講談社選書メチエの検索結果

  • 快読 ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った』
    ビジネス・実用
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    1巻2,915円 (税込)
    誰もがその名を知っているフリードリヒ・ニーチェ(1844-1900年)の代表作『ツァラトゥストラはこう言った』(1883-85年)――哲学史上に燦然と輝く古典であるとともに、ドイツが生んだ屈指の文学作品でもあるこの大著は、しかし本書の著者が手がけた新訳(講談社学術文庫)でも500頁をはるかに超え、いわば峻厳な高山に喩えることができるでしょう。 若い頃にチャレンジしたけれど挫折した……、いつかは読んでみたいと思っているけれど分厚さにひるんでなかなか手にすることができずにいる……。読破するにはあまりにハードルが高い、でも「あらすじ」を知っただけでは何も分からない。そんなかたのために、「声に出して読める訳文」を掲げた画期的な新訳を完成させた著者が立ち上がりました。 目次をご覧になっていただければ一目瞭然、本書はこの大著を順番に、ていねいに読んでいきます。しかし、そこにあるのは、しかつめらしい「哲学読解」ではなく、時には現代の事象に触れながら講義形式で進められる「快読」の実践です。「神は死んだ」、「永遠回帰」、「力への意志」、「超人」……ニーチェの代名詞となっている数々の概念は、なぜ、どのようにして生み出され、展開されたのか? 文学作品であるがゆえに即座には受け取るのが難しいその道程を、一歩一歩、現在位置を確かめながら前進し、はるか高みにまなざしを向けながら高峰を目指していく。そんな親切で愉しいガイド役と歩む至高の経験を本書は実現しています。 山にこもっていたツァラトゥストラは、なぜ下界に降りて自説を語り始めたのか? それは私たちにとって、どんな意味をもっているのか? コロナ禍の中で行われた講義を元にした本書は、「今だからこそ」読みたい古典を、「今でなければ」読めない古典として紹介する、他に類を見ない最良のガイドブックです。 いざ、高峰を目指して! [本書の内容] まえおき――「神は死んだ」から始まる物語 I 第一部を読む――超人思想と徳 II 第二部を読む――力への意志説とペシミズム III 第三部を読む――永遠回帰思想と孤独 IV 第四部を読む――同情問題と子どもたち あとがき――コロナ禍でのニーチェ講義
  • ポスト戦後日本の知的状況
    ビジネス・実用
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    1巻2,365円 (税込)
    本書は、前著『クリティック再建のために』(講談社選書メチエ)の「姉妹篇」であるとともに「日本篇」と言えるものです。 「クリティック」とは何か?――その問いに答える前著は、他方で現代日本におけるクリティックの不在という事実を突きつけてきました。本書は、その点にフォーカスを定め、「現代の日本において何故クリティックが定着しないのか」という問題を集中的に扱います。取り上げられるのは1900年前後からの日本の「知的状況」です。ただし、現実との関わりを抜きには不可能な「クリティック」の不在をテーマとする以上、日本がたどってきたここ100年余の歴史を無視することはできません。それゆえ、著者の言葉を借りれば、「本書の内容は「思想史」でもインテレクチュアル・ヒストリーでもない。知的階層ないし擬似知的階層の知的活動のうちのクリティックのみを追跡する」ことになります。 ここで分析される対象は、「知的階層の言語行為」すべてです。それを分析することは、必然的に「知的階層の(欠落を含めた)あり方」をも扱うことになります。つまり、「知的階層を構成すべき人々の言語行為全体」が問題とされ、その結果、「狭い意味の学術」の世界の外で形成された言論も取り上げられることになります。 本書の「結」で、著者はこう言います。「戦後期に課題として発見された地中深くの問題を解明しそのメカニズムを解体する方途を探るためのクリティックの構築が挫折し、そしてその結果今ではこの課題に立ち向かうための条件、つまり立ち向かう資質を潜在的に有する階層ないしこれを育てる環境それ自体、もまた失われてしまった」。 この「失敗」は著者自身も当事者の一人にほかなりません。それゆえ、著者はこう言うのです。「なるほど私はバトンを受け取り先へ渡すことには失敗した。ブレイク・スルーを担う極小の一点へ、私の仕事が結び付くものではない。しかし、責任の中には必ず、失敗について報告し申し送る、とりわけ、何故失敗に終わったか、失敗の結果どういう状況が後へ残っているのか、について考察を遺しておく、ということがある」。 本書は、まさにこの言葉を実践したものです。これは「失敗」の研究であるとともに、この国がたどってきた道程の記録でもあります。好むと好まざるとにかかわらず、未来はここから歩まなければならない。しかし、著者が言うように「本書が最も悲観的に見る部分にこそ希望があることも事実である」ことを、ぜひ多くのかたに感じていただきたい。その願いとともに、本書をお届けいたします。 [本書の内容] 第I章 与次郎 第II章 戦前期(一八九五―一九四五年) 第III章 戦後期(一九四五―七〇年) 第IV章 ポスト戦後期I(一九七〇―九五年) 第V章 ポスト戦後期II(一九九五―二〇二〇年)
  • 〈序文〉の戦略 文学作品をめぐる攻防
    小説・文芸
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    1巻2,145円 (税込)
    文学作品が刊行されたあと非難や攻撃や異議を受けるというのは今日でも目にする光景です。学術的な論文や書籍でも、文学作品でも、盗用の疑惑をもたれたり、実際に告発されたりすることは決して稀ではありません。そういうとき、後ろめたさゆえに無言を貫く著者もいるでしょう。告発はあたらないと思いつつ、言い訳をしないのが美徳だと考えて、あえて反論しないケースもあるでしょう。その一方で、批判は間違っていると確信して反論する著者ももちろんいます。 こうした光景はめずらしくないだけに、あらかじめ弁明や正当化、謝罪や説明を表明する著者がいることにも不思議はありません。本書は「序文」に注目して、作家たちが序文でいかなる戦略を展開しているのかを紹介しつつ、個々の戦略を分類しつつ説明していきます。すでに起きているものであれ、まだ起きていないものであれ、攻撃に対する防御のために利用される戦場が序文であり、そこには文学者たちが編み出した戦略と戦術があるのです。 目次を見ていただければお分かりのように、想定されている「攻撃」は実に多種多様であり、それに応じて「防御」の戦術も多種多様です。西洋古典から近代文学に至るヨーロッパ文学に造詣が深いだけでなく、修辞理論にも通じた著者が、渉猟した膨大な作品から実例を選りすぐりました。そこで繰り広げられている作家たちの戦いの場に、本書で立ち会ってください。文学作品を読んでいる時には見過ごしてしまう巧妙なテクニックの数々を目撃し、驚愕すること、請け合いです。 [本書の内容] 第I部 序文の防御戦略を記述するさまざまな理論 第1章 伝統レトリック 第2章 メタ談話 第3章 ポリフォニー 第4章 読 者 第5章 言語行為 第6章 ポライトネス 第II部 攻撃側のさまざまな訴因 第7章 涜 神 第8章 猥 褻 第9章 剽 窃 第10章 背徳と反体制 第11章 性別や人種に関する規範に違反 第12章 有害無益 第13章 虚偽と実在指示 第14章 ジャンルの規則に違反 第15章 悪 文 第16章 不出来
  • 日本精神史 近代篇 上
    ビジネス・実用
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    1~2巻3,355円 (税込)
    縄文時代の巨大建造物から江戸末期の『東海道四谷怪談』まで、日本の美術・思想・文学の精神のありさまを、長大かつ深遠な歴史として一望のもとにとらえた傑作『日本精神史(上・下)』は、その年(2015年)の人文界の最大の収穫として話題をさらいました。 本書は、読者諸氏が待ち焦がれたこの本の続篇です。題して、『日本精神史 近代篇』! この本が扱う時代は、その名のとおり江戸の終わりから20世紀の終わりにいたるまで。 日本の歴史上、最大のインパクトのひとつである幕末の大転換期から、21世紀のいまを生き、わたしたちの生活に多様な彩りをあたえ、生きる源となるゆたかな精神のその発露までを追っていきます。 日本近代の美術・思想・文学の三領域にわたる文物や文献を手がかりに、そこに陰に陽に示された精神のありようを、ときに冷静に、ときに客観的に言葉にした、前作『日本精神史』と双璧をなす大作です。 著者は、前著同様、本書についても難解であることを決していさぎよしとしません。読みやすさに細心の注意をはらい、あくまでも流麗に、そして明解に描ききります。 幕末から20世紀の終わりにいたるまでの150年にわたる時代の精神とはいったいどのようなものなのか? 近代における壮大かつ激しい精神の大河を、ここにご覧ください。 上巻は、近代の始まりから、啓蒙思想の転変や近代文学者の苦闘などを経て、岸田劉生や村上華岳らによる美の探究まで。 きな臭い時代へと突入するその精神のさまがじょじょに浮き彫りにされていきます。 【目次より】 はじめに 第一章 近代の始まり 1高橋由一/2『米欧回覧実記』 第二章 啓蒙思想の転変 1福沢諭吉/2加藤弘之/3中江兆民 第三章 近代文学者の苦闘 1坪内逍遥と二葉亭四迷/2北村透谷/3樋口一葉/4島崎藤村――抒情 第四章 美術表現の近代性 1青木繁/2菱田春草/3荻原守衛と朝倉文夫 第五章 日清・日露戦争――ナショナリズムの嵐 1日清戦争とその前後/2戦後経営/3日露戦争 第六章 森鴎外と夏目漱石――近代的知性の面目 1森鴎外(その一)/2森鴎外(その二)/3夏目漱石(その一)/4夏目漱石(その二) 第七章 韓国併合と大逆事件 1韓国併合/2大逆事件 第八章 民俗への視線、民芸への視線――柳田国男と柳宗悦 1民俗学の創成/2民芸を慈しむ思想 第九章 言語表現への熱情 1斎藤茂吉/2萩原朔太郎3宮沢賢治――修羅の苛立ちと彷徨 第十章 絵における美の探究 1岸田劉生/2村上華岳
  • 〈精神病〉の発明 クレペリンの光と闇
    ビジネス・実用
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    1巻1,925円 (税込)
    臓器と違って目には見えない精神の疾患を、はじめて分類・体系化し、〈精神病〉を発明したエミール・クレペリン(1856-1926年)。無意識を発見したフロイトと偶然にも同じ年に生まれ、フロイトと並んで現代精神医学の基礎を築きながら、その名は忘却され、彼が築いた分類と体系だけが、所与であるかのように、世界中で広く使用される診断マニュアルの土台となっている。 冷酷非情である一方、純粋で情熱的な面もあわせ持つ複雑な人物の半生を辿り、葛藤と煩悶を繰り返して生み出された体系の功罪を描き出す。精神医学誕生秘史! 「汝が名は忘却の淵に沈めども その業績は永遠なり」――。クレペリンが眠るハイデルベルクの墓碑にはそう刻まれている。 心臓や肝臓などの内臓の疾患は、その器官の病変や症状から、病を特定し治療にあたることができる。しかし、どこでどのような異常が生じているのか目で見ることのできない精神の疾患は、何をもって同じ病、あるいは違う病であると診断し、治療にあたるのだろうか。 同じ症状を呈しているからと言って、同じ病とは限らず、まったく違う症状でも同じ病ということもありうる。そもそも分類自体が可能かどうかさえ疑問だった時代に、悩みながらもそれらを分類し、体系化した人物こそエミール・クレペリンにほかならない。その成果は今、日本はもちろん世界でも広く使用されているDSM‐5やICD‐10と呼ばれる精神疾患診断マニュアルの土台となった。目に見えない精神の病を分類・体系化することで、言わば「精神病」を発明したともいえる。 奇しくも無意識を発見したフロイト同年に生まれ、フロイトに匹敵する影響を残しながら、フロイトとは対照的に、皮肉にも墓碑銘のとおりその名が忘却されたクレペリン。その「発明」は葛藤と煩悶のうちになされ、晩年には、それまでとまったく違う方向を模索しさえしていた。 またドイツ留学中の斎藤茂吉を冷たくあしらい傷つけたクレペリンは、ユーモアを介さない陰鬱な人物として語られてきた一方、その自伝をひもとけば、少年のような純粋さと情熱も秘めている。 今や自明のもののように扱われている診断基準は、一体どのような人間がいかにして創り上げたものなのか。クレペリンの半生をたどりつつ描かれる、知られざる精神医学誕生の歴史。 【本書の内容】 はじめに――なぜ、いま、クレペリンを問うのか 序 第1章 誕生と助走(一八五六―九一年) 第2章 創造と危機(一八九一―一九一五年) 第3章 静かなる浸透(一九一五―二六年) 第4章 〈精神医学〉制作あるいは〈精神病〉発明の途上にて(一九二六―八〇年) おわりに
  • カイエ・ソバージュ[完全版] 人類最古の哲学 熊から王へ 愛と経済のロゴス 神の発明 対称性人類学
    21世紀の「第三次形而上学革命」を迎えるにあたり、旧石器人類の思考、国家の誕生、貨幣の発生、神の創造と一神教の成立まで、「超越的なもの」について、人類が考え得た全領域を踏破することをめざした伝説の講義録が、愛蔵版として装いも新たに登場! ※『カイエ・ソバージュ(合本版)』と同一の内容です。 第一部では、「神話」とは、人類が最初の考え出した、最古の哲学です。今日の「哲学」は、神話が切り開いた領土で、自然児の大胆さを失った慎重な足取りで進められた後追いの試みでしかないのではないかと思われるほど、神話には根源的な問いに対する人類の果敢な試みが保存されています。 第二部では、「国家=野蛮なるもの」はいかに誕生したか? 熊をカミとする狩猟民たちの「対称性の思考」とは? 「哲学」と「権力」が共存する冬の祭りの秘密とは? 王を戴く国家が「無法の野蛮」と結びつく根源へと遡行して、国家というものが持つ、本質的な問題に迫ります。 第三部では、 本当の豊かさとは? 資本増殖の秘密とは?貨幣と魔術。愛と資本主義の不思議な関係を探る。全体性の運動としての経済と精神の構造は同一だろう。資本主義の彼方に出現する「未知の贈与論」を探究し、 モース、マルクス、ラカンを超えて、21世紀の贈与論へ! 第四部では、「宗教的思考」の3万年を語りつくします。内部視覚、瞑想、夢の時間(ドリーム・タイム)……「宗教的思考」の根源、そして精霊(スピリット)が超越を生む飛躍を探ります。さらに、高神から唯一神への道のりとは? <精神の考古学>が、神々の基本構造をあざやかに解き明かします。 【目次概要】 はじめに カイエ・ソバージュCahier Sauvage)について 第一部 人類最古の哲学 第二部 熊から王へ 第三部 愛と経済のロゴス 第四部 神の発明 第五部 対称性人類学 第五部では、神話、国家、経済、宗教を旅してきた私たちは、新たな知の営み「対称性人類学」へと向かいます。「圧倒的な非対称」が支配する世界の根源を問う冒険が、ここに堂々完結します。抑圧された無意識の「自然」は甦るのか?「対称性の論理」が切り開く新たな世界とは? 野生の思考としての仏教を媒介に、来たるべき形而上学革命への展望は私たちの未来をを示しています。
  • 異国の夢二
    竹久夢二(1884-1934年)は、「夢二式美人」と呼ばれる美人画で今日も人気が高い。『夢二画集 春の巻』(1909年)がベストセラーとなって一躍その名を知られ、「大正ロマン」を象徴する存在となった夢二は、その他にも児童向け雑誌や詩文の挿絵を描き、書籍の装丁、広告をはじめとするグラフィックデザイン、雑貨や服飾のデザインを手がけ、「民衆芸術」と「産業美術」に数々の功績を残した。さらには詩や童話といった文筆活動も積極的に行い、詩「宵待草」(1918年)は曲を付されて大衆歌として日本全国に及ぶヒットとなる。 その夢二が晩年になって「外遊」を行ったことは、あまり知られていない。1931年5月に出国し、アメリカ西海岸に到着した夢二は、慣れない異国に戸惑いながらも翌1932年9月にはヨーロッパに渡り、ドイツ、チェコ、オーストリア、フランス、スイスといった国をまわった。折しも、ナチスが政権を獲得した翌1933年のベルリンを体験した夢二は、同年9月に帰国したあと、10月には台湾に向かう。翌月帰国するが体調をくずし、長野県の八ケ岳山麓にある富士見高原療養所で療養したものの、翌1934年9月1日に死去する。 みずからの死期を知っていたかのように最晩年になって集中的に敢行された外遊に、夢二は何を求め、実際に何を見たのか? そして、49歳の早すぎる死を迎えなかったとしたら、外遊から得たものをいかなる形で日本に活かそうとしたのか?――今も愛される画家が生涯最後に残した謎は、稀代の思想史家である著者のライフワークとなった。病魔に冒され、苦しい日々を送る中で全精力を費やした原稿は、完成稿に近い姿でわれわれのもとに残された。この遺稿を著者の二人の高弟による精緻な調査・編集を経て、ようやく1冊の書物としてお届けする。多数の図版とともに甦る、晩年の夢二が描いた軌跡。 [本書の内容] はじめに 第一章 外遊に至る道  1 誕生から上京まで  2 キリスト教と社会主義  3 『夢二画集』の成功  4 関東大震災 第二章 アメリカ合衆国の世界  1 多様なハワイ  2 地震と恐慌のサンフランシスコ  3 別荘地帯ポイント・ロボス  4 恐慌下のロスアンゼルス  5 アメリカ滞在をめぐって 第三章 あこがれのヨーロッパ  1 ヨーロッパ上陸  2 芸術の都パリ  3 織物と戦争のジュネーヴ  4 ベルリンとヒトラー 第四章 最後の旅・台湾  1 日本最初の植民地  2 昇る武二と沈む夢二  3 帰国、そして夢二の死 夢二の「異国」──まとめにかえて 文献一覧 エッセイ(廣田真智子) 解 題(高木博志・長志珠絵)
  • 非有機的生
    ビジネス・実用
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    1巻2,420円 (税込)
    「非有機的生」とは何か? 言うまでもなく、人間も含めた生物は有機体であり、その本質は「有機性」にある。しかし、人間がすべて有機性によって説明されるのかといえば、決してそんなことはない。 例えば、自然の中には有機性をそなえた生物もいれば、有機性をもたない鉱物もある。しかし、人間が自然の中にあるものを加工し、改変を加えてみずからの有機的生のために利用するとき、それらの対象は総体として非有機的な「自然」として捉えられている。その結果、その「自然」の一部である人間もまた非有機的なものとして捉え返され、政治はそのような対象としての人間を操作し、駆動していくだろう。ここにあるのは「生政治」と呼ばれる問題にほかならない。 このように単純な二項対立としては捉えられない有機性と非有機性は、技術や政治のみならず、思想や文学、芸術など、どこにでも見出される。目次を見れば明らかなように、本書をなす各章で扱われる対象は実に多様である。そこには、西洋/東洋、精神/身体、概念/図像、制作/生成、樹木/リゾーム、自我/魂、戦争(war)/闘争(combat)、権力/力、超越性/内在性、二元論/一元論、物質/理念、実体化/非実体化といった幾多の二項対立が広がっているが、それらはすべて有機的生/非有機的生という二項対立と交錯し、重なり、ずれながら、一つの巨大な問題系を照らし出していく。 これまで身体、知覚、イメージといった問題を中心にして哲学や思想を、歴史や政治を、そして文学や芸術を多彩に、細やかに、そして大胆に論じてきた著者は、みずからの思索の全体を「非有機的生」という言葉を携えて俯瞰し、整理し、編み直してみせる。本書は、長年にわたる執筆活動を経てきた著者の集大成にほかならない。 [本書の内容] 見取り図──なぜ非有機性か 序 章 (非)有機性についての混乱を招きかねない註釈 第I部 総 論 第一章 東洋、生成、図像 第二章 芸術と器官なき身体 第三章 人間あるいはシンギュラリティ 第II部 各 論 第一章 倒錯者のエチカ 第二章 ブランショの革命 第三章 知覚、イメージ、砂漠――仮説的断章 第四章 顔と映画 第五章 映画の彼方、イメージ空間 第六章 時間の〈外〉とタナトス 第七章 反〈生政治学〉的考察 第八章 知覚されえないが、知覚されるしかないもの 終 章 問いの間隙と分岐
  • 失格でもいいじゃないの 太宰治の罪と愛
    ビジネス・実用
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    1巻1,815円 (税込)
    「生まれて、すいません」「待つ身が辛いかね、待たせる身が辛いかね」「恥の多い生涯を送ってきました」 いくつかの盗作があり、薬物中毒者でもあり、心中事件を繰り返し、最後は妻子を残して愛人と38歳で入水心中を遂げた作家は、今なお多くの読者を惹きつけています。 三島由紀夫に毛嫌いされて、檀一雄を激怒させたが、それでも無視できない魅力を感じていました。 太宰は、ダメな人間であり、ダメな作家であったからこそ、その輝きが永続するのだと、著者は言います。また、現代だからこそ、読まれるべき作家なのだとも。 太宰の作品が持っている、弱者に寄り添う独特な視線、未来志向とはほど遠い、退嬰的なあり方、自堕落なあり方は、私たちが弱々しく生きる自由があり、弱々しくしか生きられない私たちに寄り添う力があるのです。 弱い立場にあった(今なおある)「女」という存在を太宰はどう表現しているのかを、女言葉を使った作品の解読から読み解く「第一章 言語的異装趣味 「女」は文学に何をもたらしたのか」。 戦前・戦後を挟んで、人間でなかった天皇は、「人間」となりました。第一章の議論を受けて、多くの周りの人々を喪失した経験を生き残り(サバイバー)として、生きながらえる時の罪悪感(ギルト)をどう捉えるのかという視点から、作品を読み解く「第二章 人間失格と人間宣言 二人のサバイバース・ギルト」。 そして、「第三章 治りたがらない病人 太宰と三島」では、第二章の議論を受けて、二人の対照的な作家のあり方から、戦後日本における、生き方の困難への立ち向かい方を読み解いていきます。 作家太宰治の魅力を根本から問いなおす一冊です。 【目次より】 序 章 ふたつの失格 第一章 言語的異性装趣味 女生徒の見た世界 第二章 人間失格と人間宣言 太宰治と天皇 第三章 戦後作家のサバイバル 太宰と三島 終 章 私的太宰治論あるいはすこし長いあとがき ほんとうのおわりに 註 主要参考文献 初出一覧
  • パルメニデス 錯乱の女神の頭上を越えて
    ビジネス・実用
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    1巻2,255円 (税込)
    「あるはある あらぬはあらぬ」――遺された断片を読み解き、哲学史上最大の謎に迫る、大家による哲学ミステリー! 紀元前五世紀前半に活躍したパルメニデスの詩的断片をめぐって後世になされた数多の解釈は、どれも道を踏み誤っている。遺されたテクストを丹念に読み直し、「あるもの」をめぐるすべての論証を「帰謬論法」として捉えてみれば、「あらぬものはあらぬ」と、否定に否定を重ねる道の彼方で、「あるもの」の本性に肉迫することができるだろう――。最新の考古学的発見をも参照しつつ、政治家・立法者でもあった哲学者の全貌を復元せんとする独創的な試みは、やがて誰も予想しなかった意外な結末へと辿り着く。古代哲学最大の難問を解き明かす、著者畢生の書! [目次] プロロゴス 第一章 海上を放浪する国 第二章 序歌 第三章 真理の道 第四章 思惑の道 第五章 二つのヘーローオン エピロゴス パルメニデス断片テクストならびに翻訳 注 参考文献 事項索引 人名索引
  • 極限の思想 ラカン 主体の精神分析的理論
    大澤真幸・熊野純彦責任編集「極限の思想」第6回配本。 精神分析家ラカンは人間をどのように捉えたのか。フロイトの「無意識」「事後性」など諸概念の可能性を掬い上げ、アリストテレスの原因論を足掛かりとして、新たに練り上げられる独創的な概念。 〈他者〉=シニフィアンの導入はいかに「主体」を原因づけるのか。またそこに構造的に内在する「欠如」はどのように「主体」に責任を引き受けるよう迫るのか。 原因と因果性をめぐる思考の果てに到達する、象徴界に穿たれた現実界への開口部とは? 【目 次】 序 章 精神分析家ラカンの軌跡 第1部 アリストテレスにおける「原因」  第一章 四つの原因  第二章 アウトマトンとテュケー  第三章 質料と偶然 第2部 ラカンにおける原因と対象  第一章シニフィアン因果性の三平面  第二章ラカンにおけるテュケー  第三章 原因としての真理、対象の機能
  • ブッディスト・セオロジー 全五冊合本版
    ビジネス・実用
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    1巻7,205円 (税込)
    諸宗教の多元的共存は可能か? 「仏教の神学」に挑む連続講義! ※以下全5巻の合本版です。 1『聖なるもの 俗なるもの』 宗教という営みは何を目標としているのか? キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、そして仏教。異なる世界を出発点としながらも、その上に伝達可能で整合的な知の体系を構築することは、神学的方法論によって可能になる。「聖なるもの」を問う、仏教学第一人者の野心的な講義がはじまる! 2『マンダラという世界』 聖書、インド思想、近代哲学、そして仏教。明快に語りおろす「世界」の本質。いま、社会の急激な変化に対して、仏教のうたう「普遍的な悟り」は有効なのか? 死すべき自分が「他者」の存在を理解できるのか? 各宗教の「世界」把握の方法論をたどり、現代日本に求められる世界観の体系を解明する。 3『仏とは何か』 あらゆる宗教の根源存在である「聖なるもの」は、仏教においてどのような姿でイメージされたのか。儀礼をキーワードに、仏・菩薩と人間との関わりかたの具体的なプロセスを通じて、いよいよ仏の本質へと迫る。 4『空の実践』 仏教の中核思想「空」とは何か。自己否定とそれを通してのよみがえりという「空」の実践のプロセスから、実践行為としての仏教の本質を考究する、碩学渾身の思考。 5『ヨーガと浄土』 仏教を構造的に分析し、宗教の普遍的本質にせまる画期的シリーズ最終巻。縁起・空・マンダラなど仏教の伝統的概念を更新し、混沌の21世紀にこそ必須の思想として再生をはかる。碩学畢生の「セオロジー」がついにここに完結する。
  • 第三の精神医学 人間学が癒やす身体・魂・霊
    ビジネス・実用
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    1巻1,705円 (税込)
    本書の表題に掲げられた「第三の精神医学」とは、いったいどのようなものなのか、と思われることでしょう。それは、長年にわたって第一級の精神科医として臨床経験を重ねてきた著者が、われわれに向けて投げかける重要な提案です。 著者は言います。「10年、20年と診療を続けるうちに、さまざまな年齢の患者さんたちが、教科書に記されているような症状の背後に、若いころから同じ悩みを引きずっていることに気づき、私はこれこそが精神病の本質であるとの確信を抱くようになった」。では、その「精神病の本質」とは何でしょうか。それは動物実験や脳の分析では決して明らかにならない「人間本来の価値」であり、「生きる意味」そのものだ、というのが答えです。 当たり前のことに聞こえるかもしれません。しかし、18世紀後半に開始された近代的な精神医学の歴史を振り返るなら、その当たり前のこと到達できずにいた現実が分かります。本書は、フランスのフィリップ・ピネル(1745-1826年)に始まる歴史をていねいにひもときながら、1) エミール・クレペリン(1856-1926年)によって確立された、脳を観察する神経組織病理学と疾病分類学に基づく身体・自然科学的な精神医学、2) ジークムント・フロイト(1856-1939年)に代表される、個人心理学としての心理・精神分析的な精神医学、という二つの大潮流を跡づけていきます。その上で、これらのいずれにも与しなかったカール・ヤスパース(1883-1969年)に「第三の道」を見出し、その可能性を最大限に引き出そうと試みるのです。 第三の精神医学では、人間は「身体」、「魂」、「霊」という三つの層が折り重なった存在として捉えられます。本書は、それぞれの層を分かりやすく解説するとともに、それぞれの層に生じた障害への対処法をも紹介します。その結果、「心の病気」の「治療」とはいったい何をすることなのかが本当の意味で明らかになるでしょう。 多くの人が心の問題に悩まされ、苦しんでいる今日、本書はささやかな、しかし力強い希望の光を放っています。 [本書の内容] 序 章 精神医学と世俗化 第一章 宗教的存在としての人間 第二章 人間の精神構造 第三章 愛の秩序 第四章 心の病気とは何か 第五章 心の病気の治療 終 章 エマオへの道
  • 夢と虹の存在論 身体・時間・現実を生きる
    ビジネス・実用
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    1巻2,200円 (税込)
    『なぜ世界は存在しないのか』でその名を轟かせたマルクス・ガブリエルをはじめ、「哲学」が注目を浴びることが多くなっています。出版界を眺めれば、古典や現代哲学の日本語訳、初心者向けの入門書、専門家の研究書などなど、幾多の書籍であふれかえり、何を手にすればいいのか、本当に「哲学する」ことを教えてくれるのはどの本なのか、すぐには分からないのが現状だと言わざるをえません。本書は、実力者として知られる著者が、入門書から一歩でも二歩でも先に進み、自分自身で「哲学する」ことを求める人に向けて、そのために役立つモデルを提供するものです。 哲学を始めるには、まず過去のさまざまな哲学者たちの議論を知ろうとすることでしょう。そのための入門書や解説書はたくさんありますが、そこで展開される思考が、今ここで生きている自分と、あるいは自分が生きているこの現実と、どのように切り結ぶものなのかは、誰も教えてくれません。本書でも、デカルト、スピノザ、ライプニッツといった17世紀に生きた哲学者たちを取り上げますが、目的は彼らの思想を手軽に知ることではなく、それを自分の問いにするとはどういうことのなのかを示すことにあります。 本書が表題に掲げる「夢」と「虹」は、いずれも、存在しているのか、存在していないのかを明確には言うことのできない、曖昧なものです。「夢」については、第I章で取り上げられる『千一夜物語』の「目覚めて眠る男」が恰好の題材になります。それは、バグダードを舞台にして、ハサンという男がカリフ(イスラームの最高指導者)のアル・ラシードに騙される物語です。酩酊から醒めたとき、ハサンはカリフとして丁重な扱いを受けます。これはアル・ラシードが悪戯で命令したからなのですが、はじめは困惑していたハサンも徐々にその気になり、自分は本当にカリフなのだと思うようになるのです――さて、ハサンが体験したのは「現実」なのでしょうか、それとも「夢」なのでしょうか。ここには、まさに「哲学する」ための最高の問いがあります。 本書は、このように「夢」と「虹」という題材から始め、さらには「身体」と「時間」という私たちとは切っても切れないものに進んで、最終的には「存在」を取り上げ、マルクス・ガブリエルの議論と対決します。各章の末尾には、みなさんが「哲学する」ための練習問題を設けることで、さらなる一歩にいざなってくれるでしょう。中には難しいところもあるかもしれません。でも、本書を手ががかりにして根気よく思考していったとき、そこには見たこともない光景が広がっていることでしょう。 [本書の内容] 第I章 夢――デカルトとライプニッツから始める 第II章 虹――現象と幻想の存在論的距離 第III章 私の身体――因果と表象の二重性 第IV章 時 間 第V章 現実の存在論
  • 日本近現代建築の歴史 明治維新から現代まで
    ビジネス・実用
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    1巻2,420円 (税込)
    本書は、明治維新から現在に至る日本の建築史を一筆書きで描き出す試みである。日本の建築史については、これまで幾多の著作が書かれてきたが、1970年までで終わるものがほとんどで、その後の時代を包含するものはない。バブル経済に沸き立った1980年代を経て、長い不景気の時代を迎えた日本は大きな変化を受けている。ならば、21世紀の今、本当に必要なのは、この150年の歴史を通覧することにほかならない。 本書は全二部で構成される。第一部では、従来の建築史が扱ってきた明治維新から1970年代までの時期を取り上げる。そこでは、「国家のための建築」という特殊な役割を負わされる中で、明治期に導入された西洋の建築様式との格闘を続けながら、大正期、戦時期、そして戦後の復興から高度経済成長期までの激動の歴史が描き出される。続く第二部は、その「国家のための建築」という役割から解放された建築が、いかに拡散し、現在見られるような複雑な様相を呈するに至ったのかを見る。 自宅にいても、街に出ても、常に私たちは建築に囲まれている。にもかかわらず、建築について、その歴史について、手軽に基本的な知識を得られる書籍がない、というのは不思議なことである。本書は、そんな状況に終止符を打つべく、専門的な知識を必要とせず、ただ歴史的な建築物を羅列するのではなく、それぞれの時代に何が求められ、何が考えられたのか、その背景には何があったのかを明快に描くことを主眼としている。 本書を読めば、日本の建築について知悉できるばかりか、建築とは何か、そして建築物とともに生きるとはどういうことなのか、という重要な問題について明確なイメージをもつことができるだろう。 建築家として活躍するだけでなく、建築批評でも定評ある地位を確立してきた著者が手がけた壮大なドラマ、ついに完成。 [本書の内容] 第一部 国家的段階 第一章 明治維新と体系的な西洋式建築の導入/第二章 非体系的な西洋式建築導入/第三章 国家と建築家/第四章 明治期における西洋式建築受容の到達点/第五章 直訳的受容から日本固有の建築へ/第六章 近代化の進行と下からの近代化の立ち上がり/第七章 近代建築の受容と建築家の指向の分岐/第八章 総動員体制とテクノクラシー/第九章 戦災復興と近代建築の隆盛/第一〇章 建築生産の産業化と建築家のマイノリティ化/第一一章 国家的段階の終わり 第二部 ポスト国家的段階 第一章 ポスト国家的段階の初期設定/第二章 発散的な多様化と分断の露呈/第三章 新世代の建築家のリアリティと磯崎新/第四章 定着した分断とそれをまたぐもの/第五章 バブルの時代/第六章 一九九◯年代以降の展開と日本人建築家の国際的な活躍/第七章 ポスト国家的段階の中間決算
  • 黄禍論 百年の系譜
    ビジネス・実用
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    1巻1,760円 (税込)
    アメリカが取り憑かれ続けてきた強迫観念―「アジア人が攻めてくる!」 中国が日本と結び、西洋世界へと牙を剥く。驚異的な人口のパワーに、欧米は飲み込まれてしまう…… こうした「黄色い禍」という強迫的観念は、日露戦争で日本がロシアに勝利したことをきっかけに生まれた。 そしてこの「人種主義的思考」は、西海岸に多くの日系移民が押し寄せたアメリカにおいてはとりわけ強く刻まれ、形を変えながら現在に至るまで、社会・政治のなかに脈々と息づき続けている。 「我々は白人種と交わることのない人々から同質な人々を作り出すことはできない」 ―ウィルソン(第28代米大統領・国際連盟提唱者)が署名したアジア人移民排斥を訴える文書 「黒人はアフリカに、黄色人はアジアに、そして白人はヨーロッパとアメリカにいるべきだと強く思うんだ」 ―トルーマン(第33代米大統領)が妻に送ったラブレター コロナ禍によって黄禍論的思考はいまだ欧米社会に根を張っていることが明らかとなり、アメリカでは人種をめぐる対立がいまもってなお深刻であることが露となったいま、トランプ大統領を生み出したアメリカ社会に100年以上根づく「人種主義的思考」の歴史をひもとかなければならない。 【本書の内容】 東洋人の群れ ―「日中同盟」の悪夢 幻の「人種平等」 ―国際連盟設立と人種差別撤廃案、そして排日移民法 汎アジア主義の勃興と破綻 戦争と人種主義 消えない恐怖 ―冷戦下の日米関係 よみがえる黄禍論
  • ドゥルーズとガタリの『哲学とは何か』を精読する 〈内在〉の哲学試論
    ビジネス・実用
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    1巻3,135円 (税込)
    ドゥルーズとガタリによる最後の共著『哲学とは何か』。難解をもって知られるこの著作をどう読んだらいいのか。 読解のため、本書では大きく三部で構成される。 第一部では、ドゥルーズとガタリの〈内在〉概念とはどのようなものかを明らかにする。単に内在と超越という二項対立ではなく、彼らが「内在野」と名指ししたものは何だったのか。スピノザ、ベルクソンなども参照しつつ、その形成過程を明らかにしていく。 第二部では、哲学・科学・芸術の三つを同じ形式をもったものとして、あえて並列に描こうとしたドゥルーズとガタリの意図に分け入っていく。そこから「脳」と「カオス」が析出される次第は、まさに『哲学とは何か』を解読する重要な準備となる。 第三部では、いよいよ『哲学とは何か』をきわめて精密に読み解く。各章に概要、用語、読解の見出しを立て、まさに一字一句を読んでいく。その先に見えてくる〈内在〉の哲学とは?
  • 贈与の系譜学
    ビジネス・実用
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    1巻1,760円 (税込)
    何かを贈ること、プレゼントすることは、日常誰もが行っている。本書は、この「贈与」という行為に注目し、それがどこから生まれ、どのような機能をもってきたのかを探り、いかに人間の本質と結びついているのかを明らかにする。 贈与の起源を遡れば、それは〈宗教的なもの〉の発生と不可分だと考えられる。みずから働いて産み出した富――遊牧民や牧畜民なら羊など、定住農耕民なら小麦や葡萄などを「犠牲(サクリファイス)」として神々や精霊に捧げること。そこには祝祭の空間が生まれ、やがてそれは共同体を支える制度となった。これは現在も「祭り」として目にすることができる。 一方で、贈与は他の人に何かをプレゼントすることとしても現れる。歴史を振り返ると、その源には窮境にある人に自分の富や財産を贈る行為がある。これは今も「寄付」などの行為に見られるものであり、美徳とみなされることが多い。 このように、太古の昔から現代に至るまで、人間は贈与という行為に価値を見出してきた。では、なぜ贈与には価値があるのかといえば、自分にとって大事なものを手放して与える行為だからである。ところが、誰にとっても最も大事なものとは何かといえば、自分に固有のもの、自分の唯一のものだが、それは手放してしまえば自分が自分でなくなるものであり、つまりは原理的に贈与できないものだと言わざるをえない。これを逆から見れば、贈与できるものとは「交換可能なもの」であることになる。それゆえ、いかなる贈与も時間が経つうちに「見返り」を暗に要請するものとなり、「交換」になってしまう。 だとすれば、純粋な贈与とは不可能なのか。不可能だとすれば、そもそも贈与という行為の価値そのものが揺らいでしまうのではないか――。 本書は、数々の定評ある著作をものしてきた著者が長年にわたって取り組んできたテーマを正面から取り上げた、「集大成」と呼ぶべき渾身の論考である。今失われつつある「思考すること」の真の姿が、ここにある。 [本書の内容] 第I章 古代思想における〈正しさ〉 第II章 初期キリスト教における〈正しさ〉 1 神との内的関係を重く見ること 2 カントの実践哲学 3 キリスト教に対するニーチェの評価と批判 第III章 原初の社会における贈与的ふるまい 1 〈贈与というかたちを取る〉物の交流・交易 2 贈与的なふるまいの両義性 3 贈与的次元を含む運動、それを打ち消す動き(再-自己所有) 第IV章 贈与をめぐる思索 1 贈与的ふるまい 2 贈与、サクリファイスと模擬性=反復性 3 苦難の時そのものが新たに、未知なるものとして生き変わること 4 不可能なものという試練
  • ストリートの美術 トゥオンブリからバンクシーまで
    ストリート・アートとはなにか? 美術品となったサイ・トゥオンブリから、路上に名前を書き、消され、書き換え、書き換えられる街中のエアロゾル・ライティングへ、そして高値で取引される匿名作家バンクシーの作品まで。都市・美術・ストリートという三つの切り口から、さまざまな作家・作品を参照しながら、ストリートの本質と、その面白さについて語る。バンクシー展をより楽しむために!
  • 維摩経の世界 大乗なる仏教の根源へ
    ビジネス・実用
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    1巻2,090円 (税込)
    紀元1~2世紀頃、インドで興起した大乗仏教。それまでの教理を批判し、自利よりも利他行を強調する考え方は広く中国・日本にも及ぶ教えとなった。同時代にその教理は「法華経」「涅槃経」「華厳経」などの経典にまとめられたが、日本では「法華経」「勝鬘経」とともに「維摩経」の三経を仏教の根本として聖徳太子が注釈を加えている。本書の主題「維摩経」はやはり紀元1~2世紀頃の成立とされ、支謙(3世紀)、羅什(4~5世紀)、玄奘(7世紀)らが漢訳するなど、大乗経典のなかでも特に重要な経典であったが、もともとサンスクリット語で記された原典はこれまで存在が知られていなかった。それが2001年、大正大学の研究チームによってチベット・ポタラ宮の書庫でサンスクリット語写本が発見され一大ニュースとなった。その経典のなかで教えを説くのは、在家仏教者でありながら悟りを開いたとされるの「ヴィマラキールティ(維摩詰)」である。病を得た維摩のもとへ、世尊シャーキャムニの指示により訪ねてくる弟子・シャーリプトラ、マハーカーシュヤパや文殊菩薩たち。そこで繰り広げられる弟子や文殊たちと維摩との真理に関する問答。核心にあるのは「空」「煩悩即菩提」の思想であり、菩薩とはなにか、仏国土とはなにかという大問題が展開されるが、それぞれの場面は芝居仕立てによって読む者・聞く者を強く惹きつけていく。本書は、サンスクリット語原典写本からの和訳を引用しつつ、人びとに強烈なインパクトをもたらす大乗仏教の利他行思想を紹介する。
  • 叱られ、愛され、大相撲! 「国技」と「興行」の一〇〇年史
    ビジネス・実用
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    1巻1,870円 (税込)
    日本の伝統文化にして「国技」とされる大相撲は、一方で八百長疑惑や「横綱の品格」をめぐって、世間から叱られ続けている。この「叱られ体質」は、いつから、何に由来するのだろうか。大相撲100年の「叱られ、愛された歴史」を、「スー女」を自認する著者が丹念に掘り起こした意欲作。明治42年(1909年)、落成したばかりの相撲常設館、その名も「国技館」の「玉座」で、8歳の少年が相撲を観戦した。この少年――明治天皇の皇孫、のちの昭和天皇に愛されたことが、大相撲の黄金時代と深い苦悩の始まりだった。「国技」とは一体何か。「初っ切り」や「相撲甚句」「化粧まわし」は、「国技たる武道」の堕落ではないのか? 本書には、それぞれの「相撲道」を模索した人々が登場する。植民地台湾に力士100人を招いた任侠の親分。東京の相撲界に反旗を翻し、大阪で「角力」を興した異端児。「相撲体操」を考案し、台湾や満洲で相撲教育に邁進した熱血教師。勃興したスポーツジャーナリズムの中で、独自の相撲論を展開するインテリ力士。戦地慰問に疲労困憊しながら連勝記録を樹立した大横綱。そして1945年11月、焼け野原の東京、損壊甚だしい国技館に満場の観客を集めて、戦後初の本場所が開催される。「国技」と「興行」のジレンマに悩みながら、いつも愛され、そこにあった大相撲の近代史。
  • 昭和・平成精神史 「終わらない戦後」と「幸せな日本人」
    敗戦から70年以上が過ぎ、元号も2度あらたまって、いよいよ昭和も遠くなりつつある。「もはや「戦後」ではない」という宣言から数えてもすでに60年以上が経った。しかし、私たちが生きているのは、今なお「戦後」なのではないだろうか。毎年、戦後何年になるかを数え、ことあらば「戦後初」をうたう。私たちが生きている時間は、つねに「戦後」を起点とし、「戦後」に規定されている。これはいったいなにを意味しているのだろうか。令和の時代を迎えても加速する一方の「息苦しさ」、「生きづらさ」は、実はこの「終わりなき戦後」の終わらなさにこそ原因があるのではないか――。 本書は、「戦後」という幸福な悪夢の外側に、どうにかして越え出るために、昭和・平成を貫く時代精神の真の姿を映し出す試みである。 太宰治の絶望、ゴジラに仮託された不安、力道山が体現した矛盾、さらにオウム真理教という破綻と癒えることのない東日本大震災の傷。戦後日本社会の精神史は、東京オリンピックや大阪万博、インターネットの普及など華やかな出来事や物質的豊かさの影で、それを支えるためにそこから排除されてきた人々の嘆きと悲しみの声に満ちている。その声に耳を傾け、「息苦しさ」と「生きづらさ」の根源から目を逸らさず、その姿を受けとめること。「戦後」を終わらせるため、声高になることなく、著者は静かに繰り返し私たちに語りかける。 うわべだけの「幸せな日本人」を脱ぎ捨て、敗戦から日本社会が抱えこんできた絶望を直視したときにはじめて、希望もまた輝きはじめる。「終わりなき戦後」から、かけがえのない一歩を踏み出すのための、時代に捧げる鎮魂歌。
  • 日本語の焦点 日本語「標準形」の歴史 話し言葉・書き言葉・表記
    「スタンダード」とは本来は標準語のことである。しかし、「標準語」というと、たいていは、明治以降の「標準語」を思い浮かべるだろう。現在、アナウンサーがしゃべっている言葉、東京山の手の言葉などと言われるあの言葉だ。ところが、本書では、江戸期以来、一貫して「話し言葉の標準形態」つまり「標準語」があったと考えている。これを、一般にイメージされる「標準語」と区別して「標準形(スタンダード)」と呼ぼう。書き言葉にも、標準形があった。これも、歴史をたどれば、室町時代までさかのぼる。書き言葉を書く際の表記にも、標準形はあった。これも、明治維新と供に成立したものではない。いわゆる、仮名遣いの問題である。時折言われるように、歴史的仮名遣いは正しいのだろうか。いや、江戸期には、もっと多様で柔軟な表記を許すスタンダードがあった。このようにして、「スタンダード」と言うことを軸として、本書は話し言葉、書き言葉、仮名遣いの歴史に分け入っていく。豊饒な言葉の世界を堪能してください。
  • インフラグラム 映像文明の新世紀
    映像は現代社会の生活基盤(インフラ)である。これを「インフラグラム」と呼ぼう。通信は5G時代に突入し、軍事からコミュニケーションまで、インフラグラムはますます、情報社会の根幹をなしている。すべてが可視化されているようなこの映像文明において、わたしたちは何を見て、何に見つめられ、何を見ていないのか――?5G時代の映像論を、眼差しの歴史として考える。*写真の誕生から180年。「光による描画」の技術は、スマートフォンから人工衛星、地図、医療、娯楽から政治、軍事、戦争まで、情報社会を動かすインフラとなった。視線は労働し、〈わたし〉はデータ上に増殖している。こうして映像は、監視社会を強化するいっぽうで、他者が生きた時間を再起させる記憶の装置でもある。わたしたちの現在を、生と死を、そして自由とは何かを考える、〈眼差しの歴史〉。〈目次〉01 神経エコノミーの誕生02 インフラグラムの時代03 軍事の映像人類学04 空の眼05 記憶の身体
  • 事故の哲学 ソーシャル・アクシデントと技術倫理
    ビジネス・実用
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    1巻1,760円 (税込)
    ディープラーニングしたAIの判断の責任は、だれがとればよいのでしょうか?人工物が複雑化すればするほど、事故の因果関係は不明瞭になります。被害は存在しても、加害者を特定できなくなります。また、小さな過失が、巨大事故を引き起こす可能性もますます大きくなっています。人工物が第二の自然になり、事故が第二の天災となる時代に、倫理はどうあるべきなのでしょうか。現在進行中の問題に深く切り込みます。
  • 胃弱・癇癪・夏目漱石 持病で読み解く文士の生涯
    人間嫌いの厭世病。人の心の深い闇を描いた夏目漱石は、多病持ちだった。疱瘡、眼病、強度の神経衰弱、糖尿病、結核への恐怖、胃潰瘍……。次々襲う病魔と、文豪はいかに闘ったのか。医師との付き合い方、その診療にミスはなかったのか。そして病は、彼の生み出した文学にどんな影響を与えたのかーー。ままならない人生に抗い、嫉妬し、怒り、書き続けた49年。その生涯を、「病」をキーワードに読み解く!
  • 創造の星 天才の人類史
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,980円 (税込)
    魔女狩りの嵐が吹き荒れる15世紀から、「魔術」と「科学」が分岐する17世紀、その結果として「非理性」が噴出を始める18世紀を経て、ベートーヴェンの《第九》で開始され、ヴァーグナーの《ニーベルングの指環》を生み出す19世紀、そして「非理性」を特異な形で先鋭化させたナチスを登場させた20世紀へ──。第一級の精神科医が放つ、500年間に及ぶヨーロッパ精神史!
  • 七十人訳ギリシア語聖書入門
    ビジネス・実用
    -
    1巻2,420円 (税込)
    ギリシアが強大な力を持っていたヘレニズム時代。アレクサンドリアの七十二人のユダヤ人たちが、ヘブライ語聖書をギリシア語に翻訳しはじめたという。この通称「七十人訳」が、こそ、現存する最古の体系的聖書であり、「イエス時代の聖書」である。七十人訳聖書とはなにか。なぜ生まれ、いかにしてキリスト教を変えたのか。『七十人訳ギリシア語聖書』の訳者が、長年の研究の成果をわかりやすく解説する。
  • 主権の二千年史
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,650円 (税込)
    なぜ民主主義は危機に陥ったのか? 「貨幣」と「権力」を軸にしたメカニズムを駆動する「主権」とは、いったい何なのか? 経済学とも政治学とも異なる視点で古代ギリシア以来の壮大な歴史をたどらなければ、もともと民主主義に刻み込まれていた問題を理解することも、真に有効な打開策を探ることも決してできない。第一級の社会学者だからこそなしえた大胆な試みと重要な提言。未来を切り拓くための必読の書がここに完成!
  • 禅 沈黙と饒舌の仏教史
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,925円 (税込)
    禅はどのように言葉と対峙してきたのか。仏教史から読み解く、「語り得ぬもの」の伝承。
  • 日本論 文字と言葉がつくった国
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,595円 (税込)
    「日本語」があって、それを漢字・ひらがな・カタカナで「書く」ということと、「日本語」はなく、あるのは漢字語とひらがな語とカタカナ語、この混合物を「日本語」と呼んでいる、と考えることの違い、この飛躍はなかなか難しい。世界にも希な漢字仮名交じり文という表記法を有し、その下で文化を発展させてきた日本人の意識構造を変えることはできるのか。少なくとも、日本人がいかなる存在であるかを認識することはできるはず。
  • 凱旋門と活人画の風俗史 儚きスペクタクルの力
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,980円 (税込)
    古代ローマに倣うように、ルネサンス宮廷に甦る仮設建築の凱旋門。それは入市式における君主の行列を迎える舞台、またメッセージを伝える大道具として機能し、さらに「生きた人間による絵画」の展示を加えて、大がかりな演劇的空間を作り出した。束の間の宮廷祝祭を彩った凱旋門と活人画は、その後、国民国家の記憶装置あるいは上流社会の娯楽としての道を歩みやがて明治日本にも伝来し独自の変容を遂げてゆく。
  • 浮世絵細見
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,980円 (税込)
    ◎大判、中判、間判、短冊……浮世絵のサイズはどう決まる?◎紙が貴重な時代の包紙……浮世絵を買ったらどう持ち帰る?◎役者絵と興行記録の違い……絵師は舞台を見て描いたのか?◎浮世絵師という仕事……収入、住まい、仕事の量とスピード◎贋作・剽窃・続編……江戸時代の認識はどう違う?――ほか、「そういえば知らない」浮世絵の謎を解き明かす!
  • 乱歩と正史 人はなぜ死の夢を見るのか
    我々の現代性の黎明期、日中戦争の前/日米戦争の後、江戸川乱歩と横溝正史――二人は探偵小説の夢を創造する。個人の日常生活を成立させるリアリズムの場に深い〈穴〉があき、あるいはリアリズムの〈場〉が〈死者〉の声に触れて崩れるとき、人間に関わる真実が独特の顔をして垣間見えることがある。だが、この真実を表象する手段は限られている。乱歩と正史はこの真実を寓喩――殺人とその不可能図形によって描き出す。
  • 忘れられた黒船 アメリカ北太平洋戦略と日本開国
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,980円 (税込)
    アメリカ海軍はペリーの他にもうひとつの艦隊を派遣していた。司令長官は海軍大尉ジョン・ロジャーズ。「ペリーとハリスのあいだ」の「ロジャーズ来航」は黙殺され、まさに「忘れられた黒船」といっていい。それはいったいなぜなのか? 本書は、これまでほとんど本格的に検証されることのなかった測量艦隊の、具体的な来日の経緯と国際環境について明らかにし、日本開国の事情をこれまでとは異なる観点で描きなおすことをめざす。
  • コンスタンツェ・モーツァルト 「悪妻」伝説の虚実
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,980円 (税込)
    音楽学者にして熱烈なモーツァルト崇拝者でもあったアルフレート・アインシュタイン(1880~1952)はモーツァルトの妻・コンスタンツェを、はっきりと「琥珀のなかの蠅」呼ばわりしました。ご馳走と見ればすぐさまそれにたかりにくる醜く、汚らわしく、うっとうしい存在。天才の妻として、なぜこれほどまでに、コンスタンツェは否定的なまなざしで受けとめられねばならなかったのか?
  • 俗語発掘記 消えたことば辞典
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,760円 (税込)
    メッチェン、モダンガール、ニコポン、人三化七、土曜夫人、ヤンエグ、アッシー君……消えて行った日本語=死語、そのなかでも一段品の落ちる単語=俗語ばかりを収録。辞典風に五十音順に並べ、さらに詳細な説明や派生を加えた。俗語研究の第一人者による、ひとつの近代日本史。
  • ニッポン エロ・グロ・ナンセンス 昭和モダン歌謡の光と影
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,980円 (税込)
    昭和の初め、世に言うエロ・グロ・ナンセンス時代に大量に作られ消費された、あきれるほどバカバカしいがゆえに魅惑的なエロ歌謡群は、いつしか忘却の底に沈みました。まさに日本歌謡史におけるミッシング・リンクといってよいでしょう。エロで生れてエロ育ち、私しゃ断然エロ娘……などと歌い上げたそれらを拾い上げ、つなぎあわせ、戦前の日本人が感じたエロを、その誕生から滅亡までたどってみる……。それが本書の目論見です。
  • 大東亜共栄圏 帝国日本の南方体験
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,980円 (税込)
    1940年8月1日、「大東亜共栄圏」という言葉が外務大臣・松岡洋右によって初めて公表された。新秩序構想を支えるスローガン「八紘一宇」はどのような思想的・歴史的背景から出てきたのか。やがて東南アジアを軍事占領し、対米開戦に至る日本の針路はこの構想で想定されていたのか。200万以上の日本人に「南方」での生活を強い、東南アジアの人々に日本と日本人を目撃させた「外交政策」を検証する。
  • 来たるべき内部観測 一人称の時間から生命の歴史へ
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,760円 (税込)
    「過去、現在、未来」から成り、前後関係を定めることができるような「時間」を、私たちも、そして科学者も疑っていない。しかし、私たちがすべてを経験するのは常に持続する「今」なのだとすれば、二つの時間をともに捉えなければならない。「内部観測」の発見者である著者が、自身の理論をバージョンアップするべく試みる大胆な挑戦。さまざまな科学の最前線を横断しながら展望される、前人未到の領域を目撃せよ!
  • 金太郎の母を探ねて 母子をめぐる日本のカタリ
    日本人なら誰でも知っている「金太郎」の母は誰だったのか? 奥山に住み、人を食らう恐しい鬼女「山姥」こそ金太郎の母だったことを出発点に、彼女の行方を求めて、古代から中世を旅していく。首を斬られ、肉体は朽ちているのに、わが乳飲み子のために乳房だけ残して乳を出す母の姿を御伽草子が描いているように、決して切っても切れない母と子の関係を探った果てに、「金太郎は日本人の祖である」という驚愕の事実と出会う。
  • 怪物的思考 近代思想の転覆者ディドロ
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,760円 (税込)
    「アウシュヴィッツ以後、詩を書くことは野蛮である」──そう記したアドルノが第二次大戦後に糾弾した「啓蒙」は、今や破綻している。実証主義と合理主義に基づく人間の理性は、自然を支配し、技術を統制できる。そう教えてきた「啓蒙」に抗して、啓蒙思想を代表するドニ・ディドロ(1713-84年)は「基準/逸脱」や「正常/異常」といった区別を無効にする「怪物的思考」を実践した。常識を覆すスリリングな思想史!
  • 小津安二郎の喜び
    小津映画の代名詞とも言える「ロー・ポジション」に据えられたキャメラは、悠久の静けさを帯びた〈永遠の現在〉を捉え続けた──『学生ロマンス 若き日』(昭和4年)から遺作『秋刀魚の味』(昭和37年)まで、現存する全37作品を一貫したまなざしの下で読み解いていく喜び。本書を読み終えたなら、その人は小津作品だけが達成しえた驚異の地平を目の前にするだろう。映画を愛するすべての者に贈る渾身の1冊!
  • ロシアあるいは対立の亡霊 「第二世界」のポストモダン
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,815円 (税込)
    1991年の崩壊以降、ロシアは歴史の表舞台から消えたが、今世紀その存在感を奇妙なかたちで取り戻した。ウクライナ危機では核兵器まで用意し、かつての冷戦構造を彷彿とさせた。本書では、一九六八年以後のロシア現代思想の歩みを渉猟し、「対立が終わった時代」の対立をめぐる想像力を追跡。ロシアのアイデンティティ構造(自らをつねに「xの他者」〔X=資本主義、権力……〕)を明らかにする。現代を読み解くための必読書。
  • 帝国議会 〈戦前民主主義〉の五七年
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,870円 (税込)
    第二次大戦以前に、アジアの非キリスト教国で憲法と議会制度の定着に成功したのは日本だけであり、その裏には、官民一体となった営々たる近代化の努力があった。現在の「常任委員会制」と対照的な「読会制」、選挙の制度と実態、政党の役割、代議士の生活、弁論術と放言・失言の数々…。人々が「議会」に理想を描き、「政治」に熱く心を寄せた時代。そして、戦時体制へと向かう帝国議会の限界と、戦後の国会誕生の過程を検証する。
  • 日独伊三国同盟の起源 イタリア・日本から見た枢軸外交
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,595円 (税込)
    融通無碍な「反共」イデオロギーから、友敵関係による対外政策を作り出す構造が生まれ、ついには、実質的意味を持たず、破壊的な結末へと至る「空虚なる同盟」が結ばれてしまった。日本とイタリアの外務省に注目することで、枢軸外交が機能不全と自己崩壊に帰着する、その過程と構造を生々しく浮き上がらせる、画期的研究! (講談社選書メチエ)
  • ことばと身体 「言語の手前」の人類学
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,705円 (税込)
    わたしが話す。あなたが自分の体にふれる。このとき、何が交されているのか? わたしたちが会話をしているとき、そこではことばだけが交わされているのではない。どんなに些細な、他愛のないおしゃべりであっても、自分の体にさわったり、身ぶりをしたり、ごく短い間があったり、ときには何かを演じたり、身体まるごとつかったコミュニケーションが繰りひろげられている。ブッシュマンの家族、日本の大学生、民俗芸能という多様な会話の現場を、徹底的にミクロに観察することで、コミュニケーションとは何か、社会とは何かという大いなる問いに挑む。現象学、社会システム理論、言語行為論などを参照しながら、徹底的に「身体」に根ざして考える"唯身論"人類学の試み。(講談社選書メチエ)
  • フーコーの系譜学 フランス哲学〈覇権〉の変遷
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,540円 (税込)
    危機の20世紀はフランスの〈知〉をいかに変えたか? 「ニヒリズム」に抗し、生命の躍動を歌うベルクソンと、意識の自由を掲げるサルトルを経て、「理性」と「権力」の実像を暴くフーコーへ。時代と格闘し、哲学を深化させた三巨匠を、鮮やかに読み解く意欲作。(講談社選書メチエ)
  • プラントハンター ヨーロッパの植物熱と日本
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,815円 (税込)
    19世紀イギリス。誰も知らない珍しい花や樹々を求め、国中が沸きたっていた。この要求に応えて世界をかけめぐるプラントハンターたち。ラン、チャ、ユリ……。エキゾチックなあこがれを満たすべく、彼らはジヤワ、中国、そしてニッポンをめざす。豊富な文献渉猟から植物をめぐる文化交流をあざやかに位置づけた力作。(講談社選書メチエ)
  • 終戦後史 1945-1955
    ビジネス・実用
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    1巻1,760円 (税込)
    敗戦、GHQによる占領、独立。農民・労働者・女性・子どもの地位向上と、復員・引揚者への冷淡なまなざしという社会的権力関係の逆転。戦勝国に対する敗戦国の屈折したナショナリズムと、大衆にまで浸透するアメリカ型消費文化。自由経済か統制経済か、保守一党優位体制か、政権交代を伴う二大政党制か――。いくつもの国家像を模索し、新しいかたちを選び取っていった転換期日本の歴史空間を再現する。(講談社選書メチエ)
  • 甦るリヴァイアサン
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,595円 (税込)
    近代政治という「怪物」の正体に迫る。現代世界は「万人の万人に対する闘争状態」か? 「国家権力」は「悪」なのか? 悪名高きホッブズのテーゼの真意を原典に即して解明し、アレント・ネオコン・ネグリ=ハートの思想と対峙させながら、近代政治哲学を切り開いた古典を「希望の書」として読み直す。(講談社選書メチエ)
  • 満州事変と政党政治 軍部と政党の激闘
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,595円 (税込)
    激闘86日。万策尽き政党政治は終焉した。従来考えられていた以上に堅固だった戦前政党政治が、なぜ軍部に打破されたのか。そこには陸軍革新派による綿密な国家改造・実権奪取構想があった。最後の政党政治内閣首班、若槻礼次郎の「弱腰」との評価を覆し、満州事変を画期とする内閣と軍部の暗闘が若槻内閣総辞職=軍の勝利に至る86日間を、綿密な史料分析に基づき活写する。(講談社選書メチエ)
  • ピラミッドへの道 古代エジプト文明の黎明
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,485円 (税込)
    ミイラのない石棺、用途不明の建築群、王のシンボルが示す政変の痕跡……「解けない謎」に迫る! いったいピラミッドとは何なのか。王墓なのか、そうでないのか。古代エジプト文明と、あの巨大な建築群はいかにして生まれたのか。メソポタミアや地中海世界、ナイル源流アフリカとのインタラクション、サハラ砂漠が緑のサヴァンナであった可能性、王のシンボル図像が物語る動乱と変革の痕跡、ミイラのない石棺、ピラミッド・コンプレックスの構造……大胆な構想と精緻な分析を武器に"文字以前(ヒエログリフ)"の歴史を描き出す! (講談社選書メチエ)
  • 義経の冒険 英雄と異界をめぐる物語の文化史
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,705円 (税込)
    「義経」の物語は、どのように生まれ、そして時代とともに変容していったか。大国主から鬼の国に至るまで、物語の基層を探る旅! 一篇の御伽草子『御曹子島渡』を手に携えて、英雄・義経の物語をめぐる旅が始まる──。『古事記』の大国主神話、吉備真備入唐譚、坂上田村麻呂と悪路王、鞍馬寺の毘沙門天信仰、陰陽道、蝦夷ヶ島などなど、古代から近世までを縦断する義経物語の遍歴を検証し、跡づける冒険的力作! (講談社選書メチエ)
  • 本草学者 平賀源内
    「我よりおとなしく人物臭き面な奴に、却て山師ハいくらも有」――。江戸中期の大人気学者平賀源内はその華やかな活躍とは裏腹に、自らを「貧家銭内(ヒンカゼニナイ)」と嘆きながら、罪人となり生涯を終えた。エレキテルや火浣布の製作、『物類品隲』執筆など本草学への熱い思いを体現しながら、「山師」と誹られた源内。誰もが知っていそうで実は知られることの少なかった、学者としての実像に迫り、再評価を試みる。(講談社選書メチエ)
  • テクノリテラシーとは何か 巨大事故を読む技術
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,705円 (税込)
    技術の失敗、社会の失敗に何を読み取るか。巨大事故から学び取ることは何なのか。原発、飛行機事故から頻発する医療ミス、銀行のシステムトラブルまで。従来の哲学、法制度では解決できない「人工物」をめぐる問題群。失敗の本質を解き明かし、〈ものづくりの知〉の姿を明らかにする1冊。(講談社選書メチエ)
  • 大日本帝国の生存戦略 同盟外交の欲望と打算
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,595円 (税込)
    清の侵攻を恐れる新興国・大日本帝国。基盤の脆弱なこの国が、いかにして列強の侵略を凌ぎ、さらに覇権国・英国と結んだのか。その同盟戦略はどう機能し、どう破綻したのか。日英同盟から三国同盟まで、戦争と外交にみる帝国の通史。(講談社選書メチエ)
  • 大英帝国の大事典作り
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,705円 (税込)
    ブリタニカ、OED、DNB。大辞書、大事典プロジェクトにとり組んだ巨人たちの物語! 『ブリタニカ百科事典』Encyclopaedia Britannica 『オックスフォード英語辞典』Oxford English Dictionary 『イギリス国民伝記辞典』Dictionary of National Biography……。18世紀後半から19世紀後半にかけて、イギリス人はこの3つの大辞書、大事典を編纂した。世界をリードする気概にあふれた当時のイギリス社会は、なぜ、このような大事業を敢行したのか。それらは、どのように利用され、効果を発揮したのか。近代の知のインフラを整備した人々と歴史を検証する。(講談社選書メチエ)
  • 「国語」入試の近現代史
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,485円 (税込)
    国語入試のなかでも、とりわけ「現代文」という科目は、読解力を問わねばならないため、つねに、客観性と公平性をどう実現するかという難問にさらされてきた。高等学校の共通試験に現代文が定着した大正期から、戦前期を経て、戦後民主主義、小林秀雄と天声人語のブーム、そして共通一次、マークシート化に至るまで、入試問題はどのように国民の言葉=国語を規定してきたのか。その歴史的な文脈を明らかにする力作。(講談社選書メチエ)
  • 会社のカミ・ホトケ 経営と宗教の人類学
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,485円 (税込)
    入社式、社葬に隠された意味とは? 日本的経営の秘密をさぐる。ビルの屋上に祠をかまえ、物故社員慰霊の法要を営む。日本の会社=社縁共同体はなぜ神仏をまつるのか? 入社式や社葬の知られざる意味とは? 経営人類学の観点から日本的経営の本質を解き明かす1冊。(講談社選書メチエ)
  • 合理的とはどういうことか 愚かさと弱さの哲学
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,485円 (税込)
    私たちは本当に"理性的存在"か? なぜ私たちは、不合理な行動をしたり、意志の弱さや愚かさを見せたりしてしまうのか。それらの行為は「理性」に反したものなのだろうか。この問いから、人間であるという、そのあり方の本質が見えてくる。進化の歴史から日常的な問題まで幅広いスケールで繰り広げる「合理的である」ことをめぐる思考の冒険! (講談社選書メチエ)
  • 銀座四百年 都市空間の歴史
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,595円 (税込)
    「銀座の空気」はこうして作られた。江戸の誕生から町人地としての発展、明治の煉瓦街建設からモダン都市成立、そして戦後の変容。魅力あふれる銀座という街の空気は、幾重にも重ねられた、都市の歴史が作り出したものだった。都市研究者が自身の足で街を歩きつくし、資料を丹念に読み込み、銀座の構造と進化の過程を鮮やかに描き出す。(講談社選書メチエ)
  • 来るべき精神分析のプログラム
    ビジネス・実用
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    1巻1,595円 (税込)
    フロイト=ラカンを超えてヴァージョン・アップ。「私」とはなにか。それはいかに作動し、「経験」を作り出し、自己を変容させるのか。「システム」をキーワードに、21世紀における新たな精神分析の構築を試みる。(講談社選書メチエ)
  • 抗争する人間(ホモ・ポレミクス)
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,595円 (税込)
    今村社会哲学の到達点! 暴力・闘争・排除を生む人間の本質に迫る。社会的人間が内包する暴力性とは何なのか? 排除・闘争を通じて構造化される秩序とは? 人間が持っている社会的欲望がどんな暴力現象となって現れどのように制御されるのかを解明し、そうした精神の構造に楔として打ち込まれる倫理の可能性を探る。(講談社選書メチエ)
  • 記憶の中のファシズム 「火の十字団」とフランス現代史
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,595円 (税込)
    第2次世界大戦前後のフランスで、反ファシズムの標的とされた1人の男がいた。「火の十字団」総裁、ラロック中佐。穏健な中道派志向でありながら、なぜファシズムの権化として集合的記憶に刻まれることになったのか? 現代も活発に続くファシズム論争に、新たな視座を供する画期的な書。(講談社選書メチエ)
  • 敦煌三大石窟 莫高窟・西千仏洞・楡林窟
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,815円 (税込)
    中国美術の至宝、敦煌『三所の禅窟』。シルクロードのかなたに千年をかけて描きつがれた仏教壁画。様々な仏像たち……。敦煌研究の第一人者が、窟の生成、図像の意味・芸術性を、新しい解釈を加えあますところなく描いた渾身の書! (講談社選書メチエ)
  • 女たちの平安宮廷 『栄花物語』によむ権力と性
    小説・文芸
    -
    1巻1,760円 (税込)
    本書は、平安時代の摂関政治がどのように権力を生み出していったか、そのしくみについて女たちの後宮世界からみていくものです。その恰好の例として『栄花物語』を取り上げます。作者は歴史的事実をあえて無視したり操作することで、女であること・生むこと・母となることの連なりに走る裂け目こそが、男たちの世界をつくってはやがて掘り崩し、そうした変化が新しい権力構造を生みだしていくことをはからずも明らかにするのです。(講談社選書メチエ)
  • ある豪農一家の近代 幕末・明治・大正を生きた杉田家
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,705円 (税込)
    幕末期、仁政イデオロギーのもと大庄屋として地域を指導していた仙十郎。彼はなぜ「万機公論」「四民平等」の新政府に期待し、そして失望したのか。自由民権運動に身を投じ、第一回衆議院選挙で国会議員となった定一を支えた杉田家の困窮。英学の修得に情熱を燃やし、新島襄・八重夫婦との交流を深めた鈴が体現する新しい女性像。従来の教科書的理解では、決してわからない日本の近代化の多面的な実相を描き出す。(講談社選書メチエ)
  • 分析哲学入門 全三冊合本版
    ビジネス・実用
    -
    1巻5,060円 (税込)
    英語圏では現代哲学の主流である分析哲学。「ある」「知っている」「心」「物」とはを問う(初級編)。「意味」「真理」「存在」をさらに考察(中級編)。「神の存在証明」と現代哲学の関係を解明する(上級編)。分析という「理屈」を武器に、そしてユーモアを隠し味に、哲学的思考へとあなたをいざなう。『分析哲学入門』『意味・真理・存在 分析哲学中級編』『神から可能世界へ 分析哲学上級編』の合本版が登場!
  • 原敬 外交と政治の理想(上下巻合本版)
    朝敵・南部藩に生まれ、新聞記者・外交官・企業経営者など多彩な顔を持ち、一貫して「公利」という概念を重視したポスト「元勲世代」の政治家・原敬の65年の生涯を描く。山県有朋・大隈重信らとの対決を経て、初の政党内閣を組閣、第一次世界大戦後の世界を見通して新たな日本政治の道筋をつけながら、東京駅で凶刃に斃れた「平民宰相」。この暗殺事件で失われた「昭和史の可能性」とは。著者渾身の本格的評伝。(講談社選書メチエ)
  • 本居宣長『古事記伝』を読む 全4冊合本版
    小説・文芸
    -
    1巻6,710円 (税込)
    本居宣長の歴史的な名著『古事記伝』。「古事記」を古典として再評価し、一字一句、詳細に読み解いた大著だが、そのあまりの大著ゆえに、これを読み通せる人は、ほとんど皆無である。本書は、現代の「古事記」研究の第一人者である著者が、『古事記伝』全44巻を、細部にわたり、懇切丁寧に解説した、画期的な労作。便利な合本版でどうぞ。
  • 緑の党 運動・思想・政党の歴史
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,705円 (税込)
    一九六〇年代末~七〇年代初頭、先進国で高揚した「新しい社会運動」。そこから出発した緑の党は、役割を変化させながら現在に至っている。ドイツをはじめとした諸外国のケースを検討しながら、運動・思想・体制(政権党)の三つの側面を分析する。私たちはどのような社会を望むのか。緑の党はその選択肢になりうるのか。いま改めて考え直す。(講談社選書メチエ)
  • 神から可能世界へ 分析哲学入門・上級編
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,760円 (税込)
    シリーズ第一巻『分析哲学入門』では、「ある」とか「知っている」とはどういうことか分析哲学的に考える面白さを紹介。第二弾「中級編」(『意味・真理・存在』)では、パットナムの双子地球など、有名な議論をたのしく解説。そしていよいよ今回の「上級編」は、題名も『神から可能世界へ』。「存在論的論証」と呼ばれる神の存在証明の議論を起点に、世界の現代哲学のホットなトピックである可能世界論へ。充実のシリーズ完結編。(講談社選書メチエ)
  • 魔女狩り 西欧の三つの近代化
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,705円 (税込)
    15世紀後半~18世紀後半、4万人以上の魔女が殺戮された。中世ではなく、近代黎明期に魔女狩りが大流行したのはなぜか? 「魔女狩りとは何か」という問いかけは、「ヨーロッパ近代とは何か」とイコールである。魔女狩りとヨーロッパ近代誕生の関係を新視点から解き明かす。視覚文化論、哲学、宗教学的な知見を盛り込み、魔女狩りの歴史研究を通したヨーロッパ近代化論、および人間存在と人間文化を探究した冒険的著作です。(講談社選書メチエ)
  • 文明と教養の〈政治〉 近代デモクラシー以前の政治思想
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,595円 (税込)
    宮廷社会や文明社会を舞台としたヨーロッパの初期近代では、19世紀以降とは異なる、人文主義的な政治が展開されていた。そこでは、マナーや教養、レトリック、シヴィリティが重要視された。しかしフランス革命と産業化の19世紀を迎えてのち、デモクラシーの浸透とともに、人文主義的な政治マナーは衰退してしまう。アダム・スミス、ベイコン、ヒューム、ハーバーマスなどの論考を参照し、実践知の政治学に光をあてる。(講談社選書メチエ)
  • 桃源郷 中国の楽園思想
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,595円 (税込)
    仙人になって不老長生を得たいという願い。世俗を離れ思うがままに暮らしたいという隠逸への憧れ。古代の理想郷=華胥氏の国――。中国最古の詩集『詩経』にあらわれた「楽土」から陶淵明の「桃花源記」まで、中国の精神文化を考えるうえで欠かせない「楽園」の思想を読み解く。
  • 時間の正体 デジャブ・因果論・量子論
    科学と哲学が直面する最大の難問に挑む! 「わたし」と不可分に結びついた「現在」を、科学はいかに論じられるか。量子力学や生命科学、脳科学による成果と課題を哲学的時間論と交差させる、興奮の一冊。(講談社選書メチエ)
  • 会計とは何か 進化する経営と企業統治
    ビジネス・実用
    -
    1巻1,485円 (税込)
    「時価会計」「国際会計基準」とはどのようなものか。活発化している企業買収で、会計はどのように機能しているのか。組織の意思決定、経営戦略に活用されている管理会計とは何か。コーポレート・ガバナンスを会計制度はどのように実現するのか。かつて、日本の高度成長の背景にあった会計制度の特徴とは――。アカウンタビリティということのエッセンスを、専門知識なしでまるごと理解できる、すべての社会人必読の書。(講談社選書メチエ)

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