが一冊にまとまったもの。ひとつひとつが短いのでどこからでも読める。そして考えさせられた。

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    2025年05月16日
  • 持続可能な魂の利用

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    ネタバレ

    備忘録:
    P124: もしこの場所がもっと違ったらもっと対策がちゃんと取られていたら、今のように耐えたり諦めたり声を出したり出せなかったり、抗ったり闘ったりしている時間を日本の女性はどう過ごしていたのだろう。すとれっすや悲しみや怒りや諦念の代わりに何を感じていたのだろう。それが本当に想像できない。
    魂は減る。敬子がそう気づいたのはいつの頃だったか。魂は疲れるし魂は減る。魂は永遠にチャージされているものじゃない。理不尽なことやうまくいかない事があるたびに魂は減る。魂は生きていると減る。だから私たちは魂を持続させて長持ちさせて生きていかなくてはならない。そのために趣味や押しを創るのだ。30年以上生

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    2025年05月08日
  • お砂糖ひとさじで

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    すっごく読みやすかった!
    松田さんが生活を送る中で気づいたこととか感じた小さな幸せとか面白い出来事をおすそ分けしてもらってる感じ。
    自分の周りにも何かないかなって探したくなった。
    小さな幸せに気づけるってすごく幸せなのかもしれないと思った。
    将来は松田さんみたいな生き方をしたいと強く思った。


    そして、自分自身も、取材で写真を撮られるから痩せないといけない、と思ってしまうことについて、考えていた。
    別にこのままでもいいはずなのに、どう思われるか気にしている自分がいるのだ。

    妊娠中のしんどい時期に体重のことでプレッシャーを感じなくてすむような、出産後も別にそんなにがんばって体重を戻さなくて

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    2025年03月31日
  • お砂糖ひとさじで

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    申し訳ないことに、松田さんはこちらで初めて出会ったので、最初の話を読んで、「お、歳の近い人かな?」と思ったのだけど40代とのことで驚いた。
    というのも、感覚がめちゃくちゃ若い気がするからだ。服をめちゃくちゃ買ってたけど、環境配慮だったりで買うのをやめた、とか。SNSで見て〜してみた、とか。そしてなんかわかんないけど、余裕がある感じがした。なんだろう。
    この考えが失礼かもしれないけど、世の中の流れについていって、かつ、柔軟に適応するのって経験を重ねるほど難しいだろうと思っていたから、素敵な大人だなと思った。

    ただ、趣味は全く合わない(笑)
    BTS、サンリオ、韓国コスメ、シルバニア、外国の子供向

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    2025年01月23日
  • じゃじゃ馬にさせといて

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    松田青子さんの海外のエンタメに関するエッセイ。私は洋画や海外セレブにあまり詳しくないので語られている対象のことはよくわからないのだけど松田さんの文章は元気がでて大好き。特に素晴らしさを熱く語っている時の語彙と勢いが大好物。松田さんみたいな勢いがあって皮肉も効かせた文章を書けるようになりたい。

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    2025年01月10日
  • お砂糖ひとさじで

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    自分の子に対して"子どもの人"という表現をするは独特だが、前作(エッセイ)を読んでいたので気にならなかった。

    子乗せ電動自転車、値段高すぎだよね…濡れるの心配になるのわかる…
    あと、しまねっこがかわいいっていう話は個人的に嬉しかった。かわいいんだよ、しまねっこ。

    今2歳の子を育てる身としては、共感しすぎてママ友と話しているような感覚になるエピソードもあった。

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    2024年12月08日
  • 女が死ぬ

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    好き嫌い分かれそうな
    作品だけど私は大好き


    男性に読んでほしいと
    切に思う。

    噴火する前触れで黒い
    噴煙を上げる、

    女性という火山の火口
    を間近に感じてほしい。

    私はフェミニスト?と
    聞かれたら、うーんと
    考えてしまう立ち位置。

    ウーマン・リブは賛成
    だけど女性は護られて
    当然という甘えは嫌い。

    男性社会のなかで男性
    の感覚を学んできて、

    フェミニズムに対して
    多くの男性が面倒臭い
    と感じるのも分かる。

    同時に、多くの男性が
    女性は護られて当然と
    思ってることに違和感。

    それって男性が強くて
    女性は弱いという固定
    観念が前提にあるから。

    私はレディファースト
    に反対派。

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    2024年10月29日
  • お砂糖ひとさじで

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    我が子を子どもの人と呼び、靴や鞄などを購入するときもかならず子どもに「これ着る?はく?」と確認する筆者が、子どもを1人の人格として対等に尊重しているのが素敵だった。また、子どもの人のお気に入りのぬいぐるみの話は、子どもの愛らしさややわらかさが伝わってくるような描写で心が和んだ。

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    2024年10月13日
  • 女が死ぬ

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    めちゃめちゃおもしろかった
    ユーモアに溢れている
    ふふって笑えるものから全く訳わからないのまである
    著者のひと言解説があるのも楽しかった

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    2024年08月20日