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死者の書
時は八世紀半ば、平城京の都が栄えた頃。いずれ氏神に仕える者として、館の奥深くで育てられた藤原南家の娘――郎女は、ある年の春分の日の夕暮れ、荘厳な俤びとを、二上山の峰の間に見て、千部写経を発願する。一年後、千部を書き終えた郎女は、館から姿を消し、ひとり西へ向かう。郎女がたどり着いたのは、二上山のふもと、女人禁制の万法蔵院。結界破りの罪を贖うため、寺の庵に入れられた郎女は、そこで語り部の姥から、五十年前に謀反の罪で斬首された滋賀津彦と耳面刀自の話を聞かされるのだが――。第18回文化庁メディア芸術祭[マンガ部門]大賞「『五色の舟』(原作:津原泰水)」 受賞後第一作! 日本民俗学を築いた折口信夫の傑作小説を、初読四十年にしてついに漫画化。古代へと誘う魂の物語。 -
折口信夫文芸論集
釈迢空の別名を持ち、学者にして詩人、詩人にして学者という生涯を送った折口信夫は、古代から近代にいたる日本文化を貫く本質をとらえ、詩歌、小説、文学研究、民俗学研究と他の追随を許さない多岐にわたる業績を残した。源氏物語、隠者の文学、短歌の滅亡、近代文学など折口が関心を寄せた日本文学の諸相を多彩な切り口で整理し、批評家としての全体像に迫る画期的評論集。 -
折口信夫 山のことぶれ
マレビトやヨリシロなど独創的な概念を通じ、古代の人々の考えと生活を明らかにしようとした折口。民俗学、国文学、芸能史など、既存の学問分野を超える思想を一冊で。 -
かぶき讃
「なまめける歌舞妓びとすら ころされて、いよ 敗れし悔いぞ 身に沁む」(昭和二十一年)と詠んだ折口信夫は、戦中から戦後、歌舞伎について度々論ずるようになる。防空壕の中で死んだ中村魁車、上方歌舞伎の美の結晶実川延若、そして六代目尾上菊五郎。役者論を軸に、豊穣な知とするどい感性で生き生きと描く独特な劇評集。