あらすじ
桃太郎の鬼退治は、曇りなき善行だったのか?岡山・吉備津神社に今も伝わる鳴釜神事では、大和朝廷によって退治された鬼神「温羅」が、釜を唸らせて吉凶を告げるという。一方、桑原崇は、旅の途中、鳴ると凶――主が死ぬという大釜に遭遇。事実、土蔵に長男の生首が。事件の核心“桃太郎伝説”の騙りとは?
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Posted by ブクログ
ここ数年読んできた古代史をテーマにしたミステリは、なぜか岡山へと私を導いていく。
詠んだのは数年前でも書かれたのは数十年前だから、その当時に岡山ブームでもあったのだろうか。
それまでの古代史と言えば邪馬台国や出雲からの諏訪、というあたりが常套だったような気がしているのだけど。
岡山に半島から、戦にやぶれて逃げてきたものが住み着いたこと。
彼らは製鉄の技術革新を日本にもたらしたこと。
大和朝廷が彼らを滅ぼし、歴史から抹消し、鬼として封じたこと。
このあたりが今現在(または数十年前)の定説なのだろう。
で、今回タタルはほとんど出てこない。
密室殺人事件の被害者の婚約者の友だちが、小松崎の雑誌に事件解決の依頼の手紙を送ったことから、彼らは事件に巻き込まれていくのだが。
まずこの設定が不自然なのに、さらにその友達というのが、吉備津国の歴史(古代史)に詳しく、観光案内をしながら事件の説明も行うっていうのが、ありえないくらい不自然。
いつもいつもタタルの古代史説明では飽きると思われたのか、若い女性二人が説明し、奈々の合いの手でさらに補足していくという流れ。
友だちの婚約者が殺されたっていうのに、ずいぶんとのんびりしてるじゃありませんか。
桃太郎伝説を題材にした小説で、若い女性の名字が「桃田」と「猫村」って、絶対何か意味があるって思うよね。
特になかったみたいで、肩透かし。
タタルは最後に登場して、事件全体の構造を暴き、現実の法手続きは警察に任せて、さっさと退場。
このあたり、事件は暴くが事務処理は室町警視に丸投げする、薬師寺涼子みたいなものか。
あと、このシリーズの語り手である棚旗奈々を、徐々に苦手になってきている私。
タタルとの関係でいえば、カマトトすぎる。
妹との関係でいえば、分別くさ過ぎる。
カマトトはいいとしても、妹に対する態度は姉というより親戚のおばちゃんだ。
もうすぐ30歳の女性という感じが全然しなくて、私のなかでは一人の人間としてうまく立ち上ってこない。
というわけで、もうちょい奈々がなんとかならんかな、と思っている次第です。
Posted by ブクログ
とりあえず密室殺人事件の現場で警察が地下通路を発見できないなんてボンクラアリなんだろうか。笑動機の解明はタタルさんでいいんだけどその辺は頼むでーーー。。。