あらすじ
わたしはもはや武士ではありません。思うところあって刀を捨て、包丁を選びました。刀は人を殺めます。包丁も生あるものを切りますが、正しく成仏させれば、一皿一皿、一椀一椀の料理に変わります。その味が食べていただいた方の気持ちをほぐし、素材は生まれ変わって血となり肉となります。そして、ときにはそれが、人生の一椀になったりもするのです。
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Posted by ブクログ
元武士の店主と師匠の娘が営む飯屋の話
知らない名前の料理がでてくるとつい検索して時間がかかるが、より想像できて楽しい。
自分でも作ってみたくなるけど、
シンプルな料理ほど難しいんだろうなぁ
シリーズ化されてるので、これからゆっくり
読んでいこうと思う、楽しみが増えた
和気が満ちる
和気が満ちるという言葉は、良いな。その場がほっこりする感じが、伝わってくる。
時吉(あえて、こちらの名で)も、もう逃げ隠れしなくても良いんだ。良かった。良かった。涙有り、笑い有りの話も、続いていくんだ。こちらも、楽しみだ。良かった。
Posted by ブクログ
★4つ、面白く読めた。出てくる料理は思わず作りたくなるような、庶民の料理。今までの時代小説に感じなかった、その時代の暮らしぶりが描かれていたのが気に入った。
Posted by ブクログ
小料理屋のお話なんだけど、料理は一つのお話の中にちょっとしたスパイスみたいに添えられてる感じもありですね。
お話の一つ一つが全部話して完全に閉められてる感じじゃなくて、いい方向に向けるように書くからあとは読者の想像次第な感じもいいですね。
あまり有名な作品じゃないけど、読みやすくて好きです。
ただ、おちよさんの俳句は、私的にはちょっといらないかなァ~と。
Posted by ブクログ
元武士の主人公がある事情から町人となり、料理人として生きていく話。
血なまぐさい事件はなく、日常の小さな事件や出来事が軸。
主人公が町人にならなければならなかったある事情は、最後の章で明らかになる。
最初は全く触れられていなかったので、すっかり忘れていたが、先に全部説明されるより後出しされた方が読みやすい。
結構じわじわと泣けてくる話が多いので、外で読む際はお気をつけて。
Posted by ブクログ
わけあって刀を捨て、今は市井の料理人として包丁をふるう時吉。
恩人であり、料理の師匠でもある長吉の教えは、まるい味で、ほっこりするような料理を心をこめて作ることだった。
普段時代小説はほとんど読まないが、食べ物の話となると、別。
あたたかい料理が、胸に沁みる一冊です。