田中啓文の作品一覧
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Posted by ブクログ
めっちゃ面白い!「昼は刑事、夜は漫才師」というあり得ない二足の草鞋をはいた主人公。なぜか劇場で頻繁に起こる事件を警察ならではの洞察力で解決していくコメディミステリー。ドタバタ劇。最高。
【あらすじ】
主人公の高山一郎は、大阪府警難波署に勤務する刑事。ニックネームはボッコちゃん。星新一の有名なショートショートからではなく、目立たなく、没個性であることに由来している。
刑事の出勤時間が終わると、事件が起こらないことを祈りながら、即退勤する。そのあしで劇場へ。漫才出番のためなのだが、アフロのカツラとくるくるメガネが衣装なので、一応変装は完璧。誰にもバレていない。刑事仲間はもちろん、相方にも。
無茶な二刀流生活を続けていると、楽屋泥棒、暴力事件、師匠の暗殺などなぜか劇場で頻繁に事件が起こる。現場に居合わせても「公務員の副業禁止」という致命的なリスクがあるせいで、自分が刑事であることを言い出せない。手柄を立てるわけにもいかず、陰でコソコソと推理をするところから始めて、なんとか事件を収めていく。
「お前なんでいつもおるねん!」とか言われながら。
【感想】
芸人シーンと刑事シーンのバランスが最高に良くて面白い。M1前なのに事件に駆り出されてネタ合わせができなかったり、営業は目立たない場所しか行けないせいで超大御所の師匠と二組で回らされたり。自分で選んだ二刀流にめっちゃ首絞められてて笑う。
唯一、正体に気がついている交通課・城崎ゆう子に、毎回「バラすぞ」と脅迫まがいなことされながら飯奢らされるのも良い。
そしてラストの一編。特に最高だった。満席のなんばグランド花月。その全員が人質となってしまう立てこもり犯の出現。これはコメディであってもなくても、ミステリー作家なら誰もが書いてみたい設定なのではと思った。