あらすじ
伊勢の鄙びた村から秘宝の鮑真珠を持って上京していた神職が、不審な墜落死を遂げる。親友・小松崎良平から事件解決への協力を頼まれた桑原崇は、棚旗奈々とともに伊勢へ。しかし、真相に迫る二人にシリーズ中最大の危機が。祟は、事件の真相と、最大の深秘「伊勢神宮の謎」を解けるのか?「QED」完結編!(講談社文庫)
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
失くしてしまったと思っていたが、引っ越しにより奇跡的に見つかった本。
桑原崇と棚旗奈々。
最後は、伊勢神宮、天照大御神の謎に挑む。
伊勢神宮にも、色々と謎があるんだな。
殺人事件も勃発するなか、崇と奈々の身にも魔の手が忍び寄る。
崇による、QED宣言がなされたときの開放感はたまらない。
Posted by ブクログ
シリーズ最終巻に相応しい盛り上がりだった。
奈々がすごくヒロインしてる。
歴史蘊蓄以外はどうでもいい、が私のこのシリーズに対するスタンスだったのだが、いつの間にか主人公達に愛着が湧いていたようで、人間関係の動きにグッときた。
4人のゴールについては、前巻と今巻でかなりトリッキーに描写されていた。
しかし弥生先生まで活躍してるというのに、まったく出番のなかった沙織が不憫だ。
歴史の方だが、たまたま本書と同時進行で『伊勢神宮の謎を解く』(武澤秀一/ちくま新書)を読んでいるのだが、内容的にリンクしている部分が多い。もちろん、解釈が異なる部分もあるが。タタルの言ってることも強ち与太話(失礼)でもないのかもしれない。
Posted by ブクログ
やっぱり最後は伊勢。QEDシリーズにふさわしい、この国の神とは誰なのか?という根幹を問うお話でした。このフィナーレが待ち遠しかったです。
天照大神を拝む習慣が新旧の日本人の中で疑問なく行われていますが、果たして天照大神とは一体誰なのか?伊勢神宮にまつわる多くの謎(タタル曰く2ダースの謎、だそうですが)にタタルが挑みます。例えば、狛犬が居ない、賽銭箱がない、怨霊形式なのはなぜか、三角州で水害も多かったはずの条件の悪い立地なのはなぜか、90年の間に数多くのお引っ越しをしてるのはなぜか、またその資金源は一体なんだったのか・・・などなど。
オールキャストで最終巻らしさを保ちながらも謎解きもまとまっていて満足です。
タタルと奈々のこともほっとしました。シリーズを読み切れてよかったと思います。
Posted by ブクログ
諏訪の謎もわかりにくかったけど、この伊勢の謎も相当にわかりにくい。
あくまでも小説であるので、すべてを信じるわけにはいかないのだが、その線引きができる知識を私は持たない。
でも、そのうえで言っちゃうと、大きな驚きがこの作品にはあった。
『天照』と『天照大神』の違いなどは、なるほどなーと思ったし、伊勢神宮とほかの神社との違いの多さについても、実際何かあるんだろうなあと思った。
まず、伊勢神宮が今の地に置かれたのが、持統天皇(女性天皇であることが大事)の時代であったということ。
そして、天皇家の祖神である天照大神が祀られた伊勢神宮を初めて参拝した天皇は、明治天皇であったということ。
古典文学を読むと、古来より天皇は伊勢に行幸していたような気がしているんだけど、伊勢神宮には立ち寄っていないというのだ。
祖神だというのに?
では、江戸時代の庶民のお楽しみだったお伊勢参りってどういうこと?っていうと、所詮江戸時代の天皇家は庶民に影響を及ぼすことがなくて、でもお題目としては「お伊勢様」というのは絶大で、美味しい食べ物があって、遊郭があって、高級な白粉と堕胎薬(どちらも原料は水銀)があって、男女ともに現実生活においてありがたい場所だったのだろう。
明治まで一度も天皇が訪れていないということは、明確な理由が天皇家には極秘裏に存在していたはず。
それを、あえて靖国神社創建の年に天皇を伊勢に行かせたというのは、政府の思惑・政府からの強要があったと思われる。
全く長州のやつらはさあ、孝明天皇を毒殺(噂)しただけでは飽き足らず、天皇家の禁忌を蔑ろにするにもほどがある。
だから、明治神宮の建てられ方も、神様を祀るというものではなく、怨霊を封じ込める形式のものなんだって。
元勲と言われた人たちに騙された、と怒ってらしたからね、明治天皇。
私が今回うなずいたセリフはそれとは全く関係はない。
「俺はその、何でもかんでも他人から『もらおう』って根性が気にくわねえな。パワーだとか、愛だとか、勇気だとかをよ。そんなのは、自分で作り出すもんだ」
全くそう。
古来より、「人事を尽くして天命を待つ」と言うではないの。
まず、人事を尽くせよって思うわ。
Posted by ブクログ
天照大神は何者か。歴史を震撼させる騙りがそこにあった。日本の神様はもうほとんど怨霊じゃねぇかよ!
伊勢神宮に行くぞ!そう思いました。伊勢神宮から奈良県を経由して京都に行きたいですね。
歴史薀蓄としては面白かったけど、ミステリ小説としてはやはり…。なんというか、不器用。結局最後は吊り橋効果でゴールインかよ。きっと高田さんもタタルのように不器用で、ある事柄に偏執しているんだろうな。でもそれだから面白かったよ。
私も天照の存在には違和感を覚えていたんだよね。なんで神道って日本の祖先を祀っているのに、マイナーなんだろう。もっと騒がれないいんだろう。天皇陛下とか皇族の人が「天照大神が~」とか話題にすることもないし。なんだ、そういうことだったのかもな。と思いました。
歴史薀蓄の新たな気付きに驚く!しびれる!感動する!ようなことはもう無いくらいに慣れてしまったが、やっぱり面白かった。ニギハヤヒとか猿田彦がここに繋がってくるとはね。やはり紀伊半島はヤバい土地だわ。
もう慣れたけれど、見慣れない日本神話の神様の感じばっかの名前があって読むのつらい人も多いだろうなぁ。それもまた、歴史の秘密を隠すのに役立っているのかもしれないね。
Posted by ブクログ
展示するために持ってきていた村の秘宝が盗まれた。
しかも殺人事件のおまけ付き。
これに餌をぶらさげられ、出かける事になった彼は
一緒に行かないか、といつものように声をかけ…。
事件も謎も解き明かしてくれましたが
一番の驚きは、関係が進んだ…事?
いやこれ進んだんですよね?
謎が解けた、という最後の2人の状態ににやにやでした。
またしても出てきた先生に、その娘。
人の話を聞いてません、という彼女が、ちゃんと従っていたら
一体どうなっていたのでしょう?
とりあえず、生命の危機はなかった…?
そしてまた微妙な知識が増えて行きましたが
すべて半分程度、というかうろ覚え。
太陽=男、というイメージはあったものの
そういえば天照は女神。
これにまったく疑問を抱かなかったというのは
そういうものだから、と思い込んでいたせいでしょうか?