坂本あおいのレビュー一覧
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写実的な絵画のようで、引き留め続けるほどの何ものかを感じることはなかったはずだった。なんとはなしに眺め続け、柱書に目を止める。自身の過去なのか、形而上的なわたしと、作品のちょっとしたやり取りが始まった。だまし絵のような細部に、引っ掛かるものを受け取るが、サッと流れ。小さな安どのような回収に、振り返ら...続きを読むPosted by ブクログ
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初のポケットミステリに手を出してみた。
翻訳本だったから読めるかな~って不安だったんだけれど、読み進めるとそんなことは杞憂に終わり物語の深みにドンドンはまっていった。
内面をえぐるような心理描写。そして衝撃の結末。
とても楽しめた一冊。Posted by ブクログ -
自分に厳しく他人にも世の中にも厳しいオーヴェ。
自分のルールがあり崩す事はない。
妻を亡くし、生きる気力を失うオーヴェに、ズカズカと入り込むパルヴァネ一家。
物語は良くある、淋しい孤独な老人が人と繋がり変わって行く姿を描きます。
良くある物語だけど……泣けます。
妻の墓の前で「淋...続きを読むPosted by ブクログ -
マイナス15度のスウェーデンの冬。氷漬けになったノラネコを助けるために上半身裸になったイミー(デブ)の放ったセリフ
「さあ、猫を僕に」
カッコE!しかもネコアレルギー。漢やでしかし。Posted by ブクログ -
本を読んで、久しぶりにたくさん泣いた。
頑固じいさんは、イラっとするけれど、オーヴェには(自分では気づかないのだろうが)愛情があるように思える。だから人をひきつけるんだろうな。
最後の暮らしが幸せで、本当に私までうれしくなり、まるでオーヴェの近所に住んでいるかのような気分になってしまった。
免許...続きを読むPosted by ブクログ -
理由なき自殺願望者が集う、ロンドンの街。ボヘミアの王子フロリゼルは、悪の正体をつかむべくロンドンの夜を奔走する。
これも何も知らずに、文庫裏のあらすじだけ見てふっと借りた本(私はそれまで、スティーヴンソンは一冊も読んだことがなかった)。
で、すっかりハマってしまった。
とうにかく私は、こういう話が...続きを読むPosted by ブクログ -
読み終えるのにとても時間を要した。
インドの固有名詞などになかなか慣れないせいもあるかもしれない。
内容は、少年(子供)たちが活躍する話しかと思ったら、なかなか重い、インドの社会問題を描いたものだった。
インドという国に漠然と抱いていた印象以上に、現実は恐ろしいようだ。Posted by ブクログ -
何よりも構成の練り具合が巧みで、後半に読み進めるほどに味わい深くなる小説でした。
最初は展開や構成に混乱して、あまり内容がよくわからなかった。
進むにつれてリトリックがわかってきて、展開を予想する面白さも出てきた。
三兄弟と両親と冒険を通じた家族愛を感じる作品。
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終盤からは見事にページターナーの術にかけられた。おいおいおいマジかよオイと途中気を抜いて読んでたところを、ギュッと引き締められクイッと一気に引き寄せられる感覚に。
本を閉じた後の表情は、目をまん丸にひん剥いて口はOの形に開けているあの絵文字で決まりでアール。Posted by ブクログ -
『おばぁちゃんのごめんねリスト』に出てきたブリット・マリー。脇役だった(しかも嫌われ者だった)彼女が主役!正しいこと、片付いていることが大事だと生きてきた彼女。古い価値観から抜け出せないお堅い彼女が、62歳になって専業主婦をやめる。知らない町で知らない人に囲まれて生活していくうちに、ブリット・マリー...続きを読むPosted by ブクログ
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「もっと遠くへ行こう」がものすごく面白かったので、読み終わった翌日に本屋さんに行ってこれを買った。
「もう終わりにしよう」を読み終わったあとは、意味がわからん!となって謎解説に手を伸ばしてしまったが、その中の解釈の一つを読んでなーるーとなった。こういうのにすぐ手を出さずに自分で考えられる人間になりた...続きを読むPosted by ブクログ -
この著者の本は初めて読んだ。なんだか、楽しい気分で読めた。ハリー・ポッター、スパイダーマン、X-メン、、、が好きなら尚更。Posted by ブクログ
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ニルス13歳、ベンヤミン9歳、ピエール7歳の三兄弟は、湖畔のコテージで水泳競争をしたり森で探検したりして過ごす。
両親は、彼らを見ているようでいて関心がないのがわかる。
三兄弟は、楽しんでいるようには見えなくて、ただ時が過ぎるのを待っているような気がして仕方ないのだが…。
彼らの少年時代を振り返り...続きを読むPosted by ブクログ -
無愛想で融通がきかない頑固なオーヴェ。
最初はなんだこのジジイ、近所にいたら絶対会いたくないタイプだ…と思いながらも読むとクスッと笑えるシーンがあり、オーヴェもそんなに嫌じゃなくなります。
ご近所さんと付き合っていくうち、むしろこのオーヴェの頑ななところ、一途なところが可愛く思えてくるので不思議で...続きを読むPosted by ブクログ -
ジュニアは、『もう終わりにしよう』の映画に引きづられて、脳内でジェシー・プレモンスが演じてくれていました。
ジュニアは自覚なくヘンを自分の所有物だと思っている節があって、そういうとやぞ!が無数に転がっていた。あまり強調されていないので、ジュニア寄りの感覚を持っている人は、ヘンの行動原理が分からない...続きを読むPosted by ブクログ -
映画"OTTO”は、スウェーデン発の本書を原作とする映画のリメイク。
OTTOにじんわりと良さを感じたので、原作を読むつもりで本書を読んだ。
もちろん基本的な話の流れはOTTOと同じ。
ただ、OTTOにはOTTOなりの、本書には本書なりの細部があり、それぞれのエピソードが、それぞれに良い。
ややも...続きを読むPosted by ブクログ -
映画を見る前に予習で読みました。
オーヴェは初見変人だが、信念のある人間でした。
ちょっと日本語訳がわかりづらいなとおもったけど、その辺りはオーヴェのような癖のある感じを表現するためか?と捉えて読みました。Posted by ブクログ -
オーヴェの周りにいる人と同じように
読み進めるうちに彼に対する印象が変わっていった。
苦手に思っていた最初の頃は読むスピードも遅く
だんだんと好きになって行く中盤にはグングンと読むスピードが上がっていった。
最後は
人生ってそういうものなんだね
と 悲しい気持ちとホッコリする気持ちが入り混じったよ...続きを読むPosted by ブクログ -
序盤でつまずき、長年積読でした。
読み進めていくにつれ、読みやすくなりました。
オーヴェの良さや温かく個性的な周りの人々、最愛のソーニャ。全てが良かった。
途中もクスッと笑えるシーンが多々あり
心がじんわり。
今年最後にこの本を読めて良かったです。Posted by ブクログ