感情タグBEST3
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・「おまえが立ち会ってくれた母のオペで、私は母の呪縛から逃れたと思っていた。
だが呪縛は解けちゃいなかった。それどころか、私と同じ境遇の少年をもう少しで殺すところだった。
幸いオペはなんとか成功して少年は助かったが、あれ以来私はメスも握れなくなった。
どんなに簡単なオペでも、手が震え、体が硬直する。
私はこの国で、臓器移植の権威と呼ばれた江葉都怜だ。
その私が、メスも握れない…それでも医者か?
このまま母の呪縛から逃れられず、一生を終えるくらいなら私は…」
「じゃあ医者を辞めればいいじゃないですか。
医者に未練があるから、自分を追いつめて、アルコール依存症にもなる。
だったら治しましょう。ぼくと一緒に呪縛を解きましょう。
あなたがどう言おうと、僕はあなたが医者だと思ってますから」
・「私はどうすればいい?」「今のままでいいです。
医療に関係なくても、何かやる気が起きるまで、今のままここにいてください」
・「まだ今は、どうしていいかわからない。
でも江葉都先生が『虐待の記憶』と、『手術』や『傷』というものとを、
結びつけて考えている限り、いつまでたっても治らないと思うんだ。
どうにかして『手術』も『傷』も『血』も『アザ』も、『虐待』とは関係のないものだと自覚してもらえたら、
きっと最後にはメスを持てるはずなんだ」「…」
「とにかく、江葉都先生の心の傷は深くて、簡単に治るとは思えない。
ゆっくりと時間をかけて、いろいろ考えながら治療していこうと思ってる」
・「何故ここまでする!!私に医師生命まで賭ける価値があるのか!?
オペができなくなったらどうする!?おまえを信頼する島民達はどうなる!?」
「信頼してますから。ぼくは江葉都先生を信頼してますから」
・「おまえは自らパンドラの箱を開けた。信頼と結果は別物だ。覚悟はできているんだろうな」