xfhさんのレビュー一覧
レビュアー
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グルメ漫画の整体版。笑える!
グルメ漫画で、序盤から少しずつ食べ物の蘊蓄を重ねて行って、それにつれて主人公の気持ちが盛り上がり、ついに一口食べたその瞬間、絶頂…!
という展開の、整体バージョンです。
仕事で日本各地に出張し、その土地独自の整体(北海道ならカニとか出て来る)を施され、毎回天国へ昇るリーマンおじさん(有能イケメン)の話です。
リアクションが結構笑えるのと、自宅でストレッチする際のアドバイスが1話につき1ページ付いているのとで、笑いあり知識ありでお得感があります。
全体的にボーイズラブっぽさがあるので、その意味で読者を選ぶかもしれません。直接的なBL描写は一切ありませんが、整体師はどの話でもイケメン男性、主人公の部下(多分イケメン)は主人公に心酔。言葉選びもBLっぽさに溢れているので、あえてそうしているのかもしれません。 -
購入済み
明智さんのイメージが…
読む人、個人個人によると思いますが、自分は原作の明智さんとだいぶ違うなあと感じます。
金田一少年と張り合ってる時のイヤミったらしさや「私は凄い人なのですよ」的な空気が無いのが、物足りなさを感じます。
自慢話たっぷりで余裕もたっぷりで有能な人として描かれてはいますが、重要人物さが無いというか…。単に頭の良い天然、みたいな感じになってしまっています。
明智さんとは別人だと思えば、本格推理物として楽しく読めます。というか完全なオリジナルで良かったように思います。金田一少年のスピンオフで警部の頃の明智さん、という設定は不要だったのでは(スピンオフってことにしないと売れないから?)。 -
可愛くて癒されます
他人の心の声が聞こえるという、設定としてはありきたりですが、絵が可愛いのと、話がほのぼのしているのとで、とても癒されます。
お互い好きあってるけどまだカップルじゃない、みたいな両片思いのようなシチュエーションが個人的に好きなので、男性(他人の心の声が聞こえる)にも女性(この男性をめっちゃ好き)にも「その思いを言葉にして伝えるんだ!がんばれ!」なんて応援してしまいます。
でも実際、心で思っていることを言葉にするのは難しいですよね。言えないことに悩む女性の気持ちはとても共感できます。
あと、女性は楽しいことや好きなことで心を一杯にしていて、そんな女性に男性が惹かれるのももっともだなと思いました。私もこの女性のように、愚痴ではなく好きなことで心を一杯にできたら素敵だなと思います。 -
テンポが速くてサクサク読めます
笑える!
肉体だけが男子、他は女子、という世界観な模様。口調も男子。
自撮りを盛ったり、スカートを短くしたり、胸の大きさを気にしたり(胸はあくまで男子の鍛え上げられた肉体の胸です、女子のようなたゆんたゆんのお胸ではないです)。
思わず主人公を応援したくなりました。典型的な堅物の学級委員長さんです。
女子特有の(全員男子だけど)グループに加われず休み時間に一人であることを気にして、クラスの人気者と自分との違いは何だろうかと悩んだり、「人に好かれる人になる」みたいな本を愛読してたり(笑)。
でも頑張り屋さんで、一人でこそっとスカートを短くしてみたり、自分と同じくいつも一人でいるクラスメイト(ヤンキー風)との距離を縮めようとアタックしたりしています。
ちなみに、表紙で一番奥にいる目立たない彼が主人公です。中身を読んでからこの表紙を見ると、また笑えるというか、頑張れ委員長! -
時代に慣れれば面白く読めます
昭和後期~平成初期らへんの時代感覚です。
携帯電話がありません。ワープロ、ラジカセ、自作のカセットテープ、店探しはタウンページ、買い物はテレフォン・ショッピング。
オフィスの自席で喫煙、40代の登場人物の父親が第二次世界大戦に出兵経験あり、など。
また、作家アリスシリーズの最近の作品を先に読んだ人は、この本の火村先生に違和感を抱くかもしれません。女嫌い設定が前面に出て、煙草のマナーもちょっと…、あと警部や容疑者に横柄というか、それにセリフの語尾もちょくちょく変です。
でも長編本格推理小説としてとても面白いので、もろもろの違和感に目を瞑ってガッと読んでほしいです。
大きく分けて2部構成です。
前半は、容疑者の一人が「こりゃコイツが犯人だわ」と早々に決着しそうになり、その真偽に火村先生とアリスが立ち向かう流れ。
後半は、全ての容疑者に新事実が次々と発覚し「コイツこそ犯人だ」がひっきりなしに繰り返される流れ。
個人的には後半の方が楽しめました、テンポが良いです。
反対に前半の、被害者の死体を見つけるくだりは「話の流れで分かるよ、そん中に死体があるんだろ、ちゃっちゃと進めてくれ」と思いました。
この本のテーマは「繭」です。
己の心を護る繭。それを護るためなら偽証だってする。己の繭について警察に正直に話せばアリバイが成立する人ですら、繭のために「犯行時間帯は一人でした」と言う。
アリスや火村先生の繭にも言及します。アリスが火村先生の繭に踏み込めないのは最近の作品でも同様ですね。それだけ火村先生の過去や内面に深い何かがあるんだろうなと思います。
あらすじのとおり被害者からは特徴的な髭が消えているのですが、その理由、凶器に隠された新事実、この人物は冤罪なのか?事件に関わっているのか?、アラームは何故10分だけ普段より遅く鳴る設定に変えられていたのか、犯行現場と死体遺棄現場が異なる理由…、謎は山ほどあります。
火村先生がそのすべてに理由をつけ、最後には真犯人をズバリと当てるのが爽快です。
あとは女性ファンが驚いた(喜んだ?)セリフ、アリスと火村先生の「まるで新婚家庭」「新妻になったような」「新婚ごっこはもう終わりだぜ」などのセリフが出て来るのはこの本です。 -
購入済み
時代は古いですが面白く読めます
この本(上下2巻組み)は、表紙絵、登場人物紹介絵、挿絵があるバージョンです。絵が無くても構わないなら、同じ角川でも角川文庫のバージョンの方が、1巻完結なので安いです。
ちなみに、挿絵は上巻が7枚、下巻が8枚です。
また、コミカライズされている「シュルレアリスムの午後」ですが、漫画家さんご自身もコメントされているとおり、小説版ではアリスと火村先生の組み合わせではないので、「あの漫画の原作小説を読みたい」と思って読むとビックリするかもしれません。
内容は、書かれた時代が携帯電話が無い平成初期(読んでいると、むしろ昭和な感じすらします)なので、その辺りの違和感を無視できるなら、本格推理小説としてとても楽しく読めると思います。
被害者も容疑者も全員、話のスタート時点で登場していて、各人のアリバイや凶器の考察など、推理物としてスタンダードな構成です。 -
購入済み
この絵柄の方が好きです
この本以外の作家アリスシリーズのコミカライズは、表紙と中身で描いた時期がかなり異なります。
個人的には、この漫画家さんの昔の絵は結構クセが強いと感じるので、他のコミカライズも買おうと思っていて絵にこだわりがある方は、表紙買いせず試し読みで当時の絵柄を確認した方が良いかなと思います。
小説のコミカライズは大抵色んな描写を端折っていて、この本もそうなのですが、アリスの一人称での描写をがんばって漫画で再現してくださっています。
漫画で初めて作家アリスシリーズに触れた方は、ぜひ原作の小説も読んでみてください。倍以上楽しめると思います。
英国庭園の謎…
大阪府警なので森下刑事が登場しています。原作でイケメン扱いなので、漫画でもかなりカッコイイです。
最初から最後まで庭園という狭い範囲での話ですが、片っ端から容疑者に話を聞いて行くのでテンポが良く、飽きません。暗号やその解き方も自然に漫画に溶け込んでいて、説明臭くないので読みやすいと感じました。
暗い宿…
冒頭はアリスの小旅行の思い出です(その後に発覚する事件に関係します)。漫画家さんは廃線を実際に取材して描いたとのことで、そこまで力を入れてコミカライズしてくださったんだなぁと勝手に嬉しく思いました。
アリスと火村先生以外の登場人物も何人か出てきますが、ほぼ2人だけで会話し続けています。容疑者そっちのけ感が面白いです。
殺人事件に時効がある時代に書かれた原作なので、作中でも時効が重要なキーになっています。
おまけ漫画…
腐…っぽいネタです。漫画はソッチ方面で売ろうとしてるんですかね。このおまけ漫画を読んで興味を持った人が、小説のコミカライズを読むと「あれっ?」と思ってしまうのでは。
あとやはり漫画家さんのオリジナル話なので(それともギャグだからかな)、原作の火村先生やアリスっぽくないと感じます。
端折ったシーンも多いですが、全体としては破綻無くまとまっていて、素敵なコミカライズだなと思います。コナンや金田一少年とは種類が違いますが、本格推理漫画として楽しめると思います。 -
購入済み
色んなパターンの話が入ってます
5作掲載。本格推理あり、火村先生のとある一日的な話もあり、犯人視点で進む話もあり。「店」縛りですが事件の内容や展開はバラエティー豊かで飽きません。
「古物の魔」と「怪しい店」はいつもの(という表現も変ですが)推理小説です。どちらも森下君頑張ってます。
前者は、防犯カメラに映った被害者らしき姿が、被害者本人だとするには不自然で、しかし犯人によるアリバイ工作のための偽装だとすると、その偽装により得をする容疑者がおらず、この映像は一体何なのか、という疑問が面白かったです。
また、推理からは外れますが、古物商による「ゴミとは、古物とは」の議論が興味深かったです。
後者は、自分は犯人を当てようとせずにそのまま読み進めたので、「ああこの人が犯人なのか。…あれっこの人?えっこの人?」となりました。
作中、火村先生がアリスに「おかしいと思わなかったのか?」と言うので、作者から読者への挑戦状という本格推理小説ならではの展開として、犯人当てをしたい人が楽しめる構成になっていると思います。
「燈下堂の奇禍」と「潮騒理髪店」は短編で、それぞれ形式が特殊で面白いです。
前者は、火村先生はいわゆる安楽椅子探偵です。アリスが聞き知った事件のあらましや目撃情報から、火村先生が下宿先から一歩も出ず、犯人と事件の全貌を明らかにします。
後者は、特に事件は無く、火村先生が体験した小さな出来事をアリスに話し、謎と言えば謎と呼べるそれを「あれはきっとこういうことなんだ」と予想する雑談です。推理小説というよりは火村先生の小旅行エッセー(笑)です。
「ショーウィンドウを砕く」は珍しく犯人視点で話が進みます。「他人から見ると火村先生やアリスはこういう印象なんだな」と分かって面白いです。特に最後の数行は「殺人犯から見た火村先生」の考察が興味深いです。暗いというか黒いというか。
犯人視点なので、犯行手口や隠蔽工作は読者には見えています。それを火村先生がベリベリと暴いていく痛快な話です。手法が「そうやって暴くのか!」と面白いです。
アリスが頑張ってます。単独で犯人へ押し掛けたり、事件の詳細や目撃証言をかき集めて火村先生へ報告したり、先生や警察に請われて容疑者をおびき出したり。
火村先生が精神薬(抗不安薬)に詳しいのは、自身が服用しているとか…? -
ネタバレ 購入済み
先生とアリスのペアが光ってます
作家アリスシリーズは火村先生とアリスの両方がいて成り立つ世界なんだなぁと改めて感じられる話の集まりで、短編集では1、2を争うくらい好きです。
【鸚鵡返し】
新聞を読めとニヤニヤしながらアリスに指示され、面倒臭いと言いながらも素直に読む火村先生。こういう風に友人関係が描写されるのは珍しいと思うので、読んでいて楽しいです。
火村先生からアリスへの言葉だけで完結する、何だか凄い構成の短編。
【火村英生に捧げる犯罪】
個人的に大好きな話です。中編。
アリスには、盗作疑惑を指摘する電話。
大阪府警には、火村先生への恨みから事件を起こすと予告する手紙。
京都府警の管轄下では、殺人事件。
火村先生は入試の試験官で、大学から動けず。
場面がテンポ良く変わり、アリス以外の場面では第三者視点です。「柳井さんは火村先生のことを『大胆なようで慎重』と認識してるんだな」とか「茅野さんと森下君のアリス評が、辛辣なんだか親愛の情があるんだか微妙!」とか、第三者視点は面白いです。
森下君から「いつも見事にはずしてくれますもんね、あの人」などと言われているアリスが、京都の殺人事件の捜査に首を突っ込んだ瞬間その事件が解決したというのが、この話の一番面白いところだと思います。
更には犯人が、事件を解決するのはアリスで、火村先生は単なる付属品だと思い込んでいたことを、火村先生が冗談か本気か悔しがっているのも見所だと思います。
今回の火村先生は安楽椅子探偵です。ともに電話で聞いた、アリスの話と大阪府警の話を、京都の殺人事件に結び付け、アリスに京都の捜査へ加わらせてもらえと指示し、アリスが加わった瞬間に解決。
二人ともが存在したから解決したというこの展開は、作家アリスシリーズの最も重要な部分だと思います。「タイトルの割に事件がしょぼい」とか批判もあったそうですが、火村先生が主役に聞こえるタイトルでアリスが活躍(?)、いかにもな感じでとても良いと思います。
【雷雨の庭で】
中編。読むたび思いますが火村先生は一人でフェンスに登れば事足りますよね。推理作家であるアリスに「本物の犯行現場ではこんな場所にこんなふうに証拠が残るんだぞ」と教えようとしてるんですかね、普段から。それを野上刑事に見られて「日向ぼっこをする野良猫」と言われていて面白いです。
8編全て面白いです。 -
火村先生が変で再読できない…
推理小説としては楽しめました。
色んな人が色んな地域へ足を運んで事件に関わる何かを探して…とわくわくしました。
ただ火村先生が変です。
京極堂シリーズの榎木津さんや、メルカトル鮎みたいな、変人探偵が流行った(?)時期に書かれた作品なので、火村先生もそっち系にしようと有栖川先生か編集者さんが判断なさったのかなぁと勝手に想像しています。
もしくは〆切までに時間が無くて、火村先生を変人にすることで強引に話を進めたのかなぁと思ったり。
他の作品の火村先生とはあまりに別人でツライので、当事(発行された時)紙の本で一度読んだきり、再読できずにいます。 -
ネタバレ
テンプレ詰め合わせ的な…
キャラ設定がどこにでもある感じで、展開も「怪奇現象と見せ掛けて実は人間の犯行」なのでやはりどこにでもあり、目新しさは感じませんでした。
また登場人物の思考や言動が幼いので、単に「准教授と大学生」というコンビにしたかっただけで、その肩書きを活かす書き方ができるだけの腕が、この作者さんには無いかなと…。
准教授→心霊マニアの中学生、大学生→小学生、とそれぞれ肩書きを変えても同じ物語が作れるのでは。
推理小説だと思って読むとガッカリ度が大きいです。
短編が3作掲載されていますが、1作目が特につまらないです。大学生には「他人が嘘を吐いたら分かる」という超能力(?)があり、少ない登場人物の中で一人だけ嘘を吐く人がいて、その人が犯人でした、という何のひねりもない展開でした。
「犯人は分かるけど、でもこの人には鉄壁のアリバイが…」とか「やられた!こんなトリックだったとは!」とかは一切無いです。
これだけなら星1つですが、2作目が面白かったので星2つにしました。作者が別人なんじゃないかというくらい出来に差があるように感じます。
3作目は犯人との殴り合いや建物放火、警察の出動などハードボイルドなテイストでしたが、文章に全然迫力が無いので何とも…。 -
購入済み
原作に近い雰囲気
原作の続きが待つに待てず、薔薇十字叢書も読み始めました。レーベルによってはティーンズラブみたいな話で驚きました(笑)。
叢書の中では、こちらの作者さんの書かれた作品が一番好きです。
ご自身の本来の作風はまた違ったものなのではと思いますが、原作リスペクトで寄せてくださっているのかなと。
1作目も好きです。そしてこの2作目は一層好きです。
1作目の後書きで「関口くん大好き」とおっしゃっていただけあって、出番が多いので、関口くん大好きな私はとても楽しめました。
榎さんはもちろんのこと、京極堂や益田くんもたくさん出て来るので、「好きな登場人物が動いてるところを読みたい!」と渇望されている方には良いと思います。
ストーリー構成も、死体が出るわ、京極堂による妖怪解説でページが嵩むわ(笑)、関口くんと益田くんのかけあいがほんわかしてるわ、シリアスでドロドロな面もあるわで、とても原作に寄せて書かれているなと感じます。なので原作の雰囲気に似た作品を求めている方には、叢書の中ではお薦めです。