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Posted by ブクログ
面白かったです!
まさにページターナー。後半はほぼ一気読みでした。
全然スカッとする終わりではないし心理学的な考えを自分の内面と照らし合わせて鬱々となったりもしたんですが、読めて良かったと思います。
他の方も感想に書かれてましたが、こういうのには私も100%ひっかかります(笑)
邦題はサイコセラピストですが、原題をそのまま日本語訳してほしかったと思いました。サイコセラピストというタイトルが悪いというよりは、そのタイトルに引っ張られてしまうので、出来れば著者の意図したところが出ている原題を訳したものが良かったなと。セラピストと患者はこの小説では対になる存在だし。
Posted by ブクログ
ミステリーとしてとても面白い。
心理療法は死と再生の物語であると言ったのは河合隼雄先生だったけれども、この物語は死と再生というよりも罪と罰だろうか。
同業者からすれば物語冒頭から逆転移(よりもむしろ転移)状態にあって、どうもこのセラピストは心理療法家としてのラインを最初から侵していると「嫌な感覚」になったけれども、その直感は間違っていなかった。
訳者の坂本あおい先生が書かれている通り登場人物がそれぞれに罪を犯し、罰が下されている。
しかし、心理療法は例え司法分野であっても、罪と罰について考えさせるのではなく、罪を犯した自己と別離し、自己を再生ヘ促す態度が必要になる。
その点において、この物語の主人公である心理療法家セオは、すべてのはじまりから誤っていた。
そして、その誤りには最後まで気付けなかったのだろう。
重ねて、臨床心理士・公認心裡師、資格や呼び名はどうあれ、訓練を積んだ心理療法家にこの主人公のような人物はいないのでどうか不安に思わないでほしいとも願う限り。
それはそれとして、物語として面白い。
Posted by ブクログ
心理療法士(サイコセラピスト)のセオには気になっている人物がいた。数年前、自分の夫の顔面に銃弾を撃ちこんで殺した画家の女性アリシア。
裁判で有罪となった彼女は施設に収容されているが、本当に彼女が夫を殺したのか、その動機については謎のままだ。彼セオはアリシアに接近し、彼女が何故夫を殺すに至った真相に迫ろうとうする。
セオの独白と事件までアリシアがつけていた日記で物語は進んでいく。あまり詳しく書くとネタバレになるが、最後の展開で、そうか、そうだったかと気づかされる。
ニューヨークタイムズのベストセラーリストに23週ランクインしていた人気作というのもうなづける。
Posted by ブクログ
突然夫を銃で射殺し、その後六年もの間沈黙を保ち続けている画家の妻。彼女の口を開かせたいと使命感を覚えた心理療法士のセオは、彼女となんとか意思疎通を図ろうとするが――。
短い章立てでするすると読んでいくうちに、六年前の事件の真実を追うメインストーリーとともに、主人公の複雑な境遇や沈黙を守る女性の日記が挿入されて、一筋縄ではいかない「不安定さ」が徐々に漂ってきます。何を含んだ、意図した描写なのだろう、という細かなエピソードの積み重ねが、一筋縄ではいかない物語の行先を示唆します。
ミステリとしてまったくの新機軸!というわけではないのですが、そのひとつひとつの細やかな描写の意味がすっと明らかになる鮮やかな一瞬には、これぞという胸のすく感覚がありました。
その一方で、展開上、救われない存在となってしまった人物があまりに憐れなように思えて、若干しんみりとした読後感は残りました。ラストの展開によって、すべてが隠されたままではなくなったけれども、その人はもう戻ってこないのだろうか、と思うと、あまりにも辛い人生ではなかったかと。眼を覚ます、それを匂わす描写が最後にちらっとでもあれば…と思いました。ご都合主義が過ぎるとされるとしても、私はそう感じたのでした。
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