若松英輔の作品一覧
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Posted by ブクログ
#ツナグ100分de名著
詩を読むという行為は、
私が「わたし」に出会う旅でもあり、
言葉とは「おもい」「時」さらには「祈り」を届けるための器である。
◇◇◇◇◇◇
【タイトル】別冊 NHK 100分 de 名著読書の学校若松英輔特別授業茨木のり子自分の感受性くらい生きづらさを抱える人へ
【 著者 】若松英輔
【 出版社 】NHK出版
◇◇◇◇◇◇
『自分の感受性くらい
自分でまもれ
ばかものよ』
『自分の感受性くらい』は1977年夫を失った2年後に出版。
茨木さんはこの詩を50歳に近づいた頃に書いています。人生の半ばを過ぎた茨城さんが改めて自分に向けて書いている言葉です。
◇◇◇◇◇◇
茨城のり子は1926年大阪に生まれた。彼女は11歳の時に母と死別している。それは彼女にとても大きな影響を与えたという。
その後1943年(戦時中)には現代の東邦大学の薬学部に入学した。理系の学部に入っていることも彼女の詩の味わいを深くしている一因である。
1953年には仲間たちと「櫂」という詩の同人誌を創刊する。この仲間の1人が谷川俊太郎。谷川俊太郎はライバルであり盟友でもあった。
◇◇◇
茨木のり子という詩人を新川和江という詩人は「戦後現代詩の長女」と呼んだ。
描写や表現が正確無比で、言葉がしなやかな筋肉を持って躍動している。
術というより道と呼びたい一種の気迫がこもっている、と。
私たちの体が食べ物でできているように、私たちの心は言葉でできているのだ。
◇◇◇◇◇◇
3つの「よむ」がある。
①「読む」これは紙などに記された文字を目で追うこと
②「誦む」暗誦、口誦という言葉があるように声に出して読み上げること
③「詠む」和歌を詠むというように紙なのに変えてみるということ
「読む」「誦む」とは書いた人と対話をすること。
さらに「詠む」とは書くことを深めてくれる行為でもある。
読むと書くというのは吸って吐く呼吸の関係と同じで読んだら書く、書いたら読むという相互の交わりがとても大切。
この往復経験の深まりはそのまま詩的経験の深化につながる。
◇◇◇◇◇◇
茨木さんは詩の中で、
『苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし』
自分の人生の困難を他人のせいにするな、と言います。
『初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな』
初心とは人生の問題に初めて直面した時の心情のこと、暮らしとは生活のこと、を言います。
◇◇◇
また亡くなった後に発見された遺稿である、『歳月』の中では、
『たった一日っきりの
稲妻のような真実を
抱きしめて生き抜いている人もいますもの』
とも言っています。
『歳月』。この1冊のために茨城さんの生涯はあったと言っても過言ではないほどの優れた詩集だと言われています。
◇◇◇◇◇◇
詩を読むことの一番大きな意味は自分の中に眠っている内なる詩人を目覚めさせること。
必要な言葉は自分の中にあり、
まだ書かれていない内なる詩の原型を見つける営みでる。
詩は『心眼』を開き、『心耳』を開くもの。
◇◇◇◇◇◇
詩はその中にコトバ=意味見つけるもの。
それぞれが感じ、「読み」「書く」ことが大事。いずれ書かずにはいられなくなるもの。
茨木のり子さんの詩への解釈、
また『詩』自体の味わいや深みを教えてくれる1冊でした。
◇◇◇◇◇◇
私は茨木のり子さんと『倚りかからず』で出会いました。
当時はそのまま言葉通りに読んでいたように思います。
今回100分de名著を読んで詩の味わい深さを知ったので、あらためて『心眼』『心耳』で読んでみたいと思いました。