あらすじ
山間の小藩、大和梨川藩城代組小頭の磯貝徳右衛門は、故あって武士を捨て江戸に出、料理人時吉となった。今は女房のおちよとともに岩本町にその見世ありと評判の小料理のどか屋のあるじである。そこに常連の二人の大和梨川藩士が顔を見せて、相談事があるという。遠い国許で闘病中の藩主に、身罷られる前にもう一度、江戸の料理を食していただきたいというのである。
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味の船に乗って。
「味の船に乗り、余は、江戸へ行った。満足じゃ。」時吉の作った江戸の雑煮を食べた大和梨川藩主の言葉。死ぬ前に、江戸の料理を食べたいという藩主の願いを叶えるべく、尽力を尽くす……甲斐無く、藩主は亡くなるも、時吉の心には、藩主にかけられた言葉が、宝物として、いつまでも残る。感動して涙が出た。