坂本あおいのレビュー一覧
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スラムで起こった子供の連続失踪事件の真相を追い求めるべくテレビの探偵の真似事をする9歳の男の子の目線でインドの暗部が描かれています。といっても主人公は常に活発で腕白で、生き生きとした物語。ジャーナリストとして長年インドの貧困層の子供をとりまく教育問題などを取材していたというインド出身の作者による作品です。ミステリーというより9歳の男の子の冒険譚と言った方が良く、謎解きやサスペンスを求める人には物足りないと思いますが、インドのリアルを描く書き物として素晴らしい一作。
本筋とは関係ないが、多数の食べ物の名前が出てくる。画像検索しながら読み進めていったらインド料理屋に駆け込みたくなること間違いなし。 -
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心理療法士の僕が
夫を殺した女性を救いたくて
その女性がいる施設にスタッフとして入る。
「彼女を救えるのは僕だけ」
僕自身も幼少期の心の傷を癒している。
…とまぁこんな感じで始まる。
読みやすいし引き込まれる。
愛する夫を殺したのは何故?
もしかしたら違う誰かがやったのか?
そういう疑問の答えが知りたくて
先に先に読んでしまう。
終盤の方は「あーなるほどねー」
そうきたか…。
私の予想は半分当たって半分外れ。
スカッとする感じではない。
けど色々考えさせられる。
結局セラピーとか意味ないんかい!
とか思ってみたり笑
本人がそこ(暗闇)から抜け出したい!
って心底から思わない限り無理だろうし
その前に希望がなければ
抜け出したいと思わない。
その希望は人やら何かを拠り所にするものではなくて
じつは自分の中にある。
究極だけど悟りだ。
精神疾患の人って悟りに近いよね。
そういう意味では。
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ネタバレ"もう終わりにしよう。"と考えている〈わたし〉は、ジェイクの運転する車で彼の両親に会いに行っている。
主人公は常に考えている。その思考がずっと流れている。この思考がぐるぐると巡るあたりは結構好き。
永久に辿りつかないと思ったジェイクの家に着いた辺りから不穏な雰囲気が一層色濃くなる。
こんなにも読み手に緊張状態を強いる小説を読み始めたことに後悔した。途中からは早く読み終わりたいと願って一気に読んだ。
どこまで書いていいのか匙加減が難しい。
たくさんの仕掛けのある小説だと思う。
だけども怖すぎたので、もう読みたくない。今のところは。
読み終えて自分でも意外だったのは、涙が出たこと。"もう終わりにしよう。"と追い詰められる主人公がただただ悲しくて泣いてしまった。
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あとがきにあった作者が伝えたかったものは、子どもたちの日常描写からよく伝わってきた。宗教上の対立、リンチ、誘拐、貧困など社会の様々な問題が子どもの視点を通して語られる。元気でちょっと生意気な子どもたち自身も、ときに無意識に差別をしてしまっていることも。
最終的にミステリーの謎が解けるのかと思っていたけど、解けないままなのが現実逃避をさせない感じだった。実際に警察が本気で捜査を全うするまで、毎日消える180人の子どもたちの行方はわからないままなんだと思う。
最近は早川書房の海外文学を通して英米以外の国の人々を描いた作品に触れることで、自分が知らなかった世界について知ることができて勉強になってる。 -
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平積みにされていたのでなんとなく手に取りました。
主人公が本当に8歳だか9歳の子供の思考と言動で、作者さんすごいなって思いました。子供特有の、テレビのまねっこやら、自分の周囲の狭い世界の中で容疑者を特定したりとか、大人たちの噂話を何も考えずに口に出しちゃったりとか、移り気で一つの事に集中できないところとか、子供ってそうだよねぇというのを大人が書けるのがすごいな、と読んでいて思いました。その分、きちんとした捜査が出来るはずもないのでお話は遅々として進まないんですけどね(笑)
インドでは毎日約180人の子供が行方不明になる、と帯に書かれてましたが、犯罪に巻き込まれて命を落とす子も多いんだろうなぁ。貧民層の子供の事件など警察はきちんとした捜査もしない、というのもつらい。実際、そうなんだろうなぁ。
そして文中に挟まれる子供の主張が、大人の理不尽や世界の不条理を指摘していて、いちいち頷ける感じでつらい。親からの暴力や、弟妹の面倒やら、家事の手伝いやら。保護が無いと生活できない分子供って辛いなって改めて思いました。
色々重たいテーマなのですが、主人公は基本的に能天気で明るいので救われる感じでした。 -
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正直、一回読んだだけだと、全然内容理解できませんでした。
最初の方は比較的テンポ良く進んで、話もついていけるですが、ちょうど半分くらい?読み進んだあたりから、何やら回想のような妄想のような話が増えていき。。。
最後まで読み終わっても誰に何が起こったのか、理解できず。。
2,3回くらい最後の方を読み返して、ようやく理解できるという感じです。
(わたしの読解力の低さも問題かも笑)
内容がわかって、「あー、そうだったのか!爽快!!!!」と思えれば何回か読み直しても読み直しがいがありますが、
この作品の場合は、内容がわかっても、「んー、、、で??」って感じだったので、ちょっと期待はずれでした。。
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Posted by ブクログ
ネタバレ「もう終わりにしよう」という思いを胸にしながら恋人ジェイクの両親の家へ一緒に挨拶に向かう私。
少し前から起きている謎のいたずら電話と道すがら次第に違和感、緊迫感が高まっていく2人の会話。
この話、どこに向かうのだろう、何か起きようとしている、でも具体的な手掛かりはない。
胸のざわつく心理サスペンス。
解説によると著者の独特なテーマを有した作品は哲学サスペンスというジャンルを築きつつあるらしい。
Netflixで映像化されているというが、まさに映像向きの作品。
特に後半のジェイクはもしかして…を感じ始める辺りからはむしろ文字づらだけでは良くわからず、イメージで読む感じで、自分の中で勝手にカットインが繰り返されていた。
表紙のイラストがちょっとライト過ぎて作品の雰囲気とはミスマッチかなと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初の数ページで、救われない主人公が見えた。
ミスリードが張り巡らせていて、もしかしたら思い違いかも、と思ったが、やはりそうだった。
アルケスティスはちょっと調べてみよう。
ネタバレ
画家のアリシアは、夫を殺す。
アリシアは二度死ぬ
1回目は父親から。
アリシアを隣に乗せて車で突っ込んで自殺した母。
その夜、父親がわめき散らす。
死ぬなら、母でなくアリシアだと。
その時、アリシアは、今父親から殺された、という。
そんな幼少期を過ごしたアリシアは人との距離が適切でなかったが、夫をあいしていた。
夫は、主人公セオの妻と浮気していた。
アリシアはその浮気を知らなかったが、アリシアと同じくひどい父親に育てられた主人公セオは、何も知らないアリシアを救わなくては、とアリシアを観察し、アリシアの家に侵入。
セオはアリシアに夫がひどい人間であることを教えようとして、アリシア夫婦を縛り上げ、浮気の事実を伝える。そして、夫に、夫自身を殺すか、アリシアを殺すか、を尋ねる。
アリシアは、どうせ二人とも殺されるから、と夫を励ますが、夫は、死にたくない、と言った。
それは、アリシアにとって二度目の死だった。
セオはそうとは知らず、夫の答えを聞いて、アリシアが真実に目覚めると思い、アリシアを解放し家を出る。
残されたアリシアに幼い頃のトラウマが蘇り、彼女は夫を殺す。
後にアリシアは、精神病院に収容され、一切口をきかなくなり、そこで冒頭のセオがその精神病院にアリシアを救いにくるところにつながる。
アリシアを救おうとしている、ところがもう病んでいる。
最終的に、セオに気づいたアリシアは、復讐のためセオとのセッションに応じる。
その中で、セオ自身も、アリシアが自分に気付いたと確信し、アリシアにモルヒネを投与して二度と目覚めない状態にする。
しかし、アリシアはモルヒネを投与された直後、日記にセオが犯人であることを記す。
そして、その日記が発見されセオは捕まるのだろうなぁ、というところで物語は終了する。