坂本あおいのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スウェーデンの人気作家による小説で映画化もしたらしいが、なかなかに面白かった。
主人公のブリット=マリーは63歳の専業主婦で、夫に裏切られて家を出る決心をし、田舎町ボーリで働き始める。序盤は、結婚以来、外の世界を知らなかったやや頑迷な主人公がいかに周りとズレているかが強調される。でも真面目でキレイ好き、何より働き者で、良くも悪くも真っ正直な彼女。子どもたちのサッカーチームのコーチを務めるなど、ボーリの人々に少しずつ受け入れられていく。
途中、彼女の生い立ちや最愛の姉を事故で亡くしてからのつらい出来事が明らかになる。また、ボーリの人々も貧困や問題のある家族など、みんな様々な事情を抱えて生きて -
Posted by ブクログ
スラムで起こった子供の連続失踪事件の真相を追い求めるべくテレビの探偵の真似事をする9歳の男の子の目線でインドの暗部が描かれています。といっても主人公は常に活発で腕白で、生き生きとした物語。ジャーナリストとして長年インドの貧困層の子供をとりまく教育問題などを取材していたというインド出身の作者による作品です。ミステリーというより9歳の男の子の冒険譚と言った方が良く、謎解きやサスペンスを求める人には物足りないと思いますが、インドのリアルを描く書き物として素晴らしい一作。
本筋とは関係ないが、多数の食べ物の名前が出てくる。画像検索しながら読み進めていったらインド料理屋に駆け込みたくなること間違いなし。 -
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Posted by ブクログ
心理療法士の僕が
夫を殺した女性を救いたくて
その女性がいる施設にスタッフとして入る。
「彼女を救えるのは僕だけ」
僕自身も幼少期の心の傷を癒している。
…とまぁこんな感じで始まる。
読みやすいし引き込まれる。
愛する夫を殺したのは何故?
もしかしたら違う誰かがやったのか?
そういう疑問の答えが知りたくて
先に先に読んでしまう。
終盤の方は「あーなるほどねー」
そうきたか…。
私の予想は半分当たって半分外れ。
スカッとする感じではない。
けど色々考えさせられる。
結局セラピーとか意味ないんかい!
とか思ってみたり笑
本人がそこ(暗闇)から抜け出したい!
って心底から思わない限り無 -
Posted by ブクログ
ネタバレ"もう終わりにしよう。"と考えている〈わたし〉は、ジェイクの運転する車で彼の両親に会いに行っている。
主人公は常に考えている。その思考がずっと流れている。この思考がぐるぐると巡るあたりは結構好き。
永久に辿りつかないと思ったジェイクの家に着いた辺りから不穏な雰囲気が一層色濃くなる。
こんなにも読み手に緊張状態を強いる小説を読み始めたことに後悔した。途中からは早く読み終わりたいと願って一気に読んだ。
どこまで書いていいのか匙加減が難しい。
たくさんの仕掛けのある小説だと思う。
だけども怖すぎたので、もう読みたくない。今のところは。
読み終えて自分でも意外だったのは、涙が -
Posted by ブクログ
あとがきにあった作者が伝えたかったものは、子どもたちの日常描写からよく伝わってきた。宗教上の対立、リンチ、誘拐、貧困など社会の様々な問題が子どもの視点を通して語られる。元気でちょっと生意気な子どもたち自身も、ときに無意識に差別をしてしまっていることも。
最終的にミステリーの謎が解けるのかと思っていたけど、解けないままなのが現実逃避をさせない感じだった。実際に警察が本気で捜査を全うするまで、毎日消える180人の子どもたちの行方はわからないままなんだと思う。
最近は早川書房の海外文学を通して英米以外の国の人々を描いた作品に触れることで、自分が知らなかった世界について知ることができて勉強になってる。 -
Posted by ブクログ
平積みにされていたのでなんとなく手に取りました。
主人公が本当に8歳だか9歳の子供の思考と言動で、作者さんすごいなって思いました。子供特有の、テレビのまねっこやら、自分の周囲の狭い世界の中で容疑者を特定したりとか、大人たちの噂話を何も考えずに口に出しちゃったりとか、移り気で一つの事に集中できないところとか、子供ってそうだよねぇというのを大人が書けるのがすごいな、と読んでいて思いました。その分、きちんとした捜査が出来るはずもないのでお話は遅々として進まないんですけどね(笑)
インドでは毎日約180人の子供が行方不明になる、と帯に書かれてましたが、犯罪に巻き込まれて命を落とす子も多いんだろうなぁ -
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