作品一覧

  • 名探偵だって恋をする
    3.2
    1巻550円 (税込)
    事故で演奏できなくなったチェリストは、時空を超えたある空間で、天上の音を演奏する少年と出会う(「空蜘蛛」)など、新鋭作家たちが描く謎とキャラクターの饗宴!
  • 博物館のファントム 箕作博士の事件簿
    3.9
    1巻616円 (税込)
    自然史博物館で働くことになった女性新人分類学者・池之端環。植物標本の整理を命じられ、未整理の標本や資料が大量に詰め込まれた旧館「赤煉瓦」に足を踏み入れた環が出会ったのは、そこに棲みつくファントムこと変人博物学者の箕作類。「どんなものも絶対に捨ててはならない」が口癖の箕作と、片付け魔の環のでこぼこコンビが、博物館で起こるさまざまな事件の解決に動き出す!
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)
    4.0
    1巻693円 (税込)
    東京から深澤が転校してきて、何もかもおかしくなった。壮多は怪我で「鹿踊り部」のメンバーを外され、幼馴染みの七夏は突然姿を消した。そんな中、壮多は深澤と先輩の三人で宮沢賢治ゆかりの地を巡る自転車旅に出る。花巻から早池峰山、種山高原と走り抜け、三陸を回り岩手山、八幡平へ。僕たちの「答え」はその道の先に見つかるだろうか。「青」のきらめきを一瞬の夏に描く傑作。
  • 蝶が舞ったら、謎のち晴れ―気象予報士・蝶子の推理―(新潮文庫nex)
    3.8
    1巻715円 (税込)
    天気予報が大嫌いな気象予報士・菜村蝶子と幼なじみの探偵・右田夏生の元に舞い込んでくるささやかな、でも奇妙な依頼の数々。降らなかったはずの雨や半世紀以上前の雷探し、“誘拐”されたバイオリンや早咲きの桜に秘められた想いを解き明かす鍵は天気予報! 明日の天気を願う時、それは誰かの事を想う時――。あなたの心の雲もきっと晴れるハートウォーミングお天気ミステリー。
  • 八月の銀の雪(新潮文庫)
    4.0
    1巻737円 (税込)
    憂鬱な不採用通知、幼い娘を抱える母子家庭、契約社員の葛藤……。うまく喋れなくても否定されても、僕は耳を澄ませていたい――地球の中心に静かに降り積もる銀色の雪に。深海に響くザトウクジラの歌に。磁場を見ているハトの目に。珪藻の精緻で完璧な美しさに。高度一万メートルに吹き続ける偏西風の永遠に。表題作の他「海へ還る日」「アルノーと檸檬」「玻璃を拾う」「十万年の西風」の五編。(解説・橋本麻里)
  • リケジョ!
    3.6
    1巻759円 (税込)
    貧乏大学院生で人見知りの律は、不本意ながら成金令嬢・理緒の家庭教師をすることに。科学大好き小学生の理緒は彼女を「教授」と呼んで慕ってくる……無類に楽しい、理系乙女ミステリシリーズ誕生!!
  • 月まで三キロ(新潮文庫)
    4.2
    1巻781円 (税込)
    「この先にね、月に一番近い場所があるんですよ」。死に場所を探す男とタクシー運転手の、一夜のドラマを描く表題作。食事会の別れ際、「クリスマスまで持っていて」と渡された黒い傘。不意の出来事に、閉じた心が揺れる「星六花」。真面目な主婦が、一眼レフを手に家出した理由とは(「山を刻む」)等、ままならない人生を、月や雪が温かく照らしだす感涙の傑作六編。新田次郎文学賞他受賞。(対談・逢坂剛)
  • ルカの方舟
    3.8
    火星隕石に生命の痕跡が見つかった。世紀の発見を取材する記者・小日向に"ルカの末裔"と名乗る隕石論文の偽装告発メールが届く。研究室には、偽装疑惑の教授の遺体と、方舟型に固められた隕石が残されていた。火星隕石が秘めた、地球生命の"出身地"。偽装が隠す真実とは。すべての謎の証明は"天才"百地教授に託された! 東大院卒作家が研究の栄光と暗部を描く、傑作理系ミステリ!
  • コンタミ 科学汚染
    3.8
    1巻836円 (税込)
    【注意】この本には、「信じたくない」真実が含まれています。東京大学大学院出身の著者が放つ、私たちの身近に蔓延る「汚染された科学」に迫るサイエンス・サスペンス! あなたは真実を知る覚悟はありますか? 「ニセ科学」――それは、根拠のないでたらめな科学用語をちりばめた、科学を装う「まがいもの」。大学院生の圭は、新進気鋭の生物学者・宇賀神と共に、ニセ科学批判の急先鋒である蓮見教授の元を訪ねる。そこで告げられたのは、宇賀神のライバルであり、想い人でもあった女性研究者の美冬に関する信じ難い事実だった。神秘の深海パワーで飲むだけでがんが治る、「万能深海酵母群」。「VEDY」と名付けられたニセ科学商品の開発に手を貸し、行方をくらませたのだ。 ニセ科学を扱うことは、研究者にとって「死」に等しい。なぜ彼女は悪魔の研究に手を染めたのか? 圭は宇賀神に命じられ、美冬の消息を追うが……。 すべての真相が明らかになったとき、「理性」と「感情」のジレンマが、哀しい現実を突きつける――。 新田次郎文学賞受賞作『月まで三キロ』の著者が放つ、われわれの身近に蔓延する「汚染された科学」に迫るサイエンス・サスペンスミステリー。
  • オオルリ流星群
    4.3
    1巻880円 (税込)
    人生の折り返し地点を過ぎ、将来に漠然とした不安を抱える久志は、天文学者になった同級生・慧子の帰郷の知らせを聞く。手作りで天文台を建てるという彼女の計画に、高校3年の夏、ともに巨大タペストリーを作ったメンバーが集まった。ここにいるはずだったあと1人をのぞいて――。仲間が抱えていた切ない秘密を知ったとき、止まっていた青春が再び動き出す。 喪失の痛みとともに明日への一歩を踏み出す、あたたかな再生の物語。
  • 東大に名探偵はいない
    3.7
    1巻902円 (税込)
    憧憬、嫉妬、期待、失望……あらゆる感情が渦巻く「東大」と いう場所。 憧れの従姉の痕跡を追う新入生。地震研に突然届いた、地震の発生を的中させる予知はがき。 五月祭の準備中にクラスメートの熱烈な初恋を一瞬で冷めさせた「片面」という言葉の意味。 完璧な妻が新居選びで「東大が見えるところ」を条件にした理由。 大学内で起きた奇妙な盗難事件から、法律で裁けない罪まで。 東大出身の6人の推理作家たちがそれぞれの視点で謎を紡ぐ、濃厚で多彩なのミステリアンソロジー。
  • 磁極反転の日(新潮文庫)
    4.3
    1巻924円 (税込)
    地球のN極とS極が反転し始めた。大規模地磁気嵐が発生し、東京上空にオーロラが出現。異様な寒冷化と降り注ぐ宇宙線に不安が広がる中、女性記者浅田柊の耳に奇妙な話が聞こえてくる。都内の病院から妊婦たちが次々と失踪しているというのだ……。謎の団体、脳科学の闇、不可解な妊婦の死。取材の果て、柊が突き止めた恐るべき真相とは。パニックSFの新たなる傑作。『磁極反転』改題。
  • ブルーネス
    4.4
    1巻1,001円 (税込)
    〈津波監視システム〉は実現できるのか? はぐれ研究者たちの情熱溢れる理系エンタメ! 「津波監視システムの実現に手を貸して欲しい」。 東日本大震災後、地震研究所を辞めた準平は、学会で異端視されている武智に誘われる。 海洋工学や観測機器などのエキスパートだが個性が強すぎて組織に馴染めない“はみ出し者”たちと、準平は前人未到のプロジェクトに挑むか……。 研究者の情熱ほとばしる科学エンタメ! 解説・巽好幸(神戸大学海洋底探査センター教授・センター長) ※この電子書籍は2016年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています
  • お台場アイランドベイビー
    3.5
    1巻1,012円 (税込)
    日本を壊滅寸前にした震災から4年後、刑事崩れのヤクザ巽は不思議な少年・丈太と出会う。彼の出生の謎、消える子供達、財宝伝説--全ての答えが禁断の地お台場にあると知った二人は潜入を試みるが--!?
  • 梟のシエスタ
    3.3
    1巻1,210円 (税込)
    学長選挙の迫る地方国立大学に新たに赴任してきた、風変わりな研究者・袋井准教授。昼夜逆転の生活を送り、昼間は眠そうで不機嫌。しかも、ときどきアルコールが入っている。嫌われてもひかれても気にしない、型破りな「フクロウ」は、閉塞感漂う学内のムードをものともしない。次々とトラブルに首を突っ込み、教授たちのスキャンダルを暴き立てていく。彼の目的は、いったい何なのか? 異色のアカデミック・エンタテインメント。
  • 宙わたる教室
    4.4
    1巻1,700円 (税込)
    定時制高校の教室に「火星」を作り出す――胸が熱くなる青春科学小説 東京・新宿にある都立高校の定時制。 そこにはさまざまな事情を抱えた生徒たちが通っていた。 負のスパイラルから抜け出せない二十一歳の岳人。 子ども時代に学校に通えなかったアンジェラ。 起立性調節障害で不登校になり、定時制に進学した佳純。 中学を出てすぐ東京で集団就職した七十代の長嶺。 「もう一度学校に通いたい」という思いのもとに集った生徒たちは、 理科教師の藤竹を顧問として科学部を結成し、 学会で発表することを目標に、 「火星のクレーター」を再現する実験を始める――。 『月まで三キロ』『八月の銀の雪』著者がおくる、 今年一番熱い青春科学小説!
  • 藍を継ぐ海
    4.1
    1巻1,760円 (税込)
    なんとかウミガメの卵を孵化させ、自力で育てようとする徳島の中学生の女の子。老いた父親のために隕石を拾った場所を偽る北海道の身重の女性。山口の島で、萩焼に絶妙な色味を出すという伝説の土を探す元カメラマンの男――。人間の生をはるかに超える時の流れを見据えた、科学だけが気づかせてくれる大切な未来。きらめく全五篇。
  • 翠雨の人
    4.2
    1巻1,980円 (税込)
    「雨は、なぜ降るのだろう」。少女時代に雨の原理に素朴な疑問を抱いて、戦前、女性が理系の教育を受ける機会に恵まれない時代から、科学の道を志した猿橋勝子。戦後、アメリカのビキニ水爆実験で降った「死の灰」による放射能汚染の測定にたずさわり、後年、核実験の抑止に影響を与える研究成果をあげた。その生涯にわたる科学への情熱をよみがえらせる長篇小説。

ユーザーレビュー

  • 宙わたる教室

    Posted by ブクログ

    自身の過去の生い立ちやいま置かれている環境に苛まれることなく、純粋に地球科学への探究心から研究を続ける姿勢、そして研究活動を通じて人間としても成長していく生徒達の様子に感動しました。
    自分自身、大学では地球科学を専攻していたため共感できる部分も多かったです。伊与原先生だからこそ書ける小説だなと思いました。文句なしの星5つです。

    0
    2025年12月06日
  • 翠雨の人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    100年ほど前に生まれ、物理数学の頭脳を持ちつつ、「その時々を辞本で洗濯して歩んできた」女性、猿橋勝子さん。
    これほどまでに胸を打たれると思わなかった。
    幾度も目頭が潤み、最後は胸に迫るものが。
    男性なら異なるだろうが・・・・女性が生きたこの時間、まして研究者学者の世界がいかに男性優位であったかは周知の事。
    信州諏訪、気象大学校から始まった研究と勤務の日々・・職場はもとより、10代からの付き合いの仲間がフィクションとはいえ、「そうであったろう」描き方が、非常に心地よい。

    三宅氏、奈良橋氏といった直接顔を合わす上司、同僚の言葉が作り物めいてなく、頁が進む。
    こういった優れた作品を読むと、個人的

    0
    2025年12月05日
  • 藍を継ぐ海

    Posted by ブクログ

    短編集なのにものすごく読み応えがあって、とてもおもしろかった。一つひとつの物語が心に響くだけでなく、専門的な知識もわかりやすく織り込まれていて、読んだ後の満足感が凄い。私の中の今年のBest5に入ること間違いなし。

    0
    2025年12月04日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    著者のインタビュー記事から興味を持ち手に取る。
    科学的な知識を散りばめながら、優しい文体で短編が進んでいく。
    読み始めたら止まらない。
    各短編ごとに雪結晶や素粒子、化石など異なる内容が扱われるが、冗長な説明などない。
    素晴らしい作品だった。

    0
    2025年11月29日
  • 宙わたる教室

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    定時制高校科学部のサクセスストーリー

    まず題材が面白いと感じた。
    定時制高校をモデルにした物語。
    事情や世代が様々な人々が垣根を越えて1つのダイヤモンドを目指すのには定時制というテーマは最適かつ重要だ。

    藤竹は実験と銘打ったが、「対象を信じる実験なんてない」と言った佳純が印象的だ。
    …どんな人間も、その気にさえなれば、必ず何かを生み出せる。

    人生こそ、自動的には分からない。
    科学と確率と情熱

    令和版ごくせん

    0
    2025年11月28日

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