隆慶一郎のレビュー一覧
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太平洋戦争で徴兵された若者が、ランボオの詩集を持ち込みたくて「葉隠」の中に潜ませて行く。活字に飢え、やむなく葉隠を読み出して、その魅力に引き込まれ、独自の解釈を展開していく。ここから時代は江戸初期に移る。鍋島藩(現在の佐賀)の葉隠武士3人衆が、藩のため、主君のために躍動する。その生き方は、武士の本分そのままであり、常に自分は死人(しびと)として生に執着せず、故に立場にも金にも執着しない。義や孝に反するものは許さないが、それが主君であっても、不法を諌めて切腹を賜るのが最上とするもの。なんとも爽やかで潔い生き方。家族も友人も、吉原の顔役すら、皆彼らに惹かれる。まっすぐなだけに、命懸けで付き従うものも多いが、敵も多く、常に命のやり取りをする。一見、付いていけない奇人ばかりだが、三人の中にややまともな者があって読者としても理解しやすいバランスになっている。著者の急逝により、未完となっているのが残念だが、読後感すっきり。
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ずっと積読してた。パチンコとかアニメで活躍してるらしい。何となく読み始めた。ら、止まらない止まらない。
前田慶次郎、前田利家の義理の甥。色々あって、日本史至上最高のかぶき者。信長、秀吉、家康の時代に、やりたい放題。
優秀な馬と家来を引き連れ、自由に生きる、男の中の男。という感じ。
めちゃくちゃ面白かった。歴史に残らない人物を蘇らせる隆慶一郎の手腕に脱帽。
そして、手前の話で恐縮だが、自分は石田三成のような奴だと思った。
「石田三成は慶次郎とは正反対の男だ。あらゆる起り得る事態に智恵をふりしぼって対策を立てる。そのくせ事は必ずしも対策通りには起らない。そのなるとこの男は神を呪い、人を罵り、結局は自分を責める。よろず事に向う姿勢が派手派手しく、終った後も知る限りの人人に吹聴してやむことがない」 -
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関ヶ原の合戦にて、忍によって暗殺されてしまった家康、家康の死が広まると軍全体の指揮が下がり戦の勝敗に影響する。
徳川陣営は苦肉の策として影武者・世良田二郎三郎を"家康"として扱うことに決める…(ここまで書くと三谷幸喜さん脚本ならコメディでもいけるかもと思いたくなるような内容ですが)
この二郎三郎、ただの影武者では無かった…家康の兵法、思考法を身につけたとてつもない兵(つわもの)だった…
戦況の先をよみ武将達の更に上をゆく姿に血が湧きました。
この男は何者か?という二郎三郎の放浪時代の振り返り(色々普通じゃない事件を起こしてる)つつ、家康として生きることになってからの数々の危機を掻い潜る様が描かれる。
また"本物の家康を討ち取った忍"の六郎のパートも面白い。忍者の闘い方が描かれて最後まで飽きさせない。
全くのフィクションかと思いきや、不可解な史実につなげてくるあたりが素晴らしくワクワクさせてくれる。
物語は二郎三郎たい本物の家康の実子・秀忠との攻防へ
話を進める上で別の目的があるのかわからないけど、「え、それで斬っちゃうのならこれまでの作戦なんだったの!?」みたいなツッコミどころもあった。この先の展開でその理由がわかるのかどうかも楽しみ。
久しぶりの時代モノで、かなり家臣の名前や地名が馴染まず苦労しましたが、だいたいキャラ立ちしてるヤツを追ってけばなんとか読めるようになってきます。 -
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ここ1年で読んだ本の中で一番良かった。感動して、余韻がジンジンと響いている。
本書は、徳川家康の影武者を務めた次郎三郎が主人公の歴史小説である。影武者は本人に似せるべく、何年も本人と一緒に暮らし、外見だけでなく、話し方、声、考え方、筆跡まで本人になり切れるよう訓練するのだ。
関ヶ原の戦いで不運にも戦死してしまった家康に替わり、影武者の次郎三郎が本人に成りすまして世の中を治めていく。家康の実子で親孝行を演じる秀忠との裏の戦いが十年以上も続く。早く将軍の地位を得たい秀忠にとって、大阪城に居る秀吉の息子の秀頼とその母淀君も邪魔な存在である。次郎三郎は、箱根山を根拠とする風魔という忍者一族、関ヶ原で敵方のブレーンを務めた島左近、左近に雇われる忍者の六郎、家康の側室の梶の方とともに、秀忠と戦う。が、こう書くほど単純な展開ではない。著者の隆氏は徹底的に文献を調べ上げており、とにかく有無を言わせぬリアリティで迫力がすごい。
私の稚拙な書評では本書の魅力は全く伝えきれず歯がゆい。冒頭から引き込まれ、駆け引きに緊張しながら読み進める過程は興奮の連続であった。最後は感極まって泣けて仕方なかった。
司馬遼太郎氏の「関ヶ原」も忘れることが出来ない名著である。本書はその関ヶ原の戦い以降、徳川家による江戸時代がどう始まったか、という部分である。
こういう本を書ける人がいたことがありがたい。未読の人には、是非勧めたい歴史小説である。 -
Posted by ブクログ
〈上中下巻合わせて〉
忍の甲斐の六郎は、関ヶ原の戦いの開幕間近、徳川家康の暗殺に成功する。家康の影武者であった世良田二郎三郎は、急遽家康として成り変わり、勝利を納めて天下を取る。二郎三郎は影武者である以上、用が済んだら徳川家に殺される運命を悟るが、そうならないよう、協力者や信頼に足る部下を集めながら、「徳川家康」を代行していく。
もし、徳川家康が関ヶ原で殺されていて、以降は影武者が代行していたとしたら、そんなifストーリーな解釈での時代小説。しかし、実際の記録に照らし合わせながら物語は進むので、思った以上に説得力がある。
読み応えが凄かった。大変面白かったです。 -
購入済み
一気に読んでしまった
通勤電車内で、ちまちま読もうと思ってたが、自宅に帰ってからも止まらず読みきってしまった。
ようするに面白い
花の慶次で充分だと思っていたが、漫画では表現しきれていない所がある事もわかった。
補完する意味でも読むべき
とはいえ、読み終えて感じたのは、原哲夫であればこそ、その魅力を引き出す事が出来たのだと理解した。