感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2023年03月31日
最後まで終わっていない事だけが悔しい。
しかし構想だけ見ればある程度は想像出来ると共に、他作品を見ると容易に想像出来る。
バイブルと言える作品が見つかった。
Posted by ブクログ 2022年11月10日
死を畏れぬ心の鍛錬とは、人を一体どこに辿り着かせるのか。葉隠が教える生き様。死が恐ろしくないならば、人は自暴自棄に生きてしまわないものか。そこに眠る信念を歴史小説が解き明かす。清々しく気持ちの良い、痛快な物語だ。それでいて葉隠の真髄が随所に散りばめられる傑作。今まで読んだ事が無かった事、本作を手に取...続きを読むった邂逅を嬉しく思う。
何より、作者の原体験。死は必定。戦時中の回想から始まるのである。徴兵検査を受けさせられ、兵役を課せられることになった作者は、その当時アルチュール・ランボーと中原中也が愛読書だった。ランボー作『地獄の季節』をどうしても戦場に持っていきたかった。考え抜いたあげく戦場でも許される『葉隠』をくりぬいて『地獄の季節』を持っていく。活字に飢え、だから、出会った。
毎朝、自分の死を思い描いてから1日を始めるという習慣。死を畏れぬ事と自棄になる事は違う。読みながら、自らを顧みて学ぶ。
Posted by ブクログ 2022年05月02日
太平洋戦争で徴兵された若者が、ランボオの詩集を持ち込みたくて「葉隠」の中に潜ませて行く。活字に飢え、やむなく葉隠を読み出して、その魅力に引き込まれ、独自の解釈を展開していく。ここから時代は江戸初期に移る。鍋島藩(現在の佐賀)の葉隠武士3人衆が、藩のため、主君のために躍動する。その生き方は、武士の本分...続きを読むそのままであり、常に自分は死人(しびと)として生に執着せず、故に立場にも金にも執着しない。義や孝に反するものは許さないが、それが主君であっても、不法を諌めて切腹を賜るのが最上とするもの。なんとも爽やかで潔い生き方。家族も友人も、吉原の顔役すら、皆彼らに惹かれる。まっすぐなだけに、命懸けで付き従うものも多いが、敵も多く、常に命のやり取りをする。一見、付いていけない奇人ばかりだが、三人の中にややまともな者があって読者としても理解しやすいバランスになっている。著者の急逝により、未完となっているのが残念だが、読後感すっきり。
Posted by ブクログ 2021年05月07日
葉隠武士道を貫く杢之助らの生き方が粋で清々しい気持ちになる。
随所にマネジメントの至言も散りばめられ、思わず唸る...。10数年前に読んだ時には気づけなかったことが多々あり、読み返す価値を改めて実感。
さあ下巻に参ろう。
Posted by ブクログ 2014年09月03日
葉隠に書かれている佐賀藩士の心得をベースとした時代活劇小説。隆さんの他の小説(網野学説が下地)と異なって、藩主に背きつつも藩主に戻っていくような相反する行動を通して生き様を描いている。
Posted by ブクログ 2012年11月16日
隆慶一郎の『死ぬことと見つけたり』(新潮文庫 上下)を
読み終えました。
このタイトルからもお察しの通り、
あの『葉隠』を下敷きにした痛快時代活劇です。
たとえ両腕を切り落とされようとも、
相手に体当りし首筋の血管を噛み切ろうとする。
彼等は既に「死人」同様であるから、
死ぬことに対して何のためら...続きを読むいもない。
従って、敵の動きが冷静に見て取れる。
こんな侍たちの物語です。
尚、主人公の3人の武士は架空に人物で、
長年読み続けた『葉隠』から
その人物像を作り上げたようです。
同じ作家の『影武者徳川家康』よりははるかに面白い。
隆慶一郎氏が最後の力を振り絞って書き続けたそうですが、
残念ながら未完に終わっています。
今、何かスカッとした小説はないかと
お悩みの諸兄、おすすめです。
Posted by ブクログ 2012年11月14日
日本の時代小説だってのにのっけからランボオ「地獄の季節」の引用をしちゃうロックな隆慶一郎先生。当然内容もロックです。
サムライなのに(だから?)メインウェポンが鉄砲の主人公、しかもサムライなのにお殿様が間違った指令をだそうものなら切腹したあと切り殺すぐらいの思想。そんな男が主人公でつまらなくなるはず...続きを読むがありません。
実は未完の作品でもあり下巻には結末までのプロットも解説されているのですが、この男ならどんなストーリー展開になっても気持ちの良い終わりになるだろうと思えます。
Posted by ブクログ 2012年01月23日
とあるレビューに共感して読んだが、想像をはるかに超える衝撃的時代小説だった。
人物はみな個性的で、特に主役の三人がいい。陰湿なのに、笑ってしまうほど爽快で豪快な話の数々。こんな堂々とした主人公、今まで見たことがない。
『葉隠』は書かれた当初あまり流行らなかったらしいから、実際鍋島藩士がこうだったのか...続きを読む謎な上、個人的に史実重視の小説が好みというのに、これはエンターテイメントとしてとっても面白く楽しく読めた。
未完なのが非常に悔やまれる。最後まで読みたかったなー。
Posted by ブクログ 2011年12月30日
武士道の解釈は人それぞれあると思うんだけど、この人の解釈は覚悟とか死とかそういう悲壮感漂うものとは結構かけ離れた部分にあって、読んでいて痛快だった。
斎藤杢之助以外のキャラクターもまた魅力的。
個人的には中野求馬が好き。
Posted by ブクログ 2011年04月15日
高校生の頃に初めて隆慶一郎に出会い何作目かで呼んだ記憶がある。確か大学時代だったろうか。そしてこの本が自分のオールタイムベストになった。
正直なところ未完だったので最後の方で読んだのだろうと思う。10代、20代、30代と読でいるがその時の状況によって味わいが変わっている。5回以上は読んでいる。
...続きを読む10代・・・主人公に圧倒されその世界に魅了された。
20代・・・社会人になり組織で働くことを知り駆け引きや人間性に感じ入った。
30代・・・勤めて10年近くになり物語の背景や作者の人間性から小説から何かを得よう(具体的には元気)と考えた。
今回は30代なわけだが気分転換と自分らしさを取り戻すためにこの本を選んだ。
Posted by ブクログ 2011年03月25日
「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」
江戸時代初期、佐賀は鍋島武士の価値観・生き様を描いた時代小説。
共感できるかはともかく、色んな価値観があるということを理解しておくことは人の行動を理解する上で大切である。
戦国大名の戦略とか人間関係ってけっこう現代にも通ずるものがあり、示唆に富んでいる。
Posted by ブクログ 2011年03月13日
鍋島家に仕えた葉隠れ武士の話。途中で物語が終わるものの、隆慶一郎作品で一番面白い。主人公斉藤杢之助のさわやかさ、かっこよさはもちろん、周りのキャラクターも最高である。
常に死ぬことを覚悟し、毎日を生きることで、自分の信念を貫く姿は、何度読んでも面白い。
同著者は、”一夢庵風流記”が原作である”花の慶...続きを読む次”で有名であるが、原作も面白いが、この死ぬこととみつけたりの方が私はすきである。
歴史好き、またヒーローもの好きには読んでほしい一冊である。
Posted by ブクログ 2010年12月18日
どのような卑怯をも決して許さぬ社会、武士が武士たり得た社会、命など己が名誉に比ぶれば何の価値も持たなかった社会がかつてあった。江戸時代、佐賀鍋島藩である。佐賀鍋島藩の浪人、斎藤杢之助がこの物語の主人公である。
葉隠において「常住死身」(じょうじゅう・しにみ)という言葉は重要な概念である。いつでも死...続きを読むんでみせるという覚悟、それはたとえその死が犬死であっても構わないということともとれる。しかし、考えてみると犬死という言葉には価値観が含まれている。無駄な死、死に損という損得勘定、謂わば計算がそこにはある。しかし、葉隠のいう「常住死身」とはいざというときに死んでみせるという覚悟ではなくて、いつだって死んでいるという覚悟をさしている。すでに死人(しびと)であるのだから、その死に意味など必要ないのである。犬死にであろうが、甲斐ある死であろうが、その時がくれば死ぬのである。であるから、死ぬかも知れない状況であっても行動をためらわない。つまり、どう行動すべきかを選択する要素は、生死に非ず、損得に非ず、そうすることが正しいかどうかなのだ。「常に己の生死にかかわらず正しい決断をせよ」、これがこの物語の主人公・斎藤杢之助の行動原理である。この純粋な基本概念が杢之助の原点であり到達点でもある。
葉隠にはもうひとつ「忍恋」という概念がある。簡単にいってしまえば永遠の片思いである。相手にこちらの恋心を悟らせず、相手に恋心の負担を感じさせないという恋こそが究極だというのである。主人公・杢之助は「常住死身」であることを会得した「死人」であるから、一切の事象に動ずることは無いが、そんな杢之助が唯一動じたのが想いを寄せる愛殿が家に来たときだけというのが何とも良い。
Posted by ブクログ 2010年10月29日
二度目である。葉隠れ武士の生きざまにあきれ、憧れる。恐れても仕方のない死というものに、ここまであっけらかんと向き合うことが出来たら、何よりも強い。面白いし、救われる。一度読んでいるのに下巻が楽しみだ。
Posted by ブクログ 2011年03月17日
佐賀鍋島の侍には3種類ある。
1、切腹して果てることを前提に行動する奴。
2、それに一生ついて行く奴。
3、主君に箴言を言って切腹するために出世する奴。
どのみち死狂いであった。
三河武士と双璧をなすめんどくさい侍たちの活躍を見ていると、本当の忠とは命を投げ出すものなのだと思わされる。熱い、ひた...続きを読むすらに熱い。
主君にずけずけと物を言う家風も、幕府が鍋島藩を潰そうとするなら江戸に火を放った上で一戦交えると豪語するいくさ人っぷりも大好きだが、一番好きなのは主人公の鍋島武士達が「何に」仕えているのか、という点。
誰のための、何のための「忠」。自分でも主君でも、藩でもない、彼らが仕えているのはもっと根本的で失われやすい物なのだ。
Posted by ブクログ 2009年11月04日
読書が趣味です、というと「誰が好きなの?」と尋ねられることが多く、著者を
答えると「どの本が好きなの?」とついでに聴かれることがあります。
わたしはある時期から「一番すきなのは隆 慶一郎で、彼の作品で一番すき
なのは死ぬことと見つけたり」と答えるようにしております。
単純に面白い! カッコいい! 胸...続きを読むがスカッとする! で選ぶとコレですよ。
未完であるのが泣くほど惜しまれます。
どうして好きなのかという自己分析は下巻にて。
Posted by ブクログ 2009年11月02日
常住坐臥、死と隣合せに生きる葉隠武士たち。佐賀鍋島藩の斎藤杢之助は、「死人」として生きる典型的な「葉隠」武士である。「死人」ゆえに奔放苛烈な「いくさ人」であり、島原の乱では、莫逆の友、中野求波と敵陣一番乗りを果たす。だが、鍋島藩を天領としたい老中松平信綱は、彼らの武功を抜駆けとみなし、鍋島藩弾圧を策...続きを読むす。杢之助ら葉隠武士三人衆の己の威信を賭けた闘いが始まった。
Posted by ブクログ 2024年01月29日
時代小説は人の名前が難しい…
言葉も難しい。
ただ、面白い。
死人。毎朝死ぬ。
その為、後悔などしない生き方。
自分に強い生き方を学びたい。
p127.ことの大小を問わず、理由の正逆を問わず、一瞬に己れのすべてを賭けて悔いることがない。
p130.今日只今に己れの全存在を賭けて決して悔いること...続きを読むのない男である。
p197.人間のすることに理屈はどうにでもつく。だがすべて嘘である。何を考えるかではなく、何をするか或いはしないかで男の評価はきまる。
Posted by ブクログ 2018年10月19日
『葉隠』に表れる、武士の「死の覚悟」を、鍋島家中を舞台に伝奇的な痛快ストーリーで描いた作品。
荒唐無稽で痛快なのは、隆のいつもの伝。冒頭の、隆の述懐「ランボーの『地獄の季節』を『葉隠』に仕込んで入営」という話が、本編にも増して印象に残る。
Posted by ブクログ 2013年06月22日
エンターテイナー版葉隠。戦国の世も終わった江戸時代、主持ちのいくさ人たちの活躍。天草四郎の乱に始まるが1話毎に歯切れよく完結するので実に読みやすい。
Posted by ブクログ 2013年01月04日
名声を求めず、出世を求めず、浪人としての生き方。でも力はあり藩主も一目置く存在。何のために生きているのか。
どういう状況でも自分の信念に従って、死ぬまで生き抜くのはすごいが、孤独。
Posted by ブクログ 2012年11月05日
佐賀鍋島藩。
縁もなく、この本を読むまで、あまり多くのことを知りませんでした。
良くも悪くも、いろんな事情を抱えた鍋島藩が存続し続けられたのは、
藩主の力量もさることながら、やはり、それを支える鍋島侍たちによる
ところが大きかったんだなと感じさせる作品。
清廉で潔く、痛快で心地よい鍋島武士たちをご堪...続きを読む能あれ。
Posted by ブクログ 2011年05月31日
全2巻。
絶筆。
ぎゃー。
日本が誇るベストセラー、
武士道の代名詞「葉隠れ」を生んだ、
佐賀鍋島藩の武士達の話。
あいかわらずキャラが良い。
ニヤニヤが止まらない。
猿とか熊狩りとかのエピソードが好き。
文中で主人公達が泣きそうになると
自分も泣きそうになる。
上巻は文句無し。
下巻で若干1...続きを読む話完結の伝奇っぽい展開になってくけど、
なんやかんやで持ち直してる感じ。
が。
絶筆。
ぎゃー。
本当、つくづく思うけど、
せめてあと10年生きてほしかった。
Posted by ブクログ 2009年10月25日
作者の隆慶一郎さんは本当に大好きな作家さんの一人でした。私の住む地方新聞の夕刊に掲載されていた「影武者徳川家康」を読んだ時からの大ファンです。「武士道とは死ぬことと見つけたり」という言葉は死を肯定しているかのように聞こえるかもしれませんが、私は「武士道」とは「生き方」なのではないかと考えます。
前の...続きを読む職場の先輩にある時から人生を後ろから考えるようになると言った方がいました。「後ろから」というのは、「死」から遡って、ということでしょう。
「死」から逆算して人生を考え、人生の中で何か大切で、何が必要なことなのか、そうした一つ一つを考え、選択しながら生きていく。
私は「武士道」とはそういう考え方ではないかと考えます。常に死を見つめ、死を覚悟して生きるとは、生を見つめ、自分の生をどう生きるかという覚悟と同じだと思います。「いかに死ぬか」とは、「いかに生きるか」。
とはいえ、この作品の優れたところは、そのエンターテイメントとしての完成度の高さではないでしょうか。常に「死」から「生」をみつめる「死人」たちの生き方は、自然、苛烈なものにならざるを得ない。冒頭の虎の爪に引き裂き殺される「死の稽古」の場面から始まり(そういえば、『ラストサムライ』も虎と闘う場面から始まっている。偶然であろうが…)、筆者得意の「死人」「いくさ人」たちの活躍に物語世界にぐいぐいとひきこまれていきます。
個人的には牛島萬右衛門と大猿の話や一人静の話、杢之助の初恋と静の蝶の話が好きです。
Posted by ブクログ 2016年03月31日
作者が葉隠をいかにし、戦争中に読みだしたかという紹介から始まる。
どうして、なかなか、面白かった。
短いエピソード集なんだけど、毎回が思い切りよく生き抜くことを信条に生き抜く侍であるため、波乱万丈が烈しいのなんの。作者が言うとおり、葉隠は元々読んでみたい本の一冊であったけれど、葉隠は面白いものなので...続きを読むはないかと思ってきた。
引用した言葉は不満。
私は、自分が痛い目に合わないためだけに、嘘をつくひどい人間を見たことがある。そいつは、自分が傷つけた人のことなどあっという間に忘れていく。こんなひどい人間は幸せになってはいけないとまで感じた人間だ。
残念ながら、18話で完結の予定だったらしいが、作者が急逝のために、15話が最後。16話を17話については草稿が残っており、あらすじを記載してくれている。勝茂がなくなり、杢之介が殉死、求馬が殉死とますます読み応えのある内容なだけにとても残念。
そして、18話については、あらすじもなく、作者が編集者に話した内容を記載するとなっていた。こういうのを見ると、編集者というのはいい存在だなぁと思ったりする。頑張れ、のりすけさん(笑)
最後まで、触れられないのが、萬衛門の死。
私は彼は死ななかったんじゃないかと思った。杢之介と証言の約束をしていたから。誰にも迷惑を掛けないように、独りで去っていくのが杢之介。やるべきことを果たしてから20年後に切腹するのが求馬、生き残るのが萬衛門。それぞれの信条に応じた殉死だと思う。
毎日が刺激に溢れ、羨ましい気がするけれど、それは何かあったらすぐ命を引き換えにする覚悟をもって生きているからこそ初めて得られる報酬。
私たちが何もリスクにかけることなく、我が儘に生きるのとは違う。
Posted by ブクログ 2015年02月14日
初めてのちゃんとした?歴史小説でした。歴史小説ってちょっとズルいかもしれないな。題材が面白すぎますよね。そもそも佐賀県って私の中では全く印象になかったので、新しい知識も得られて二重に楽しかったです。
徳川家光〜家綱くらいの時代の鍋島藩を舞台に、葉隠武士と呼ばれる戦士の中の戦士達を描いています。この小...続きを読む説は未完のまま作者がなくなってしまって、結末がどうなるのかわかりません。それが本当に残念です。
歴史小説がめっちゃ面白いらしいことがわかったので、読み終わってすぐに吉川英治の「三国志」読み始めました。
Posted by ブクログ 2010年06月09日
武士道とは死ぬ事を見つけたり、という最も極端、且つ有名とも言えるフレーズを体現している鍋島武士のモノガタリ。死にたがる?というわけでもないが、死に対して無頓着な連中が繰り広げる時代劇。エンターテインメントとして面白い。下巻の最後まで読めないのが残念。