坂本あおいのレビュー一覧

  • 幸せなひとりぼっち

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    偏屈親父の物語だが、信念を持ち筋が通った親父だから、ただの偏屈でなくて、愛される親父の物語だった。面白くて読むページが進む。

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    2020年05月29日
  • サイコセラピスト

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    ミステリーとしてとても面白い。

    心理療法は死と再生の物語であると言ったのは河合隼雄先生だったけれども、この物語は死と再生というよりも罪と罰だろうか。

    同業者からすれば物語冒頭から逆転移(よりもむしろ転移)状態にあって、どうもこのセラピストは心理療法家としてのラインを最初から侵していると「嫌な感覚」になったけれども、その直感は間違っていなかった。

    訳者の坂本あおい先生が書かれている通り登場人物がそれぞれに罪を犯し、罰が下されている。

    しかし、心理療法は例え司法分野であっても、罪と罰について考えさせるのではなく、罪を犯した自己と別離し、自己を再生ヘ促す態度が必要になる。

    その点において、

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    2020年03月02日
  • サイコセラピスト

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    写実的な絵画のようで、引き留め続けるほどの何ものかを感じることはなかったはずだった。なんとはなしに眺め続け、柱書に目を止める。自身の過去なのか、形而上的なわたしと、作品のちょっとしたやり取りが始まった。だまし絵のような細部に、引っ掛かるものを受け取るが、サッと流れ。小さな安どのような回収に、振り返らずに歩みだす。

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    2019年12月13日
  • サイコセラピスト

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    初のポケットミステリに手を出してみた。
    翻訳本だったから読めるかな~って不安だったんだけれど、読み進めるとそんなことは杞憂に終わり物語の深みにドンドンはまっていった。
    内面をえぐるような心理描写。そして衝撃の結末。
    とても楽しめた一冊。

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    2019年10月11日
  • 幸せなひとりぼっち

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    自分に厳しく他人にも世の中にも厳しいオーヴェ。

    自分のルールがあり崩す事はない。
    妻を亡くし、生きる気力を失うオーヴェに、ズカズカと入り込むパルヴァネ一家。

    物語は良くある、淋しい孤独な老人が人と繋がり変わって行く姿を描きます。

    良くある物語だけど……泣けます。

    妻の墓の前で「淋しいじゃないか」と毎回、呟く切なさ。
    孤独だったオーヴェの周りに、いつの間にか人が集まり、まるでドタバタ劇のような後半。
    真面目に生きて真っ直ぐ生きて来た者への幸せな時間。

    人の思い出の中で生きれるって幸せな人生だと思う。

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    2019年01月20日
  • ハティの最期の舞台

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    ネタバレ

    解説にある『ゴーンガール』は壁本だったが、これは面白かった。読んでいる最中も何だかモヤモヤした物があったが、最後の保安官の言葉で納得できた。諸悪の根源はハティ。「人を利用するのに長けた女」で最後には同情の念さえなくなっていた。イヤな女ですね。

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    2018年12月08日
  • 幸せなひとりぼっち

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    ネタバレ

    マイナス15度のスウェーデンの冬。氷漬けになったノラネコを助けるために上半身裸になったイミー(デブ)の放ったセリフ

    「さあ、猫を僕に」

    カッコE!しかもネコアレルギー。漢やでしかし。

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    2017年06月25日
  • 幸せなひとりぼっち

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    本を読んで、久しぶりにたくさん泣いた。

    頑固じいさんは、イラっとするけれど、オーヴェには(自分では気づかないのだろうが)愛情があるように思える。だから人をひきつけるんだろうな。

    最後の暮らしが幸せで、本当に私までうれしくなり、まるでオーヴェの近所に住んでいるかのような気分になってしまった。
    免許を持っていない私は、オーヴェに嫌な顔をされることでしょう。

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    2017年02月16日
  • 新アラビア夜話

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    ネタバレ

    理由なき自殺願望者が集う、ロンドンの街。ボヘミアの王子フロリゼルは、悪の正体をつかむべくロンドンの夜を奔走する。

    これも何も知らずに、文庫裏のあらすじだけ見てふっと借りた本(私はそれまで、スティーヴンソンは一冊も読んだことがなかった)。
    で、すっかりハマってしまった。
    とうにかく私は、こういう話が好きなんである。人間的な感情よりもむしろ、物語としての魅力が詰まった、軽妙だけど割りとこってり系の本が。
    この本も読んでいて、会話や文章どころか、行間からも(!)物語の匂いがぷんぷんして、もう堪まらなかった。うーん、最高。物語の香りに酔えた一冊。

    でも、多くの人が言っているように、最後がちょっとい

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    2011年07月03日
  • 幸せなひとりぼっち

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    ネタバレ

     クスッと笑えて、どうなるのかと想像が膨らみ、最後はじんわり涙が溢れた。

     若かりしオーヴェと歳を重ねたオーヴェは、私には少し違う人物にも捉えられた。
    〝うすのろ〟〝毛皮のブーツ〟〝金髪の棒っきれ〟…今のオーヴェには周りの人間(犬)がそんなふうに映るんだと、人々の姿を想像して笑ってしまった。
     昔と今の話が交互になって構成されていて、ページが進むごとにどんどんオーヴェに魅力と愛情を感じていった。そしてパルヴァネもとても魅力的。ネコも。
    パルヴァネと出会ってからの話がとても味わい深くおもしろく読めた。

    あたたかさを感じて読後感はいい。
    著者の他の作品も読んでみたい。



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    2025年09月06日
  • ブート・バザールの少年探偵

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    「ミステリだと思ったら全然違った。底知れない闇と人々の生き生きした様子が例のない感慨を残す。凄かった」と、高野秀行氏がXで絶賛されていた。旅の合間に読まれ、最後は夜を徹して読破されたという。
    おっしゃる通り、これは確かに新感覚!「続きが気になって仕方がない」焦りを久々に呼び起こしてくれたし、読み進めたら読み進めたで、「これはジャンル分けが難しい…」と思案に暮れる一冊であった。

    インドのバスティ(スラム街)で家族と暮らすジャイは、刑事ドラマが大好きな9歳の少年。
    ある日彼のクラスメートが行方不明になるが、学校や地元警察は真面目に取り合おうとしない。ジャイは友人のファイズやパリに、自分たちで捜査

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    2025年08月01日
  • もう終わりにしよう。

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    あの時、違う決断していたら?その先の世界がいくつもあって、それらの世界が何かの拍子で一つに混ざり合い混沌としてしまった世界。そんな印象の小説。小説全体を覆う不穏な空気の正体は一体なんなのか?わからないから面白い。

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    2025年04月14日
  • サイコセラピスト

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    主人公は心理療法士・セオ。
    夫殺しで入院中のアリシアの心を救うため、〈ザ・グローヴ〉へ転職しアリシアに近づく。
    ショックで沈黙しているアリシアを癒せるのか?

    セオの私生活・アリシアの日記と交互に描かれるこの作品。
    この2つが終盤に繋がります。ゾッと来ました^^;

    ボリュームあるかな?と思ったけど、何が起こってるのか?気になって、気になって…とにかく、サクッと読めます♪

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    2025年02月09日
  • もう終わりにしよう。

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    3.5

    ジェイクとわたしのカップルが車に乗ってジェイクの両親に挨拶に行くのだけど、ジェイクとはお別れしようと考えている雰囲気。
    会って挨拶をした両親には正直言って良い印象はないのだけど、本当に両親に会ったのか、帰りに寄り道したカフェには、本当に立ち寄ったのか?というお話。
    読者の数だけ色々な解釈がありそう。
    最後まで解決しない謎や、ふんわりしたエンディングなのに、なぜかこの小説を嫌いになれない。

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    2024年10月31日
  • ブート・バザールの少年探偵

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    読み終えるのにとても時間を要した。
    インドの固有名詞などになかなか慣れないせいもあるかもしれない。
    内容は、少年(子供)たちが活躍する話しかと思ったら、なかなか重い、インドの社会問題を描いたものだった。
    インドという国に漠然と抱いていた印象以上に、現実は恐ろしいようだ。

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    2024年02月11日
  • 生存者

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    何よりも構成の練り具合が巧みで、後半に読み進めるほどに味わい深くなる小説でした。

    最初は展開や構成に混乱して、あまり内容がよくわからなかった。

    進むにつれてリトリックがわかってきて、展開を予想する面白さも出てきた。
    三兄弟と両親と冒険を通じた家族愛を感じる作品。

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    2024年01月14日
  • サイコセラピスト

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    終盤からは見事にページターナーの術にかけられた。おいおいおいマジかよオイと途中気を抜いて読んでたところを、ギュッと引き締められクイッと一気に引き寄せられる感覚に。

    本を閉じた後の表情は、目をまん丸にひん剥いて口はOの形に開けているあの絵文字で決まりでアール。

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    2023年11月30日
  • ブリット=マリーはここにいた

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    『おばぁちゃんのごめんねリスト』に出てきたブリット・マリー。脇役だった(しかも嫌われ者だった)彼女が主役!正しいこと、片付いていることが大事だと生きてきた彼女。古い価値観から抜け出せないお堅い彼女が、62歳になって専業主婦をやめる。知らない町で知らない人に囲まれて生活していくうちに、ブリット・マリーは自分自身のために自分の人生を選ぶことを考える。

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    2023年10月19日
  • もう終わりにしよう。

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    ネタバレ

    「もっと遠くへ行こう」がものすごく面白かったので、読み終わった翌日に本屋さんに行ってこれを買った。
    「もう終わりにしよう」を読み終わったあとは、意味がわからん!となって謎解説に手を伸ばしてしまったが、その中の解釈の一つを読んでなーるーとなった。こういうのにすぐ手を出さずに自分で考えられる人間になりたいとずっと思ってるけど、謎知りたい欲が強すぎてまだなれてない。
    その謎の真相めいたものを片手にパラパラと読み返し、最後はがっつり読み返したら、仰天の真相を通り越してなんか寂しい気持ちになった。
    先の「もっと遠くへ行こう」もそうだけど、この作者は人と人の関係になにか思うところがあるのかもしれないと思っ

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    2023年10月13日
  • おばあちゃんのごめんねリスト

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    この著者の本は初めて読んだ。なんだか、楽しい気分で読めた。ハリー・ポッター、スパイダーマン、X-メン、、、が好きなら尚更。

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    2023年10月12日