【感想・ネタバレ】反自殺クラブ 池袋ウエストゲートパークVのレビュー

あらすじ

マコトが行くところ、今日も池袋に事件がにおう。風俗スカウト事務所の罠にはまったサンシャイン60階通りのウエイトレス。伝説のスターが設立を夢見るロックミュージアムの真実。「わたしの姉はおもちゃの人形をつくるために死んだ」と、巨大企業と闘うため中国からひとりでやってきた娘。集団自殺をプロデュースするインターネットの“クモ男”──。ストリートの「今」を鮮やかに描くIWGPシリーズ、切れ味がさらに増した第5弾!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

「どれほど苦しんでも悩んでもいい。その最低の姿を見せてくれ。その姿に勇気づけられるやつがきっといる。俺たちはそうやってなんとか生き延びてきたんじゃないか」
に感動。

0
2017年10月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『スカウトマン・ブルース』スカウトのプロ・タイチに焦がれて風俗スカウトの罠にはまるしのぶ。本部長代行のサル、偉い人だったんだ。。吉岡刑事との信頼関係もますますあったかい。キングとボーイズたちは相変わらずスマートに暴力的ですてき。結構えぐい裏社会の事件だけど、春先の景色とマコトの友情が印象的。軽めで結構すき。
『伝説の星』過去のスター歌手・タカを不動産詐欺の罪から救ったつもりがちゃっかりだまされていたはなし。数十年後の自分に思いを馳せてタカの新曲に心動かされるマコト、ちょっとセンチメンタルである。いろんな人種が入れ替り立ち替り事件を持ち込むこのシリーズだけど、破天荒の先輩、という立ち位置は初めてだったんだな。今を生きるマコトが、未来を不安に思うところに生きている物語を感じる。
『死に至る玩具』人形大流行の影で過剰労働を強いられ命を落とした姉、正義を求め来日した妹とともに大手玩具会社を相手取る。Gガールズ大活躍回。裏社会の風俗とかが多い中、国際社会的問題で難しいテーマだけど程よくまとめられてエンタメとしておもしろかった。
『反自殺クラブ』自殺遺児たちの組織と、集団自殺幇助常習者を追う話。クモの存在と行動理念にSYCHOPASSがよぎった。

0
2015年04月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

このシリーズ積読5冊目。

スカウトマンズ・ブルース
感覚的にはドラマ版にありそうな内容の印象。
ヤクザ絡みの問題をトラブルシューターとしてマコトが一肌脱いで、ささっと解決してしまう感じです。

伝説の星
過去の栄光を糧にビッグドリームを叶え用とした結果、ヤクザに追われることになるスターを救う話。
マコトがこの先着るスーツはこの話で仕立てられたものなんでしょうか。

死に至る玩具
日本の玩具を作る工場の悲劇の真相を世に知らしめるため、メーカーという大企業と相対する。
十数年前の中国で起きてそうな労働問題を取り上げた話のようでした。
今は東南アジアからくる技能実習生に対象が変わっているだけで、日本の企業の闇は変わっていないように感じました。

反自殺クラブ
自殺に家族を奪われた3人と共闘して、自殺サイトの主を引き釣りだす。
この頃たしかに集団自殺とかが社会問題になっていたように思います。練炭とか、硫化水素とか・・・
積読していると改めて日本の闇が様変わりしているんだなと思いました。

0
2023年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今までは短編3本と中編1本という配分でしたが、今回はほぼ同じ長さの短編が4本。

マコトと池袋に住む人たちの心の触れ合いがあってこその物語だとずっと思ってきたし、今も思っている。
今回はそう意味では面白くなってしかるべきはずなんだけど、あんまり面白くなかったな。

マコトが「自分はたいしたことがない」という度に、事件をうまく解決するマコトの姿とマコトの自己認識が乖離していってしまう。

高卒で、学生時代は落ちこぼれで、そこそこケンカに強くて、クラシックや現代建築に造詣が深くて、女の子にもてないと言いながら近寄ってくる女の子には「自分を大事にしろよ」と諭して追い返す。
鼻持ちならないよね、マコト。

その彼が、短編で、事件に関わった人たちと接触しても、どうも上っ面だけにしか感じられない。

「俺は、自分では何もできないやつなんだ!」と言いながら、海賊王を目指しているやつと、いったい何が違うんだろう。
グロテスクなシーンがなかったのはよかったけれど、全体的に薄っぺらい話だったような気がした。

時代を切り取るって難しい。
切り取っただけではだめなんだ。
切り取ったものになにがしかの視点や思想を加えなければ、それはただの情報の垂れ流しになってしまう。
そんなことを思った。

0
2016年01月16日

「小説」ランキング