ハーレクイン・イマージュ作品一覧

  • 王妃への招待状
    5.0
    メルは幼いころに両親を自動車事故で亡くし、冷酷な伯父夫婦の家で使用人同然の生活を送っている。もう我慢できない! メルは家出してメルボルンの空港に向かおうと決め、夜明け前にあらかじめ手配しておいた車に乗ると、そのまま眠りに落ちた。車の運転手がひどくセクシーで物腰も洗練されていることを意識しながら。■ヨーロッパの王国ブラストンの王子リックは、眠り姫のように眠る女性をプライベート・ジェットで故国へと運んだ。リックは国王である父親から半年以内に妻をめとることを迫られ、留学生時代の友人ニコレットに期間限定の結婚話を持ちかけていたのだ。だが、やがて彼は自分がニコレットに瓜二つの従妹を連れてきたと気づく。■ボスと秘書のロマンスを描いて人気のジェニー・アダムズが初めてロイヤルものを手がけました。人違いからプリンスの結婚相手としてヨーロッパの王国で暮らすことになったヒロインの運命は……?
  • ロマンスは想定外
    4.0
    何事にも堅実なフリスは、男性をかたくなに避けていた。地味な仕事に就き、いつも地味な服装。つまらない女だと思うけれど、恋多き家族に振りまわされてきたせいで、そうなってしまったのだ。だから、大銀行頭取の跡取りだというハンサムなジョージが、彼女の仕事ぶりを認め、髪や瞳の色を褒め、何度デートに誘ってきても、つい身構えてしまい、突っぱねることしかできない。だが、ひょんなことから彼と恋人同士のふりをすることになったとき、フリスは意外にも、乗り気になっている自分に気づいた。ふりをするだけなら、彼を虜にしている恋人を演じるのも悪くない。あのうっとりするような笑顔を、真正面から受け止められるんだもの。■お堅いヒロインと、縛られることを何より嫌う自由なヒーロー。正反対の二人は、意外な共通点があることがわかってから急接近するのですが、恋に不慣れで憶病なフリスは、ジョージの魅力も彼への想いも素直に認めることができなくて――。
  • 雨が連れてきた恋人
    -
    看護師のサマンサは仕事ひとすじ、恋とは無縁に生きてきた。それでもみな彼女が大好きだった。明るくて気立てがよくて、友人たちの恋の話にやさしく耳をかたむけ、ひがんだりしない。けれどそんなサマンサと、オランダ人医師ギレスの出会いは最悪だった。入院患者に会いにやってきた彼の尊大でぶしつけな態度に、夜勤明けで疲れていたサマンサはかっとなってしまったのだ。それなのに、ギレスはかえって興味をひかれた様子で、サマンサに頼みごとをしたり、食事に誘ったりするようになった。わたしが抱いていた嫌悪感を、彼は秘密の方法で好意に変えた。なぜそんなことをするの? 彼にはあんなに美しい恋人がいるのに。■どれだけ時を経ても変わらない、初恋のみずみずしさともどかしさを描き続けたベティ・ニールズ。名作『せつない秋』のスピンオフをお贈りします。苦しく切ない、初めての恋心を秘めるサマンサに、そっと心を寄り添わせながら読んでください。
  • 恋に落ちた眠り姫
    4.0
    国の古いしきたりに縛られた王女ジュリアナは、地中海に浮かぶ王国の皇太子エンリケと結婚することになった。たとえ政略結婚でも、もっと自由な国へ行けるなら本望だ。そんなことを思いながら、これから暮らす城を見上げたとき、とつぜん、彼女の足元を小さな子猫が走り抜けた。「おっと、危ない!」転びそうになったジュリアナを抱きとめたのは、日に焼けて精悍な顔立ちをした、海賊のような男性だった。もしかして、この人がわたしの婚約者なの……?激しい胸の高鳴りは治まらなかった。彼がエンリケの弟で、放蕩者として悪名高い、アレハンドロ王子だとわかったあとも。■大好評をいただいた『絆のプリンセス』で、ニコ王子の完璧なフィアンセとして描かれたジュリアナ姫の物語です。プリンスという立場も束縛も嫌い、自由な海だけを愛するアレハンドロに、彼女はひと目で恋してしまったようですが……。
  • オーガスタに花を
    4.0
    ロンドンの病院に勤める看護師のオーガスタは23歳。最近、コンスタンティンという気になる男性に出会った。入院患者の見舞い客で、金髪に青い瞳がとてもハンサムだ。彼はオーガスタの赤銅色の髪を見て、「にんじんみたいな髪は好きじゃない」と言いながら、見たこともないほどたくさんのチューリップをくれた。そして別れ際にはキスまでしたのに、それきり姿を見せなくなった。入院患者の美しい女性が彼の恋人だと思っていたオーガスタは、彼の気持ちを計りかね、もう忘れてしまいたいと思ったのだが……。まさか数日後、大おばを訪ねたオランダで彼と再会しようとは!■古きよき時代の心温まるロマンスが変わらぬ人気のB・ニールズ。世慣れた年上の男性の、言葉や行動の真意がわからずにとまどう初恋の揺れる心を、優しくみずみずしい筆致で描いています。
  • 嘘と秘密と白い薔薇
    4.0
    第5代ウィンダム男爵ジュリアン・アシュトン・カーライル。それがケイトが最初で最後に恋した相手であり、美しく利発な7歳の息子、ジュールズの父親でもあった。18歳の夏、ケイトはイギリスで一世一代の恋に落ち、破れた。身分違いだと反対する彼の母親に抵抗しきれなかったのだ。きっと彼はその後伯爵令嬢と結婚し、子供も生まれているだろう。今もときどき心に巡る、そんな思いを振り払うように出社したある朝、イギリスからの新しい顧客を紹介されたケイトは愕然とした。目の前に立っていたのは、あの愛しいジュリアンだった。忘れもしない青い瞳で彼女を見つめ、彼は“はじめまして”と言った。■ヒロインとヒーローの断ち切れない絆だけでなく、2人を取り巻く人間たちの葛藤や心の闇までも描き出すベテラン作家のM・ウェイ。引き裂かれた恋人たちが運命に導かれ、再びひとつの愛に帰るまでを繊細に綴ったこの作品は、読む者の心に深く残ることでしょう。
  • ひとりぼっちの妻
    3.5
    キャロラインの結婚生活は破綻しかけていた。法廷弁護士のジェイムズとはお互い一目惚れで結婚したが、気がつくと、夫が留守がちな家で彼女はいつもひとりぼっち。ジェイムズが彼女の友人を遠ざけ、主婦業に専念させたせいだ。昔の友人ジェイクとでくわしたのは、そんなときだった。思い出話に花が咲き、キャロラインは久しぶりに声をあげて笑った。ジェイクに熱っぽく見つめられ、また会わないかと誘われたとき、すぐに返事ができなかったのは、夫への罪悪感を覚えたから?いいえ、そうではない。キャロラインはふいに気づいたのだった。目の前の魅力的な男性が霞むほど、私はまだ夫に焦がれている、と。■80年代に活躍した異色の実力派作家シャーロット・ラムによる、非常に印象深い作品を初邦訳でお贈りします。愛し合っているはずなのに、闇にのまれるように破綻していく夫婦。失いかけた愛を取り戻そうと懸命に闘うヒロインの姿が、読む者の胸を突きます。
  • プロポーズ日和
    -
    集中治療室の看護師長を務めるアレクサンドラのもとに、ある日、意識不明の女性患者が運びこまれた。つき添ってきたのはドクター・ファン・ドレッセルハイス。たまたま事故現場に居合わせたのだという。我が物顔で指示を出す態度は傲慢だが、腕は確かなようだ。しかも彼は、意識を取り戻した患者が記憶を喪失しているとわかると引き取って、面倒をみると言いだした。アレクサンドラを付き添い看護師として雇いたいとまで!なぜドクターはあの女性患者にこうも執着するのだろう?嫉妬にも似た感情に戸惑いつつ、アレクサンドラは運命に身を投じた。■世を去ったあとも皆さまに愛されつづけているベティ・ニールズ。今月お届けするのは、ロンドンの病院から郊外の田園、オランダへと舞台を移し、ヒロインの心の揺れを丁寧に描いた作品です。
  • 胸騒ぎのシャトー
    4.0
    もうすぐ19歳になるルアンは継父の家で厄介者扱いされ、芝居を観ることだけが生きがいの孤独な日々を送っている。ある夜、意地悪な継姉の誕生日パーティで出会ったのは、厳しい顔立ちをした黒髪の紳士、エデュアード・タルガース。海運の仕事で成功して城のような屋敷を手に入れ、そこでともに暮らす女性を探しているところだという。愛をお金で手に入れようとする男性の顔など、もう2度と見たくないわ!そんな思いとは裏腹に、ほどなくルアンは、傷心の果てに行き着いた浜辺でエデュアードと再会することに……。■ヴァイオレット・ウィンズピアは1970年代に数々の名作を発表しました。今月お届けする初邦訳作品もその1作で、大人の階段をのぼろうとするヒロインの恋物語を流麗な筆致で描いています。
  • 月明かりのタバサ
    -
    看護師のタバサは、平凡な顔立ちにひっつめ髪の25歳。意地悪な継母や美人の継妹リリスにいつもけなされ、自分の見かけのことはよくわかっていた。でも、勤務する整形外科の男性入院病棟では、優秀で面倒見がよいと人気だったから、気にしたことはなかった。オランダから来た医師、マリウス・ファン・ビークに出会うまでは。とてもハンサムで腕も立つ彼は、いつも優しく穏やかで、タバサは生まれて初めて、惹かれずにはいられなかった。だから、洋服やお化粧も一生懸命がんばってみたのに……。彼は、よりにもよってリリスとつき合っているらしいのだ!■不動の人気を誇る作家ベティ・ニールズの、初恋シンデレラ・ストーリーをお届けします。継母と継妹のあまりの意地悪さには読者も思わず絶句すること必至ですが、気丈に振る舞うタバサに訪れる驚きのラストに、心はさわやかに晴れ渡ることでしょう。
  • 魔法の鐘が鳴るまで
    3.0
    “大手運送会社社長ハル・ノースが、故郷を買収するらしい”シングルマザーとして働きながら娘を育てているクレアは、15年ぶりに帰郷したハルと思いがけず再会し、噂は本当だと知った。億万長者となったハルは、生まれ育った土地を買い占め、いったい何をもくろんでいるのだろう?クレアは自分のコテージまでも買い上げられてしまうことを恐れ、彼との接触を図るうち、あの頃の不良少年の面影が、いまや大人の男性の危険な魅力に変貌を遂げたことを強く意識した。かつてのほのかな憧れが、強烈な恋心に変わっていく……。クレアは、ハルが彼女への復讐を企てていることを知らなかった。■ロマンス小説界の最高峰と言われるRITA賞をはじめ、数々の受賞歴を誇る実力派作家リズ・フィールディングの新作です。かつて優等生と不良少年として惹かれ合った2人が15年後に再び出会い、恋の再スタートを切りますが……。
  • 打ち明けられない恋心
    4.0
    ロンドンで病院勤めをするセリーナは、車の事故で入院してきたロレンスと一目で恋に落ちた。彼はスポーツカーを乗りまわす、長身で金髪のオランダ人医師。入院初日から声をかけてきて、すぐに退院できるから、仕事を辞めてオランダに来てくれないかとしきりに誘う。セリーナはそんな強引さを危ぶみ、彼が事故に遭って以来、病院をしばしば訪れる、従兄のヘイスの気配りに慰められていた。でも、ヘイスへの思いは愛ではない。ただ好意を感じているだけ……。何度もそう言い聞かせていたセリーナだが、やがて看護師をやめ、オランダに渡った彼女を待っていたのは、不実な恋人の裏切りだった。■穏やかな優しい作風で、今もなお多くの読者を魅了しつづけるベティ・ニールズ。オランダの古い街並みや田園風景が丹念に描かれる、懐かしい映画を観るような作品をご堪能ください。
  • 教授と麦わら帽子
    3.0
    レディ・クレスウェル――白血病の疑い。61歳。近親者、チャールズ・クレスウェル教授……。「ああ、どうしてこんなことになるの!」ジュディスはつぶやいた。勤務先の病院に、まさか彼の母親が入院しているなんて。1カ月の休暇から戻った看護師のジュディスは、書類を見て愕然とした。病室の巡回で、見舞いに来たチャールズと会いませんように。彼は、休暇で滞在した湖水地方で会った、礼儀知らずの歴史学者。本の執筆に夢中で、わたしのことなど少しも気遣ってくれなかった。でも、彼の家の見事な庭を思い出すと、懐かしさに涙が出そうになる。ところが再会したチャールズは、意外な提案をして彼女を驚かせた。母親の専属看護師として、彼の家に来てくれないかというのだ。■花の咲き誇るイングランドの湖水地方から、初夏のポルトガルへ。今回、ベティ・ニールズがお連れするのは美しい湖と海辺の地域。すばらしい風景が心にしみる作品を、どうぞお楽しみください。
  • 秋冷えのオランダで
    4.0
    ソフィーはもうすぐ26歳。ロンドンの病院で、手術室付きの看護師長として忙しい日々を過ごしている。仕事を離れても、事故で亡くした両親に代わって、3人の弟妹たちの面倒を長年にわたって見てきた。けれどもこのごろ、自分の将来についてふと考えてみることがある。いつか誰かとめぐり会い、両親たちのように明るい家庭が築けたらと。でもこんなわたしには、社交生活に割ける時間などなかった。それに美人でもない同僚に、声をかけてくる職場の男性などいない。なのに、休暇を取る上司に代わって赴任したマックスは違った。「きみは小細工なんて必要のない美人だよ」容姿を気にする彼女に、そんな言葉で語りかけてくる彼を、ソフィーは無視できなくなった。■今回の舞台はアムステルダムと近郊のユトレヒト。歴史ある懐かしい街並みが旅情を誘います。
  • 白い冬の旋律 愛をたどる系譜 I
    3.0
    街にクリスマスキャロルが流れる季節になると、ピッパは浮き足立つ人々を避けるように仕事にのめり込む。数年前のクリスマスの、つらい失恋をまだ忘れられないからだ。そんなある日、ピッパはロスコーという実業家と出会う。彼女の美しさに惹かれたと臆面もなく言うロスコーは、“窮地にいる弟を誘惑してほしい”と奇妙な依頼をする。わたしに惹かれていると言いながら、弟を誘惑しろですって?失礼な申し出に憤慨するべきだと思いながら、ピッパは断れなかった。尊大でどこか陰のあるロスコーに、彼女も興味を引かれていた。愛に心を閉ざしている自分と、どこか似ている気がして……。
  • 恋の道に迷ったら
    -
    目前に迫った香港と中国への旅を楽しみにしていたローリーは、上司のモーリスに高価な指輪を預かってほしいと頼まれ、困惑しながらも断りきれずに引き受けた。誕生日にその指輪を贈ることを秘密にしておいて妻を喜ばせたいというモーリスの話にほだされたのだ。指輪を持ち帰った晩、彼女の留守に何者かが部屋に侵入した。犯人のねらいは指輪だったのでは? そう思うと不安でたまらず、ローリーはやむなく旅先まで大切な指輪を持っていくことにした。ところが不安は旅先でも彼女につきまとって離れなかった。タイラーという魅力的な男性が行く先々に現れて……。■絶大な人気を誇るジェシカ・スティールがお届けするのは中国と香港を舞台に繰り広げられるちょっぴりサスペンスの香るお話。ヒロインとともにアジアへの旅もお楽しみください。
  • さよならの嘘
    -
    クレアは20歳のときから、恋をあきらめて生きてきた。病に苦しむ母の姿を将来の自分に重ね、結婚も妊娠もしないと誓い、持てる情熱のすべてを助産師としての仕事に注いできたのだ。それなのに、こんなことになるなんて……。はじまりは、キャンベルという魅力的な医師の着任だった。クレアへの好意を隠そうともしない彼に戸惑いを覚えたものの、拒み続ける自信はあった。たった1度、あの過ちの夜までは。キャンベルへの愛に目覚め、思いがけず新しい命を授かり、それまでクレアが必死に築いてきたものすべてが変わってしまった。ただ1つ……結婚も出産も許されない、あの悲しい秘密をのぞいて。■美しくセクシーな描写が人気のエイミー・アンドルーズの新作をお届けします。腕利きの医師でハンサムなキャンベルが仕掛ける、如才ない誘惑作戦に屈したクレア。運命の不思議と愛の強さを、まるで高らかに歌い上げるようなロマンスをお楽しみください。
  • 愛を告げる日は遠く
    -
    ロンドンからスコットランド高地への旅は散々だった。イライザは雨に濡れながら、人里離れたロッジの玄関にたどりついた。こんな場所で、2人の教授が研究を続けているなんて信じられない。看護師のイライザは、彼らの手助けをするためにこの地を訪れた。きっと年老いた学者たちが、ここで実験に夢中になっているのだろう。ところがイライザの前に現れたのは、そんな予想を裏切る、端整な顔立ちにエレガントなスーツをまとった男性だった。戸惑うイライザに、彼は笑みを浮かべて言った。「きみはぼくの下でも働くことになるんだよ」彼こそがオランダから来たクリスチャン・ヴァン・ドイル教授。彼女に手伝いを頼んできた老教授のパートナーだったとは……。
  • 愛は砂漠の嵐
    -
    助産師のカルメンは、元夫が残した借金を返済するため、休みなしのシフトで激務をこなす毎日を送っていた。そんなある日、ザファルという謎めいた見舞い客が訪れる。先日カルメンが担当した産婦ファディアの従兄だそうだが、眉の下に光る黒い瞳とセクシーな唇が、いかにも男らしい。胸の高鳴りを押し隠すカルメンに、ザファルは意外な申し出をした。実はファディアは砂漠の国ザンドローの王女なのだが、彼女と生後まもない赤ん坊の帰国に同行してくれないか、と。同意すれば、借金をそっくり返せるほどの謝礼をはずむという。カルメンの心は揺れた。金額ではなく、魅力的なシークの誘いに。■期待の新作家、フィオナ・マッカーサーの日本デビュー作をご紹介します。助産師として、日々新しい命の誕生に寄り添うという感動的な仕事に携わるカルメン。それ以上にドラマティックでせつない恋が、はるか遠い砂漠の王国で待っていたとは……。
  • 禁断の林檎
    4.5
    父親の遺言が明かされると、ユーフィーミアは衝撃を受けた。父には借金があり、家族の愛する家が抵当に入っているというのだ。悩んだ末、ユーフィーミアは家を貸すことにした。家賃収入を抵当の支払いに充てれば、大切な家を手放さずにすむ。だが、ようやく見つかった借り手は、思いもよらない人物だった。なんと、父親の最後の治療をめぐって激しく対立したオランダ人医師、ドクター・ファン・ディードレイク。傲慢で無礼な彼とかかわるのはひどく不愉快だが、契約さえ交わしてしまえば、顔を合わせることもないだろう。ユーフィーミアのそんな期待は、ほどなく裏切られる……。
  • 指輪のゆくえ
    4.0
    看護師のチャリティは旅行中、急病で倒れた男性を助けた。そのとき一緒に介抱した外国人医師はどこか惹かれる男性で、チャリティはのちのちまで彼のことを忘れられなかった。とはいえ、名前も知らない外国人男性とまた会えるはずもない。あきらめていたチャリティだったが、ある任務で派遣されたオランダの病院で思いがけずその男性――医師のエフェラルド・ファン・テイレンと再会した。しかし、彼の態度はひどく無愛想で、そっけない。もう一度会いたいと願っていたのは私だけだったんだわ。チャリティの喜びは急速にしぼんでいった。
  • 雨上がりの告白
    -
    25歳のジェンマは6人きょうだいの長女。弟妹の世話と看護師の仕事に忙殺され、恋などしたこともない。もっとも、美男美女ぞろいと言われるきょうだいの中で、なぜかジェンマだけが平凡な顔立ちだからかもしれない。そんな彼女に転機が訪れた。隣家に滞在するオランダ人教授、ロスに闘病中の妹の看病を頼まれ、急遽オランダへ飛んだのだ。彼の家族は温かく、妹は愛らしく、オランダは美しい国だった。しかも、一家と親しい若者に熱心にデートに誘われる。突然華やかになった生活に、ジェンマは舞いあがった。ロスが陰で気遣わしげに見守っているのも知らずに。■まるで雨上がりの虹のように、さわやかで心温まる読後感を約束してくれるベティ・ニールズのロマンス。それが長く読者に愛されるゆえんでしょう。ジェンマの初恋は、楽しいパーティに連れ出してくれるお調子者の青年と? それとも……。
  • 沈黙のシーク
    4.0
    政略結婚が決まっていた隣国のシークが急死し、王女アンバーはその弟と結婚することになった。ところがすでに恋人のいた彼はそれを拒み、失踪してしまう。不名誉な噂はまたたく間に広まり、アンバーは打ちひしがれた。だから、兄弟の中で最も文武両道に長けているという3番目の弟ハールーンが結婚を受け入れたと聞いても、心が晴れることはなかった――実際に本人を目にするまでは。彼は兄弟の誰よりもハンサムで、たくましく、魅力的だったのだ。運命のいたずらに戸惑いながらも、アンバーは期待に胸を震わせる。だが婚礼の夜、彼女を待っていたのは想像もしない屈辱だった。■『星と砂とシーク』の関連作です。悲しい誤解によって仮面夫婦となってしまう2人。世継ぎを望む一派の陰謀に巻き込まれたとき、転機が訪れます。寡黙な夫の気持ちがわからず苦悩する妻アンバーの姿に共感必至です。
  • 男爵夫人の憂鬱
    -
    カトリーナはロンドンの病院で働く看護師。同僚に言い寄られ、苦しまぎれについた嘘がもとで、病院を辞めざるをえない状況に追い込まれていた。そんなとき、仕事のあてもなく困っていたカトリーナに救いの手を差し伸べたのが、オランダ人医師ラフだった。ラフは長身で整った顔立ちの、穏やかな性格の男性で、彼に見つめられると、カトリーナはなぜか落ち着かなくなった。しかもラフは、この事態の解決策として驚くべき提案をした。「僕と結婚することを考えてくれないか」突然のプロポーズに、カトリーナはとまどいながらも……。■他界してもなお絶大な人気を誇るベティ・ニールズの愛の世界を存分にご堪能ください。季節がめぐるたびに、少しずつ、でも、確実に深まっていく想いとそれゆえの苦悩を綴った愛の物語です。
  • あの千切れた愛を 愛と絆のモンゴメリー家
    3.0
    ケイトとマックスは誰もがうらやむ理想の夫婦だった。ところが父親との不和や複雑な兄弟関係に悩んだマックスが、あるときを境に深酒するようになり、思い余ったケイトは家を出た。まだ彼に知らせていないお腹の子のために、できるだけ遠くへ。時が過ぎ、入院中の家族を見舞いに訪れた病院で、ケイトは偶然にマックスと8年ぶりの再会をはたす。かつての荒々しい姿がよみがえり、ケイトは恐れおののくが、もう以前の彼ではなく、穏やかな自信あふれる男性になっていた。でも彼の魅力に屈してはだめ。だってわたしには秘密が……。そのとき、エレベーターの扉が開き、7歳になる娘が走り寄ってきた。■不実な父親に翻弄されて疎遠になってしまった大富豪兄弟を描く、〈愛と絆のモンゴメリー家〉がスタートします。
  • 赤い薔薇とキス
    4.0
    マギーはロンドンの病院で主任看護師を務めている。あるとき、オランダから著名な専門医パウルが講演に訪れた。老人かと思いきや、三十代半ばの長身で精悍な彼の姿に看護師たちが色めきたつなか、マギーは平静を保っていた。どんなにすてきな男性でも、もう二度と会うことはないのだから。しかし、パウルはそうは思っていなかったらしく、病棟の視察を終えると、主任室にいるマギーのところへやってきた。「僕のことを覚えておいてほしいんだ」そう言うなり、彼はマギーを抱き寄せてキスをし、嵐のような混乱の中に彼女を残して出ていった。
  • ガラスの靴はなくても
    3.5
    ローラは地味な容姿のせいか、いまだに理想の男性とめぐり合えない。彼女とは対照的に、妹ジョイスは見るからに華やかで、どんな男性も引きつける天性の魅力にあふれている。ある日、ローラの名付け親が友人の医師レイロフを伴ってオランダから訪れた。彼を見るなり、ローラは目をみはる。彼には若者にない包容力と落ち着きがあった。まさに理想の男性だ。しかし、レイロフが心を奪われたのはやはりジョイスだった。ローラは胸の痛みをこらえて二人の恋を祝福する。ほどなく、とんでもない事態が起こるとも知らず…。
  • プリンスに恋したら 夢の国アンブリア
    -
    アンブリアの王妃の秘書を務めているケイラは、城内でマックス・アラジェンと再会したとき息をのんだ。30年近く前に城を追われた王家の6人兄妹のうち、最後まで行方不明だったプリンスが先日見つかったとは聞いていた。でも、まさかその人物がマックスだったなんて!2年ほど前のあの悲劇的な夜、一度だけ肌を重ねたあと、マックスはぷっつりと消息を絶っていたのだ。相変わらず彼は罪深いほどの魅力を放ち、破天荒な言動で周囲の人々をきりきり舞いさせている。ケイラはできるだけマックスと距離を置こうとするが、王妃から彼の教育係を命じられ、茫然とした。■『愛を忘れたプリンス』に続き、〈夢の国アンブリア〉の続編をお贈りします。いよいよ最終話となる本作では、これまでの主人公たちも登場し、物語に花を添えています。
  • 疑われた無垢
    3.3
    何度目かの手術が成功し、ついにデヴォンは歩けるようになった。そんな喜びも束の間、彼女は恐ろしい事実を知る。莫大な手術費用を捻出するため、父が会社の金を横領していたのだ。解雇された父を救おうと、デヴォンは社長のグラントに懇願した。「わたしのために罪を犯した父を、どうか告訴しないでください」脚が不自由だったと知らないグラントは手術のことなど信じず、デヴォンを贅沢好きの放蕩娘と決めつけると、屈辱的な申し出をした。「ぼくがきみに飽きるまでそばにいるなら、考え直してもいい」だが初めての夜、震えるデヴォンを強引に引き寄せたグラントは、彼女の腰に走るまだ新しい傷跡を見つけ、息をのんだ。■愛人としての役割を果たさなければ、父が告訴されてしまう……。焦るデヴォンですが、グラントはもう彼女に触れようとしません。男性の気持ちがわからず戸惑い、未熟な誘惑を仕掛けようとするヒロインがいじらしい、J・スティールの1983年の初邦訳作品です。
  • 忘れがたき面影
    5.0
    オリビアは父の死後、母とともに祖母の家に身を寄せている。資格や技能はないものの少しでも家計を助けたくて、病院の事務員として熱心に働いていた。そんなある日、カルテを取りに来た外科医ハソと短い会話を交わした。ハンサムで感じのいい男性だった、少し話せただけでも気持ちが温かくなるような――。職場では人員削減が始まり、同僚をかばったオリビアは、自ら申し出て退職してしまう。次の仕事も見つからず、くじけそうになっていたとき、彼女は町で偶然、ハソと出くわした……。
  • 冬は恋の使者
    4.0
    アラミンタは休暇中、崖下の浜辺で怪我をした少女に出会った。けれど自分1人では少女を抱きかかえて町まで戻れない。そのとき、長身の男性がヨットに乗って現れ、町まで送り届けてくれるが、名前も告げずに立ち去ってしまう。お礼も言えぬまま、アラミンタは看護師長としての忙しい日々に戻り、こうしてささやかで平凡な人生がずっと続いていくかに思えた。夜、彼女のフラットに、あの男性が訪ねてくるまでは。それなのに、心が浮き立つ半面、そっけない態度をとってしまう。彼は謎めいたほほえみとともに帰っていき、アラミンタは後悔した。“君に会いたかったから来た”と言われたのに、なんてことをしたの?■1976年の旧作を初邦訳でお届けします。すてきな年上男性にからかうような扱いをされ、どうしていいかわからず心と裏腹の反応をしてしまったアラミンタ。その後、彼女はオランダへ飛び、思わぬ再会をはたしますが……。
  • 大富豪と妖精
    -
    エラはたった1人で幼い息子を育てなくてはならなくなり、長年親しんできた音楽の道をあきらめた。ちょうど運よく見つかったのは、別荘の管理人兼家政婦の仕事だ。働き始めて3年が過ぎたある日、外出先から自転車で戻ったところ、エラは真紅のスポーツカーに乗って現れた男性――世界的な企業の社長、セバスチャン・カステラノと出会った。セバスチャンは別荘の主である継母に会いに来たのだが、あいにく継母が海外旅行中と知り、早々に立ち去ろうとする。ところが、思いがけない運命のいたずらで、エラは数日間、彼と一緒に別荘で暮らすことに!■2011年にデビューを飾った期待の作家ニーナ・ハリントンの新作をお届けします。南フランスの美しい風景の中で描かれるロマンティックなシンデレラストーリーをお楽しみください。
  • さまよう恋心
    -
    彼は私に好意を持ってくれてはいても、私を愛してはいない。そう悟った看護師のアニスは生活を変えたくて、北の果ての島に暮らす弟の誘いに応じることにした。ここはノルウェーのスピッツベルゲン島。弟の仕事仲間たちはアニスを大歓迎してくれたが、一緒に働く医師のヤーケ・ファン・ヘルメルトは、無愛想でそっけなく、アニスとはろくに言葉を交わそうともしない。結構よ。仕事以外で彼とかかわる必要もないわ。アニスは腹立たしい思いで無関心を装っていたが、ある事件をきっかけに、ヤーケを強く意識するようになる――。■白夜の国ノルウェーを舞台に、ベティ・ニールズが揺れ動く恋心を描きます。
  • 愛を忘れたプリンス 夢の国アンブリア
    -
    ジャニスは夫、マイカルの実家の前にたたずんでいた。極秘にした結婚を解消し、お腹の子の親権を放棄してもらうためだ。初めて目にする大きな屋敷の中にどうやって入ろうかと考えていると、不意に車が現れ、優美な錬鉄の門が開いた。チャンスに乗じて屋敷内に入ったジャニスは、車から担架で運ばれるマイカルの姿を見て衝撃を受けた。屋敷の使用人を装って付き添いの男性にきいたところ、爆弾事件の傷が癒えて退院したが、まだ安静が必要だという。彼の部屋に忍びこんだとき、ジャニスは驚くべき言葉を耳にした。「君はいったい誰なんだ?」■1/5刊『秘密のプリンセス』に引き続き、〈夢の国アンブリア〉の続編をお贈りします。過酷な運命によって引き裂かれたヒーローとヒロインは、はたして愛の絆を取り戻すことができるのでしょうか。
  • 罪深き花嫁
    3.0
    キャシーは舞踏室から、ミューアの腕の中から逃げ出した。いったい何を考えていたの? 出張中に男の人と親しくなるなんて。「あちこち捜したよ。こんなところで何をしているんだ?」ミューアの声にびくりとしながらも、全身が激しく反応した。タキシードに包まれた長身の体、グレーの目に浮かぶけだるい笑み。1週間前に出会ったときから、キャシーは彼に魅了されていた。でも、私には大切な幼なじみのスティーブンがいる。ミューアのように心をかき乱されないとはいえ、彼のことは裏切れない。今夜こそ真実を打ち明けて、恋はできないとミューアに告げなければ。キャシーはなんとか重い口を開いた。「わたしは婚約しているの」■すべてを捨てて、彼の胸に飛びこむことができたなら……。初めて知った抑えきれない恋心と道義心のはざまで苦悩するヒロインと、どこまでも強引で情熱的なヒーローの激しい愛の物語。往年の名作家シャーロット・ラムの貴重な初邦訳作品です。
  • ひそやかな賭
    -
    派遣看護師のコンスタンシアは仕事先のオランダで、イエルン・ファン・デル・ヒーセンという医師に出会った。ドクター・ヒーセンは優しく穏やかで、笑顔がすてきな人。一緒にいると心が安らいで、いつしか彼女は恋に落ちていた。人づてに聞いた話では、彼は決して裕福ではないようだが、コンスタンシアはむしろそのほうがいいと思った。これまで出会ったお金持ちは、心が貧しく不幸な人ばかりだった。お金などなくていい。ささやかな幸せのほうが大切なのだから、と。だが彼女はまだ、ドクターの本当の姿を知らなかった。まさか、自分の予想がことごとく覆されるとは……。★2001年6月に惜しまれつつ世を去ったベティ・ニールズ。優しい作風が今なお多くのファンを引きつけています。本作品もベティの魅力がいっぱい。静かで穏やかなロマンスをご堪能ください。★
  • 恋の後遺症
    3.0
    プロポーズされると思ってレストランへ出かけたアレシーア。だが、用件は週末泊まりがけで遊びに行こうというものだった。いいかげんなつき合いはできないと彼女がつっぱねると、彼はレストランからさっさと出ていってしまった。どうしよう。給料日前の私に、それほど持ち合わせはない。フルコース二人分の勘定なんて払えるはずもない。アレシーアにできるのはなんとか時間を稼いで、いなくなった相手が戻ってくるのを待つことくらいだった。やがてすべての皿が空になり、いよいよお金を払うときがくる。切羽詰まったアレシーアに、一人の男性が親しげに話しかけてきた。■ヒロインを窮地から救ってくれたのは、サレ・ファン・ディーデレイクというオランダ人の整形外科医でした。このあとも、彼は幾度も我らがヒロインを助けます。そして……。ベティ・ニールズ独自の世界が広がります。ご堪能ください。
  • 愛はめぐって
    3.0
    今日からここが私のお城になるのね。身よりのないヘンリエッタは、看護師として十年間働いてきた。二十九歳になって、結婚が気になってきたころ、彼女は存在も知らなかった伯母から遺産を譲り受ける。それはオランダにある、小さな家だった。みぞれ降るなか、ようやく到着したのは夜で、家は暗闇に包まれていた。ろうそくを灯してキッチンを調べているとき、足音が聞こえた。しまった。うっかり、ドアに鍵をかけるのを忘れていたわ。しかし彼女は落ち着いて、侵入者に出ていくよう告げる。「ずいぶん横柄だな。君の地主なのに」ハンサムな男性が笑った。■見知らぬ地に飛び込んだヒロインが貴族のドクターとの幸せをつかむシンデレラ・ストーリーです。
  • 教授はそばかすがお好き
    4.0
    養育係(ナニー)のデボラは急な仕事を頼まれ、ある家に出向いた。そこで子供たちと留守番をしていると、一人の男性が訪ねてきた。ハンサムで優雅な身なりの男性だったが、その態度は失礼千万だった。勝手に家に入りこんだあげく、デボラのことを、猛女だの、鼠取りのような口だのとからかったのだ。結局、彼は子供たちの母親の兄ギデオン・ボーフォートとわかったが、デボラは憤慨し、彼にはもう二度と会いたくないと思った。しかし一家の休暇先でギデオンに再会すると、デボラは困惑を覚えた。腹立たしさと同時に喜びを感じている自分に気づいたからだ。ギデオンがときおり見せるやさしさも、デボラの混乱に拍車をかけた。■健気に生きるヒロインの心をかき乱すのは、ハンサムだがひどく尊大な経済学者。彼女の悲しみは深まりますが……。
  • 秘密のプリンセス 夢の国アンブリア
    -
    アンブリアのとある町で看護師をしているキムは、帰宅途中に見知らぬ男性からいきなり話しかけられた。「伝えたいことがある。君の人生を変えるかもしれない知らせだ」端整な顔立ちの男性は半ば強引にキムを街角のカフェに連れていき、自分はペレアの異母兄、ジェイクだと名乗った。かつてキムは城で姉妹同然に育ったペレアの侍女を務めていた。今やアンブリアの王妃となったペレアが待っているといって城へ戻るよう彼に説得されたとき、キムは怒りに駆られた。国の混迷によって、私はいやというほど辛酸をなめてきた。もう二度と、誰かの言いなりで行動する気はないわ!だが予想外の出来事が起き、キムは彼とともに旅立つはめになる。■2011年10月から12月にお届けしたロイヤルロマンス3部作〈夢の国アンブリア〉の続編を3カ月連続でお贈りします。本作では第3話『復讐のティアラ』で侍女を務めていたキムがヒロインとして登場し、数奇な運命に翻弄されます。
  • かりそめのガールフレンド
    4.0
    シャーリーンは母親と継父に疎まれながら暮らしたせいで、しみついた劣等感を拭えないまま成長し、地味な銀行員となった。そんな彼女にもようやく恋人ができたが、相手に大きな仕事が決まって渡米したきり音信不通になってしまう。恋人を信じてはるばるアメリカまで追いかけていったところ、シャーリーンは衝撃的な事実を知る。ひとり待つわたしの気も知らず、別の女性と結ばれていただなんて。涙に暮れる彼女の前に、一人の男性が手を差し伸べた。トラヴィスと名乗る彼といると心が和んでいくシャーリーンだったが、そのときまだ知らなかった――彼には、ある思惑があることを。■イマージュの実力派作家L・ゴードンがファルコン家の兄弟たちのロマンスを描きました。『パリがくれた最後の恋』に続いてお届けするのは、アメリカ生まれの三男トラヴィスの物語です。
  • プロポーズを夢見て
    -
    ブリタニアが看護師として働く病院に、高度な手術を行うためにオランダから外科医がやってきた。その外科医、ファン・ティーン教授を目にしたとたん、ブリタニアは直感した。この人と結婚する、と。なぜそんなふうに感じたのかはわからない。確かに医師としては優秀だが、彼のことはなにも知らないのだ。しかも、すぐにオランダへ帰ってしまう。だが、ブリタニアは自分の直感を信じ、オランダへ休暇に出かける同僚に同行することに決めた。きっとオランダで教授にまた会えるわ。これが運命なら。★本作でベティ・ニールズは、結婚に向けるヒロインの切ない思いを厳しいけれど温かい筆致で描いています。涙と笑いがふんだんに盛り込まれ、最後はヒロインに拍手を送りたくなることでしょう。★
  • 星は見ている
    3.0
    ベスはイギリスのとある地方の良家の子女だったが、父親の死後、異母兄にうとまれて家を出た。今は弟とロンドンに暮らしながら、看護師として働いている。田舎出身の彼女に、都会の生活は合わなかった。日々の生活は決して楽ではなく、服も満足に買えない。こんなことじゃ、結婚なんてとても無理ね。いつしか、ベスはそう思うようになっていた。ある朝、彼女は自転車で通勤途中、一人の男性に衝突してしまう。けれど彼は怒るどころか、にっこりとベスに笑いかけた。それが著名な外科医アレクサンダーとの出会いだった。★都会の生活に違和感を覚えながらも、健気に生きるヒロイン。作者は彼女に次から次へと試練を与えますが、終始一貫、温かいまなざしを注いでいます。ベティ・ニールズの魅力あふれる一編です!★
  • もう一度会いたくて ナニーの恋日記 I
    -
    ステイシーは休暇旅行に同行して子どもの面倒を見る子守役(ナニー)。両親のぬくもりを知らずに育ったので、子どもたちには良い思い出をつくってもらいたいと願って働いている。今回の依頼人はハンサムで仕事中毒の会社社長、ルイス。スペインにある彼の祖母宅を訪ねる3週間の旅だ。シングルファーザーのルイスは6歳の双子の息子に手を焼いており、顔合わせの際、ステイシーでは若すぎてつとまらないと難色を示した。ところが、彼女はたちまち子どもたちをとりこにしてしまう。一方、ルイスも明るくて愛情深いステイシーに惹かれそうになるが、彼の身に起きたある悲しい過去の出来事が、それを許さなくて……。■今月より2カ月連続でお贈りするミニシリーズ〈ナニーの恋日記〉の1話目は、優しきナニーと悩める実業家の心温まるロマンスです。来月はステイシーの妹サヴァンナがヒロイン。衝撃的な形で彼女を捨てた元恋人と、雇主とナニーとして再会する物語をお届けします。
  • エスメラルダの初恋
    -
    有能で心やさしい看護師エスメラルダは、足が不自由なせいで男性に対して奥手だったが、ようやく最近、ハンサムな研修医の恋人ができた。時を同じくして、オランダの形成外科医バムストラが病院を訪れる。そして彼女の足を診るなり、自分なら治せると断言した。好きな人のために踊れるようになるなら手術を受けよう。いじらしくもそう決めたエスメラルダだが、恋人はどこか冷たい。手術前の不安な彼女を気遣ってくれたのはバムストラ医師だった。先生がこんなに親切にしてくれるのは、いったいなぜなの?彼に秘めた思いがあることを、エスメラルダはまだ知らなかった。■古風で恋に疎いエスメラルダは男性の心がわからなくて恋人の行動に一喜一憂。周囲をはらはらさせます。しかし、そんな自分をつかず離れず見守ってくれるバムストラ医師のことが気になり始め……。私生活を明かさない彼に、大いにかき乱される乙女心が描かれます。
  • 遅れてきたクリスマス
    -
    ブリスベンに越してきたソフィーは途方に暮れていた。新しい勤務先での仕事が始まるというのに、いまだ仮住まいで、亡き姉の愛息トマスにふさわしい養育係も見つけられないままでいる。それでもソフィーは、トマスの父親を必ず捜し出すつもりだった。姉が暮らしたこの街に、きっとその人はいるはず……。職場の上司になるギブは優秀な小児科医で、黒髪が魅力的だが、どこか陰のある横顔が気になった――そして、薬指の指輪も。ギブはソフィーの窮状を知ると、意外な申し出をした。彼が同居している義理の叔母が養育係にぴったりだと太鼓判を押し、ソフィーたちが屋敷の離れに越してくれば、すべては解決する、と。■トマスのために仕方なく申し出を受け入れ、上司と半同居という奇妙な生活を始めるソフィー。募る思いを抑え、仕事と甥の父親捜しに奔走するうち、意外な真実が明らかになります。最後まで目が離せない、ドラマティックなクリスマス・ストーリーです。
  • エーゲ海のプリンス
    -
    エーゲ海に浮かぶ島国ヘレニカの王子、アレックスは困り果てていた。このところ4歳になる娘ゾーイのかんしゃくがひどく、養育係や個人教師が次々と辞めてしまったからだ。その原因を探ろうとしたが、自国の医療機関ではらちがあかず、アレックスは藁にもすがる気持ちでアメリカから専門家を呼び寄せた。ドッティは、ヘレニカ王国へと到着する直前になってようやく、自分が担当するのは王国の第2王子アレックスの一人娘だと知らされた。かわいそうなことに、娘の母親は2年前にこの世を去ったという。王宮の執務室でアレックスと面会したとき、ドッティは茫然とした。ギリシア神のような容貌の王子は、途方もなく尊大な男性だったのだ!■イマージュの人気作家レベッカ・ウインターズがエーゲ海を舞台に華麗なロイヤル・ロマンスを描きました。本作には、ミニシリーズ〈王宮への招待〉の1作として2008年に刊行された『運命の訪れ』のヒーローも登場し、物語を盛り上げています。
  • 傷ついても愛しくて
    -
    アーデンは伯母とともにゲストハウスを営んでいる。世間のことに疎い伯母に代わり、実務を担当しているが、経営は苦しく、みすぼらしくなった建物を改装する資金さえない。ある日、アーデンが買い物から戻ると、新たな客が来ていた。J・スティーブンズと名乗る男性客は徒歩で到着し、何泊するかも告げず、体の具合が悪いのか部屋にこもっているという。そんな話を伯母から聞き、アーデンは不安を覚えた。夕方、部屋から出てこない例の客に夕食を運んでいったところ、アーデンはいきなりどなりつけられ、息をのんだ。「僕の部屋にこっそり忍び込むのはやめてくれ!」■『君に甘いつぐないを』でドラマティックなロマンスを流麗に描き、大好評を得たジェシカ・スティール。本作では謎めいたヒーローが登場し、勝ち気なヒロインのハートをわしづかみにしています。
  • 聖女の炎
    3.0
    “ただちに来てくれ。君の妹は助けを必要としている”修道院へ入る直前、敬虔な看護師のドミニクは、妹の嫁ぎ先であるイタリアのロマノス家から火急の知らせを受けた。美しく華やかで、陽気なあの子にいったいなにがあったの?サン・サビーナに到着し、船のタラップを降りた瞬間、高級車の脇に立ち、彼女を尊大に眺めまわしている男が目に入った。あの人が妹の夫の兄で、ロマノス家の家長ドン・プレシディオ……。このときドミニクはまだ知るよしもなかった。一生を神に捧げるという誓いが、プレシディオによって、根底から揺さぶられることになろうとは。■古典的で荘厳な雰囲気のロマンスを描くことを誰よりも得意とする往年の人気作家ウィンズピア。貴重な未邦訳作品の中でもひときわ印象的な、心を閉ざした大富豪と未来の修道女のロマンスです。
  • パリがくれた最後の恋
    3.3
    かつてキャシーはモデルとして華々しく活躍していた。だが今はジェイン・ヘンショーと名乗り、髪をひっつめて眼鏡をかけ、不動産会社で地道に働いている。ある日、彼女は経営に行きづまった雇い主から、次の仕事の面接をすぐ受けるように言われた。フランスのホテル経営者マルセル・ファルコンが、イギリスでの業務拡張のためにアシスタントを探しているという。一抹の不安を覚えながらタクシーを飛ばして面接会場に到着したとき、キャシーは凍りついた。あのマルセルが目の前にいる!破滅的な出来事のせいで10年前に別れを告げるしかなかった男性が。■イマージュの実力派ルーシー・ゴードンが描く、ファルコン家の5人の息子たちのロマンス。『波打ち際のシンデレラ』に続いてお届けする本作は、フランス生まれの次男マルセルの物語です。
  • 狂おしき誘惑
    3.7
    アテネ郊外で継父と継妹と暮らすクレアは、継父の決めた裕福な好青年との結婚を4カ月後に控えている。内気な自分にぴったりの相手だと思いつつ、彼女は迷っていた。ある日、継妹がヨットクラブで出会った男性ベンを家に連れてきた。クレアと違って奔放な継妹にお似合いの自信満々のプレイボーイだ。ベンはクレアを無遠慮に観察し、いきなり手を取ってキスをした。そのとたん、クレアは激しく震えた。いったいなぜなの?初めて経験する熱いざわめき。拒もうとしても拒めない。「君はお父さんの決めた人と結婚することなどできない」彼の言葉は、今まで平穏だったクレアの人生を根底から揺さぶった。■往年の名作家シャーロット・ラムの貴重な未邦訳作品をお届けします。初めて知る恋に戸惑うクレアと、迷う隙を与えまいとするかのように次々と誘惑をしかけるベン。二人が繰り広げる熱い攻防……はたして勝者は? 最後までハラハラドキドキが止まりません!
  • 伯爵と恋の処方箋
    3.0
    イギリスで高校の歴史教師をしていたサラは、同僚だった恋人を新任の女性教師に奪われ、失意の底にいた。これまでの人生、安定を求めて近道ばかり選んできたけれど、結局はこの有様……。サラは心機一転、ローマに職を見つける。出発前、サラを案じる曾祖父は、元医師らしくこう言った。“処方薬はロマンス。黒い瞳のイタリア人の恋人と楽しむこと”笑い飛ばしたサラだったが、すぐに出会いは訪れた。近郊の村で知り合った、目もくらむほど素敵な伯爵、マッテオ。情熱的に見つめられ、吸い寄せられるように身を寄せ――なんてこと、この私が出会ったばかりの人とキスするなんて!■サラのローマ行きのもう一つの目的は、年老いた曾祖父の昔の恋人“ルチア”の消息を知ることでした。そのための小旅行が、傷心の彼女の運命を変え……。遠き日のロマンスと現在進行形のロマンスが重層的に描かれた、心揺さぶる秀作をお楽しみください。
  • さよならを告げぬ理由
    4.5
    個人の患者に付き添う派遣看護師として働くイゾベルは、壮大な屋敷で、緊張しながら雇い主を待っていた。現れたドクター・トーマス・ウィンターはハンサムだったが、イゾベルをひと目見て顔をしかめ、若すぎて不適格だと決めつけた。トーマスとともにストックホルムを経てポーランドへ渡り、彼が幼いころ世話になった養育係(ナニー)を引き取りに行くのだが、脚が悪く気むずかしい老婦人を、彼女には扱えないと言うのだ。イゾベルはくじけそうな心を奮い立たせ、大丈夫です、と請け合った。このときは想像もしなかった。まさかトーマスに恋をするなんて。そして、美貌の婚約者がいる彼は、決して振り向いてくれないことも。■穏やかな作風で読者の心を潤すベティ・ニールズ。謎めいた年上の男性に翻弄されるようにヨーロッパ各地を転々とし、一生懸命期待に応えようとしているうち、いつしか心は彼にとらわれていて――そんなヒロインのいたいけな心が甘酸っぱい、至極の初恋物語です。
  • 孤高の大富豪
    -
    クリオは今夜のパーティにやってくるジョシュを待っていた。たくましくハンサムな彼は町の女性みんなのあこがれの的で、名家の美しい令嬢クリオも、その例外ではなかった。ただし、貧しい時代にクリオの祖父から援助を受けて成功した彼は、決して彼女に近づこうとはしなかった。では、なぜ目が合うだけで雷に打たれたような気持ちになるのだろう?手がかすめるだけで熱い衝撃が走るのはどうして?荒々しく謎めいたジョシュに拒まれるたび、クリオは思い出すのだった。十数年前、珊瑚礁に囲まれた青い海で彼の頬にキスしたことを。それ以来二人の間に芽生えた、切っても切れない運命という名の絆を。
  • ミラノの夜のシンデレラ
    3.0
    ドレスデザイナーのアラベラの前に、思いがけない人物が現れた。罪なほどセクシーなイタリア人富豪ルキーノ・モンティセリ――妻子の存在を隠して愛の言葉をささやき、わたしの心をもてあそんだ男。しかし今、アラベラを見るルキーノのまなざしは怒りに燃えていた。「きみの雇い主のマリアは僕の叔母だ。きみはモデルをやめたあと、売れる見込みもないドレスをマリアに買い上げさせて大損をさせた」ルキーノは衆目を集めてドレスの在庫を売りさばくことを要求した。アラベラが自作のドレスを着て彼とデートをすればいいというのだ。しぶしぶながら、アラベラはルキーノの要求を受け入れた。ふたたび感じた胸のざわめきには気づかないふりをして。■あふれるほどの富と魅力を兼ね備えているルキーノですが、じつは悲しい秘密を抱えていて……。ミラノとメルボルンを舞台に繰り広げられる切なくも美しいシンデレラストーリーをお楽しみください。
  • プリンスは踊れない
    4.0
    メレディスのこれまでの人生は不幸一色だった。小さな島国、チャタム王国の貧民地区で女手一つで育てられ、バレリーナをめざすが、恋人のために諦めて母になる道を選んだ。だが、その彼にはすぐ捨てられ、あげくに娘と母を事故で奪われた。心のよりどころは、貧しい少女たちのために開いたダンス教室。そして、今年の春の祭りで王子と踊ることになったのだ。レッスンに現れたプリンス・キアナンは魅力的で自信に満ち、おとぎ話を信じないメレディスでさえ、惹かれずにはいられない。それにしても、決して感情を見せない彼のダンスは堅苦しすぎるわ!祭りまで数日――王子の心を開くため、メレディスは一計を案じる。■軽やかな作風で人気のカーラ・コールターが放つ感動のロイヤル・ロマンス。貧しさと絶望から、若くしてドライな心を持つようになったヒロインと、踊るのが大の苦手という堅物のプリンス。ダンスを通じて心が通い合ってもなお、身分の差は超えられなくて……。
  • ドクターは御曹子
    -
    フィリーはロンドンの病院で働く優秀な看護師。友達も多く、患者からも慕われ、医師からの信頼も厚い。しかし国家公認看護師の最終試験に合格しても、無神経な継母と妹たちからお祝いの言葉はなかった。ほかの同僚はみんな、家族や恋人に祝ってもらえるのに。寂しい思いを隠して、フィリーは一生懸命仕事に励んだ。勤務が終わったころ、彼女は待ち人がいることを告げられる。言われた場所にいた男性には、見覚えがあった。今朝、エレベーターで手伝ってくれたすてきな人。なんと彼の用件とは、お祝いもかねた食事への誘いだった。
  • 紺碧のアマルフィ
    -
    地味な秘書のアナベルに、驚くべき仕事が舞い込んだ。取引先のイタリア人自動車会社社長から、新しいスポーツカーの広告モデルに指名されたのだ!“きみは美しい――まだ誰も気づいてはいないがね”老社長に励まされ、アナベルは思いきってやってみることにした。撮影初日を終えた夜、ひとりコテージで休んでいると、突然ドアが開く音がして、誰かが入ってくるではないか!社長が息子のルッカに譲ったというこの別荘は、今は空き家のはず……。まさか、彼が帰ってきたの? 現れた男は、アナベルを一瞥して言った。「僕が留守のあいだ、父はここに愛人を閉じ込めているというわけか?」■ある悲しい事情から、家族にも知らせず秘かに帰郷していたルッカ。愛人と疑われて憤慨したアナベルは出ていこうとしますが、彼が怪我を負っていることに気づき、仕方なく看病を始めます。美しいアマルフィ海岸を舞台に、静かに育まれていく愛の物語をお楽しみください。
  • 届かぬ薔薇
    4.0
    看護師のジェニーは、由緒ある名家の養女として育った。ハンサムで優秀な医師のダニエルに秘かな恋心を抱いているが、病院じゅうの憧れである彼が、振り向いてくれるとは思えない。あるとき、二人が担当する患者を立て続けに不幸が襲う。悲しみに沈むジェニーを、ダニエルはまるで兄のように慰めてくれた。仕事のことで、こんなふうに甘えてはいけないわ――必死に自制しようとするが、彼の腕の中から逃れることができない。ジェニーは知らなかった。ダニエルも彼女に惹かれながら、貧しい生い立ちに引け目を感じ、気持ちを伝えられないでいることを。二人はこみ上げる思いを抑えきれず、いつしか唇を重ねていた。■越えてはいけない一線を越えてしまった二人。あろうことかジェニーは妊娠し、胎児は生死に関わる危険な状態にあることがわかります。赤ん坊を救うための難解な手術ができるのは、ダニエルだけで――。ジョージー・メトカーフが描く、感涙必至の感動作です。
  • 絆のプリンセス
    -
    幼いころに両親を亡くし、車の整備士の伯父に育てられたイジー。その伯父も亡き今、彼女は独りぼっちだった。母のたった一つの形見は、家族に伝わるという古い木箱だが、鍵が行方不明なので、開けることができない。ある日、イジーの職場に黒塗りのリムジンが横づけされる。側近を従えて降りてきたのは、端整ながらもどこか野性的な男性だ。「きみがイザベル・ポーサードだね?」彼は親しい人しか知らないはずの本名をたずね、返事も待たずに続けた。「僕はニコ。ベルノニアの皇太子で、6歳のときにきみと結婚した」口をぽかんと開けたイジーをまっすぐに見据え、ニコは鍵を差し出した。■はたして鍵は木箱にぴったり合い、亡き母からの手紙やティアラを見つけたイジーはみずからの素性を知ります。けれど見知らぬ男性と結婚しているわけにはいかないと、婚姻無効の手続きのためニコとともに機上の人となりますが……。
  • 出会いは偶然に
    4.0
    ロンドンの病院で看護師をしているクレシダは、父親と母親を相次いで亡くし、悲しみに打ちひしがれた。大きな衝撃から立ち直るため、クレシダは看護師の職を辞めて心機一転しようと決めた。職業斡旋所で紹介されたのは、オランダの老医師が専門書を英語で執筆するのを補佐する仕事。雇い主の家に向かう途中、クレシダはアムステルダムに立ち寄ったが、運河の入り組んだ中心街で道に迷ってしまう。そんな彼女を助けてくれたのは、背の高い金髪の男性――ヒレス・ファン・デル・テイレだった。■古きよき時代の、心温まるロマンスを描き続けたベティ・ニールズ。本作はヒロインが仕事で訪れたオランダで運命の男性にめぐり合う物語です。
  • 白百合の令嬢
    4.0
    シドニーで新しく生花店を開いたソーニャは注目の的だった。若く美しく聡明で、アレンジメントの腕もいい。その彼女が伯父マーカスと親しいのがデイヴィッドは不安だった。もしかしたら、裕福な伯父の妻の座を狙っているのかもしれない。出自の不明な女性との結婚など、由緒ある一族が許すはずがなかった。彼女の素性を調べ、正体を明らかにしなければ……。一方、マーカスに連れられて晩餐会に出席したソーニャは、デイヴィッドを紹介され、激しく心を揺さぶられた。彼は明らかに、わたしを財産目当ての女だと疑っている。なのになぜ、すべてを打ち明けてしまいたい衝動にかられるの?■伯父を守るつもりでソーニャの秘密を暴いたデイヴィッド。皮肉なことに、その素性を知ったが故に彼女に強く惹かれていき……。愛の喜びと苦しみを、実力派作家マーガレット・ウェイが大きなスケールで描いています。渾身の一作を、どうぞご堪能ください。
  • 孤独な夜のシンデレラ
    -
    サラは自分の身に起こったことが信じられなかった。上司に内緒で持ち帰った赤いピンヒールの片方が――人気ブランドの貴重な試作品が、行方不明になってしまったなんて。またとないチャンスだったのに。あの靴の記事をうまく書けば、ファッション誌の記者に昇格できたかもしれないのに……。オフィスで頭を抱えていると、思いがけない人物が現れた。一流デザイン会社の若き最高経営責任者(CEO)、ケイレブ・ルイス。サラが何度もゴシップ記事の対象にしてきたゴージャスなプレイボーイだ。ケイレブは例のピンヒールを拾ったことを匂わせてから切り出した。「実は、君を買収しに来たんだ。僕の会社の記事を書いてほしい」■眼鏡に地味な服装で、華やかなファッション界のゴシップを探るサラ。大切な靴を拾ってくれたのは、彼女が密かに思いを寄せていた“王子様”で……。心とろけるシンデレラストーリーです。
  • 愛が凍てつく前に
    4.0
    ジャネットはクライアントのもとを訪れた際、ウェイド・ホルト――10年前に突然別れを告げて姿を消した元婚約者と再会した。今や大企業の辣腕社長となっている彼の冷酷な態度に衝撃を受け、ジャネットはその場から一目散に逃げ出した。翌週、ジャネットの職場を突きとめたウェイドが乗りこんできて、激しい敵意に満ちた声で吐き捨てるように言う。「僕に愛を誓いながら、君は平然とほかの男と結婚した悪女だ!」ジャネットはあっけにとられた。この人はなにを言っているの?あれからずっと私はだれともつき合わず、彼のことを思い出して涙で枕を濡らす夜もあるというのに……。■シリーズを代表するベテラン作家、レベッカ・ウインターズがお届けする切ない再会の物語。〈恋を大捜査〉3部作で活躍した面々も登場して花を添えています。どうぞお見逃しなく!
  • ティアラは似合わない 取り替えられた運命 I
    5.0
    デリで働くキャロは将来自分の店を持つことを夢見ていたが、不幸にも勤め先は倒産し、婚約者からは捨てられてしまった。臨時雇いの職にありついて傷心を癒そうとしていたある日、寄宿学校時代の親友ロッティからメールが届く。ロッティはヨーロッパの小国モンリュースのプリンセスで、自由がないことと、皇太后からの縁談攻撃を普段から嘆いていた。今回のメールによれば、次期王位継承者であるフィリップとの縁談が、双方の意思とはまったく無関係に進められようとしているという。そこで、キャロはロッティから縁談をぶち壊す手助けを求められた。今すぐモンリュースに来てフィリップの恋人役を演じてほしい、と。■同じ寄宿学校出身のキャロとロッティは身分の差を超えた親友同士。ある日、二人はそれぞれ見知らぬ世界に足を踏み入れることに……。5月5日刊ではロッティの物語をお届けします。どうぞお楽しみに。
  • 波打ち際のシンデレラ
    -
    ダリウス・ファルコンはヘリコプターで美しい島に降り立った。冷徹な実業家である彼は、最近この島の所有者となったのだ。日々の仕事で疲れはてていたダリウスは一人浜辺に立ち、静かな時間を過ごしていたのに、それをじゃまする者が現れた。ハリエットは都会的な雰囲気の男性に声をかけたところ、ひょんなことから彼と大げんかになってしまった。はじめは魅力的だと思ったけれど、なんて傲慢な人なのかしら!ところが後日、彼の元妻の結婚披露パーティへの同伴を求められる。こんな冴えない私を、ロンドン社交界の華麗な催しへ誘うなんて、いったいどういうこと……?■一代で巨万の富を築いたエイモス・ファルコンは恋多き人生を送り、世界のあちこちに5人の息子がいます。エイモスは息子たちの結婚に干渉しようとしますが、彼らにはそれぞれ運命の相手が現れ……本作では、長男ダリウスの物語をお楽しみいただけます。
  • 月の砂漠の花嫁
    4.0
    「マドモアゼル、お目覚めですか?」看護師のやさしい声が、ローレンの耳に届いた。まぶたを開けたものの、砂嵐の恐怖がよみがえり、涙があふれてくる。「怖がらなくていい。もう大丈夫だ」力強い男性の声に、ローレンは不安が消え、ふたたび眠りについた。次に意識が戻ると、彼女はさっきの男性に手を握られていた。看護師の姿はなく、ベッドの横にその男性が座っている。高貴な雰囲気をまとい、まなざしには熱いものを見え隠れさせて。ローレンは初対面の相手に心がざわつき、体の震えを抑えられずにいた。彼こそ、ローレンが亡き祖母を偲んで訪れた砂漠の王国を、病気の父に代わって治める、ラシャド王子とも知らずに……。■人気・実力ともにシリーズを代表する作家レベッカ・ウインターズ。彼女が待望のシークの物語を書きました。月の光に美しさを増す、砂漠の魅力が余すところなく描かれた作品です。お楽しみください。
  • 失恋の赤い薔薇 富豪三兄弟の秘密 I
    3.0
    ダリウスは途方に暮れた。父親の不慮の死に遭い、海運グループの経営と屋敷は引き継いだ。会社の株は弟たちと分ければいい。だが思わぬ難問が立ちはだかった。3人兄弟のはずなのに、もう一人、弟が加わることになったのだ。父親が若い愛人とのあいだにもうけた、生後6カ月のジーノだ。しかも父と愛人は事故でともに亡く、後見人は長男のダリウスとなる。会社や弟たちとならうまく折り合える。しかし、赤ん坊となると……。ところがジーノの母親は、親友の弁護士にも遺書で養育権を認めていた。さっき事務所で顔を合わせたばかりのホイットニーだ。子供に接したことのないダリウスは、すがる思いで彼女に助けを求めた。屋敷に一緒に住んで、ジーノの世話を手伝ってくれないかと――。■浮気性の父親のために、離れ離れに暮らしてきた3人の異母兄弟、ダリウスとニックとケイド。富豪一族に生まれながら、家族の愛を知らずに育った不幸せな男たち。
  • 変身は真紅のドレスで
    -
    ラリーは大家族の中で育ち、幼い甥や姪の面倒をずっと見てきた。その忙しさも一段落し、豊富な家事の経験を生かして、家政婦兼アシスタントとして作家のもとで働くことになった。主人のキャメロンは世界的なベストセラー作家でありながら、土地開発でも成功している実業家。多忙な彼の雑用を引き受けて、もっと仕事に集中できるようにするのが、彼女の役目だった。でもキャメロンは事業のほうはうまくいっているのに、小説のほうはスランプらしく、ため息をついてばかりいる。面倒見のよいラリーは、さっそく彼に救いの手をさしのべた。書けないでいる場面を、2人で実際に試してみてはどうかと。それがどんな結果を招くのか、考える余裕もないままに――。■今月、オーストラリアからお贈りするのは、作家のアシスタントになったヒロインが体験する、ちょっとミステリアスでゴージャスな夜の出来事。キスから始まるロマンスに、どうぞご期待ください。
  • ギリシアの悪魔
    -
    ブリスはなんとか弟のジャスティンを助けたいと思っていた。弟は勤め先のナイトクラブから横領の疑いをかけられ、オーナーのギリシア人実業家に訴えられそうになっている。彼女は意を決してパリス・アポロナリスのもとを訪れた。パリスは訊いた。「やつを見逃してやる代わりに、君は何を差し出す?」彼はすべてを持っている。地位も財産も、すばらしいルックスも。唯一まだ手に入れていないものは……私? ああ、なんてこと!パリスは2年前に求婚を断った私を、まだ諦めていなかったのね。今度は私が決してノーと言えないよう、彼は弟をはめたのだ。家族の名誉を守るため、ブリスはみずからを捧げるしかなかった。■ハーレクイン草創期に活躍した作家V・ウィンズピアの初邦訳作品をお届けします。『尖塔の花嫁』もおかげさまで好評をいただきました。ミステリアスな年上のヒーローと無垢な花嫁のロマンスは、今もなお多くの読者に愛されています。
  • 君に甘いつぐないを
    3.0
    深夜、タリーは兄が勤める会社のオフィスに忍び込んだ。なんとしても、このお金を金庫に戻さなければ。もとはといえば、軽率な兄が持ち逃げしようとしたものだけれど、タリーは彼を諭して会社に返すことで納得させた。誰にも気づかれないように、彼女が返してくると請け合って……。でも金庫を開けてお金を戻そうとしたとたん、部屋の明かりがついた!「驚いたな、犯人は一人だけ。それも、子供なみに小柄だ」大柄な男性が険しい目でタリーを見つめている。兄が会うのを最も恐れていた、社長のイェイト・ミーケムに違いない。この男性は、きっと私を容赦なく扱うだろう。肉親をかばうために、タリーは自分がどうされようと甘んじて受け入れる覚悟を決めた。■昨年10月に、2200号記念作品『復讐は愛のはじまり』を刊行し、大好評だったジェシカ・スティール。影のあるヒーローの魅力が際立つ、作者得意のドラマティックなロマンスをお見逃しなく!
  • 愛される季節は過ぎて
    3.3
    あのウェインライトなの? リースは雇主の名前を聞いて驚いた。ニューヨークでも一流と言われる証券会社の経営者一族だ。しかも、これから面接を受けるのは、ブロードウェイにある本社でCEOを務めるニコラス・ウェインライト。赤ん坊の世話をする正式なナニーが来るまでの臨時の仕事だけれど、奨学金を受けて大学院で学ぶリースには、願ってもない条件だった。夏休みのあいだ、住み込みで、勉強しながら働ける。迎えのリムジンに乗ったリースは、向かいに座るニコラスに気づいた。かたわらには、生まれて間もない赤ちゃんが眠っている。リースは思わず身を乗り出し、天使のようなその子に見入った。そしてなにもかも忘れて、心からこの仕事につきたいと願っていた。■大手証券会社の辣腕CEOと、赤ん坊の世話を引き受けるナニー。R・ウインターズがお届けするのは、ニューヨークを舞台にした、ひと夏の忘れられない恋。『瞳の中の楽園』で結ばれたアンドレアスとギャビーも登場して、二人を応援します。
  • 初恋の夢のあとで
    4.0
    これは周到に計画された、私への残酷な仕打ち?シャーロットはローハンを前に、そう思わずにいられなかった。一族が代々暮らす広大な屋敷を買い取ったのが、彼だったなんて。あんなに愛していたのに、彼は追われるように町をあとにした。シャーロットの兄が、川で溺れて帰らぬ人となったりしなければ、すべては今と大きく違っていたかもしれない。一緒にいた兄の死の責めを負って、ローハンが町を出たのち、シャーロットは兄の友人と結婚した。結婚せざるをえなかったのだ。そのとき彼女は、かわいい息子のクリスを授かっていたのだから。シャーロットは怖かった。亡き夫と過ごした愛のない結婚生活よりも、ローハンになじられることよりも、彼がクリスを見てどう思うかが……。★昨年10月、上下巻の長編『地上のエデン』を刊行し、好評だったマーガレット・ウェイ。彼女のオーストラリアへの愛が余すところなく描かれた力作を、心ゆくまでご堪能ください。
  • 花嫁までの距離 愛をたどる系譜 II
    3.5
    17歳の看護実習生ディーは、姉の帰りを待っていた。きょうは美人の姉シルビアが、家に新しい恋人を連れてくる。マークが玄関に現れたとき、ディーは息が止まりそうになった。こんなにもハンサムで、明るく大きな声で笑う人は初めてだ。姉とじゃれ合いながらも、ディーを一人前のレディとして扱い、きちんと話をしてくれる彼を、ディーはすぐに好きになった。姉の恋人でもかまわない。わたしたちはこんなにも気が合うのだから。だがディーはまだ知らなかった。姉のほんとうの心の内を。そして、マークの奔放な女性関係や、無鉄砲で命知らずな夢を。ディーの、長く苦しい片思いのはじまりだった。★危険と女性に愛され、母親たちが“彼は悪い男よ”と眉をひそめるような男性に恋をしてしまったディー。彼の心を射止めるまでの長い5年間を、人気作家ルーシー・ゴードンが、優しく見つめるように描きます。
  • 星降る夜の贈り物
    -
    最悪。今年の仕事はこれでおしまいというときに、空港の管制官がストを起こして、飛行機が全便欠航だなんて。メグは社長のウィリアム・マクマスターのオフィスを見やった。彼はもう次の滞在先のニューヨークに向かおうとしている。メグは彼がオーストラリアにいる間、個人秘書を務めていた。年に3カ月ほどの勤務だが、彼の要求には常に応えなければならない。メグはやっとのことでウィリアムに出発をあきらめさせたけれど、今度はストが終わるまで泊まるホテルに、空きが一つもなかった。「何とかするのが秘書の役目じゃないのか」怒った彼が言う。メグはさんざん迷った末、上司を実家に招待することにした。家族で祝うクリスマスに、不機嫌な彼がどう反応するか危ぶみながら。■オーストラリアから、真夏の夜空をサンタが駆ける、とびきりのクリスマスをお届けします。M・レノックスが描く、満天の星の下で憧れのボスと過ごす至福のひとときを、どうぞお楽しみください。
  • 突然の逃避行 夢の国アンブリア I
    3.0
    「あなたは、アンブリアのプリンスたちのことをなにか知っている?」その女性は思いつめた表情でデイヴィッドに尋ねた。意外な質問に、彼は息苦しさを覚え、聞き違いかとさえ思った。女性の名はエーメ。妹が残した赤ん坊の父親捜しに、テキサスからやってきたという。ロンドンで社交生活に明け暮れるデイヴィッドには、運輸会社の支社長とは別に、もう一つの隠された顔があった。それはアンブリアの王家に生まれたプリンス・ダリウスとしての顔。だが今はないこの王国の肩書は、限られた者しか知らないはずだった。驚くデイヴィッドに、エーメはさらに思いがけないことを告げた。赤ん坊の父親はプリンス・ダリウスだと、妹から聞かされたと。■10/20刊からレイ・モーガンの3部作〈夢の国アンブリア〉を3カ月連続でお贈りします。国を追われたプリンスたちが、それぞれの恋人とたどる祖国への旅路の結末を、どうぞお見逃しなく。
  • ガラスのピンヒール
    3.0
    採用された会社で、新しいファッションブランドの顔に抜擢。上司の大物実業家とは婚約。ルーシーはまさにシンデレラ気分だった。ところが、ふと目にした社内のファイルで、すべては新ブランドのイメージキャラクターを作りだすための大嘘で、シナリオが初めからできあがっていたのを知ってしまった。怒ったルーシーは新ブランドの発表会場に乱入し、憎い婚約者に指輪を投げつけて、証拠のファイルを手に逃げだした。彼女はロンドンの街を走り、デパートの人込みの中にまぎれ込んだ。逃げる女性と彼女を捜す男たち――そのありさまを上の階から、じっと見ていたのがナサニエル。デパートのCEOだった。混雑する店をまわっていた彼は、とっさにルーシーのあとを追った。■12月、イマージュの人気作家L・フィールディングがとっておきのクリスマス・ストーリーをお贈りします。夜空に天使が舞う季節、華やぐ街で、恋人たちに訪れる魔法の時をともにお過ごしください。
  • 冬のウエディング
    4.0
    仕事ぶりは一流だが、容姿は小太りで地味な看護師……。医師たちのそんな話を耳にして、エミリーは憤慨した。しかも“小太りで地味”と言ったのはユレス・ロメイン教授。オランダから来たハンサムで優秀な外科医で、みんなの憧れだった。彼を手伝って難しい手術をこなすうち、少しは打ち解けられたけれど、自分の容姿についてのエミリーの引け目は、決してなくならなかった。ところが、病院でダンスパーティが開かれた夜、パートナーにないがしろにされて打ちひしがれるエミリーを助け、家まで送ってくれたのは、ほかならぬユレス・ロメイン教授だった。そして教授へのわだかまりがようやく溶け始めたとき、エミリーは彼から思いもよらない申し出を受けることになった。■オランダの秋から冬へ。今回ベティ・ニールズがお贈りするのは、移ろう季節の中で徐々に深まっていく、恋人たちの愛の絆の物語。古い館で祝うクリスマスや新年の様子とともにお楽しみください。
  • アンダルシアの花嫁
    3.5
    「マギー、お願いよ! 私を見捨てないで」悲しげな声で訴える少女に、マギーは折れるしかなかった。まさか英語を教えている18歳のカタリーナに付き添って、ふたたびスペインを訪れることになるとは思ってもみなかった。それも、すべてはセバスティアンの取り決めによるものだった。彼はカタリーナの後見人兼婚約者で、傲慢かつ危険な魅力を持つ男。いくらカタリーナの亡き父親から彼女を託されたからといって、強引に婚約までして守る必要があるの? 少女を救いたいと思いつつ、その一方でマギーは、どうしても男性として意識させられてしまう、セバスティアンに屈しそうな自分がいやでならなかった。8年前あの国で恋に落ち、ずたずたにされた心の傷を抱える身なのに。■スペイン南部、情熱のアンダルシアを舞台にしたクリスマス・ストーリーをお届けします。L・ゴードンが描く、頑固なまでに誇り高い、魅惑のスペイン人ヒーローにご注目を。
  • 復讐は愛のはじまり
    4.0
    苦労してキーリーを育ててくれた最愛の母が再婚した。相手は、母がハウスキーパーをしていた屋敷の主。思いがけないシンデレラ・ストーリーにキーリーは喜ぶが、幸せに輝いているはずの母の顔が浮かない。聞くと、再婚相手の息子が“財産めあてに父を誘惑した”と母を責め、小切手を持たせて追い出そうとしたというのだ!キーリーは憤慨した。許せないわ、そのタラントという息子――。オフィスに乗り込んだ彼女を迎えたのは、長身のハンサムな男だった。「きみがあの禿鷹の娘か? 母親が言うとおりの美人じゃないか」傲慢な笑みを浮かべ、無遠慮に彼女の体をながめまわす。気づくと、キーリーの手が音をたててタラントの頬を打っていた。■ハーレクイン・イマージュは、おかげさまで2200号を迎えました。記念号として、ジェシカ・スティールによる1984年の未邦訳作品をお届けします。作家からのメッセージと併せてお楽しみください。
  • 地上のエデン 上
    -
    12年前、ニコールの母は愛人デイヴィッドとともに車ごと崖から転落して命を落とした。事故か、情死か、他殺か?確かな証拠もないまま、犯人扱いされたニコールの父ヒースは家を出た。ニコールもデイヴィッドの甥である幼なじみのドレイクと引き離され、母の衝撃的な死によるトラウマに苦しんだあげく、故郷をあとにした。5年後、ニューヨークで画家として成功をつかみかけた矢先、一族の土地エデンを守る伯母からニコールに電話が入った。ヒースが不治の病にかかって屋敷に帰ってきたという。さらに、土地の買収を進めるドレイクがエデンを狙っているとも。ニコールは悟った。故郷に帰る、避けられないときがついに来たのだと。
  • 魔法のハーブを求めて 恋人たちのレストラン
    -
    父親が経営するレストランの自慢メニューが危機に瀕している。娘のイザベラは、気が気でなかった。ソースに入れるバジルが、王家の城の庭だけに生える貴重なもので、いつもは父が忍び込んで摘んでいたが、病気で倒れてしまったのだ。バジル摘みは、店で働くイザベラの手にゆだねられた。城には王子のマックスが住んでいるが、こもりがちで謎めいた存在。村の娘をさらっては地下牢にとじこめているという噂もある。バジル採りに行って、もしも王子に見つかったら?イザベラはおびえながらも、月の夜になんとか庭に入り込んだ。だが、すぐに馬に乗った黒ずくめの男が彼女のほうに迫ってきた。あれが噂の王子なの? 大変、つかまったらどうしよう!
  • 背中合わせの恋
    4.0
    「まさか、君は本気で赤ん坊を出張に連れていく気じゃないだろうね」社長のレックスの言葉に、ロミーはなんとか怒りを抑えた。急に行けなくなった上司に代わって、あわてて空港に駆けつけたのに。レックスの会社で働きはじめて半年、ロミーはずっと彼を避けてきた。それはレックスも同じだったはず。彼女のことを知りながら、一度も声をかけてこようとはしなかったのだから。ロミーはかつて18歳で、レックスと結婚を誓ってパリに駆け落ちした。短い間だったけれど、あのときの思い出は決して消えていない。けれど、今ではみんな大昔のこと。あまりに突然の出張で、預けることもできずに連れてきた我が子を、ロミーは不安げに見やった。■元恋人同士が社長と部下として出会ったら――ジェシカ・ハートがオフィスを舞台に描くのは、ちょっとすてきな恋物語。本作は『秘書の失恋日記』の関連作です。
  • ロマンス計画進行中
    -
    深夜、ソフィーは一人で隣の家の裏庭に忍び込み、うずくまった。純白のウエディングドレスを着て、手には結婚式の招待状やハネムーンのパンフレットをまとめた箱を抱えて。そして箱の中身を次々燃やしていく。実現しなかった夢を忘れるために。今日、元婚約者から真新しい婚約披露パーティの招待状が届いた。結婚をためらう私から、彼はすぐに別の相手に乗りかえたらしい。でも彼には、かつてこの家に住んでいたブランドほど魅力は感じなかった。5歳年上のブランドは、不器用な女の子だった私を守ってくれたヒーロー。なのに彼は家を出て、もういない。今なら大人の私を見てもらえるのに。「スイートピーだろう?」誰かが不意に庭に出てきて、声をかけた。ソフィーは振り向いた。懐かしい愛称で彼女を呼ぶブランドの姿を求めて。■ウイットに富んだ明るい作風で、多くの読者の支持を得る作家、C・コールター。ヒーローの助けで、つまずきながらも少しずつ自立していくヒロインの姿が、さわやかな感動を誘います。
  • 失恋の秘薬
    -
    マデリンは父の遺した診療所の経営を立て直そうと懸命に働く毎日だ。ある日、隣に新しく代替医療のクリニックができ、彼女は閉口する。過去に妹を亡くしたことから、その類いの医療を目の敵にしているが、まさかふたたび身近にかかわってくるだなんて!たまらず抗議しに行くと、えくぼが魅力的なドクターに迎えられ、怒る気持ちとはうらはらに思わずどぎまぎしてしまった。マーカスという名のセクシーな彼を男性として意識せずにはいられない。2カ月前に手痛い失恋をした彼女の頭に、友人の助言がよぎる――恋に破れたら、べつのだれかと一夜をともにするのが効く、と。自分らしくもない考えに、みずからを戒めるマデリンだったが……。
  • 別離のあとさき
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    荘厳な教会に神父の堂々とした声が響く。オリヴィアは今まさに夫婦の誓いを立てようとしていたが、彼女の心は2年も前から閉ざされていた。これは親同士が決めた、偽りの結婚にすぎない。そのとき、背後で男の声が響いた。「式を中断してくれ!」オリヴィアは振り返り……息をのんだ。グレゴル。死んだはずの夫がなぜここに?愛する人を失ってから、ずっと抑えていた悲しみが悲鳴をあげ、彼女はゆっくりと気を失った。なぜ彼は、あんな変わり果てた姿に……と思いながら。■夫の生還は嬉しくても、2年ものあいだ音信不通だった理由を打ち明けてくれないことに、オリヴィアの不安は募ります。二人は元の幸せを取り戻せるのでしょうか。
  • 相続された妻
    -
    シャノンは夫のアランを亡くし、警備会社の共同経営権を相続した。そしてもう一人の共同経営者でアランの親友でもあるジェイスとともに、会社の経営にたずさわることになった。アランとは30歳近く年が離れていたが、穏やかな結婚生活が送れた。しかし年齢の近いジェイスを前にすると、どうにも落ち着かない。それは6年前アランとジェイスに秘書として雇われたときと同じだった。だがその気持ちを見定める前に、アランにプロポーズされ結婚した。今、私は夫の死を悲しみながらも、ジェイスに心残りがあるのだろうか?とまどうシャノンに追い討ちをかけるように、彼は意外な言葉を口にした。「6年前、僕は君とデートしたかった。だがアランのためにやめたんだ」■物語の舞台はサンフランシスコ。にぎやかな西海岸の街の様子と、美しい港や橋、公園をそぞろ歩く二人を、軽快な作風で人気のバーバラ・マクマーンが心をこめて描きます。
  • ギリシアを捨てた妻
    4.0
    アテネの令嬢イレーナは、生まれて初めて本当の恋に落ちた。出張先のイタリアで出会ったヴィンチェンツォと。ハンサムで傲慢な彼は、初対面のときから、臆することなくイレーナへの好意を表し、彼女の心に踏み込んできた。最後の日、イレーナはついに彼のアパートメントで一夜を過ごし、二人は抑えきれない愛を分かち合った。ヴィンチェンツォは静かに告げた。ぼくたちは正反対だ。だから結婚するべきだよ、と。彼の言葉は真実を突いている。イレーナはうなずいた。アテネにいる、形だけの許婚のことも忘れ、ヴィンチェンツォが、本当は誰なのかも知らないまま……。■6/20刊『瞳の中の楽園』に登場したアンドレアスの元婚約者、イレーナの物語をお届けします。ギリシアを離れ、イタリアに運命の出会いを見つけたイレーナ。美しいリオマッジョーレの町で、公爵家の末裔ヴィンチェンツォとの愛が紡がれます。
  • 恋が終わるたびに
    -
    テレビ番組に出演して、美しい無人島に取り残されるなんて、最高に幸せだと思っていた。一週間生活をともにするのが、ジャレッドこと、“私を捨てた昔の恋人”と知るまでは。でも平気。彼にはもうなんの感情も持っていないから。女性視聴者たちは、ジャレッドの日に焼けた肌に、きっとうっとりするんでしょうけど、私は知っているのよ。彼はただの、傲慢でマッチョな女たらしだって!カメラがまわっている。ビーチでジャレッドと顔を合わせなくては。このビキニをつけた私が、どうかすてきに見えますように……。■無人島でひと組の男女が一週間、ふたりきりで過ごすテレビ番組『ストランデッド』。出演した男女がもし元恋人同士だったら?ブログやツイッターも出てくる、楽しいロマンスにどうぞご注目を。
  • 星影の眠り
    4.0
    また、いやな夢を見た。無理もない。シェラザッドは戦いの場と化したバルカン半島にいて、負傷者の治療をおこなうトラックの中で眠る日々が続いていた。でもこの体があちこち痛むのは、襲撃してきた男に殴られたせい?その瞬間、シェラザッドははっと目を覚ました。地面に横たわり、覆面をした男に覆いかぶさられている。これは夢ではない!彼女はひどく動揺し、男を見て……様子がおかしいことに気づいた。彼は出血している。このままでは命がもたないかもしれない。だが、トラックを襲ってきた張本人を手当てするべきだろうか?そのとき、彼がふいにつぶやいた。「シェラザッド、僕は君の仲間だ」■砂漠や過酷な地で燃えあがる、美しくも激しい愛を描いて人気のオリヴィア・ゲイツ。本作は、昨年7月に刊行されて好評だった『朝の光に咲く花』(I-2105)の関連作ともなっています。
  • 今日から始まる物語
    -
    マリの勤めるホテルが買収され、巨大ホテルチェーンの傘下に入った。そして今日、新しいオーナーのルカ・フィオーリがマリを訪ねてきた。彼には独自の経営プランがあり、思いどおりにホテルを改修するつもりらしい。今のホテルの雰囲気に愛着を感じているマリとしてはおもしろくないが、さらにおもしろくないのは、イタリア人の彼に反発を覚えながらも、そのハンサムな風貌に魅力を感じている自分だった。ところが一方で、マリは胸の奥に大きな不安も抱えていた。それは忘れようとして忘れられない、ある出来事の記憶――男性との付き合いにどうしても臆病になってしまう、心の傷だった……。■イマージュに初登場の作家ドナ・アルウォードの作品をお贈りします。悲しい過去のせいで愛に踏み切れずにいる恋人たちを、カナダの美しい自然が癒していく、心にしみるロマンスです。
  • 告白は結婚式で
    1.5
    ブリスベンの病院に勤める産科医のマーティは心を痛めていた。自動車事故にあって早産したナタリーという妊婦が、治療のかいもむなしく亡くなったのだ。そこへ、赤ん坊の父親であるスペイン人外科医――カルロス・キンテーロが現れた。彼はスペインでナタリーとつかの間の関係を持ったが、彼女が妊娠していた事実はまったく知らなかったという。赤ん坊に情が移っているマーティの姿を見るや、カルロスはとんでもない話を持ちかけた。“僕の妻になって子供を育ててほしい”と。
  • 二人は恋人未満 トラブル・イン・ベガス I
    -
    アレックスは傷心の親友を連れて、女四人でラスベガスにやってきた。夢のような週末を過ごして、いやな現実を忘れるためだ。訪れたのは、宮殿のようにきらびやかなホテル〈マッケンドリック〉。滞在を楽しんでいたアレックスは、ふとしたはずみから、産気づいたコンシェルジュを助け、彼女の仕事までこなしてしまう。そのようすがホテルのオーナーのワイアットの目にとまり、社員が産休を取るあいだ、手伝ってくれないかと持ちかけられる。だめよ、そんなこと。二度と男にはお節介を焼かないと誓ったくせに。つい最近も、尽くすだけ尽くして肝心の恋に破れたばかりじゃないの。でも、困っている相手を見過ごせない性格は、もう走りはじめていた。まるで、ワイアット以外、目に入らないかのような勢いで。■親友四人がラスベガスで週末を――それは傷心を癒すための旅行。でも、彼女たちにはそれぞれすてきな出会いが待っていました。
  • 尖塔の花嫁
    3.5
    亡くなった娘に顔かたちが似ているという理由で、グレンダはエディス・ハートウェルに引き取られた。裕福な養母はグレンダを大切に育ててくれたが、後ろ暗い秘密を打ち明けたのは、死の床でだった。じつはエディスは、娘を将来嫁がせる見返りとして、マルローという一族から莫大な援助を受けていたという。わたしを引き取ったのは、娘が亡くなったことを隠し、贅沢な暮らしを続けるため……。グレンダは驚愕したが、エディスの名誉のためにも、結婚するしか選択肢はなかった。ロワールの城に住む、顔に恐ろしい傷を持つマルローと。 HQ草創期に活躍した作家、ヴァイオレット・ウィンズピアの未邦訳作品をお届けします。フランス、ロワール地方の古城を舞台にした、重厚なロマンスの世界をご堪能ください。
  • ナニーの恋人宣言
    -
    家事代行会社に勤めるエリーは、休暇中の経営者から留守を任され、張り切っていた。ところが初日から、いきなり問題が起こった。世界的なホテルチェーンの代表であるマックから、住み込みの養育係(ナニー)兼メイドの派遣を依頼されたのだ。ナニーの派遣は業務にないが、顧客の彼を逃すわけにはいかない。エリーはみずからその仕事を引き受けることにした。だが、美術館のように美しいマックの屋敷には不可解なことばかり。妻の姿がなく、マックは肝心の子供たちの世話を任せようとしない。この屋敷では、いったい何が起こっているの……?やがてエリーは、子供たちの母親について驚くべきことを聞かされる。 ハネムーン中の友人から会社の留守を預かり、意気込むエリー。前作「ミリオネアの償い」(I-2166)にも登場した、“マジック”こと、エリーのにぎやかな恋の顛末をどうぞお楽しみください。
  • 幸せは今ここに
    -
    不慮の事故で最愛の夫と娘を亡くして四年、エレノアは、いつまでも思い出にばかり浸る生活から抜け出そうと、得意の家事の腕を生かして住み込みの家政婦の仕事を得た。派遣先はロンドン郊外の古い屋敷。主人のマークは海外出張が多く、留守がちだと聞いている。前任の家政婦から渡された鍵で、エレノアは人気のない屋敷に入った。そして、主人がいつ帰ってきても迎えられるように、部屋の片づけや料理の準備に忙しく働いた。なのに、まさか深夜に当のマークと顔を合わせるとは思わなかった。暗がりで寝室を間違えて……思わず目を覆いたくなる姿の彼と。
  • 瞳の中の楽園
    3.5
    姉の遺児である双子の赤ん坊を育てているギャビーは、ある日、ギリシア有数の大富豪、アンドレアスに面会を申し込んだ。アンドレアスこそが、この赤ん坊たちの父親なのだ。亡き姉は彼と一夜の関係を持って妊娠し、ひそかに出産したのだった。しかし、話を聞いたアンドレアスは身に覚えがないようすで、ギャビーを手切れ金目当てと決めつけ、冷たくあしらう。プレイボーイと知りつつ彼に一目惚れしたギャビーは失望を噛み締め、子供たちは自分で育てていこうと心に決めた。ところが――翌日アンドレアスは自分にそっくりな男性を彼女に引き合わせた。「僕の双子の兄だ。赤ん坊たちの父親は、実は兄なんだ」
  • 星と砂とシーク
    3.0
    「まさか、そんな」ハナーの口からつぶやきがもれた。もしこれがあの人なら、ここにいるだけで村が危なくなる。看護師として、北アフリカで医療活動を続けるハナーは、救援物資を村に届けてくれたトラックの運転手を見て驚いた。途中で武装勢力に襲われ、傷ついているばかりではない。彼はハナーの祖国の英雄、アーリム・エル・カナールだったのだ。世界でもっとも有名なレーシング・チームのドライバーであり、石油と天然ガスを掘り当て、国に繁栄をもたらしたシーク。でも、その栄光は三年前に終わりを告げた。兄を事故で失って以来。彼は今祖国を捨て、失踪中の身。こんなところで会おうとは……。ハナーは背後に迫る追っ手の影を感じていた。
  • 美しい夢をあなたと
    4.0
    継父にうとまれたせいで、ローラは十六歳のときから自活の道を歩むしかなかった。医師になる夢を実現した今では、国際救護団体(GAO)で医療支援に携わっている。財政破綻のために医療制度が崩壊しているアルゼンチンには、ラ・クリニカという意欲的な病院がある。そのことを知ったローラは四人のチームでアルゼンチンに来たが、せっかくの支援活動を邪魔する者が現れた。ラ・クリニカの設立者で院長でもあるアルマンド・サラザールだ。彼はローラを部下扱いし、支援チームを医療現場から遠ざける。しかし、それは彼女を襲う試練の幕開きに過ぎなかった。■ディザイアでも人気のオリヴィア・ゲイツ。イマージュでは、医療現場を描いたロマンスをお届けしています。アルゼンチンを舞台にした本作は、究極の状況に置かれた主人公たちの物語です。
  • あの日の恋をもう一度
    4.0
    たった一人の肉親だった祖父の死後、メイは途方にくれていた。三十歳の誕生日までに結婚しないと屋敷の相続権を失うなんて……。あの日以来、恋人はいない。しかも、三十歳の誕生日は間近。一方、アダムは妹が置き去りにした赤ん坊を前に困り果てていた。手紙には、頼るべきはメイ・コールリッジとある。深窓の令嬢メイとの身分違いの恋を諦めたあと、アダムは実業家として成功。今はセレブの仲間入りを果たしていた。その日、偶然公園で会い、十三年ぶりに言葉を交わした二人は互いの窮状を打ち明け、そして……偽装結婚に合意した。

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